
【2023年春のお彼岸】お彼岸に必要なお布施とは?宗派で違う金額相場や渡し方とは?

2023年、春のお彼岸を迎えるにあたり、「お彼岸にはお布施をお渡ししますか?」「お彼岸で渡すお布施の金額相場は?」などの質問は多いです。
2023年3月18日(土)~3月24日(金)の春のお彼岸を迎えるにあたり、お布施などの相場は予め把握しておきたいですよね。
・そもそも「お布施」とは?
・そもそも「お彼岸」とは?
・お彼岸のご挨拶は必要?
・お彼岸でお布施は必要?
・お彼岸で渡すお布施の相場は?
・お彼岸でのお布施の渡し方は?
今回はお彼岸でお布施をお渡しするシーンや、お彼岸のお墓参りでご挨拶が必要なケース、お彼岸にお布施をお渡しする金額相場を、宗派やシーンに分けてご案内します。

そもそも「お布施」とは?

●「お布施」とは、現代の解釈では僧侶へ包むお礼のお金です
現代においてお布施は主に、読経供養や戒名を付けていただいた時などに、「料金を支払う」のではなく、「お布施を包み」お礼を示すものです。
●現代では僧侶へのお礼
①読経供養
②戒名
③墓地やお墓の管理や供養
(寺院を経済的に支える檀家として)
現代では主にお通夜や葬儀、法要などで行う読経供養に対してのお礼、戒名の名づけに対するお礼でしょう。
この他、寺院墓地にお墓が建つ家では、管理運営をする寺院の「檀家」になりますので、墓地やお墓の管理や供養に対してのお礼として、毎年お布施を支払います。
・大阪でお墓を建てたら「檀家になる」ってどういうこと?菩提寺・檀那寺との関係性とは?
①読経供養
②戒名
●戒名を付けていただいた時のお礼として、お布施を納めます
戒名には「ランク」があり、ランクによって価格幅が広いです。
本来は僧侶でなくても戒名を付けることができるため、近年ではインターネットで約3万円~5万円/1柱ほどのお布施で、戒名を付けてくれるようになりました。
・約3万円~100万円以上とお布施相場の幅が広い
ただ菩提寺があり、遺骨を菩提寺のお墓に納骨する場合は、菩提寺のご住職に戒名を付けてもらうのがマナーで、この場合は約20万円~100万円以上になることもあります。
・大阪の法要でお布施を渡す金額はどれくらい包む?読経の費用や、位で違う戒名料を解説!
③墓地やお墓の管理や供養
●寺院墓地にお墓がある場合、毎年お布施をお渡しします
民間霊園の年間管理料に代わる費用が、寺院墓地で毎年納めるお布施です。
寺院墓地にお墓を建てる家は、代々その寺院を経済的に支える檀家として、毎年お布施を納めたり、寺院の改修時には檀家で資金を出し合ったりします。
・年間約1万円~5万円ほどが相場
そのため毎年のお布施を納めなかった場合、民間霊園と同じくお墓は無縁墓と判断され、撤去される可能性もあるでしょう。
「お布施」本来の意味とは?
●本来は仏道の修行「六波羅蜜(ろくはらみつ)」のひとつであり、他人へ自身の財を無償で施す意味合いがあります
現実的にはお彼岸の読経供養でお布施をお渡しする場合、これが飲食店などの店舗であれば、「料金」「支払う」ことになりますが、得行としてお渡しするので、これらの言葉は使いません。
●本来は仏道における得行、無償で施す「財施(ざいせ)」
・僧侶への支払い(報酬)ではない
・お布施は「包む」「納める」もの
●言葉の扱い方
・[NG]読経料(戒名料)→[OK]お布施
・[NG]支払う→[OK]包む、お渡しする
例えば僧侶にお彼岸で行う読経供養での、お布施の金額相場を聞くとします。
一般的な店舗とは、言葉の扱い方が下記のように変わるので注意をしてください。
「お布施を納めたいのですが、皆さまどれくらい包まれているのでしょうか?」
できれば親族や葬儀社など、周囲の人々へ聞ければ良いのですが、難しければ言葉の扱い方に配慮しながら、僧侶へ直接確認しても良いでしょう。
・大阪の法要でお布施を渡す時、施主が押さえるマナーとは。御香典とは違う渡し方を解説!
そもそも「お彼岸」とは?

