永代供養を選べば法事はしなくていい?年忌法要との違いと注意点
「永代供養にすれば、法事はしなくていい」
——そう聞いて、本当なのか気になった方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、永代供養は寺院や霊園が遺骨の管理と供養を担ってくれる仕組みのため、遺族が法事を行う義務はありません。
ただし、これは「してはいけない」という意味ではなく、あくまで「しなくていい」というだけです。故人を偲びたいという気持ちがあれば、家族の判断で法事を行うこともできます。
この記事では、永代供養にすると法事をしなくていい理由や、法事・年忌法要との関係、実際に供養の機会があるタイミングについて詳しくご紹介します。
※本記事は、供養を通じて多くのご家族に寄り添ってきた「霊園・墓石のヤシロ」が執筆しています。
なお、記事内にはヤシロの納骨堂サービスへのご案内を含む場合があります。(2026年9月20日更新)
永代供養を選ぶと、法事は本当にしなくていいの?
◇永代供養を選べば、法事はしなくていいというのが基本的な考え方です。
では、どうして永代供養を選ぶことで、法事をしなくてもいいのか、仕組みから分かりやすく解説します。
基本的な仕組みと、寺院・霊園が担う役割
◇永代供養は「管理も供養も、寺院・霊園に任せられる」仕組みです。
永代供養とは、遺骨の管理と供養を、寺院や霊園に一任できる供養の方法です。
従来のお墓のように遺族が掃除や法要の手配を続ける必要がなく、契約した寺院や霊園が責任を持って供養を行います。
「永代」という言葉から、未来永劫続くイメージを持たれがちですが、実際には「その寺院・霊園が存続する限り」という意味合いであり、無期限に個別で管理されるわけではない点には注意が必要です。
●永代供養で一般的に任せられること
・遺骨の管理・保管
・日常的な供養(読経など)
・お彼岸・お盆などの合同供養
墓地の管理や埋葬に関するルールは、厚生労働省が示す指針や法律の枠組みのもとで各自治体・寺院が運用しています。契約前には、どこまでを寺院・霊園が担ってくれるのか、書面で確認しておくと安心です。
[参照]
・厚生労働省「墓地経営・管理の指針等について」
法事をしなくていい理由、法要の手順が不要になるケース
◇一般的なお墓と違い、法要の「主催者」が遺族でなくなります。
一般的なお墓の場合、四十九日や一周忌といった法要は、日程を決め、僧侶を手配し、参列者に連絡するところまで、すべて遺族が主催者として動く必要があります。
●永代供養では、この主催者の役割そのものを寺院・霊園が担います。
遺族が改めて法要を営まなくても、故人の供養自体は継続して行われます。これが「法事をしなくていい」と言われる最大の理由です。
特に、お墓の後継者がいない場合や、遠方に住んでいて定期的な法要が難しい場合には、この仕組みが大きな安心材料になるでしょう。
「法事を全くしなくていい」とは限らない?遺族に残る役割
◇「しなくていい」=「できない」でも「してはいけない」でもありません。
ここまでの内容だけを見ると、遺族は何もしなくていいように思えますが、実際には「してはいけない」わけではなく、あくまで「しなくても構わない」というのが正確な位置づけです。
●故人を偲びたいという気持ちから、追善供養として法事を行う遺族も少なくありません。
また、永代供養であっても、契約内容の確認や、寺院・霊園への連絡窓口としての役割は遺族に残ります。
合祀のタイミング(三十三回忌など、個別安置から合同供養に切り替わる節目)についても、事前に把握しておきたいポイントです。
[スタッフのマメ知識]
「永代供養」という言葉自体には、実は法律上の明確な定義がありません。寺院や霊園ごとに、供養の内容や期間の解釈が異なることがあるため、同じ「永代供養」という表記でも、契約前に内容をよく確認しておくことが大切です。
[参照]
・厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」
年忌法要とは?一般的な法事・法要の流れとタイミングを解説
永代供養にした場合、年忌法要などの法事はしなくていいのか、一般的な法事・法要の種類と流れから確認しておきましょう。
四十九日・一周忌・三回忌…年忌法要の種類と数え方
◇年忌法要には、四十九日から始まる一連の流れがあります。
