
初盆法要に参列時の服装マナーとは?喪服・平服の違いは?夏の喪服や、自宅への弔問は?

・初盆法要に参列する服装は?
・初盆法要で「平服指定」の案内が来たら?
・初盆法要に行けず、自宅へ弔問する服装は?
初盆法要に参列する服装は、通夜や葬儀から時間も経っているため、喪服か平服かを迷う人は多いですよね。初盆法要の形によっても服装が変わります。
本記事を読むことで、初盆法要の服装マナーや注意点、判断基準が分かります。
後半では初盆法要のご案内が来たものの、参列できなかった時、後でご自宅へ弔問する時の服装やマナーも解説していますので、どうぞ最後までお読みください。

そもそも「初盆」とは

◇「初盆」とは、人が亡くなってから初めて迎えるお盆です
そもそも「初盆(はつぼん)」とは、人が亡くなってから忌明けの後、初めて迎えるお盆を指します。
「忌明け(きあけ)」とは、人が亡くなって成仏するまでの四十九日間の「忌中(きちゅう)」が明けたことを意味し、成仏するまで故人の魂はあの世とこの世を彷徨う存在です。
また神道において死は穢れとし、忌中にご遺族は穢れを他者へ移さぬよう、贈り物や外出を控えるともされます。
初盆は故人が初めて迎えるお盆ですが、忌中にその年のお盆を迎える場合は、翌年のお盆が初盆です。
初盆に参列する時の服装は?

◇喪中に執り行う法要では、喪服を着用する参列者が多いです
初盆法要は、故人が亡くなってから四十九日までの忌中を過ぎ、初めて迎えるお盆です。そのため、喪中に執り行う初盆法要が多いでしょう。
一方喪明けの場合、平服指定の初盆法要もあります。ただ喪明け間もない初盆法要では、喪服着用が安心です。
初盆法要、男性の服装

◇男性の初盆法要の服装は喪服、白シャツに黒スーツ、黒ネクタイです
喪服マナーに準じて飾りのある黒靴は避け、内羽根式のストレートチップ、金具などを用いず、マットなものを選びます。
・白シャツ
・黒スーツ
・黒ネクタイ
喪服で参列すると安心ですが、施主側も葬儀時のような和装喪服などはほとんどありません。準喪服で揃えると良いでしょう。
初盆法要の服装での失敗談
初盆法要、女性の服装

◇女性の初盆法要の服装は、黒のアンサンブルやワンピースです
女性も喪服に倣い、黒であっても、光沢のある素材や露出の激しいものは避けます。
・黒ワンピース
・アンサンブル
・黒のパンツスーツ
靴はヒールが3cmほどのプレーントゥかスクエアトゥ、マットなものです。
またストッキングは透け感のある黒、こちらもラメなどに注意をしてください。
化粧も派手にならずネイルにも気を付け、長い髪は後ろにまとめて整えます。
家族のみで行う初盆法要の服装

◇家族のみの初盆法要では平服が一般的です
家族のみで初盆法要を執り行う場合、一般的に平服(へいふく)が多いでしょう。
施主であればご案内ハガキに平服指定の一文を添えることで、参加者は安心して準備できます。
「平服(へいふく)」とは、本来日常の服装・普段着を意味しますが、弔事における平服は、故人や参加者、僧侶への敬意を表し、「畏まったお出かけ着」として整えれば安心です。
イメージとしては皇室の方々が日ごろ着用されるような服装で、深緑や濃紺、黒など、暗めの落ち着いた色合い、無地でまとめます。
・弔事での「平服」は普段着ではない?「平服でお越しください」と指定されたらどうする?
お墓参りのみの服装
◇お墓参りのみであれば、シンプルな服装で参加します
お墓参りのみの初盆法要では喪服を着用する必要はありませんが、平服と同じように、カジュアルになり過ぎない、落ち着いた色合いの無地を基調にしたお出かけ着で整えると良いでしょう。
お墓の立地によって、険しい山道があったり、暑いなかで歩く距離が長いこともあります。
そのためお墓の立地環境によっては、運動靴を着用しても良いでしょう。
ただし運動靴も赤や黄色などの派手な色は避け、シンプルで黒やグレーなど、落ち着いた運動靴が適切です。
お墓が辺境地にある場合は怪我や転倒のリスクもあるため、あなたが施主であれば、ご案内ハガキに「運動靴でご参加ください」など、ひと言添えておくと丁寧です。
・【2024年度版】お盆のお墓参りはいつ行く?行かないとどうなる?お参りのタブーとは
全ての初盆に共通する服装の注意点

