葬儀に参列する服装マナーは?身内だけの家族葬でも喪服が必須?タブーとされる服装は?
・喪主が葬儀で着る服装は?
・葬儀に参列する服装マナーは?
・葬儀でタブーとされる服装は?
葬儀に参列する服装は喪服ですよね。
故人へ弔意を表すため喪服は、他の礼服とは別に用意する人が多いです。
ただ葬儀の服装にも格式があり、故人との関係性や立場、葬儀スタイルに配慮しなければなりません。
本記事を読むことで、それぞれの立場や状況に見合った葬儀で着る服装やタブー、注意点が分かります。
葬儀に適した服装とは?
◇葬儀の服装は、喪家が正喪服・参列者が準喪服です
冠婚葬祭では礼服を着用し参加しますが、通夜や葬儀をはじめとする弔事においては、専用の喪服を用意します。
現代では慶事・弔事両用の礼服も見かけますが、同じフォーマルでも葬儀の服装は光沢やフリルなど、華美なデザインを避けなければなりません。
また葬儀の服装には着る人によって、正喪服・準喪服・平服(略喪服)の、3つの格式があるため、周囲との関係性を鑑みながら、失礼にならず、場面にふさわしい服装を心がけることが重要です。
礼服との違い
◇「礼服」とはフォーマルウェアーです
「礼服」は冠婚葬祭の場で着用する服装で、敬意や尊厳を表します。
一般的には「フォーマルウェア」と呼ばれる服装です。
<礼服と喪服の違い> | ||
[種類] | [意味] | [シーン] |
①礼服 | ・正装 | ・結婚式 ・入学式 …など |
②喪服 | ・弔事における礼服 | ・お葬式 ・法事 …など |
このように広義では喪服も礼服の一部ですが、それぞれに着用するシーンや意味合いが異なるため、故人を弔うために喪に服する装いとして、喪服と礼服は別に準備をします。
葬儀の服装、格式とは?
◇喪服には、正喪服・準喪服・平服(略喪服)があります
喪服は着る人によって、正喪服・準喪服・平服(略喪服)の3つの格式があり、「格式」は故人との血縁関係などの関係性で判断するものです。
決して社会的地位により格式が決まる訳ではないので、注意をしてください。
<葬儀の服装での格式とは> | ||
[格式] | [意味] | [着る人] |
①正喪服 | ●最も高い格式 | ・喪主(施主) ・第三親等までの親族 |
②準喪服 | ●正喪服に準ずる | ・知人友人 ・一般参列者 |
③平服 (略喪服) |
●畏まった服装 | ・三回忌以降の法要 ・急な弔問 …など |
基本的に葬儀で着る服装は、喪主(施主)や第三親等までの親族、ご遺族などの喪家であれば正喪服を着用しますが、現代では喪主でも準喪服を着用する葬儀も増えました。
一般参列者であればブラックスーツなどの黒で整えた準喪服での参列です。
平服(略喪服)は基本的に、喪主(施主)側から平服指定があった時に着用しましょう。
それでは、下記よりそれぞれの喪服について、詳しく解説していきます。
喪主の葬儀の服装とは?
◇喪主の葬儀の服装は、基本的に正喪服です
「正喪服」は喪主(施主)や、主に第三親等までの親族側が着用する葬儀の服装で、一般的に喪主(施主)は和装の正喪服、その他の親族は洋装の正喪服が選ばれます。
そのためかつては喪主は男性・女性ともに、和装の正喪服を着用し参列することがマナーとされてきたためです。
ただ現代は規模の小さい葬儀など、喪主の服装であっても、準喪服や洋装の正喪服が多く見受けられます。
葬儀の服装:喪主の男性
◇正喪服の男性は紋付羽織袴、モーニングスーツです
喪主の男性は本来正喪服ですので、和装か黒のモーニングで参列します。
けれども現代は、葬儀社との打ち合わせや会場設定など、何かと忙しいなかで動きにくいため、参列者と同じくブラックスーツなどの準喪服を着用する喪主の男性も一般的になりました。
<葬儀の服装:喪主の男性> | |
[和装] | ・黒の羽織 ・着物 ・仙台平の袴 |
[洋装] | ・黒のモーニング |
この時、足袋は一般的には白ですが、地域によって黒足袋とする遠きもあるため、思い当たる方は、年配の親族や葬儀社に確認すると良いでしょう。
葬儀の服装:喪主の女性
◇正喪服の女性は黒紋付の着物、ブラックフォーマルです
最近では喪主でも葬儀の服装に洋装を選ぶことが増えていますが、まだまだ喪主は和装とする地域は多いでしょう。
<葬儀の服装:喪主の女性> | |
[和装] | ・黒無地の着物 ・家紋が入る (実家か婚家の家紋) ・黒無地の丸帯 |
[洋装] | ・ブラックフォーマル |
[洋装の注意点] | ●肌の露出を最小限にする ・詰まった襟元 ・長いスカート丈 ・長袖 |
喪主の女性が洋装の正喪服を着用する場合、準喪服との違いは肌の露出です。
肌の露出がより少ない服装が格式が高いとしますので、スカート丈はくるぶし丈、襟裳元も詰まったものを選びます。
光沢がなく、装飾は使わずにシンプルな黒無地が基本です。
喪主が葬儀:アクセサリー
参列者が葬儀で着る服装とは?
