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大阪でお彼岸の御仏前供養「六波羅蜜」とは?お墓参りに行かない先祖供養・供物はなに?

大阪でお彼岸の御仏前供養「六波羅蜜」とは?お墓参りに行かない先祖供養・供物はなに?

・「六波羅蜜」とは?
・「六波羅蜜」の内容は?
・六波羅蜜と八正道の違いは?
・お彼岸の7日間で行う「六波羅蜜」とは?

 
六波羅蜜」とは、在家信者が行っていた、生かされたままに仏様の境地に達するための6つの修行を差します。
 
春と秋のお彼岸では、春分の日・秋分の日前後の6日間、一日一日、お線香をあげるなど、小さなお供養を続けることで、六波羅蜜の修行を行いました。
 
本記事を読むことで、六波羅蜜とはなにか?内容や日々の小さな行為による、覚え方・使い方が分かります。
 

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「六波羅蜜」とは

「六波羅蜜」とは

◇「六波羅蜜」とは、生きながら仏様の境地に達するための6つの修行です
 
六波羅蜜(ろくはらみつ)とは、大乗仏教の教えにより、仏道修行者である「菩薩(ぼさつ)」が実践した修行ともされます。
 
日々生きるなかで意識すべき6つの善い行い「善行」と捉えると、難しくもなく、実践もしやすいでしょう。
反対の様子を見ると、分かりやすいです。
 

<六波羅蜜とは>
[六波羅蜜] [内容] [反対]
・布施(ふせ) ・施し ・けち
・持戒(じかい) ・戒律を守る ・破る
・忍辱(にんにく) ・忍耐 ・短期
・精進(しょうじん) ・努力 ・怠惰
・禅定(ぜんじょう) ・平静を保つ、内省 ・落ち着きがない
・智慧(ちえ) ・道理を見極める ・愚痴

 
「波羅蜜(はらみつ)」はこの6つの修行を完成したことを差します。
 
六度」「六度万行」とも呼ばれるこの六波羅蜜とは、日々のなかで善い種まきとも呼ばれ、現代も意識する人々は多いです。

 

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六波羅蜜と八正道の違いとは?

◇「八正道」とは、涅槃に至るための8つの道筋です
 
「涅槃(ねはん)」とは、煩悩から離脱(げだつ)した境地を差し、サンスクリット語で「ニルヴァーナ」と言います。
 

<六波羅蜜とは:八正道との違い>
[八正道] [内容]
・正見(しょうけん) ・施し
・正思(しょうし) ・戒律を守る
・正語(しょうご) ・忍耐
・正業(しょうごう) ・努力
・正命(しょうみょう) ・平静を保つ、内省
・正精進(しょうしょうじん) ・修養
・正念(しょうねん) ・道理を見極める

 
お釈迦様や聖者が入滅された(亡くなった)ことを「涅槃」と言い、お釈迦様の命日旧暦2月15日には「涅槃会」が行われてきました。
 
六波羅蜜にあって八正道にないものは、布施と忍辱です。
この2つの六波羅蜜が、「他者救済」の特徴を持つ大乗仏教の教えを良く表しているのではないでしょうか。
 

お彼岸に行う「六波羅蜜」とは?

お彼岸に行う「六波羅蜜」とは?

◇お彼岸には六波羅蜜を一日一行を意識しながら、仏壇供養を行います
 
春と秋、年に二度訪れるお彼岸は、一般的に供養行事とされていますが、仏道では仏様が住まう極楽浄土と最も近くなる日として、修行期間でもあります。
 
ただし修行と言っても、日々のお勤めのなか、改めてひとつひとつを丁寧に意識し、己を顧みる作業です。
 

<お彼岸7日間の六波羅蜜とは>
[何の日] [2024年秋彼岸] [六波羅蜜] [やること]
彼岸入り ・9月19日(木) ・布施 ・供物
・2日目 ・9月20日(金) ・持戒  ・お線香
・3日目 ・9月21日(土) ・忍辱 ・供花
秋分の日 ・9月22日(日) ・先祖供養 ・お墓参り
・5日目 ・9月23日(月) ・精進 ・塗香
・6日目 ・9月24日(火) ・禅定 ・仏飯
彼岸明け ・9月25日(水) ・智慧 ・ロウソク