●「お彼岸(おひがん)」とは、春分の日・秋分の日を中日として、前後3日間を加えた7日間です
・あの世の「彼岸(ひがん)」と、この世の「此岸(しがん)」が繋がる日
立秋や立冬などの二十四節気の他に、日本の季節を感じるための節目「雑節(ざっせつ)」のひとつですが、お彼岸は「至彼岸(とうひがん)」と言われるように、あの世である「彼岸(ひがん)」と繋がる日とされ、お墓参りの風習があります。
●2023年、春のお彼岸は3月18日(土)~3月24日(金)です。
<行うこと>
・お墓参りをする
・お仏壇へ供養をする
<行事食>
・ぼた餅・おはぎ
・彼岸団子
・彼岸蕎麦(彼岸うどん)
・小豆粥
・季節を感じる精進料理
お彼岸にお布施の有無を相談する人が多い理由は、日本ではお彼岸にお墓参りに行くため、供養行事のひとつと捉えるためでしょう。
・2023年春彼岸は3月18日(土)~3月24日(金)!いつお墓参りに行く?やる事は?
お彼岸でお布施は必要?
①僧侶を呼んで法要
●僧侶をお呼びして読経供養を依頼するならば、お布施は必ず必要です
(お布施・御車代など)
「御車代(おくるまだい)」とは、僧侶を自宅に招くにあたり、遠方からお越しいただいた交通費です。
・お彼岸でお布施を包む相場…約3万円~5万円
・御車代(おくるまだい)…約5千円~1万円
ただし本来のお布施は仏道への修行、徳行のひとつと捉え、法要当日にはお布施をいただかない僧侶もいらっしゃいます。
この場合には、後日寺院へ伺い、改めてご挨拶をしながらお布施をお渡ししてください。
②彼岸会
●「彼岸会(ひがんえ)」とは、春と秋のお彼岸に行われる仏教の法会です
寺院が行う彼岸会やお施餓鬼(おせがき)に参加する人もいるでしょう。
彼岸会のお布施で包む相場は寺院では明示していないのですが、ご自身の判断で包みます。
・彼岸会にお布施を包む相場…約3千円~2万円
不安があれば、親戚や地域の人々に相談すると安心です。
③合同供養
●「合同供養(ごうどうくよう)」とは、合祀墓などに埋葬された人々を供養することです
墓じまいを済ませたなど、合祀墓や自然葬で故人の遺骨を埋葬した場合、お彼岸の合同供養を行う霊園や施設も多くあります。
・合同供養にお布施を包む相場…約3千円~1万円
このような合同供養に参列する時、お布施の明言はない施設が多いものの、お礼として約3千円~1万円をお渡しすると丁寧です。
一般的には約5千円ほどの相場で、お布施を包む人が多いでしょう。
④ご住職へご挨拶
●菩提寺との関係性が深い家では、お彼岸のお墓参り前にご挨拶へ立ち寄る家もあります
・ご挨拶でお布施を包む相場…任意で約3千円~5千円
ただし菩提寺との関係性は家によって千差万別です。
昔は地域密着型の寺院がほとんどで、お彼岸のお墓参りでは、まず御本堂へ立ち寄りご本尊へご挨拶をして、ご住職へのご挨拶も行う家が多くありました。
・関係性が深い菩提寺…お墓参りの前に御本堂へ
・関係性が浅い菩提寺…直接お墓参りをしてOK
現代では民間霊園に倣い、檀家制度を撤廃する寺院も増え、昔ほど檀家と菩提寺の関係性が深くない寺院墓地が多いでしょう。
この場合は、お墓参りの前後でご住職へご挨拶を行う家も、ほとんどありません。
⑤ご住職へご相談
●お彼岸のタイミングで、ご相談に伺う場合にお布施を包むことがあります
・ご相談でお布施を包む相場…任意で約3千円~5千円
この他、仏教行事全般に対する質問や、暮らし事に関する相談などもありますよね。
この場合にも、お線香や供物、もしくはお線香代や供物代を目安とし、お供物をお渡しすることもあります。
御本堂へ立ち寄る時の服装は?
●黒やグレー、地味な色目のお出掛け着「平服」を意識して整えると安心です
ただし、御本堂へ立ち寄らないならば、身内で行くことが多いためカジュアルな服装、歩きやすい靴でお墓参りへ行く人が多いでしょう。
・【2023年春のお彼岸】お墓参りにマナーはある?お参りの手順や持ち物、タブーを解説
宗派でお布施の相場は変わる?