◇参列者が葬儀で着る服装は、準喪服です
参列者が着る葬儀の服装は「ブラックスーツ・ブラックフォーマル」と呼ばれる、一般的な準喪服で問題はありません。
前述したように喪服には格式があるため、一般参列者は喪主(施主)やご遺族よりも、格式の高い喪服を着用すると、失礼にあたります。
細かいようですが準喪服は、ビジネス用のブラックスーツや礼服よりも色目が深い漆黒が多く、並ぶと比較され分かりやすいので、喪服として1着でも用意しておくと安心です。
葬儀の服装:参列者の男性
◇参列者の男性が着る葬儀の服装は、ブラックスーツです
葬儀に男性が参列する服装は、光沢のない黒無地のブラックスーツを選びます。
弔事専用の黒いブラックスーツがありますので、「弔事用で」と伝えると適切なものを準備してくれるでしょう。
<葬儀の服装:参列者の男性> | |
[ブラックスーツ] | ・光沢のない黒無地 ・上着…シングル、ダブルいずれも良い ・パンツの裾…シングル |
[ワイシャツ] | ・レギュラーカラー ・白無地 |
[ネクタイ] | ・黒無地 ・光沢素材でないもの ・くぼみ(ディンプル)を作らない |
[ベルト] | ・黒無地 ・シンプルなデザイン |
[靴下] | ・黒の無地 |
[シューズ] | ・黒の革靴 ・シンプルなデザイン ・紐で結ぶタイプ |
白のワイシャツはカジュアルすぎたり、おしゃれ感を出さないよう、ボタンダウンやワイドカラーは避けましょう。
パンツのベルトも大きい金具バックルが付いたものなど、装飾が目を引くデザインは避け、靴下は黒の無地が基本です。
また靴もシンプルなデザインが好ましく、先が尖っていたり光沢のある素材、バックルなどの装飾のある靴は避けます。
葬儀の服装:参列者の女性
◇参列者の女性が着る葬儀の服装は、ブラックフォーマルです
女性の参列者が葬儀で着る服装はブラックフォーマルですので、光沢のない黒いワンピースやアンサンブル、ブラックスーツなどを選びます。
キリスト教の葬儀では黒いレースの手袋を付けて参列する人もいますが、お焼香の際には手袋を外して行いましょう。
<葬儀の服装:参列者の女性> | |
[ブラックフォーマル] | ・ワンピース ・アンサンブル |
[袖丈・スカート丈] | ・袖丈…長袖~5分袖 ・スカート丈…膝~ふくらはぎ丈 |
[アクセサリー] | ●パールが定番 ・一連ネックレス ・ひと粒イヤリング |
[バッグ] | ・黒の布製が基本 ・シンプルなデザイン |
[ストッキング] | ・30デニール以下 ・透ける黒 |
[パンプス] | ・シンプルな黒パンプス ・布または革の素材 |
バッグの素材は基本的に、光沢や飾りのないものを選び、数珠や袱紗(ふくさ)が入る大きさがおすすめです。
パンプスは3cm~5cmほどのヒール丈、シンプルなフラットなデザインを選びます。
葬儀の服装:アクセサリー
◇葬儀で付けるアクセサリーは、パールの一連ネックレスです
葬儀の服装で女性が付けるアクセサリーは、日本ではパールが一般的でしょう。
ただヨーロッパ諸国では「モーニングジュエリー」の風習があり、パールの他にもジェットやオニキスなども、喪に服すアクセサリーとして選ばれます。
<葬儀の服装:アクセサリー> | |
①結婚指輪 | ・石は手の平側に回す |
②パール | ・ホワイトパール ・ブラックパール ・グレーパール [マナー] ・ミディアムサイズ(7cm~8cm) ・一連ネックレス(40cmほど) ・ひと粒イヤリング |
③モーニングジュエリー | ・ジェット ・ブラックコーラル(黒珊瑚) ・オニキス |
モーニングジュエリーでは化石化した木から作られた「黒玉」とも呼ばれる「ジェット」が知られており、日本の皇室でも着用されてきました。
葬儀の服装にパンツスーツは?