◇落ち着いた服装、色合いでまとめます
家族のみで行う場合など、平服で参加することも多い初盆法要ですが、僧侶をお呼びして供養する行事ですので、アクセサリーや髪型、小物などは基本的に喪服マナーに添いましょう。
お祝い事ではないので、キラキラした光沢やカラフルな色、華美な服装やアクセサリーなどを避けることはもちろん、メイクや髪型にも気を配ります。
髪型は黒が適切で、肩以上の長い髪は後ろひとつにまとめると安心です。
ゴムもカラフルなゴムや華やかなものは避け、黒のシンプルなゴムを使用しましょう。
アクセサリーは基本パールで
◇日本の初盆法要ではパールが基本です
欧米諸国では漆黒の「ジェット」など、喪に服すジュエリー「モーニングジュエリー」があり、日本でも皇室で着用されることもあります。
けれども一般的にはパールとされるため、初盆法要でアクセサリーを着用するならば、パールの一連ネックレス、及びパールのひと粒イヤリング(ピアス)のみの着用が安心です。
パールにはグレーパールやブラックパールがありますので、年齢に応じてグレーやブラックを着用することもあります。
弔事で着用するアクセサリーについて、詳しくは下記コラムをご参照ください。
・葬儀でのアクセサリーマナーとは?葬儀に着けるパールの種類やタブー、必ず着けるべき?
肌の露出は控える
◇スカート丈は膝が隠れる長さ、袖丈は七分丈以上が適切です
初盆法要の服装は露出を控えることも大切なマナーとなります。
特に夏場は半そでで参加したいところですが、袖丈は短くても肘が隠れる七分丈より短くならないよう、注意をしましょう。
もしも暑いようであれば「半袖ワンピース+薄手のジャケット」などのアンサンブルを選び、初盆法要の時のみ、ジャケットを羽織る対策も一案です。
夏場は汗をかくかもしれませんので、黒や白のハンカチやミニタオルも役立ちます。
・葬儀に参列する服装マナーは?身内だけの家族葬でも喪服が必須?タブーとされる服装は?
メイクは片化粧が適切
◇メイクは肌の色を隠す程度の「片化粧」です
弔事で派手なメイクはタブーですが、とは言え学生以上の大人の女性がすっぴんで参加することも避けた方が良いでしょう。
ただしでき得る限りアイシャドーやチーク、アイライン、マスカラなどの自身を飾ることを目的としたメイクは避けます。
家族が亡くなり疲れたクマや肌色を隠す程度のファンデーションほどに留めます。
このような弔事で扱う化粧方法が「片化粧(かたげしょう)」です。
かつで片化粧ではリップも塗らないことがマナーとされましたが、現代ではブラウンなど抑えた色目であれば、リップを塗っても良いとする考え方が増えました。
初盆法要でお手伝いをする服装

◇初盆法要でお手伝いをする場合、動きやすい服装を選びます
初盆法要の服装は、お手伝いをする場合でも喪服に代わりはありません。ただ黒いエプロンを用意するなど、お手伝いの準備は必要です。
女性であれば、初盆法要のお手伝いを頼まれたら、服装はパンツスーツを選ぶと、より動きやすくなります。
<女性が初盆法要のお手伝いをする服装> | |
・駐車場案内 | パンツスーツ |
・受付 | 黒のアンサンブルやワンピース |
・台所 | 黒いエプロンを持参 |
特に駐車場案内など、交通誘導を行う場合は動きやすい服装が便利です。
お手伝いではなにかと小物を持ち歩くことがあるので、黒い手提げ袋なども準備しておくと良いでしょう。
初盆法要、子どもの服装

◇子どもの初盆法要の服装は、光沢のない白×黒のトーンで整えます
学生服があれば問題ありませんが、未就学児では適した喪服を揃えるだけでもひと苦労です。子どもは白と黒で、あまりカジュアル過ぎたり、派手過ぎなければ、問題はありません。
・制服
・白シャツ
・ダークトーンのズボン
…など
初盆法要に未就学児を同席させる場合には、参列の意思表示の際、施主に未就学児が同行することを伝えましょう。
施主側も配慮が必要ですので、通常の初盆法要の香典金額にお礼の気持ちとして約3千円~5千円をプラスする両親も多いです。
・大阪の葬儀に参列する時の服装マナーを解説。数珠の選び方や、御香典の持ち運び作法まで
初盆法要の服装が平服指定

◇近年の初盆法要は、平服指定のものも多いです
初盆法要は故人と近しい関係性の人々が参列します。
小規模な初盆法要で気心知れた参列者が集まる初盆法要では、平服指定のご案内も多いです。
・初盆法要の会場が自宅
・お墓参りに行く
お墓参りに行くなら、動きやすい服装でなければ怪我の不安もあるでしょう。靴もヒールや革靴では行けない辺境のお墓もあります。
ただ基本として、初盆法要は喪服または礼服です。
案内状に「平服でお越し下さい」と記載されているかを確認し、判断します。
ごく近しい参列者のみの初盆法要により、電話で案内を受けた場合、服装まで確認しておくと安心です。
初盆法要の服装で平服と喪服の違いとは?
◇初盆法要の案内で、服装に平服指定があった場合、略喪服と捉えます
「平服」とは平常の服を差しますが、初盆法要の服装で平服指定があった場合の「平服」は、私服ではありません。
初盆法要の服装で「平服」とは「全て黒白で揃えなくても良いが、失礼のない服装で」と言うことです。
<初盆法要の服装が平服指定> | |
[男性] | ・ダークグレー、濃紺スーツ ・白のシャツ ・地味目な色柄、無地のネクタイ |
[女性] | ・地味な色のワンピース、アンサンブル(濃紺など) ・アクセサリーは控える ・露出は避ける |
平服指定であってもアクセサリーは華美なものを避けます。喪服と同じく、付けても一連のパールが良いでしょう。
初盆法要は夏!服装のポイント

