納骨堂と永代供養の違いとは?永代供養墓(合祀墓)や樹木葬と納骨堂の3つの違いを解説
・納骨堂と永代供養の違いとは?
・納骨堂と比較できる永代供養の方法は?
・納骨堂やその他の永代供養の費用目安は?
「納骨堂」とは、遺骨を契約した一定期間だけ個別に安置できる屋内施設です。
一方「永代供養」とは家族に代わり墓地管理者が遺骨を供養してくれることで、永代供養墓(合祀墓)、樹木葬による永代供養などの方法があります。
本記事を読むことで、納骨堂と他の永代供養の違いや、それぞれの費用目安が分かり、希望にあった適切な永代供養を選ぶことができるでしょう。
納骨堂と永代供養の違い
納骨堂と永代供養の違いは比較検討するものではありません。
納骨堂は形のある遺骨の収蔵施設であるのに対して、永代供養は形のないものだからです。
ただ現在では「永代供養のついた納骨堂」を提供している施設が多いため、納骨堂は永代供養のひとつとなるでしょう。
敢えて納骨堂と永代供養の違いを伝えるならば、下記のような要素があります。
<納骨堂と永代供養の違い> | |
①納骨堂 | …建物の中に沢山の納骨スペースがある |
②永代供養 | …寺院や霊園で納骨を管理してくれる |
違いを比較検討する場合は、合祀墓など永代供養が付いたお墓「永代供養墓」との比較検討になるかもしれません。
①納骨堂とは
◇「納骨堂」とは、遺骨を収蔵する屋内施設やシステムです
お墓に埋葬せず、屋内で遺骨を収蔵することができる施設が納骨堂で、永代供養がついた仕組みが多いでしょう。
②永代供養とは
◇「永代供養」は、形のない遺骨やお墓の管理・供養サービスです
納骨堂の他、合祀墓や集合墓、公園型樹木葬などにも永代供養が付いた仕組みが多く、一般的なお墓にも永代供養を付けることもできます。
ただ永代供養は近年登場した形なので、「形のないサービス」と言われてもピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
一般的に「永代供養」と言うと、合祀墓や樹木葬などの「永代供養墓(合祀墓)」をイメージする方が多いでしょう。
永代供養と永代使用の違い
◇「永代使用」と「永代供養」は全く違う契約ですので、注意をしてください
ちなみに納骨堂と永代供養の違いはもちろんですが、「永代供養」と「永代使用」も混同されることが多いです。
納骨堂や永代供養墓を契約するにあたり、一般的に永代使用料は請求されません。
お墓を建てる時、墓地区画に対して支払う料金が「永代使用料」です。
①永代使用
◇「永代使用」とは、墓地区画を永代に渡り使用することです
一方「永代使用権」は、墓地区画を永代に渡り使用する権利で、契約時に一括で支払うことで、先祖代々墓など、子ども・孫と次世代まで「永代に渡って」使用できます。
ただし永代使用権は年間管理料が一定年数滞った時は剥奪されます。
そのため継承者は毎年、年間使用料(お布施)を継続的に支払い続けなければなりませんので注意をしてください。
②永代供養
◇永代供養は永代に渡り遺骨を供養することです
お墓や遺骨を家族や子ども・子孫に代わり、墓地管理者が永代に渡り供養や管理をしてくれます。
契約時に一括で支払う契約が多く、一度支払うと個別供養期間がない限り、後々の継続的な支払いは必要ありません。
永代供養の個別供養期間
◇納骨堂など、永代供養には個別供養期間を設けたものもあります
永代供養は永代に渡り遺骨の供養をしてくれますが、個別に供養するとは限りません。
例えば合祀墓(永代供養墓)では、遺骨を骨壺や骨袋から取り出して、他の遺骨と一緒に合祀埋葬され、合同供養されます。
ただし個別供養期間には、年間管理料が約3千円~2万円/年が別途かかります。
個別供養期間は10年・20年・33年・50年など、永代供養を提供する霊園や寺院によってさまざまに決められ、契約時に一定年数に定めているプランが多いです。
個別の供養期間が過ぎると、他の遺骨とともに合祀墓に合祀埋葬され、合同供養が行われます。