◇できるだけパンツスーツは避けた方が無難です
一般的にパンツスーツは喪服の格式として下がるため、特に喪主やご遺族の立場でパンツスーツは避けるべきとされています。
葬儀の服装として女性の場合、一般的には黒のドレス(ワンピース)が最も格式高く、ツーピース(スカートスーツ)が、それに準じるとされ、パンツスーツはその下の格式になるためです。
・世話役(お手伝い)を依頼されている
・子ども連れの参列
・年配で寒い日などの事情がある
ただし一般参列者の立場であれば、遺族よりも格上になることはないため、失礼とまでは行かないでしょう。
葬儀で裏方の手伝いがある、子どもとの参列で動きやすい服装が好ましいなど、事情があれば黒いパンツスーツでの参列も可能です。
葬儀に子どもが参列する服装は?
◇でき得る限り、子どもの葬儀への参列は控えます
…学生であれば、学生服が喪服の代わりです。
ご遺族や、故人と特別に近しい関係性にあり、ご遺族から参列を依頼されたなどの事情がなければ、でき得る限り赤ちゃんや子どもの葬儀への参列は控えます。
それでも、何らかの事情で就学前の子どもが参列する場合、服装は無地の白と黒で整えると良いでしょう。
ただし赤ちゃんは体調管理を第一とし、できればグレーや黒などが良いですが、落ち着いた色であれば生成り色や水色などでも、失礼にはあたりません。
その他、子どもが参列する場合の服装は、下記コラムをご参照ください。
・葬儀に子どもが参列する服装は?就学前の子どもと参列する持ち物、注意点やマナーを解説
お葬式の服装:小物は?
◇お葬式には、数珠や袱紗を準備します
お葬式に参列する際、お香典・数珠・袱紗(ふくさ)・ハンカチなど、小物4点を忘れずに持参することを心掛けましょう。
「ハンカチは必要?」などの声も聞こえますが、葬儀の席では手を拭く役割だけではなく、涙を拭くハンカチにもなります。
また、女性であれば予備のストッキングを、男性であれば着替えや黒ネクタイなども必要に応じて持っていくと安心です。
数珠は何を選ぶ?
◇数珠は略式数珠(片手数珠)で良いでしょう
仏式の葬儀では、お焼香の際に数珠を手に掛けて行いますが、数珠の素材や色は、好きなものを選んで問題ありません。
数珠にはその家の宗派により正式な数珠の形が違いますが、相手の宗派に合わせて数珠を用意する必要はありません。
ただし数珠は仏教の仏具なので、キリスト教や神式の葬儀で数珠を持ち出すのはマナー違反です。
ハンカチ選びのポイント
◇ハンカチは白・黒の無地を選びます
通夜・葬式に持っていくハンカチは、白か黒のシンプルなデザイン、多少の刺繍やレースがあっても構いませんが、華美にならないよう注意をしましょう。
また法事(法要)では、白や黒以外にもグレー、紺色のハンカチでも問題ありません。
デザインは葬儀と同じくシンプルな無地が基本ですが、控えめなレースや刺繍であれば大丈夫です。
コートを羽織るなら
◇葬儀に着るコートは黒無地が適切です
葬儀の服装でコートを羽織る場合、喪服と合わせて黒のコートが良いでしょう。