年忌法要とは、故人の命日に合わせて行う法要のことです。
亡くなってから四十九日目に行う「四十九日法要」を経て、一周忌(満1年)、三回忌(満2年)、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌…と、決まった年数ごとに営まれます。
回忌の数え方は「亡くなった年を1回目」として数えるため、三回忌は満2年目、七回忌は満6年目にあたる点に注意が必要です。
●特に重視される年忌法要
・一周忌…故人が亡くなってから初めての祥月命日
・三回忌…満2年目、親族を招いて営まれることが多い
・七回忌以降…徐々に小規模化していく傾向がある
一般的に、遺族が個別に年忌法要を営むのは三回忌までとし、それ以降は寺院・霊園に任せるという方が多く見られます。永代供養の場合、どの回忌まで対応してもらえるかは契約時にあらかじめ確認しておくと安心です。
彼岸・命日・初盆など、しなくていいが大切にされる日
◇年忌法要のほかにも、供養のタイミングは複数あります。
法要以外にも、故人を偲ぶ機会として大切にされている日があります。代表的なのが、春と秋の彼岸、月命日、そして初盆(新盆)です。
●彼岸
春分・秋分の日を中日とした前後3日間(合計7日間の期間)
令和8年(2026年)の秋彼岸は9月20日~26日
●月命日
祥月命日(亡くなった同月同日)を除く、毎月訪れる命日(年間で11回あります)
●初盆
故人が亡くなって初めて迎えるお盆(通常のお盆よりも丁寧に供養する風習があります)
永代供養の場合、これらのタイミングで寺院・霊園が合同供養を行ってくれることが一般的ですが、初盆については対応の有無が寺院・霊園によって分かれるため、事前の確認が欠かせません。
[2026年秋のお彼岸はいつ?]
・秋のお彼岸2026年(令和8年)はいつ?彼岸入り~日程や過ごし方
お布施の相場と、準備しておきたいもの
◇追善供養としてお願いする場合は、お布施の準備が必要です。
寺院に任せている定例の供養とは別に、遺族が個別に法要をお願いする場合には、お布施の準備が必要になります。
●お布施の相場
地域や寺院との関係性によって幅がありますが、一般的には3万円から5万円程度が目安とされています。
僧侶に自宅や霊園まで足を運んでもらう際は、これとは別に「お車代」として5千円程度、会食を辞退される場合は「御膳料」として5千円から1万円程度を包むのが一般的です。
●法要前に準備しておきたいもの
・お布施(表書き・渡し方にも作法がある)
・お供え物・お花
・会食の手配(行う場合)
金額に迷った際は、無理に相場だけで判断せず、寺院に率直に相談してみるのも一つの方法です。
[スタッフのマメ知識]
年忌法要の数え方は、実は仏教の考え方に基づいています。「回忌」の「回」は、故人が亡くなった同じ日が再び巡ってくることを意味しており、一周忌だけ「周」という字が使われているのも、満1年という「一巡り」を表しているためです。
[お布施の相場・包み方について詳しく]
・【図解】お布施マナーとは?封筒や書き方、金額は?お札の入れ方・渡し方もイラスト解説
・2026年の彼岸でお布施は必要? 金額相場・宗派ごとの違い・渡し方を解説
永代供養で法事の負担が軽くなる理由
永代供養を選ぶことで法事をしなくていい理由を、遺骨の管理・供養の面から詳しく見ていきましょう。
遺骨の管理・供養を寺院や霊園に任せられるので、しなくていい
◇永代供養を選べば、遺骨の管理をまるごと任せられます。
永代供養の最大の特徴は、遺骨の管理そのものを寺院や霊園に任せられる点にあります。
●一般的なお墓の場合、遺族が継続的に関わる必要があります。
・墓石の掃除や草むしり
・年間管理費の支払い
永代供養ではこうした管理業務がすべて寺院・霊園側の役割になります。
実際に永代供養を選んだ方からは、「毎月の合同供養法要があり、お布施や管理料の追加費用がかからないので安心できた」という声もよく聞かれます。
個別に法事を手配する手間や費用がかからず、それでいて供養が継続されるというのが、永代供養が選ばれる大きな理由です。墓じまいをしてから遺骨の行き先に悩んでいる方も、永代供養であれば新たな管理の負担を背負わずに済みます。
[墓じまい後の遺骨について詳しく]
・墓じまい後の遺骨はどこへどうなる?費用はいくら掛かる?いらない遺骨の処分はできる?