 
秋分の日となる中日は「先祖供養の日」です。
六波羅蜜は秋分の日の前後3日間、合計6日間で行います。
 
「先祖代々墓がない」との相談もありますが、お墓がなくても問題はありません
「今、ここに在る」平穏に感謝をして、先人への感謝の合掌をしましょう。

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六波羅蜜(1)布施

◇2024年9月19日(木)の彼岸入りは、「布施」です
 
現代では「布施」と言うとお金を包み僧侶へお渡しすることをイメージしますが、これは布施のなかの「財施(ざいせ)」に当たります。
 
布施(ふせ)とは、人や物事に奉仕する意味合いで、財施の他にも2つの布施行があるのです。
 

<六波羅蜜とは:布施>
[布施の種類] [内容]
・財施(ざいせ) …金銭や物を施す
・法施(ほうせ) …お経を唱える、説法をする
・無畏施(むいせ) …人々の不安を取り除く

 
彼岸入りはお経を唱えたり、人々の相談に乗る、何かお話をするなどでも良いのですが、仏前供養では供物を供えながら布施行を意識します。
 

<彼岸入りの六波羅蜜とは:布施>
・供物を供える

 
お仏壇に向かいお水やお茶を取り替えましょう。
 

六波羅蜜(2)持戒

◇2024年9月20日(金)の2日目は、「持戒」です
 
持戒では、常に己を戒めてルール(戒律)を守り、でき得る限り人々へ迷惑を掛けぬように心がける修行を差します。
 

<2日目の六波羅蜜とは:持戒>
お線香を供える

 
お線香の煙を見ながら、自分の日々の暮らしを顧みて戒める修行です。
またお線香の煙は場を清浄にして邪気を祓うとされるので、己の邪気を祓うともされます。
 

六波羅蜜(3)忍辱

◇2024年9月21日(土)の3日目は、「忍辱」です
 
初期仏教では、この世に生きる者は常に何らかの負荷が掛かるとされ、これを受け入れることで悟りとなる、心が穏やかになるとも言われてきました。
 
この世に生きれいれば、災害や迫害などの他、日常生活でも困難や思い通りに行かない事柄、苦しみや不安もあるでしょう。
これをじっと耐え抜く精神が「忍辱(にんにく)」です。
 

<3日目の六波羅蜜とは:忍辱>
を供える

 
お釈迦様が鎮座される「蓮華座」は蓮の花です。
厳しい自然のなかで耐え忍びながらも心を動かすことはありません
外へ美しい花を咲かせる花は、仏道で花は修行に欠かすことができません。
 
儚い命のなかで注目されずとも、出会う人々を称えて心をほぐす、慈悲の象徴です。
 

先祖供養の日

◇2024年9月22日(日)は春分の日、先祖供養の日です
 
春は春分の日、秋は秋分の日に当たるお彼岸の中日は、一日修行を休んで、先祖供養を行います。
 

<お彼岸の中日は先祖供養>
・お墓参りへ行く
・お仏壇へ供養する
・ご先祖様に感謝する

 
ただ忙しい現代、さらに新型コロナで日々状況が移り変わる状況のなか、お墓参りに拘る必要はありません
 
故人の魂は肉体から解放され、同時にどの空間にも存在できる、などの言い伝えもあります。
家で手を合わせ、故人を想い語り掛けることで、充分に供養はできるでしょう。
 

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六波羅蜜(4)精進

◇2024年9月23日(月)の5日目は、「精進」です
自分が置かれた場所で咲く」との言葉が精進に近いでしょう。 

また、2024年は秋分の日が日曜日なので、翌月曜日の9月23日は振替休日でもあります。
さまざまな境遇のなか、与えられた役目を精一杯に果たす、不平不満を言わずに、与えられた役目をたゆまずに行い続けることが精進です。
 

<5日目の六波羅蜜とは:精進>
塗香(ずこう)を手に刷り込む

 
「塗香(ずこう)」とは、粉状の細かい粒子の香りです。
主に読経などの修行前、身を清めるために塗香を手に刷り込んで使われます。
 
身が引き締まるような香りなどを身に着けながら、暮らしのなかで行いを顧みる意味合いです。
 

六波羅蜜(5)禅定

◇2024年9月24日(火)の6日目は、「禅定」です
 
現世でどのような不測の事態が起きても、腐らず焦らず慌てず、心を動かさずに落ち着いた状態を保つ修行を禅定と言います。
 
一見退屈と想える日々も飽き飽きすることなく、毎日が苦しい状況にあっても嘆き悲しむことなく、毎日を俯瞰(ふかん)して己を内省し、動じない精神を保ちます。
 

<6日目の六波羅蜜とは:禅定>
仏飯を供える

 
どのようなことがあっても、日々ご飯をいただくからこそ、今日の私達が在ることは確かです。
まず今まで日々のご飯があったことに感謝をして、安定した心を保つとされます。
 

六波羅蜜(6)智慧

◇2024年9月25日(水)の7日目は、「智慧」です
 
智慧(ちえ)と言うとライフハックのようなイメージをする人もいますが、それは「知恵」に近いでしょう。
 
六波羅蜜の「智慧」は、真実を見極める意味合いがあり、目に見える事柄に捉われず、俯瞰(ふかん)して物事を見つめ、真実を見抜く「真贋(しんがん)」を常に持つ修行を差します。
 

<7日目の六波羅蜜とは:智慧>
灯明(ロウソク)の火を灯す

 
灯明(ロウソク)の火は「気付き」です。
西洋でも「ユリイカ」と呼ばれ、修行では大切な事柄が気付きとされます。
 
仏道でも同じく、今まで目の前の事象により捉われていた世界が、が気付きにより変わることもあるためです。

 
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六波羅蜜で供える供物は?