黒いコートがない場合は、なるべく黒に近いネイビー(濃紺)やダークグレーのコートなどがおすすめです。
<葬儀の服装:コート> | |
[色] | ●無地が良い ・黒 ・ネイビー(濃紺) ・ダークグレー |
[種類] | ・礼装用コート ・ビジネスコート |
葬儀でコートを脱ぐタイミングは、一般的に受付の前ですが、葬儀会場の入り口前で脱いで裏返しにし、腕に掛けて受付に並ぶ人も少なくありません。
もしも適切なコートがなければ、早々に脱いで裏返して隠したり、近くのコインロッカーなどに預けるのも良いでしょう。
ご香典を包む、袱紗
◇ご香典は袱紗に包んで持参します
「袱紗(ふくさ)」とは、ご香典袋が汚れたり、しわっぽくなるのを防ぐために、ご香典を包む布や袋です。
袱紗は冠婚葬祭においてお金を持ち歩く時の基本的なマナーなので、ご香典だけではなく、結婚式のお祝儀などでも用いられます。
<弔事における袱紗の色> | |
●おすすめの色 | ・光沢のない黒色 ・深い紫色 |
●寒色系の色 | ・うぐいす色 ・青(灰青・紺色) ・深緑(緑) |
黒であってもフリルなどの装飾が付いていたり、光沢のある黒は避けます。
なかでも紫色は慶事・弔事両用が可能な色なので、1枚持っておくと便利です。
ただし薄紫色は慶事のみで扱う色なので、注意をしてください。
雨の日の傘
◇雨の日の傘まで配慮をすると丁寧です
葬儀の日に雨が降ることを「涙雨」と呼び、基本的には雨が降るなど天候が悪くても、葬儀が中止になることは少ないでしょう。
葬儀に持参する雨具も、基本的には光沢のない黒が適切です。
黒い傘であっても、金具や装飾が派手なデザインは避けます。
黒い傘がなかったら地味な色目の濃紺やダークグレーなどであれば大丈夫です。
また濡れたままで葬儀に参列するのは失礼なので、濡れてしまったらタオルで拭いてから参列しましょう。
葬儀に時計は付けても良い?
◇時計を付けるならシンプルなものを選びます
時計を付けて葬儀に参列することには賛否両論ありますが、時間が迫っているなど、事情があれば時計を付けて行くのも致し方ないでしょう。
時間を確認するために、葬儀の席で頻繁にスマホを確認するのも、傍目から見て、あまり良い印象にはなりません。
ただ付けていく時計は黒や濃紺の無地、シンプルなデザインが好ましいです。
金具が光ったり、派手な時計は避けてください。
「世話役」を頼まれたら
◇黒い無地のエプロンやサブバックも準備します
「世話役」とは受付や裏方、駐車場係や会計係など、葬儀をお手伝いする方々を差し、しばしば喪主(施主)より頼まれることがあるでしょう。
世話役を頼まれたら、でき得る限り快く引き受けるのがマナーです。
●パンツスーツでも良い
・黒い無地のエプロン
・黒いスリッパ
・黒い無地のサブバック
世話役として葬儀の裏方を頼まれたら、動きやすいパンツスーツで参列しても、理解を得ることができます。
ただ受付を頼まれた場合には、葬儀の顔として準喪服で整えましょう。
葬儀の服装にタブーはある?