墓と違い、樹木葬ではしなくていい?種類ごとの違い
◇永代供養にもいくつかの種類があります。
永代供養と一口にいっても、その形はさまざまです。代表的なものとして、桜などの木の下に埋葬する樹木葬、骨壺のまま個別に安置する個別墓、複数の方の遺骨をまとめて埋葬する合祀墓などがあります。
●永代供養の主な種類
・樹木葬…自然に還る埋葬方法として人気
・個別墓…一般墓に近い形で、一定期間は個別に安置
・合祀墓…他の遺骨とともに埋葬され、費用を抑えやすい
「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、いずれの形式も許可を受けた墓地・霊園でのみ行うことができます。種類によって、法事や供養への対応範囲が異なることもあるため、契約前にどこまで対応してもらえるか確認しておくと安心です。
[永代供養の種類について詳しく]
・お金がない時の、最も安い永代供養はどれ?安い永代供養の注意点や選び方、対策も解説!
全国的に永代供養を選ぶ、しなくていい人が増えている背景
◇少子化・核家族化を背景に、全国で選ばれる供養の形になっています。
永代供養が選ばれる背景には、少子化や核家族化により、以下のような事情があります。
●永代供養が選ばれる背景
・お墓を継ぐ人がいない
・継ぐこと自体が難しい
子や孫に法事や管理の負担をかけたくないという思いから、永代供養を選ぶ方は全国的に増加傾向にあります。
家族みんなで話し合った結果、永代供養にすることで「法事をしなくていい」という安心感だけでなく、「お墓の心配事そのものがなくなった」という感想を持たれる方も少なくありません。
[2026年最新のお墓事情]
・【2026年最新動向】これからのお墓のあり方が変わっていく?今後のお墓事情6つの傾向
永代供養を決める際に知っておきたい費用と注意点
永代供養を決める前に、費用と手続きについて知っておきたい注意点をまとめました。
永代供養の費用相場と内訳
◇永代供養の費用は、5万円〜150万円と幅が広いです。
永代供養の費用は、選ぶ形式によって大きく異なります。
●形式別の費用相場
・合祀墓(他の方の遺骨とともに埋葬)…5万円〜30万円程度
・集合安置型(個別スペースに納骨)…10万円〜30万円程度
・個別墓(個別の墓石を建てる)…100万円以上かかることも
●永代供養の費用に含まれることが多いもの
・永代供養料(供養・管理の基本料金)
・納骨料
・墓誌などへの彫刻料
多くの永代供養では、これらの費用がまとめて初期費用に含まれているため、契約後に年間管理費やお布施を都度支払う必要がない点も特徴です。
ただし、含まれる範囲は寺院・霊園によって差があるため、見積もりの内訳は事前にしっかり確認しておきましょう。
[永代供養の費用相場]
・永代供養の相場はどれくらい?墓じまい~永代供養の手順ごとに掛かる費用の相場を解説!
納骨・改葬の手続きで必要な手順と書類
◇改葬には「改葬許可証」の取得が必須です。
すでにお墓があり、そこから永代供養墓へ遺骨を移す場合は、「改葬」の手続きが必要です。
●改葬の主な流れ
①「受入証明書(永代供養許可証)」を発行してもらう(移転先の永代供養墓)
②「改葬許可申請書」を提出する(現在お墓がある市区町村役場)
③「改葬許可証」の交付を受ける(これで遺骨を移すことが可能になる)
申請書の様式や必要書類は自治体ごとに異なるため、まずはお住まいの市区町村の窓口で事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
書類の準備には時間がかかることもあるため、法事の予定などから逆算して、余裕を持って進めることをおすすめします。
[大阪での改葬手続きについて詳しく]
・大阪での改葬:新しい納骨先の選び方と手続きガイド
家族・親族との話し合いで決めておきたいこと
◇費用や手続き以上に、家族の合意形成が重要です。
永代供養や墓じまいを進めるうえで、実務的な手続きよりも時間がかかりやすいのが、家族・親族との話し合いです。
「相談なく進めてしまった」「費用の負担割合で意見が食い違った」といった理由から、親族間でトラブルに発展するケースも見られます。
●話し合いで決めておきたいポイント
・永代供養にする理由
・今後の供養の方針
・費用をどう分担するか
・これまでお墓参りをしてきた親族への事前の相談
特に、遠方に住む親族やお墓に強い思い入れのある方がいる場合は、決定してから伝えるのではなく、検討段階から声をかけておくことで、後々の関係悪化を防ぎやすくなります。
[スタッフのマメ知識]
改葬許可申請の際、すでに何年も前に埋葬された方について「死亡年月日が分からない」というご相談を受けることがあります。
その場合は、墓地の管理者に確認したり、菩提寺の過去帳を調べてもらったりすることで判明するケースが多いです。
[墓じまいで起きやすい家族トラブルと対策]
・墓じまいで親族トラブルは起きやすい?起きる割合や理由、穏やかに墓じまいを進める対策
永代供養と法事に関するよくある質問
永代供養にすると法事はしなくていいのか、よくいただくご質問にお答えします。
永代供養にすると年忌法要は一切しなくていい?
