
墓じまいにおける服装のマナーやポイントとは?お布施のマナーについても紹介

「墓じまいしたいけど、作法が難しそう」
「墓じまいのお布施の金額は、どのぐらい準備すべき?」
このように、墓じまいをするにあたって知りたいことがある方も多いのではないでしょうか。
墓じまいは多くの人にとって馴染みがなく、また経験者も周りに少ないことが多いでしょう。そこで本記事では、墓じまいの服装やお布施のマナー、案内状・挨拶状の書き方などについて説明していきます。
墓じまいの服装やマナーなどについて知ることで、後悔のない心のこもった墓じまいをすることができるでしょう。また、墓じまいの準備をスムーズに進めることができます。
これから墓じまいをすることを考えている方や、墓じまいをすることになって具体的に準備するものが何か知りたい方は、記事の内容をぜひ参考にしてみてください。
今あるお墓を管理者に返す「墓じまい」とは
少子化や地方の過疎化から、お墓の管理が若い世代の負担になることを懸念して墓じまいをする人が増えてきています。墓じまいとは、墓石を撤去してお墓のあった場所を更地に戻し、土地の使用権を管理者に返還することを指します。
墓じまいをするためにはお墓に納められている故人の遺骨を取り出し、別の場所に納骨しなければなりません。遺骨は勝手に取り出すことができず、行政の手続きをする必要があります。
手続きを踏んで遺骨を取り出し、新しい納骨先を見つけて納骨を行うことまでが墓じまいの内容に含まれます。
一般的には墓じまいと言うと、寺院で行われる供養をイメージすることが多いでしょう。寺院や僧侶に対しそれまでお墓に関してお世話になったことのお礼をすることも、墓じまいの重要な要素です。
墓じまいに立ち会う時の服装のマナーやポイント
なかなか立ち会う機会のない墓じまいですが、墓じまいには服装のマナーなどがあるのでしょうか。まずは、墓じまいに立ち会う時の服装のマナーやポイントについて紹介していきます。
- 事前に親族と相談しておく
- 墓石の解体のみの場合は平服で問題ない
- 法要後に墓じまいをする場合は喪服でもよい
- 雨の日は傘にも気を配る
- 子どもは制服か色が暗めの服を選ぶ
- 上着やコートを着る場合は革製品を避ける
- お墓の場所によっては歩きやすい服装を意識する
- 時計やアクセサリーは避ける
事前に親族と相談しておく
墓じまいの服装はダークカラーのスーツやワンピースといった、ブラックフォーマルに近い平服が基本です。半袖や半ズボン、パーカーのようなラフな服装は墓じまいの服装としてはふさわしくありません。
また、墓じまいに集まった親族の服装に差があると好ましくないでしょう。墓じまいの時の服装に関しては、事前に親族と相談をしておくことをおすすめします。平服ならある程度どのような服を着るのか話しておき、喪服を着るのであれば喪服で合わせましょう。
墓石の解体のみの場合は平服で問題ない
墓じまいでは閉眼法要をする場合がほとんどですが、場合によっては墓石の解体のみ行うことがあります。このような場合、墓じまいに参列する人の服装は平服でも問題ありません。
ここでの平服とは、男性なら黒・紺・グレーといったダークカラーのスーツ、女性なら同じくダークカラーのワンピースやアンサンブルを意味しています。子どもも同じくダークカラーの服か、制服を着ていくとよいでしょう。
法要後に墓じまいをする場合は喪服でもよい
墓じまいの一環として、お寺の本堂で法要を行う場合があります。法要後お墓に移動して墓じまいを行う場合は、法要のために着てきた喪服のまま墓じまいに参加して問題ありません。
雨の日は傘にも気を配る
墓じまいの当日が雨の場合は、服装だけでなく傘の色にも気を配る必要があります。カラフルなものは避け、暗い色の傘を選ぶようにしましょう。ふさわしい傘を持っていない場合は、ビニール傘でも問題ありません。
子どもは制服か色が暗めの服を選ぶ
墓じまいの時の服装は、子どもも大人と同じくダークカラーの洋服が好ましいです。制服がある場合は制服を着用するか、持っている服の中でも暗い色味の服を選ぶようにしましょう。
上着やコートを着る場合は革製品を避ける
墓じまいを行う日が寒い日の場合は、上着やコートなどの防寒着を羽織ることもあるでしょう。上着やコートなどの防寒着を着る場合は、殺生をイメージさせる可能性がある革製品などの着用は避けるようにしましょう。