◇葬儀は仏教に倣い、故人を弔う服装を心がけます
葬儀の服装は故人への敬意を表し、故人を弔う服装を心がけるため、基本的には「喪に服す装い」として、黒の無地、装飾や露出のないものが基本です。
また昔のお通夜では「突然の訃報に駆けつける」として、濃紺やダーググレーのスーツなどで整えた「平服(略喪服)」を着用して参列しましたが、現代は葬儀と同等のお通夜マナーが一般的です。
昔ながらのお通夜マナーが残っている地域以外では、お通夜も葬儀も、準喪服で参列します。
殺生をイメージするもの
◇レザーバックやファー素材などを避けます
日本では広く仏式の葬儀を執り行いますが、仏教では殺生を行ってはなりません。
そのため殺生をイメージさせる素材の使用はタブーです。
・ファー素材
・クロコなどの皮素材
合成革であっても見た目に動物の皮を連想させるものは避けます。
革靴やベルトなどでは、ツヤ消しされた無地のものなどであれば良いでしょう。
光沢などの装飾品
◇金具のバックルや光沢を避けます
葬儀の服装で装飾は最小限に抑えるため、ゴールドやシルバーの金具が目立つものなどはふさわしくありません。
特にベルトやバックの金具類や、靴などの装飾に光に反射し存在を主張するゴールドやシルバーのバックルなどを見受けるため、注意をしてください。
できるだけ露出は避ける
◇スカート丈はひざ下、袖丈は五分丈以上を着用します
故人への弔意を表す葬儀の服装では、肌の露出を抑えるほど格式が高いです。
そのためくるぶし丈など、長すぎるスカート丈は喪主(施主)でない限り控えますが、短すぎるスカート丈も失礼にあたります。
スカート丈は膝が隠れたふくらはぎほどのミディアム丈が好ましく、袖丈は5分袖以上、半袖は夏場でも避けるべきです。
そのため夏場は半そでのインナーにジャケットを羽織り、葬儀のみジャケット着用で参列して対応します。
アクセサリーのタブー
◇葬儀の服装でアクセサリーは、一連ネックレスです
葬儀のアクセサリーは前述したとおり、洋装の場合にパールもしくはモーニングジュエリーの着用が許されますが、ネックレスは40cmほどの一連ネックレスを着用します。
<アクセサリーのタブー> | |
●パールのネックレス | |
①二連ネックレス | ・不幸が重なる |
②ペンダントトップ型 | ・パールが連なるタイプを選ぶ |
③デザイン性が高い | ・光沢が強すぎる ・大きい ・丸形以外の形 |
④色 | ・ピンク ・ゴールド ・ピーコック |
●パールのイヤリング | ・耳元で揺れるデザイン ・大きすぎるもの |
結婚指輪は失礼には当たりませんが、ダイヤなどの宝石があれば、手元へ回して目立たないようにします。
パールは黒やグレーでも問題はありませんが、光沢が強すぎたり大きすぎるものはデザイン性が高くなので控えましょう。
カジュアルな服装
◇Gパンなど、カジュアルすぎる服装は避けます
家族葬などの身内のみの葬儀であっても服装はカジュアルになり過ぎない平服(略喪服)に留めると良いでしょう。
平服(略喪服)は濃紺やダークグレーなどで整えたダークスーツで、男性ではリクルートや役所でのビジネススーツをイメージです。
女性はパンツスーツでも問題はありませんが、Gパンやスェードなどの素材、スニーカーなど、カジュアルすぎる服装は避けます。
葬儀のメイク
◇葬儀ではシンプルな片化粧が基本です
「片化粧」とは、お通夜や葬儀への参列や服装に適したシンプルな化粧となります。
そのため自然に見せるために、しっかりとメイクを施した「ナチュラルメイク」とは異なる点には注意をしてください。
けれどもノーメイクで葬儀へ参列することも避けます。
かつての片化粧は口紅も塗らないで参列しましたが、現代では目立たない、落ち着いた色目の口紅は塗っても良いとする傾向です。
・弔事の化粧「片化粧」とは?ナチュラルメイクとは何が違うの?通夜や葬儀での化粧マナー
年代で葬儀の服装は変わる?
◇葬儀で女性の服装の場合、スカート丈などを配慮します
女性が参列する葬儀の服装で、年代によって配慮したいポイントはスカート丈です。
短くてもひざが隠れる丈~ふくらはぎ丈を選ぶことは基本ですが、年代によって少しずつ長くなる傾向にあります。
同じように胸元の開きも、年代を重ねるごとに襟元を詰めて行く傾向です。
この他、パールのネックレスも年代により選ぶ色が変化する片が多いでしょう。
20代での葬儀の服装
◇ボレロタイプのジャケットが多いです
女性が20代で着用する葬儀の服装は、ひざ下~ふくらはぎ丈を守りながらも、多少裾や襟元に開きがあっても問題はありません。
そのためフレアースカートなど、動きのあるものも多いでしょう。
実際に参列の席では、タイトスカートよりもフレアスカートを選ぶことで、裾さばきを気にすることなく立ち座りが楽になります。
30代での葬儀の服装
◇20代の頃よりも落ち着いた準喪服を選びます
裾や襟元の動きを抑え、全体的に落ち着いた形の準喪服が一般的です。
30代まではパールアクセサリーも、アコヤなどの白パールが多いでしょう。
また、40代に向けて体型が少しずつ変化していく方も多いので、ぴったりとしたデザインよりも、少し余裕のあるものを選んでおくと安心です。
40代での葬儀の服装
◇襟元の開きが控えめな、格式が高いワンピースタイプを用意します
40代になると、お通夜やお葬式に参列する機会が増えていくため、きちんとしたブラックフォーマルを1着は準備しておくと良いでしょう。
40代からのパールアクセサリーは、グレーパールなども好まれます。
また体型が気になる場合は、ツーピースよりも格式が高く、体形もカバーできるI型のワンピースが選ばれる傾向です。
50代での葬儀の服装
◇正喪服と兼用できる喪服を準備します
50代以上の女性が葬儀に参列する服装は、一般参列者であっても丈がより長い喪服を着用しても失礼にはなりません。
またパールアクセサリーは黒パールを着用しても違和感はないでしょう。
この他、喪に服すモーニングジュエリーとして、ジェットを選ぶ方もいます。
50代の女性が選ぶ喪服はシンプルなデザインが基本ですが、スカート丈がふくらはぎ丈よりも長く、襟元の開きが詰まったデザインがおすすめです。
平服を指定されたら、どうする?