●お彼岸で法要を行うシーンでは、宗派による相場があります
同じ宗派でも家や地域によって、お彼岸で包むお布施の相場に違いがあるほどなので、最終的には自分の判断で良いのですが、宗派により相場の違いはあるでしょう。
①浄土真宗
・墓前での読経供養…約3千円~5千円
・自宅での読経供養…約3万円~5万円
・彼岸会や合同供養…約3千円~1万円
②真言宗
・読経供養…約1万円~3万円
・彼岸会や合同法要…約5千円~1万円
③曹洞宗
・読経供養…約3千円~1万円
全国的にお彼岸にお布施を包む金額相場ですが、傾向として曹洞宗はお布施の金額相場が少なくなります。
・仏教の「宗派」とは?日本に仏教宗派はいくつあるの?一覧や特徴は?|永代供養コラム
お彼岸のお布施マナー

●包み方…厚手の白封筒に、表書きを「御布施」として包みます
・黄色×白の水引き
・双銀の水引き
お布施は御香典とは違いますので、白黒の水引などは付けずに厚手の白封筒で包みます。
これはお彼岸のお布施に限らず、お通夜や葬儀の席でも同じです。
地域によって黄色×白や双銀の水引きを付けることもありますが、迷ったならば厚手の白封筒で良いでしょう。
●包み方
・封筒は厚手の白封筒
・お札の入れ方…開けた時、お札のお顔が見える
●表書き
・黒墨で書く
・「お布施」や「御布施」
●封筒の裏側
・左下に住所と氏名
・郵便番号まで書く
基本的には御香典とは反対、祝儀を包む作法で包みます。
封筒は市販のもので構いませんが、二重封筒は避けてください。
また、お札の柄が外映りしないよう、厚手の一枚封筒を選びます。
お彼岸でお布施を渡すタイミング
●お彼岸にお布施は、ご挨拶のタイミングでお渡しします
合同供養や彼岸会では受付時にお渡ししたり、会場に設置されている「お布施箱」などに収める法会が多いです。
・最初のご挨拶のタイミング
・彼岸会や合同供養…受付、もしくはお布施箱など
特に決まり事はありませんが、お布施をお渡しする時には、
「本日はよろしくお願いいたします。」
「本日は故人のためにお供養いただき、ありがとうございます。」
など、シーンに合わせて一言添えると良いでしょう。
お彼岸での、お布施の渡し方
●袱紗(ふくさ)を切手盆代わりに扱うようにします
「袱紗(ふくさ)」とは、御香典やお布施を持ち歩く際に包む小さな風呂敷や、入れ物です。
葬儀や通夜、年忌法要などでは切手盆を用いてお布施をお渡ししますが、お彼岸でお布施を渡す時には、わざわざ切手盆を持ち歩くこともありません。
袱紗の上にお彼岸のお布施を乗せて、切手盆代わりにお渡しします。
・袱紗を切手盆代わりにする
・表書きがご住職に読める方向で差し出す
・両手でお布施の袋を持つ
・机をまたかず、遮るもののない場所で渡す
・お辞儀をする
基本的にお彼岸のお布施や御香典は、裸で持ち歩くことは避け、専用の袱紗に包んで持参してください。
袱紗は祝儀用ではなく、黒や深緑、紫などの地味な色目のタイプを選びます。
奉書紙に包む必要はある?
最後に
以上、お彼岸にお布施を包むシーンや金額相場、マナーについて解説しました。
ただ最近は宗旨宗派を問わず檀家制度のない民間霊園にお墓もありますよね。
この場合には、①僧侶を呼んで法要を営む、②彼岸会に参加する、③合同供養に参列する、の3つのケースがほとんどでしょう。
また合同供養についても「お布施は任意」とする霊園が多いです。
・【2023年春のお彼岸】お墓参りにマナーはある?お参りの手順や持ち物、タブーを解説
まとめ
お彼岸にお布施を包むシーンや相場とは?
●お布施とは?
・現代では僧侶へのお礼
①読経供養
②戒名
③墓地やお墓の管理や供養
(寺院を経済的に支える檀家として)
●本来の「お布施」の意味は?
・無償で施す「財施(ざいせ)」
・僧侶への支払い(報酬)ではない
・お布施は「包む」「納める」もの
●お彼岸でお布施が必要なシーンとは
①僧侶を呼んで法要
・初彼岸
②彼岸会
③合同供養
④ご住職へご挨拶
⑤ご住職へご相談
●お彼岸のお布施、包み方
・封筒は厚手の白封筒
・お札の入れ方…開けた時、お札のお顔が見える
・黒墨で書く
・「お布施」や「御布施」
・左下に住所と氏名
・郵便番号まで書く
●お彼岸でのお布施の渡し方
・袱紗を切手盆代わりにする
・表書きがご住職に読める方向で差し出す
・両手でお布施の袋を持つ
・机をまたかず、遮るもののない場所で渡す
・お辞儀をする

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