墓じまいとは?やることは?「墓じまいパック」費用目安や納骨先、提供業者の種類とは?
・墓じまいとは?
・墓じまいは、どうやって進めるの?
・全て任せられる「墓じまいパック」とは?
墓じまいとは、お墓を閉じて撤去することです。
墓じまいした後の遺骨は、合祀墓などによる永代供養の選択が多いでしょう。
手順が多いため墓主も大変ですが、現代では全てを任せる「墓じまいパック」も登場しています。
本記事を読むことで、墓じまいについて理解するとともに、忙しい時にもストレスの少ない「墓じまいパック」の費用や種類が分かります。
墓じまいとは
◇「墓じまい」とは、遺骨を取り出して御墓を閉じることです
霊園や墓地ではお墓を閉じる際、墓石を撤去、更地にして返します。
墓石を撤去する前には遺骨を取り出すため、遺骨の行く先も決めなければならないでしょう。
・遺骨の取り出し
・墓石を撤去
・墓地を更地にする
・永代使用権を墓地に返す
・新しい場所へ遺骨を納骨
…以上の工程を墓じまいと言います。
ただ、勝手に遺骨を取り出して墓じまいをする訳にはいきませんから、墓地がある自治体へ行政手続きをしなければなりません。
墓じまいの手順とは
◇遺骨の新しい納骨先を先に探して、「改葬」手続きをします
「改葬(かいそう)」とは、お墓の引っ越しを意味します。
「墓じまい」の言葉は7~8年前から民間で生まれたもので、行政手続きとしてはお墓を引っ越す「改葬(かいそう)」手続きです。
<墓じまいの手順> | |
[手順] | [依頼先] |
・新しい納骨先を探す | 新しい墓地・霊園 |
・現在の墓地管理者に相談 | 寺院、霊園 |
・内部調査(遺骨の数) | 石材業者 |
・改葬許可申請 | 墓地のある自治体 |
・閉眼供養 | 僧侶 |
・墓石の撤去 | 石材業者 |
・墓地の返還 | 現在の墓地・霊園 |
・遺骨の納骨 | 新しい墓地・霊園 |
また先祖代々墓など、親族が関わるお墓であれば、墓主は親族を説得し理解を得る必要があるでしょう。
現在のお墓が建つ墓地・霊園のなかには、墓じまいを渋ることもあるかもしれません。墓じまいの工程には交渉や説得もあり、墓主もパワーが必要です。
お任せ「墓じまいパック」とは?
◇「墓じまいパック」とは、墓じまいの手順をまる任せできるサービスです
アンケートでは90.2%が認知する「墓じまい」ですが、出発点は2011年に霊園・墓石のヤシロで、お墓の撤去から永代供養までをまとめたサービス「墓じまいパック」を始めたことがきっかけです。
<墓じまいパックの内容> | |
[調査] | ・お墓の内部調査(遺骨の数) |
[お墓の解体工事] | ・お墓の撤去 ・墓地の整地(更地にする) ・廃石材の処分 |
[遺骨] | ・遺骨の取り出し ・新しい納骨先への納骨 |
[行政手続き] | ・改葬許可申請(改葬許可証) |
提供する業者やプランにより異なりますが、主に上記のような内容を含みます。
プランや納骨先によって、納骨式や閉眼供養・開眼供養が入るケースもあるでしょう。
・2019年ライフドット(Life.)「墓じまいに関する意識調査」
墓じまいパックに多い料金の要素
◇「墓じまいパック」は1柱ごとの料金形態が一般的です
先祖代々墓を建てる時には納骨する柱数ではなく、お墓一基に対して料金が算出されますが、墓じまいパックでは扱う遺骨の柱数による料金になるでしょう。
そのため、まず最初に墓じまいパックの相談をして、内部調査を行います。
墓石の撤去作業だけでは、約20万円ほどで収まりますが、取り出した遺骨の永代供養まで扱うパックがほとんどです。
・古い墓地から新しい墓地までの距離
・墓石の大きさ
・作業時間
・遺骨の柱数
・遺骨の納骨先
墓じまいで取り出した遺骨は、法的に勝手に廃棄することができません。
移動先が必要になるので、遺骨の永代供養までを請け負ってくれます。
ただ現代は、自治体により手続きが複雑になりますが、遺骨を手元で供養する「手元供養」の選択肢もあるでしょう。
・手元供養とはどんな方法?選ばれる理由やメリット・デメリットも紹介
墓じまいパックの費用目安は?
