
永代供養は罰当たり?メリットや墓じまいから永代供養の手順も紹介

「永代供養は罰当たり?」
「墓じまいをするとどうなるの?」
「墓じまいから永代供養までの流れが知りたい」
このように、永代供養を検討するなかで墓じまいなどの手続きについて情報を得たいと考えている方も多いのではないでしょうか。
永代供養は比較的新しいお墓の管理であるため、周囲に尋ねる機会も少なく、墓じまいすることは「罰当たり」などという話も耳にすることがあるでしょう。
本記事では、墓じまいすることは罰当たりになるのか、その他メリット・デメリットや、永代供養をするために必要な手続き、費用などをご紹介します。
この記事を読むことで、滞りなく永代供養の依頼ができることや、墓じまいについての知識が身につくため、手続きするうえでの不安が解消できるでしょう。
墓じまいして改葬したい方や、永代供養を考えている方はこの記事を参考にしてください。
永代供養は罰当たり?
永代供養とはお墓の管理をお寺や霊園にお任せする新しい供養方法です。
永代供養を検討している方のなかには、現在お墓をお持ちの方もいるでしょう。この場合、お墓を撤去して更地に戻す「墓じまい」をする必要があります。
ご先祖様の眠るお墓を撤去することは「罰当たり」や「祟られる」などという話を耳にしますが、事実なのでしょうか。
仏教では、故人は死後の世界で仏様になるという教えがあり、現世へ戻り人々を祟るようなことはなく、亡くなると皆成仏するといわれています。
このことから「墓じまい」自体が罰当たりであることはなく、供養して正式な手続きを踏めば問題ないとされています。
墓じまいをして永代供養をするメリット
墓じまいは、様々な事情がある遺族への負担を軽減するメリットがあります。具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、墓じまいをして永代供養をするメリットについて紹介しますので、参考にしてください。
- 継承者の負担が軽くなる
- 維持や管理等の負担が減る
- 先祖を無縁物にしなくて済む
継承者の負担が軽くなる
なかなかお墓参りに行けず故人やご先祖様の供養ができないこともあるでしょう。そのためお墓を放置していることに対して、「心苦しい」「罰当たり」などと、自責の念に駆られることもあるでしょう。
また、お墓を継承する子孫がいない場合も、永代供養を依頼するなど改葬手続きをとることで、お寺や霊園に供養を任せられるため遺族の負担が軽くなります。
維持や管理等の負担が減る
遠く離れた場所に住んでいる場合や、高齢などの理由から、お墓の管理に負担を感じている遺族も少なくありません。お墓の場所によっては、傾斜がきつい、足場が悪いなど、体が不自由な方には肉体的な妨げになることもあるでしょう。
墓じまいをして永代供養にすうることで遺族が管理しなくてもよくなるため、継承者の肉体的な負担を軽減できるとともに、お墓の管理にかかる費用なども抑えられます。
先祖を無縁物にしなくて済む
お墓を供養する遺族がいない時は、無縁墓となる場合があります。また継承者がいたとしても管理費が支払えないなどの事情から同等となるケースが増えている傾向にあります。
故人やご先祖様を供養することは、冥福を祈り感謝の気持ちを伝える意味があります。もし、お墓の供養ができない場合は、無縁物としておいておくよりも墓じまいをして改葬すること方がよい場合もあります。
墓じまいをするデメリット
前に述べた墓じまいのメリットで様々な利点があることがわかりました。では、デメリットはあるのでしょうか。
墓じまいには経済的な問題や、周囲とのトラブルが挙げられます。よくあるデメリットをまとめましたので、参考にしてください。
- 撤去費用がかかる
- 親族や寺院とトラブルになる可能性がある
撤去費用がかかる
墓地の解体をした後墓石を撤去し更地に戻す流れとなりますが、墓地の面積や墓石の大きさで撤去費用に大きく変動がみられます。想像以上に高額な費用を請求されることもあるでしょう。
自分で石材店に依頼する時は、何店か訪ねて見積もりを出してもらうことが重要です。
親族や寺院とトラブルになる可能性がある
お寺の檀家である場合は、墓じまいをすることでトラブルになる可能性があります。檀家とは、1つのお寺に所属して供養などお勤めいただくかわりに経済的な支援をすることです。