◇結論、一切しなくていいですが、したい場合は自由にできます。
永代供養にすれば、年忌法要は必ずしも行わなくていいというのが結論です。
●一周忌や三回忌といった年忌法要は、寺院や霊園が合同供養というかたちで担ってくれるため、遺族が改めて法事を主催する義務はありません。
ただし、「しなくていい」というのは「してはいけない」という意味ではなく、故人を偲びたい気持ちがあれば、家族の判断で年忌法要を行うことも自由です。
実際には、三回忌までは遺族側で法事を行い、それ以降は永代供養先に任せる、という形を選ぶ方も少なくありません。どこまで対応してもらえるかは寺院・霊園ごとに異なるため、契約時に確認しておくと安心です。
[そもそも法要とは?弔い上げはいつ?]
・「法要」とは?法事との違いは?法要の種類には何がある?年忌法要の年数と弔い上げは?
法事の服装やマナーで気をつけることは?
◇合同供養は平服可、個別の法事は喪服が基本です。
①永代供養先が主催する合同供養(お彼岸やお盆の合同法要など)
平服で参列できるとされていることが多いです。案内状に服装の指定があればそれに従えば問題ありません。
②遺族が個別にお願いする法事(四十九日や一周忌など)
これまで通り喪服を着用するのが一般的です。
「永代供養だから服装も簡略化してよい」というわけではなく、誰が主催する場かによって服装のマナーは変わってきます。迷ったときは、寺院や霊園、あるいは施主に確認しておくと安心です。
[法要での服装マナー]
・初盆法要に参列時の服装マナーとは?喪服・平服の違いは?夏の喪服や、自宅への弔問は?
・夏の法要の服装マナー|暑い時期の選び方や素材、注意点と便利な工夫
・弔事での「平服」は普段着ではない?「平服でお越しください」と指定されたらどうする?
サポートしてくれる霊園・寺院はどう選ぶ?
◇永代供養先を選ぶ際は「対応範囲」の確認が重要です。
永代供養を検討する際は、費用だけでなく、法事や供養にどこまで対応してくれるかも選ぶ基準になります。
霊園には、公営霊園・民間霊園・寺院墓地といった種類があり、それぞれ運営主体や管理体制、サポート内容が異なります。
●永代供養先を選ぶ際に確認したいこと
・年忌法要や合同供養の頻度・内容
・お彼岸・お盆など季節ごとの対応の有無
・法事を個別に依頼したい場合の相談のしやすさ
サポート体制は霊園・寺院によって差があるため、資料やホームページの情報だけでなく、実際に見学や相談をして確認するのがおすすめです。
[スタッフのマメ知識]
法事の服装で迷われる方から「平服でと言われたけれど、普段着で行っていいんですか?」というご質問をよくいただきます。
「平服」はあくまで略喪服のことで、普段着とは別物なので、案内に「平服で」とあっても、ある程度あらたまった服装を選ぶのが安心です。
[そもそも霊園について詳しく]
・霊園とはなに?墓地とは違う?民間霊園・寺院墓地・公営墓地のメリット・デメリットとは
まとめ|永代供養を選んでも、法事に代わる「向き合い方」は残る
◇「しなくていい」は「もう関われなくなる」ではありません。
永代供養を選べば、遺族が年忌法要を主催する義務はなく、法事は基本的にしなくていいというのが、この記事を通しての結論です。
遺骨の管理や日々の供養は寺院や霊園が担ってくれるため、後継者がいない方や、遠方に住んでいて定期的な法事が難しい方にとって、大きな安心材料になります。
●「しなくていい」はあくまで義務からの解放であり、故人と向き合う機会そのものがなくなるわけではありません。
お彼岸や月命日、初盆など、供養のタイミングは永代供養にしても変わらず巡ってきますし、追善供養として法事を行いたいと思えば、家族の判断でいつでも行うことができます。
費用や手続き、家族・親族との話し合いなど、決める前に整理しておきたいことは多くありますが、まずは「どこまでを寺院・霊園に任せ、どこからを自分たちで向き合いたいか」を家族で話し合ってみることが、後悔のない永代供養選びの第一歩になります。
[樹木葬見学の体験談]
・【樹木葬の体験談】娘の提案で樹木葬を3件見学して分かった、墓地見学のポイントとは
【執筆・監修:永代供養ナビ編集長】
株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長 藤橋 靖雄
1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍中。
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