◇遺骨の納骨先によって異なりますが、約30万円~約150万円です
墓じまいパックの費用目安に幅が広い理由は、取り出した遺骨の納骨先によって料金に幅があるためで、他の遺骨とともに埋葬される合祀墓の永代供養が最も安くなります。
<墓じまいパックの費用目安> | |
[納骨先] | [費用目安] |
・合祀墓 | 約30万円~50万円/1柱 |
・自然葬 | 約45万円~60万円/1柱 |
・納骨堂 | 約55万円~80万円/1柱 |
・公園型樹木葬 | 約60万円~80万円/1柱 |
「公園型樹木葬」とは、ガーデニング樹木葬などとも呼ばれ、美しい樹々や花々に囲まれた庭園区画に、小さなワンプレート型のお墓が並ぶお墓です。
納骨堂や公園型樹木葬のように、個別に遺骨を納骨する永代供養でも、契約した年数のみ個別に納骨され、契約年数内に更新がなければ合祀墓に合祀埋葬されます。
・樹木葬とは?特徴やかかる費用、メリット・デメリットについても紹介
墓じまいパック、業者の違い
◇「墓じまいパック」は提供する業種によって、違いがあります
「墓じまいパック」はもともと霊園業者が提供を始めたサービスですが、2023年現代では、仲介業者によるサービスも見受けます。
<墓じまいパック:提供業者による違い> | |
[墓じまいの種類] | [提供業者] |
・墓じまいパック | 霊園、墓石業者など |
・墓じまい代行 | 仲介業者 |
・墓じまい手続き代行 | 行政書士など |
ただし仲介業者による墓じまい代行サービスでも、今では「墓じまいパック」として提供している業者が多いです。
不動産業界を想像すると分かりやすいのですが、大きな違いは墓じまい当事者が提供するサービスと、仲介業者が介在するサービスの違いでしょう。
ここでは、仲介業者による墓じまいパックを「墓じまい代行」とします。
墓じまい代行サービスの内容
◇墓じまい代行サービスでは、提携する葬送業者を仲介します
また行政書士など、士業による「墓じまい代行サービス」では、墓じまいにまつわる行政手続きのみを扱うものも多いです。
特に寺院墓地にお墓があり、お墓を閉じるにあたり寺院のご住職とトラブルが起きそうな時には、士業による墓じまい代行サービスが役立ちます。
<墓じまい代行サービスの内容> | |
[葬送業者の仲介] | [やること] |
・納骨先の仲介 | 遺骨の納骨 |
・墓石業者の仲介 | お墓の撤去 |
・僧侶の手配 | 読経供養 |
墓じまい代行サービスは、多くの業者と比較検討できる点が魅力です。
ワンステップで一連の墓じまい作業を代行してくれるので助かる反面、仲介業者ですので、トラブルや交渉においてワンクッション入るため、こじれる可能性もあります。
墓じまい代行サービスの注意点
◇墓じまい代行サービスは、代行料が発生する可能性が高いです
霊園や墓石業者が提供する「墓じまいパック」は、自社のサービスをパックにして提供しているため、代行料は掛かりません。
けれども仲介をしている墓じまい代行サービスでは、代行料が掛かる可能性があります。
<墓じまいパックと代行サービス> |
||
[種類] | [メリット] | [デメリット] |
・墓じまいパック | ・代行料が掛からない ・サービスの質が一貫している ・交渉や意思疎通が早い |
・業者を選びにくい ・納骨先から決めると良い |
・墓じまい代行 | ・業者を選びにくい ・納骨先から決めると良い |
・代行料が掛かる可能性 ・サービスの質がバラバラ ・意思疎通がしにくい |
取り出した遺骨の納骨先選びから始める場合、納骨先の霊園が提供する墓じまいパックを選ぶと、スムーズです。
霊園や墓地で相談をすると、提携する墓石業者により内部調査を行ってくれるでしょう。
一方、墓じまい代行サービスでは、墓石の撤去や遺骨の取り出しなど、作業を依頼する業者から探す場合に、利用者が多い傾向です。
墓じまいパックの選び方
◇「墓じまいパック」は信頼性をチェックします
墓じまいを一貫してお任せできる「墓じまいパック」は、提供する母体業者の実績や経歴を確認すると、より安心です。
・経営規模
・実績
・経歴
・口コミ、評判
・公益法人などの認可
霊園や墓地であれば、管理運営会社や経営母体をチェックするのも良いでしょう。
納骨堂など個別に遺骨を残す永代供養であれば、納骨後のお付き合いも大切です。
この他、契約までの対応でも、選び方のポイントがあります。
見積もりの取り方
◇お墓の調査をして、見積もりを取っているか
お墓の立地状況によって撤去作業のコストは違います。
そのため誠実は墓じまいパック業者であれば、現地見学をしてから見積を取るはずです。
・クレーン車が横付けできるか?