お寺の運営は檀家の支援で成立しているため、墓じまいして離れることは先方にとって大きな経済的負担となります。
また、新族のなかには墓じまいに対して「罰当たり」「道理に外れている」などという考えを持つ方もいるでしょう。価値観の違いから意見が食い違ってしまう恐れもあります。
永代供養をするデメリット
永代供養はお墓の供養や管理を委託し、納骨後の定期的な読経や法要をお勤めいただくことも可能です。しかし、永代供養には「ほかの人と同じ場所に納骨する」など、一般のお墓にはない特有の管理方法があります。
場合によっては、永代供養を利用することがデメリットになる可能性があります。下記の内容を参考にしてください。
- 合祀にすると遺骨が取り出せなくなる
- 個別に安置できる期間が決まっている
合祀にすると遺骨が取り出せなくなる
合祀(ごうし)とは、故人以外のほかの人と同じ場所に納骨することで、永代供養では多くの場合で合祀の方法をとるため、後から遺骨を取り出せなくなります。
親族のなかには分骨して手元供養を希望したいなどの理由から、合祀することに前向きでない方もいるでしょう。契約する前に親族や関係者とよく話し合い、全ての人から了承を得る必要があります。
個別に安置できる期間が決まっている
お寺や霊園により納骨方法は様々ですが、個別で一定の期間遺骨を安置してから合祀する場合があります。
安置期間に明確な決まりはありませんが、三回忌や七回忌、三十三回忌、五十回忌など依頼する施設ごとでタイミングが決められています。また、契約内容によっては自分で希望できる場合もあるでしょう。
いずれにしても個別での安置期間が過ぎると合祀されるため、契約する前にはしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
墓じまいをした後に永代供養をする手順
墓じまいをしたら改葬手続きに入りますが、新しい永代供養先に移動するためにはお墓の関係機関に届出する必要があります。
申請書類も様々なものがあるため、混同しないように知識を備えておくと役立つでしょう。ここからは、墓じまいをした後に永代供養するまでの手順について解説します。
1:親族や墓地管理者に墓じまいの相談をする
特に親族間でのトラブルが起きやすく後から問題に発展しやすいため、はじめに墓じまいすることを周囲の関係者に相談しましょう。
親族のなかには「墓じまいはご先祖に対して失礼にあたる」などとネガティブな考えを持つ方もいるでしょう。齟齬をなくすためにも、じっくりと話し合い了承を得ることが重要です。
また、所有するお墓の管理者にも事前相談する必要があります。菩提寺の檀家から離れる必要があることや、墓じまいには行政機関に基づく正式な手続きが必要であるため、独断で行うことができません。
関係者に周知することは永代供養を円満に行うために必要不可决であり、今後の関係を良好に保つためのポイントといえます。
2:新しい永代供養先を決める
お墓を引っ越しして遺骨を移動するには、信頼できる永代供養先を見つけなければなりません。
永代供養で、宗派問わず受託してくれるところが多く、基本的には無宗派でも利用することが可能です。インターネットで検索したり、気になる施設からパンフレットを取り寄せたりなど十分に見極めて決めましょう。
3:墓地の管理者への届出を出す
現在所有するお墓の管理者へ届出を出して、墓じまいの許可を得る必要があります。
また、改葬するためには、現在のお墓を管轄する市町村から「改葬許可証」を発行してもらう必要があります。大切な書類となりますので、なくさないように注意しましょう。
4:改葬に必要な書類手続きをする
「改葬許可証」を発行するために必要な書類に「改葬許可申請書」があります。「改葬許可申請書」は現在のお墓を管轄する市町村で受け取る、もしくは郵送してもらうことが可能です。
「改葬許可申請書(署名捺印したもの)」「申請人の印鑑」などを揃えて再度役所に提出すると「改葬許可証」を発行してもらうことができます。
5:閉眼供養を執り行う
「改葬許可証」を受け取った後、遺骨を移動します。仏式において遺骨を取り出す時は「閉眼供養」を行うことが一般的です。お墓は故人やご先祖様が眠る大切な場であるため、儀式を行うことが習わしとなっています。
お寺のご僧侶に読経をお勤めいただき、お墓にはお花や供え物をします。服装は黒を基調としたもの、もしくは喪服がふさわしいでしょう。