お墓の場所によっては歩きやすい服装を意識する
墓じまいをするお墓が山奥にある場合などは、服装のマナーは二の次にして動きやすさを重視しても構いません。足さばきの悪い服装や履きなれない靴で転倒してしまうと、墓じまいどころではなくなってしまいます。特に、女性は高いヒールの靴を避けましょう。
お墓の場所によっては歩きやすい服装を意識して、墓じまいに参列するようにしましょう。
時計やアクセサリーは避ける
墓じまいの服装では、時計やアクセサリーはできるだけ避けるようにしましょう。どうしてもつける必要がある場合は華美なものを避け、女性ならパールのネックレスやイヤリングをするだけにとどめます。
押さえておきたい墓じまいにおけるお布施のマナー
墓じまいをする場合、「お布施」と呼ばれるものを用意する必要があります。お布施とは、読経をあげてもらった際に僧侶にお渡しするものです。それまでお世話になったことに対するお礼の気持ちを、ある程度の金額を包むことで表します。
ここからは、そんなお布施のマナーについて具体的にお伝えしていきます。
封筒の選び方
お布施を包む封筒は不祝儀袋を選びましょう。不祝儀袋とは葬儀や法要に使われる弔事用の袋で、コンビニや100円ショップでも手に入れることが可能です。不祝儀袋の選び方は黄白か、あるいは無地のものを選びます。
一般的な金額目安
墓じまいで包むお布施の金額は、一般的には閉眼供養に対して3万円~5万円ほどです。これまでお世話になったことへの感謝の気持ちとして、10万円以上を包む場合もあります。
お布施は具体的な金額が決まっているわけではないため、払う側の経済的状況を踏まえた上で無理のない金額設定をするようにしましょう。どうしても金額が気になる場合は、檀家総代など法要に詳しい人に相談して目安をつけておくと安心です。
表書きの書き方
お布施に使う不祝儀袋の表書きは「御布施」と書きましょう。自分で書く場合は濃墨の筆ペンなどで記載します。また、すでに印字されている封筒を購入すれば手間が省けて便利です。
袋の下部分には自身のフルネームか「〇〇家」と苗字を書きます。
中袋の書き方
不祝儀袋には中袋があるタイプとないタイプがあります。中袋がある場合は中袋の表側、中央に「金〇〇圓也」と記載しましょう。金額の部分は、壱、弐、参などの数字を使います。
また、中袋の裏側には左下部分に自身の情報を記載します。右から住所、名前、電話番号を書くようにしましょう。
裏書きの書き方
不祝儀袋に中袋が付いていない場合、袋の裏面に自身の情報と金額を記載しましょう。左下に右から住所、氏名、電話番号、金額の順に記載します。金額は壱、弐、参などの数字を用いて、「金〇〇圓也」と書くようにしましょう。
お札の入れ方や袱紗の包み方
お布施は袋の表面に対してお札の肖像画の面、そして上向きに出るように入れましょう。法要や葬儀の際は新札の使用は避けますが、墓じまいのお布施の場合は新札でも古いお札でも問題ありません。
また、袱紗に包む際は開いた時に封筒の表面が見えるようにして包みます。袱紗をひし形になるように広げ、真ん中より少し右側に不祝儀袋を置きましょう。右、下、上の順で畳み、最後に左側を折り、右側に包み込みます。
お布施を渡すタイミング
持参したお布施は、墓じまいの供養が始まる前に渡すとよいでしょう。寺院に着いて僧侶に会い、挨拶をするタイミングで「本日はよろしくお願いします」といった言葉と共に渡します。
また、お布施は供養が終わってから渡しても問題ありません。
供養と僧侶による法話が終わってから、「本日はおつとめいただき、誠にありがとうございました」というお礼の言葉と共にお布施を差し出しましょう。「ささやかではございますが、こちらはお礼です」という言葉を添えると丁寧な印象になります。
墓じまいの挨拶状や案内状のマナー
墓じまいをする際には、それまでお墓参りをしてくれていた人に対して、墓じまいをしたことを挨拶状にて知らせます。また、墓じまいの前には墓じまいを執り行うことを知らせる案内状の準備が必要です。
ここからは、墓じまいの挨拶状や案内状のマナーについてお伝えしていきます。
挨拶状や案内状の書き方
墓じまいの挨拶状には、以下の内容を記載します。
・時候の挨拶
・墓じまいをした時期
・元のお墓の所在地
・新しいお墓の所在地
