
永代供養の相場はどれくらい?墓じまい~永代供養の手順ごとに掛かる費用の相場を解説!

・永代供養の相場はどれくらい?
・墓じまい~永代供養までの手順や相場は?
・永代供養の相場が分かる、費用内訳は?
墓じまいをして取り出した遺骨は、継承者の必要ない永代供養を行う家族が多いです。
ただ墓じまいでは複数の遺骨が出てくるお墓も多く、気になるのは永代供養の費用相場ではないでしょうか。
本記事を読むことで、墓じまいをして取り出した遺骨を永代供養にする費用相場や、墓じまい~永代供養までの手順、それぞれの段階で掛かる費用相場が分かります。

永代供養の相場

◇永代供養の相場は約10万円~150万円以上、選ぶ永代供養により異なります
永代供養の相場は、選ぶ永代供養により異なりますが、墓じまい後に一般的に選ばれる合祀墓(永代供養墓)の場合、約3万円~10万円ほどのプランもあるでしょう。
これは最初から他の遺骨と一緒に埋葬される合祀墓(永代供養墓)では、掛かる費用項目が「永代供養料」のみだからです。
①永代供養料
②納骨料
③印字料
けれども納骨堂など、一定期間は個別に遺骨が安置される永代供養の種類では、個別安置するためのスペースや管理料などが掛かるため、割高になるでしょう。
それでは下記より、永代供養に掛かる費用相場3項目を、それぞれ詳しく解説します。
永代供養の相場①永代供養料

◇墓地管理者が永代に渡り遺骨を供養する料金です
永代供養料は、遺骨を家族に代わり永代に渡って供養するサービスに対する料金です。
ここで永代供養はあくまでも遺骨の供養であり、個別に安置するスペースを確保する「永代使用料」ではありません。
永代供養のなかには納骨堂など、個別に遺骨を安置する期間を設けたプランもありますが、契約期間が過ぎると合祀墓(永代供養墓)に合祀埋葬され、合同供養されます。
<永代供養料の仕組み> |
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①合祀墓 (永代供養墓) |
・最初から他の遺骨と一緒に合祀埋葬 ・合同供養 |
②納骨堂など | ・個別墓 ・集合墓など ・契約した一定期間は個別埋葬 ・契約期間が過ぎると合祀埋葬 |
納骨堂などの個別安置期間はプランによりさまざまです。
個別墓などは、一般的な弔い上げに合わせた13回忌・25回忌・33回忌などのタイミングも多いでしょう。
ずっと個別に永代供養を望む場合、将来的には契約更新が必要になります。
また遺骨の個別安置期間は、年間管理料が必要になるプランが多いです。
契約時に確認をして、理解したうえで契約を進めましょう。
種類で違う永代供養料の相場
◇個別安置期間が長い永代供養ほど、相場も割高です
このように「永代供養」自体は形のないサービスなので、さまざまな形があります。
そのため永代供養を予算内で進めたい場合は、相場を確認して、個別安置期間の有無、期間の長さで調整すると良いでしょう。
<永代供養料の相場> |
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[種類] | [相場] | [個別安置] |
①個別墓 | ・約70万ほど~ | ・あり ・期間が長い傾向 |
②集合墓、納骨堂 | ・約30万ほど~ | ・あり ・期間は多様 (3年・5年・15年など) |
③合祀墓 | ・約10万ほど~ | ・なし |
…遺骨を安置するスペースや施設の大きさなどでも永代供養の相場は変化します。
例えば納骨堂はロッカー式の質素な施設もあれば、ラグジュアリー感溢れる施設もありますし、墓石を建てる個別墓の方が費用は割高です。
この他、今では樹木葬の永代供養もありますが、こちらも個別区画タイプもあればシンボルツリー型(合祀タイプ)もあり、費用目安の幅は約10万円~70万円ほどと広いです。
・樹木葬の特徴とは?3つの種類と料金相場、向いている人・いない人|選ぶポイントを解説
永代供養の相場②納骨料