6:お墓の撤去・解体を行う
儀式を終えて遺骨を取り出すと、お墓の撤去・解体を行います。石材店に工事を依頼して、墓石を解体し更地に戻して管理者に返還します。
墓石の解体だけでなく、外柵の撤去なども行うほか、墓地の面積などで費用に変動があるため、どのくらいの費用が必要か事前に確認しておくことが重要です。
7:新しい永代供養先に遺骨を納める
墓石の解体・撤去手続きが完了したら、新しい永代供養先で納骨します。永代供養は納骨方法や安置期間など契約内容が多様化していることが特徴です。
永代供養を検討する際は、形態や方法についてよく調べ納得したうえで契約しましょう。
墓じまい後に永代供養をする時にかかる費用
墓じまい後に永代供養を行う場合は費用がかかります。全ての手続きを終えた後で、想像以上に高額な費用が請求される事態は避けなければなりません。
ここからは、実際の手続きの流れに沿って一般的な相場費用をご紹介します。
手続きにかかる費用
永代供養の許可を受けるためには書類申請が必要ですが、各種手続きの費用相場は5,000円ほどになります。
内訳として「受入証明書」の相場は0~1,500円ほどです。これはお寺や霊園により差があるため事前に確認が必要でしょう。また「改葬許可証」の発行手数料には、0~300円ほど費用がかかる見込みです。
閉眼供養時のお布施
お墓から遺骨を取り出す際に行う「閉眼供養」の儀式では、3~5万円ほど費用が発生します。こちらは菩提寺との関係や居住する地域により費用相場に変動があるため、お寺に確認しておくとよいでしょう。
離檀料
お寺の檀家となっている場合は「離檀料」が発生する可能性があります。
「離檀料」に対しては賛否意見が様々ですが、お世話になったお寺に対しての感謝の意味からお渡しするべきという意見もあります。一般的な相場は5~20万円ほどでしょう。
地域性も関わるため独断で判断せず、お寺の関係者に事前相談することが円満に離檀するための方法といえるでしょう。
お墓の解体・撤去費用
お墓の解体・撤去費用は30万円ほどが相場です。墓地の面積や墓石の大きさなどでも費用が変動するほか、解体した墓石は専門業者に処理を依頼するなど、各種手続きにより費用が発生します。
契約する前に見積もりを出してもらい、金額を把握しておきましょう。
永代供養料
永代供養料とは、お墓の供養や管理をお任せするための利用料のことです。永代供養料には納骨の際の費用なども含まれていて、その方法や形態により金額に差が生じます。ここからは、納骨方法が「個人供養」と「合祀」の場合に分けて解説します。
個別供養の場合
「個別供養」とは一定の期間骨壷を安置してからほかの人と同じ場所に納骨する方法です。お寺や霊園により費用が異なりますが、一般的な相場で20~30万円ほどといわれています。
その他、付随費用を別で請求されるケースもあるため、前もって施設へ確認しておきましょう。
合祀の場合
「合祀」とは個人で安置する期間を設けることなく、ほかの人と納骨することを意味します。「個別供養」よりも費用が安価になる傾向で、相場は3~10万円ほどでしょう。
納骨式の法要・お布施
永代供養において納骨式の法要でお布施は必要です。儀式では読経をお勤めいただくため、謝礼としてお布施を渡すことが一般的とされています。相場費用は3~5万円ほどでしょう。
なお、永代供養料のなかには「納骨料」や「刻字料」などを含むことが基本とされていますが、同様にお布施の費用が含まれるケースが多くありますので、契約書の詳細を確認しておきましょう。
永代供養は罰当たりではないことを覚えておこう
この記事では、墓じまいの内容や手続きの流れ、墓じまい後に永代供養を行う際に発生する費用などをご紹介しました。
永代供養や墓じまいはご先祖様に対して罰当たりだと思い、不安に感じていた方も多くいるでしょう。お墓の引っ越しをすることは、仏式の教えにおいても罰当たりではなく、生活が多様化する現代のニーズに合った新しい供養の方法です。
今後の将来を見据えて永代供養を検討する際は、必要な手続きや費用面を十分に調べることや、親族や菩提寺など周囲の了承を得てから進めることが大切なポイントといえます。円満な契約には周囲の協力が不可欠です。
永代供養を検討している方はこの記事を役立ててください。
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