納骨堂と永代供養墓の違い
◇納骨堂と永代供養墓は、永代供養の方法が違います
納骨堂にも永代供養墓(合祀墓)にも永代供養が付いていますが、違いは永代供養の行われ方です。
「永代供養墓(合祀)」とは、大きなモニュメントなどの供養塔に、複数の遺骨が「合わせて祀られる」合祀埋葬される供養方法です。
墓地側が建造している供養塔で、個別に建てる必要はありません。
墓石を建てる必要がなく、他の遺骨とともに埋葬されるため、永代供養墓のなかでも安い費用で葬送ができる点がメリットです。
①永代供養墓(合祀墓)
◇初期費用は約3〜30万円/1柱ほどが目安です
最初から遺骨は他の遺骨とともに合祀埋葬されるため、契約後の年間管理料などはかかりません。
一般的な合祀墓の場合、約5万円~10万円ほどでしょう。
合祀埋葬される永代供養墓(合祀墓)は、他の遺骨と一緒に埋葬されるので、一度納骨してしまうと遺骨を取り出す事ができない点は、注意をしてください。
②納骨堂
納骨堂と樹木葬での永代供養の違い
◇樹木葬では最終的に、永代供養墓に埋葬される仕組みも多いです
納骨堂と比較検討される永代供養に、個別埋葬型の樹木葬があります。
一般的に「樹木葬」と言うと、遺骨を土に還すことを目的として、骨壺や骨袋から取り出して土に埋葬される自然葬をイメージする人が多いでしょう。
確かに里山型樹木葬などは、骨壺から取り出した遺骨を土に埋葬します。
けれども霊園内の特別区画で提供される「霊園型樹木葬」のなかには、石碑を設けてその下に遺骨を個別に収蔵する「カロート」を備え、一定期間は個別に遺骨を収蔵する仕組みの樹木葬も増えました。
①シンボルツリー型樹木葬
「シンボルツリー型樹木葬」は、永代供養墓が大きな大樹になったと考えられるので、遺骨は他の遺骨と一緒に合祀埋葬され、合同供養される永代供養を行います。
②ガーデニング型樹木葬
「ガーデニング型樹木葬」は、「庭園型樹木葬」「公園型樹木葬」とも言われ、霊園に花々や樹々が咲き誇る、イングリッシュガーデンのような特別区画を設け提供される点が特徴的です。
遺骨は、一定期間の個別供養期間が設けられ、一定期間の後、施設内の永代供養墓(合祀墓)に合祀埋葬されるため、仕組みとしては納骨堂に近いでしょう。
けれどもガーデニング型樹木葬プランの多くは、個別供養期間であっても、納骨堂のように改葬ができない規約も少なくありません。
納骨堂・永代供養墓・樹木葬の違いまとめ
◇どの永代供養もお墓を建てるより費用は割安です
納骨堂・永代供養墓・樹木葬での永代供養は、どれも墓石代がかからないため、お墓を建てるよりもずっと費用を抑える遺骨供養ができます。
ただ納骨堂は後々、お墓を建てて移動する「改葬」ができますが、永代供養墓や樹木葬では、遺骨の取り出しができません。
<納骨堂・永代供養墓・樹木葬の違い> | |
①永代供養墓 (シンボルツリー型樹木葬) |
・墓標がひとつ ・遺骨の取り出しはできない |
②ガーデニング型樹木葬 | ・遺骨の取り出しはできない ・一定期間の個別供養期間がある ・その後は永代供養墓に合祀埋葬 |
③納骨堂 |
・遺骨の取り出しができる ・一定期間の個別供養期間がある ・期間内の更新で延長もできる |
以上が納骨堂と永代供養墓・樹木葬の大まかな違いですが、それぞれの施設で仕組みやシステムも異なるので確認をしてください。
納骨堂と永代供養、費用の違い
◇永代供養は一般墓にも付加できます
ここまでは納骨堂と永代供養墓(合祀墓)や樹木葬による永代供養の違いをお伝えしましたが、「永代供養」には形がないため、一般墓にも永代供養をつけることは可能です。
実際に現代のお墓は、無縁墓を避けるために霊園や寺院側で永代供養を付けるプランが増えているでしょう。
建墓費用の相場は約125万円~200万円、この費用に永代供養料がプラスされます。
①お墓に永代供養を付ける
◇永代供養料単体では、約5万円~30万円です