◇遺骨を納骨する際に生じる費用「納骨料」です
永代供養で遺骨を納骨する際に生じる費用は、お墓の開閉を石材業者に依頼した場合と、納骨式に対するお布施の2点があります。
納骨時のお墓の開閉は自分達でもできますが、墓石は大変重いため、基本的には石材業者に依頼します。
①個別墓の場合…約2万円~5万円ほど
けれども合祀墓(永代供養墓)や遺骨をすぐに出し入れできる納骨堂などの場合には、石材業者へ依頼する必要はなく、必然的に費用も発生しません。
納骨法要のお布施相場
◇納骨時に行う「納骨法要」に対するお布施を支払います
仏式の供養が根付く日本では、遺骨を納骨する際に読経供養による納骨法要を執り行う流れが一般的です。
この際、読経供養を依頼した僧侶へお礼として、お布施としてお金を包みます。
地域によって価格差はありますが、下記料金を包むと良いでしょう。
①お布施…約3万円~5万円ほど/1回の読経供養
②お車代…約5千円~1万円(タクシー代が目安)
③御膳料…約5千円~1万円(会食料金を目安)
例えば、寺院墓地のお墓を墓じまいして、同じ墓地で永代供養をした場合、費用にお車代は掛かりません。僧侶を他所へ呼んだ場合にお車代は準備します。
また御膳料も同じで、納骨式や法要後には、施主側が会食を振る舞ってきました。このような会食を僧侶から辞退された場合に、別途御膳料を用意することがあります。
注意点は四十九日法要など、他の法要と合わせた納骨式では、依頼した読経供養の回数だけ、お布施ので包むお金も高くなる点です。
仮に「年忌法要+納骨法要」であれば、約5万円~6万円(3万円×2回)を目安にします。
お布施について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
永代供養の相場③刻字料

◇お墓や墓誌などに故人の名前を彫刻する費用です
「刻字料」とは、お墓の脇や墓誌に納骨者の名前などを彫刻する費用にあたります。
そのため合祀墓(永代供養墓)や納骨堂、樹木葬など、刻字料が掛からないケースも多いです。
けれども個別墓やガーデニング型樹木葬などのワンプレート型墓石、墓誌などに故人の名前を彫刻したければ、刻字料が掛かります。
●刻字料の一般的相場は、約3~5万円ほどです。
前述したように墓誌を必要としないケースや、永代供養料に刻字料まで含まれているプランもあるでしょう。
彫刻にイラストを入れる
◇彫刻にイラストを入れたい場合、プラスアルファの料金が掛かります
近年では墓石の彫刻も自由になり、花々のイラストなどを彫刻する方も増えました。
このような場合は刻字料に追加料金が提示されるプランが多いです。
ガーデニング型樹木葬など、最初から刻字が入る永代供養プランでは、文字だけは刻字料が永代供養料に含まれているものが多いです。
(この場合、イラスト彫刻に対してのみ、オプション料金が科されます。)
墓じまいの手順ごとに掛かる、永代供養の相場