・墓じまいをした理由
・結びの言葉
また、墓じまいの案内状には、以下の内容を記載しましょう。
・時候の挨拶
・墓じまいを行う意向
・墓じまいを行う日時
・墓じまいを行う場所
挨拶状や案内状は封筒に入れて送付しますが、枚数が多い場合はハガキで送っても問題ありません。
挨拶状や案内状を送るタイミング
墓じまいに呼ぶ人に対して、墓じまいを執り行うことを知らせる案内状を送りましょう。案内状は墓じまいの1ヶ月前までに送るのが一般的です。
一方、墓じまいに呼ばない人や墓じまいに来られなかった人に対しては、挨拶状をお墓での閉眼供養が終わってからなるべく早く送ります。墓じまいしたことを知らずにお墓参りをしてしまうことがないよう、挨拶状の送付忘れには気を付けましょう。
墓じまい当日の持ち物
ここまで、墓じまいに際して事前に準備するものなどについてお伝えしてきました。では、墓じまいの当日は何を持っていけばよいのでしょうか。ここからは、墓じまいの当日の持ち物についてお伝えしていきます。
お布施
墓じまいの持ちものとして、まずはお布施を忘れないようにしましょう。先にお伝えしたように、お布施とはそれまで寺院にお世話になったことに対するお礼の気持ちをお金で表したものです。袱紗に包んで持参し、袱紗にのせて差し出しましょう。
中袋の書き方
不祝儀袋には中袋があるタイプとないタイプがあります。中袋がある場合は中袋の表側、中央に「金〇〇圓也」と記載しましょう。金額の部分は、壱、弐、参などの数字を使います。
また、中袋の裏側には左下部分に自身の情報を記載します。右から住所、名前、電話番号を書くようにしましょう。
一般的な金額目安
墓じまいで包むお布施の金額は、一般的には閉眼供養に対して3万円~5万円ほどです。これまでお世話になったことへの感謝の気持ちとして、10万円以上を包む場合もあります。
お布施は具体的な金額が決まっているわけではないため、払う側の経済的状況を踏まえた上で無理のない金額設定をするようにしましょう。どうしても金額が気になる場合は、檀家総代など法要に詳しい人に相談して目安をつけておくと安心です。
いつものお墓参りに使う道具
お線香や掃除用具など、いつものお墓参りに使う道具も墓じまいの際に持っていくようにしましょう。線香は必要な分だけで構いません。
また、掃除道具も新調する必要はないため、いつも使っているものを持参するようにしましょう。
お花やお供え
墓じまいの際には、通常のお墓参りと同じようにお花やお供え物を持参する必要があります。
お花はお供え用の仏花で、スーパーや生花店などで売られています。花束は2つ作り、花の本数は奇数で揃えるようにしましょう。色も奇数でまとめると良いとされています。水は水筒やペットボトルで持参するか、墓地にある水道を使いましょう。
お供え物は故人の好きだったものや果物、お菓子などが良いでしょう。お酒を供える場合も多くあります。品物を包装して熨斗をかけ「御供」と書くと、よりかしこまった印象になるでしょう。
お供え物をする際には、飲食物は半紙や懐紙(小さな和紙)を敷いて、その上にのせるようにします。半紙や懐紙の準備が難しい場合にはハンカチで代用しても構いません。
なお、お供え物は墓じまいが終わる時に全て持ち帰ります。カラスなどがお墓を荒らす原因となるため、置き忘れがないよう気を付けましょう。
墓石解体費用
墓じまいでは、お墓を担当している石材店に渡す墓石解体費用が必要になる場合があります。これは閉眼法要をしてもらう当日に、墓石の解体をすることを予定している場合です。
費用については、石材店に確認して具体的な金額を事前に知ることができるので、過不足のないよう準備しましょう。
墓じまいの服装やマナーを確認しよう
ここまで、墓じまいの服装のマナーやポイント、お布施のマナーなどについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
墓じまいは多くの人にとって馴染みがないものでしょう。マナーとしては普段のお墓参りや法要と大差がありませんが、挨拶状や案内状を出す必要もあるため注意が必要です。
記事の内容を参考に、墓じまいのマナーや服装の確認に役立てみてください。
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