建墓費用(平均値約175万円)にプラスして、一般的な永代供養料の相場は約5万円~30万円ほど、総費用は約180万円~205万円/1基ほどとなります。
ただ近年のお墓は約100万円以下のシンプルでコンパクトなお墓もあるでしょう。
…納骨堂は遺骨1柱を単位としています。
またお墓は年間管理料(お布施)がかかり、年間管理料の費用相場は約5千円~2万円/年ほどです。
ただし納骨堂でも、一般的に個別供養期間は年間管理料がかかります。
お墓に永代供養を付加するメリットは、従来のお墓参りができることでしょう。
墓前法要もできる「お墓」でありながら、継承者を必要としない方法です。
・お墓を建てる費用はどれくらい?平均的な費用と内訳、安く抑える方法まで|永代供養ナビ
②納骨堂の費用目安
◇納骨堂の費用目安は、約50万円~150万円です
一方納骨堂も継承者がいなくても使用できます。
永代供養墓や樹木葬と違う納骨堂のメリットは、室内に遺骨を安置できる点です。
また納骨堂は都心部に建つ施設が多く、気軽にお墓参りができます。
お墓と違い定期的なお墓掃除などの維持管理の負担がなく、個別供養期間が過ぎると永代供養墓に合祀供養されるものの、個別供養期間内であれば、改葬や契約更新ができる点もメリットです。
<納骨堂の費用目安> | |
①個人用 | …約50万円~100万円/1柱 |
②家族用 | …約100万円~150万円/3~5柱 |
③年間管理料 |
…約3千円~1万円/年 |
ただし納骨堂も個別供養期間は、年間管理料がかかりますが、終活で生前契約をする場合、個別供養期間の年間管理料を一括で納めることもできるでしょう。
今では個別の法要が可能な施設も多いですが、規律はそれぞれに違うので、個別で周忌法要などを行いたい家族は確認をしてから決めてください。
・納骨堂で永代供養を行う費用はどれくらい?納骨堂5つの種類で違う費用相場を詳しく解説!
③樹木葬の費用目安
◇樹木葬の費用目安は、約10万円~80万円です
樹木葬とひと口に言っても、シンボルツリー型やガーデニング型樹木葬、埋葬方法も合祀埋葬から個別埋葬までさまざまにあるので、一概に費用のみで比較はできません。
樹木葬の永代供養では、個別供養期間や施設やサービス内容によって違いますが、大まかな費用目安は下記です。
<樹木葬の費用目安> | |
①個人型 | …約5万円~50万円/1柱 |
②夫婦型 | …約80万円~100万円/2柱 |
③家族型 |
…約30万円~150万円/2柱~5柱 |
④年間管理料 |
…なし |
樹木葬の場合、一度納骨すると後々取り出せない仕組みが多いため、年間管理料もかからないプランが少なくありません。
個別供養期間が長いほど、料金も高くなるでしょう。
また宗旨宗派を問わない自由度が高い樹木葬では、ペットと入る樹木葬も多く発見できます。
・【2024最新版】大阪でペットと一緒に入る樹木葬はどこが安い?15のおすすめ樹木葬
まとめ:納骨堂は永代供養のひとつです
納骨堂と永代供養の違いは、納骨堂が遺骨を納める屋内施設、永代供養が永代に渡り遺骨を供養することなので、比較できるものではありません。
納骨堂も永代供養のひとつの形であり、永代供養には納骨堂の他にも、永代供養墓(合祀墓)・永代供養つきの一般墓・樹木葬による永代供養などがあります。
納骨堂と永代供養墓(合祀墓)の違いを伝えるとすれば、納骨堂は契約当初の一定年数、個別に遺骨を安置し供養する「個別供養期間」が設けられていることです。
一方で永代供養墓(合祀墓)は、最初から骨壺から取り出し合祀埋葬されます。
また樹木葬による永代供養と納骨堂との違いは、納骨堂が屋内施設であること、また納骨堂では個別供養期間であれば、遺骨の改葬ができることでしょう。
それぞれの特徴やメリット・デメリットも理解して、費用と総合的に比較検討することで、後悔のない遺骨供養ができます。
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