◇墓じまい後の永代供養では、墓じまい費用まで考慮します
墓じまいでは遺骨を取り出し、他の墓所へ埋葬しなければなりません。
そのためには改葬許可証の申請が必要ですが、そのためには「埋葬証明書」や「受け入れ証明書」などの書類を、新旧それぞれの墓地管理者から入手します。
<墓じまいの手順> |
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[手順] | [場所] |
①親族の同意 | ・家など |
②埋葬証明書を入手 | ・現存の墓地管理者 |
③永代供養先を決める | ・新規の墓地管理者 |
④受入証明書を入手 | ・新規の墓地管理者 |
⑤改葬許可証を入手 | ・お墓がある市区町村役場 (改装許可申請) |
また墓じまいでは一般的に、お墓から魂を抜く「閉眼供養」を行います。
この時にも納骨法要と同様、読経供養をお願いした僧侶へ、お礼としてお布施を包みますので、閉眼供養のお布施も予算に入れてください。
閉眼供養の相場
◇閉眼供養の相場は、約3万円~5万円/1回です
公営墓地や民間霊園の場合、ご住職とのお付き合いがないため、読経供養に対してお布施を包みます。
けれども寺院墓地に建つお墓では、墓地管理者である寺院と墓主の関係は菩提寺と檀家になるため、檀家から離れるにあたり「離檀料」も支払う人が多いでしょう。
<閉眼供養の相場> |
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[種類] | [相場] |
●ひとつに包む | |
①閉眼供養 | ・約3万円~5万円/1回 |
②離檀料 | ・約3万円~20万円 |
●別封筒に包む | |
③お車代 | ・約3千円~1万円 |
④ご膳代 | ・約5千円~1万円 |
現代では離檀料に対して、菩提寺から予め料金を提示されることがあります。
時に法外な離檀料を請求するトラブルも見受けますが、相場以上であれば支払い義務はありません。
また閉眼供養と離檀料のお金は、一緒の封筒に包んで良いでしょう。
その他、出張いただいた僧侶へお渡しする「お車代」や、法要後の会食を欠席された時にお渡しする「ご膳代」は、別封筒に包み準備をします。
墓じまいの費用相場
◇墓石を撤去する墓じまいのみであれば、約20万円ほどが相場です
墓じまいで費用相場の幅が広いのは、墓じまいで取り出した遺骨の永代供養料が大きく影響しています。
墓石を撤去し整地した後、墓地管理者に返還するだけの「墓じまい」であれば、約20万円ほどでできるでしょう。
<墓じまいに掛かる費用> |
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[項目] | [費用] |
①発行手数料 (各種証明書) |
・約1,000円ほど/1枚 |
②お布施 | ・約3万~5万円 (地域差がある) |
③離檀料 | ・約3万~20万円ほど (地域差がある) |
④遺骨の手入れ (遺骨の清掃など) |
・約2万円ほど/1柱 |
⑤工事諸費用 (お墓の解体など) |
・約10万円ほど/平米 |
墓じまいのみに掛かる費用として、高くなる可能性があるのは離檀料でしょう。
ただし100万円など高額の離檀料を請求された場合は、弁護士や行政書士、消費者センターなど、適切な機関へ相談してください。
最近では、墓じまいに掛かる費用をまとめた「墓じまいパック」プランも提案されるようになりました。
詳しくは下記コラムをご参照ください。
墓じまい後、永代供養の相場