◇真夏に執り行われる初盆法要の服装は、適度な暑さ対策が欠かせません
初盆法要は真夏に執り行われるため、は暑さ対策と服装のバランスに配慮をします。弔事なので露出は控えたいところですが、やはり暑いですよね。
●参列時のみジャケットを羽織る
・シャツは半袖
●女性の夏も喪服
・袖は七分丈ほど
・スカート丈は膝が隠れるほど
・素肌は出さない(ストッキング着用)
・涼しくても透ける素材は避ける
・靴はつま先が出るオープントゥは避ける
●暑さ対策
・水を常備
・アイスノンなどを持参
特に男性の喪服は一般的にブラックスーツなので、すぐにジャケットを脱ぎ着するなどの温度調整がポイントです。黒い服は熱を集めやすいでしょう。
また、子どもは熱中症などの心配がより強いです。
半袖・半ズボンでも問題はありません。白・黒の組み合わせを意識して整えます。
初盆法要の服装で、注意したい小物
◇初盆法要の服装は喪服が基本ですが、ハンカチなどの小物まで配慮します
真夏の初盆法要で目立つアイテムがハンカチです。
喪服は充分に準備をしていても、ハンカチまで用意していない人も多いため、カラフルなハンドタオルなどで、汗を拭く様子も見受けます。
・黒い携帯用の扇子など
・香典の持ち歩きは袱紗(ふくさ)を利用
また初盆法要の服装には、香典をしまう袱紗(ふくさ)まで準備をすると丁寧です。
しばしば、香典を購入した袋に入れて持ち歩く人がいますが、袱紗に包むと良いでしょう。
・初盆(新盆)の香典はいくら包む?金額相場や初盆の香典マナーを解説、包む袋や表書き?
初盆法要以降の服装マナー

◇法要は、三回忌法要までは喪服での参列が一般的です
先ほどは「喪中に執り行う法要は喪服が基本」とお伝えしましたが、広く三回忌法要まで、喪服で参列する風習があります。
これを基準に初盆法要の服装を整える人は多いでしょう。
ただ、気心が知れた家族のみの初盆法要での服装はどうなるのでしょうか。
●初盆法要の服装に迷ったら、僧侶をお呼びするかどうかで判断します。
…僧侶へお布施をお渡しするのに、充分な服装を選んでください。
初盆法要の服装が喪服・平服であることは、故人へのお悔みの気持ちを表すばかりではなく、僧侶への敬意も表しています。
初盆法要に行けず、弔問する時の服装

◇初盆法要に参列できず、後日ご自宅へ弔問する時の服装は、平服が多いです
初盆法要へ案内された場合、服装も喪服で整えますが、初盆法要に参列できず、後日ご自宅へ弔問してお線香をあげることもあるでしょう。
ご自宅への弔問は、平服で構いませんが、カジュアル過ぎたり、華美すぎることのないよう、地味な色でまとめた失礼のない服装を選びます。
自宅へ弔問する時間帯は?
◇お盆日程・お昼時を避けて、先方に連絡をしてから伺います
ご家族が忙しい日や時間帯を避けるため、お盆日程である8月13日~16日(月遅れ盆※)、お昼時を避けてアポイントを取ると良いでしょう。16時など、夕方頃の弔問が多いです。
・お盆日程を避ける
・お昼時を避ける
・連絡をしてから弔問する
・初盆見舞い(お供物)
・雑談を避け、速やかに帰宅する
ご自宅へ弔問する時には、ご家族がお忙しい時間帯を避け、弔問に訪れた時も、「お悔み申し上げます」「ご冥福をお祈りします」など、お悔みの言葉をひと言・ふた言のみで抑えると良いでしょう。
言葉少なに弔問を済ませ、速やかに帰宅してください。
またご自宅へ招いてくださったお礼の気持ちとして、お仏壇へ供える初盆見舞いの形で、約2千円~5千円ほどを目安とした手土産を持参すると丁寧です。
喪が明けていない初盆法要は、喪服が安心です

一般的に喪が明けていない初盆法要であれば、喪服で参列すると良いでしょう。不安があれば、高齢の親族などに相談すると良いかもしれません。
家族のみの小さな初盆法要や、お墓参りに行く時には平服が一般的です。
古い先祖代々墓などは、辺境地にお墓が建つこともあるでしょう。転倒して怪我をしては危ないので、スニーカーで参列することもあります。
施主に確認をしながら、危なくならない服装にも配慮をしてください。
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