六波羅蜜で供える供物は?

◇お彼岸に行う六波羅蜜の供物は、「五供」です
 
春と秋のお彼岸7日間は、以上の六波羅蜜を意識しながら、お仏壇には「五供(ごく・ごくう)」と呼ばれる、基本5つの供物を整えます。
 

<五供とは>
・香(こう) …お線香
・花(はな) …ロウソク
・灯明(とうみょう) …ロウソク
・飲食(おんじき) …お供え物
・水(みず) …水

 
春と秋のお彼岸で行う六波羅蜜と言っても、日々お仏壇のお世話をしている人ならば基本は同じです。
 
いつも通りのお勤めで構いません。
六波羅蜜を一日一行、意識しながらお世話をしてみるだけで善いです。
 

六波羅蜜とは、お仏壇がなくてもできる?

六波羅蜜とは、お仏壇がなくてもできる?

◇六波羅蜜は修行なので、お仏壇やお墓がなくてもできます
 
お彼岸は先祖供養行事ですが、仏道では仏様に誓いを立て、修行を行う期間です。
そのため仏壇やお墓のあるなしに関わらず、手を合わせて構いません。
 

<お仏壇がない六波羅蜜>
・お墓の方向に向かって手を合わせる
・簡易的なお仏壇を仕立てる
・西方に向かって手を合わせる

 
「西方に向かって手を合わせる」と言うのは西方浄土に基づいた考え方です。
そのため仏教宗派によって向きも変わるでしょう。
 
また無宗教の人々であれば、空へ向かって手を合わせる方法でも構いません。
 

お墓に向かう六波羅蜜とは

◇「お仏壇とお墓は繋がっている」とされます
 
お仏壇に向かい手を合わせる風習がありますが、お仏壇がない時に先祖供養を行いたい時、お墓に向かって手を合わせる人は多いです。
 
毎朝、窓を開けて慕う故人が眠るお墓に向かい、手を合わせる体験談は多くあります。
 

簡易仏壇で行う六波羅蜜とは

◇六波羅蜜では、お線香やロウソク、供物を供えます
 
そこでお彼岸の7日間のみ、お盆に簡易的に供物を供える人もいます。
また現代では郷里にお仏壇がある人が、位牌のないミニ仏壇を仕立てて供養するケースも見受けるようになりました。
 

お盆に供物を供える
ミニ仏壇を仕立てる

 
こい慕う故人を供養する体験談もありますが、六波羅蜜をお彼岸に行うだけならば、100円均一などで揃えても問題はないでしょう。
 

西方へ行う六波羅蜜とは

◇太陽が真西に沈む西方へ向かって六波羅蜜を行う方法です
 
春と秋のお彼岸は太陽が春分点・秋分点に到達する日を中日として、前後3日間、合計7日間の日程で行われます。
 
春分点・秋分点では太陽が真東から真西に動く日です。
真東のこの世(此岸)と真西のあの世(彼岸)が最も近くなるとし、お墓参りの風習が生まれました。
 

<西方へ向かって行う六波羅蜜>
・太陽が真西に沈む
・西方浄土

 
また「西方浄土」とは、西方にあるとされる天国「極楽浄土(ごくらくじょうど)」です。
そこで、お仏壇がない場合でも西方に向かい手を合わせます。
 

 

六波羅蜜とは、この世の6つの修行です

六波羅蜜とは、この世の6つの修行です

六波羅蜜の6つの修行を意識しながら日々生きることで、お釈迦様の境地に達するとされ、菩薩に示されたものでした。
 
現代では主にお彼岸の7日間、春分の日・秋分の日に行う先祖供養の前後3日間で行う修行とされますが、日ごろから意識できます
 
日本独自のお彼岸行事は、お墓参りをする習慣がありますが、今ではコロナ禍もあり、思うようにお墓参りに行けない人々も多いでしょう。
 
お墓参りに行けずとも、お仏壇や空などに向かい、六波羅蜜を意識しながら供養を行うことで、ご先祖様や故人を供養できるのではないでしょうか。
 

 

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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