◇墓じまい後の永代供養の相場は、約3万円~10万円ほど/1柱が多いです
墓じまいでは複数の遺骨が取り出されることが多いため、最も費用を抑えた合祀墓(永代供養墓)を選ぶ墓主く、永代供養の相場も安く抑えられます。
多くは合祀墓(永代供養墓)が多いですが、その他にも樹木葬や散骨など、自然葬の選択肢も増えました。
墓じまい後の選択肢
◇墓じまい後、永代供養の他にも自然葬や手元供養を選ぶ人もいます
一般的に墓じまいで取り出した遺骨は永代供養される流れが多いですが、現代では同じ価格帯で、樹木葬や散骨を選ぶ人が増えました。
また遠いご先祖様は合祀墓(永代供養墓)などで安く合祀供養をして、身近な家族の遺骨は納骨堂や手元供養とするケースも見受けます。
<墓じまいに掛かる費用> |
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[供養方法] | [内容] | [相場] |
●永代供養 | ||
①一般墓 | ・身近な霊園 | ・約100万円~ |
②納骨堂 | ・骨壺のみ収蔵 | ・約30万円~ |
③合祀墓 (永代供養墓) |
・合同供養 | ・約5万円~ |
●自然葬 | ||
①樹木葬 | ・樹木の麓に埋葬 | ・約10万円~ |
②散骨 | ・遺骨を自然に撒く | ・約5万円~ (粉骨費用3万円ほど) |
●その他 | ||
①手元供養 | ・自宅で遺骨の供養 | ・約3千円~ (粉骨費用3万円ほど) |
費用相場は最も安い選択肢を目安としています。
例えば散骨であれば、遺骨を郵送し散骨業者に委託した場合となり、家族が海で遺骨を撒く場合は、20万円以上になるものもあるでしょう。
手元供養でもご遺骨を自宅に祀るだけでは費用はさほど掛かりませんが、きちんと遺骨を祀るならば、遺骨の粉骨費用や祭壇の費用が掛かります。
永代供養相場の注意点
◇個別墓に永代供養を付けても、定期的な掃除は必要です
永代供養は家族に代わり、遺骨を永代に渡って管理・供養をするサービスですが、お墓や納骨堂の仏壇を定期的に掃除し管理するものではありません。
「永代供養は一度支払えば、墓地管理者に全てを委ねて放置すれば良い」と言われるのは、合祀墓(永代供養墓)のケースでしょう。
合祀墓(永代供養墓)は、大きな供養塔に他の遺骨と一緒に合祀されるため、一度埋葬すると、その後は家族が特別に掃除などの管理をする必要はありません。
<永代供養の注意点> |
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①合祀墓 (永代供養墓) |
・掃除の必要なし ・合同供養の参加など |
②納骨堂 | ・スペース内のみ掃除あり ・御仏前での供養など ・年間管理料あり (約1万円~3万円ほど/年間) |
③個別墓 (永代供養付) |
・定期的な区画内の掃除 ・お墓参りなど ・年間管理料あり (約1万円~3万円ほど/年間) |
けれども個別墓や納骨堂など、個別に遺骨が安置される場合、個別に遺骨が安置されるスペースにおいては、家族の定期的な掃除が必要です。
屋内施設である納骨堂では、多少掃除をしなくても良いですが、個別墓に永代供養を付けた場合は、無縁墓になる心配がなくなるだけで、一般墓と扱いは同じです。
遺骨は永代に渡り供養され、継承者を必要としませんが、個別にお墓が残っている期間は、墓地区画内の定期的な草木の手入れやお墓掃除が必要になります。
永代供養が付いても年間管理料は必要?
◇年間管理料は、公共部分の管理料です
永代供養が付いた個別墓や納骨堂でも、遺骨が個別に安置されている期間は、一般的に年間管理料が必要になります。
なぜなら年間管理料は遺骨が安置されている施設や霊園の、公共部分の管理料を、遺骨が納骨されている家族で折半しているものだからです。
<年間管理料の相場> |
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①公営墓地 | ・約2千円~1万円 |
②寺院墓地 | ・約5千円~3万円 |
③民間霊園 | ・約5千円~3万円 |
④納骨堂 |
・約1万円~3万円 |
霊園、納骨堂ともに、遺骨を収蔵する施設が上質であれば、それだけ年間管理料も高くなる傾向となり、その分、個別の法要施設を設けていたり、掃除用具の貸し出しなどのサービスが充実、トイレなどの施設が整っているなどのメリットがあります。
合祀墓(永代供養墓)に対して年間管理料が掛からないのは、供養塔で遺骨がまとめられているためです。
終活の場合、年間管理料はどうなるの?
◇終活では個別安置期間はまとめて支払うプランが多いです
終活で納骨堂や個別墓、集合墓など、個別安置期間を設けた永代供養を契約した場合、多くはプラン料金に、個別安置期間の年間管理料が含まれているものが多いでしょう。
●終活で納骨堂や個別墓など、個別安置期間を設けた永代供養を契約した場合、生きている期間も年間管理料を毎年支払う場合が多いです。
年間管理料が別になる場合、家族が毎年年間管理料を払うか、契約時に終活をしている本人がまとめて払うかを選択します。
一般的に個別墓に永代供養を付加する場合、家族が毎年年間管理料を支払うことが多く、個別安置期間が比較的短い納骨堂では、契約時の一括払いが多い傾向です。
まとめ:永代供養の相場は、選択肢によって幅広いです

永代供養の相場は、約10万円~150万円以上と幅広く、最も安い永代供養を選ぶ場合には合祀墓(永代供養墓)タイプで、約3万円ほどからあります。
けれども合祀墓(永代供養墓)タイプは、最初から他の遺骨と一緒に合祀埋葬され、一度埋葬してしまうと、将来的に個別に遺骨を取り出すことはできません。
もしも後々お墓を建てるなど、個別に取り出す可能性があるならば、納骨堂など、個別に遺骨が安置されるタイプの永代供養を選びます。
遺骨が個別に安置される永代供養の費用相場は、個別安置期間の長さ(5年・10年など)と施設の規模や上質さに比例するでしょう。
また個別安置期間は永代供養が不可されていても、年間管理料が掛かる施設が多いですので、注意をしてください。
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