・お墓にある遺骨の数
お墓の撤去に必要なクレーン車が横付けできない状況では、追加料金が掛かるなど、具体的な立地条件を確認したうえで、誠実に見積りを出してくれる、墓じまいパック業者を選びましょう。
見積もりの項目
◇細かく明瞭な見積もり項目になっているか
大まかな見積もり項目だった場合、見えないところで料金が加算されているかもしれません。
●相見積もりを取ることで墓じまいパックの費用相場が分かります。
疑問点があれば直接聞いて、その反応を確認すると良いでしょう。
また相場よりもよっぽど低い見積りでも、注意が必要です。
後々の追加料金など、トラブルの原因にもなり得ます。
下請けに丸投げしていないか
墓じまいパックで、できないこと
◇親族への説得や、一部、菩提寺との交渉は墓主本人が担うことが多いです
先祖代々墓など、親族も関わるお墓の墓じまいは、まず親族への説得と理解が不可欠ですが、説得や理解を得るソフト面は、墓じまいパックでは担えません。
・菩提寺と離檀の交渉
「菩提寺(ぼだいじ)」とは信仰する家ですが、現代は寺院墓地にお墓が建つ場合、墓地を管理運営する寺院を菩提寺と呼ぶことが多いです。
「離檀(りだん)」とは、菩提寺から離れることを差します。
「墓じまいパック」のなかには、トラブルも想定される菩提寺との交渉も、業務内容に含まれているものもあるでしょう。
・「檀家」とは?かかる費用や義務、檀家になる・やめるには?檀家にならず法要はできる?
親族の理解を得る
墓じまいを行う墓主が法的にも「祭祀継承者」であれば、お墓の処分に関する決定権は墓主にあります。
けれども後々のしこりを残さぬよう、親族・関係者には理解を得たいところです。
・墓じまいに至った経緯
・お墓を管理する問題点
・墓じまい以外の解決策
墓主の独断で墓じまいを決行することはできますが、供養の場として大切にしてきた親族にとって、大きなしこりを残すことにもなり兼ねません。
以上の点を話し合い、最終的に決めると良いでしょう。
・墓じまいや仏壇じまいで親族間トラブル☆話し合いがまとまらない事態を解決した3つの対策
離檀の相談
◇代々お世話になってきた菩提寺ですから、墓主から相談することが適切です
寺院墓地に建つお墓の墓じまいでは、多くが檀家をやめる「離檀」をしますから、寺院にとっては檀家を失うことになります。
現在は墓じまいパックで、離檀交渉を請け負うプランも多いですが、代々に渡りお墓を守り供養してくれた菩提寺に対し、感謝とともに墓主が伝えると、理解も得やすいです。
●最初から業者による離檀交渉は、事務的になりがちです。
…業者が入るタイミングは、離檀トラブルに発展しそうな時が良いでしょう。
誠意を持って離檀の相談をした時、トラブルに発展するようであれば、信頼できる第三者にお任せした方が良いかもしれません。
・大阪で起きた離檀トラブルにどう対応する?離檀料の金額相場や体験談に見る5つの解決策
墓じまいパックは、全てを任せるサービスです
墓じまいパックでは、遺骨の取り出しから墓石の撤去、更地にして墓地に返す整地だけではなく、取り出した遺骨の永代供養まで、一括してまる任せできるサービスです。
2011年頃から始まった「墓じまい」やサービスですが、現代ではあらゆる葬送業者や仲介業者で墓じまいパックを取り扱っています。
相見積もりを取る時には、細かな費用項目で上げてもらうよう依頼をして、値段単体ではなく、納骨先や納骨後の供養まで、総合的に判断して選ぶと良いでしょう。
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