◇弔事の平服は、略式喪服(略喪服)です
招待状に「当日は平服で」との記載がある場合、カジュアルな普段着を想像するかもしれませんが、実際には略喪服を指しています。
略喪服は喪服ではないので黒に限られてはいませんが、弔事の席として失礼にならない、落ち着いた色でまとめた、畏まったお出かけ着です。
<平服(略喪服)とは> | |
[男性] | ・ダークスーツ ・リクルートスーツ |
[女性] | ・ワンピース ・スーツ ・ツーピース ・アンサンブル ・パンツスーツ |
[色] |
●落ち着いた色で統一 ・黒 ・ダークグレー ・濃紺 …など |
タブーの項で触れましたが、「平服」自体は普段着の意味を持ちますが、弔事における「平服」は、カジュアルな普段着ではありません。
男性は役所や営業職の方々が着るスーツやリクルートスーツのイメージが良いでしょう。
持参するバッグなどの小物類は、葬儀の際と同じくブラックフォーマルのマナーに沿って用意します。
喪服を持っていない時はどうする?
◇喪服のレンタルも検討してみましょう
今では突然の葬儀に供えて喪服のレンタルもできます。
喪服のレンタルは葬儀社や貸衣装店、紳士服店などによるサービスがあり、インターネットによる喪服レンタルサービスも登場しました。
<喪服レンタルの料金相場> | |
①葬儀社、貸衣装店 | ・約7,800円ほど~ |
②インターネット | ・約5,300円ほど~ |
③紳士服店 | ・男性…約1万5,000円ほど~ ・女性…約5,000円ほど~ |
喪服レンタル自体はマナー違反には当たりませんが、レンタルにあたり、自分のサイズに合ったものを選ぶこと、礼服ではなく喪服として適切なものを選ぶよう、注意をしてください。
夏場に着る葬儀の服装は?
◇葬儀会場では上着を着てフォローすると良いでしょう
夏の葬儀は暑くて服装に迷う方もいますよね。
暑くて上着を脱ぎたくなりますが、アナウンスにより上着を脱ぐことが推奨されていない限り、基本的には上着を着て参列するのがマナーです。
・夏用の薄手の喪服を準備する
・ジャケットの中を半袖シャツにする
ただでさえ暑い夏場ですが、真っ黒な喪服は熱を集めやすく体調も気にかかります。
最近では熱を吸収しにくく、ひんやりとした冷感素材でできていたり、風通しの良い薄手の夏用喪服も販売しています。
またジャケットのなかに半袖を着用し、葬儀会場近くまでジャケットを脱いで、会場近くで着る方法も一案です。
季節によって喪服は違う?
まとめ:葬儀の服装は弔意を表す
冠婚葬祭で着る服を全般的に「礼服」と言い、結婚式や祝賀パーティまで対応できる、落ち着いた黒などのフォーマルドレスやフォーマルスーツを持つ方は多いです。
けれども葬儀で着る服装は、自分の格式を上げるのではなく、故人へ敬意を表し喪に服すための服装となります。
そのため参列者はデザイン性の高い服装を極力避けて、故人への弔意を表した素材やデザイン、服装に徹し、控えめに整えることが大切です。
葬儀で許されるパールのアクセサリーも涙を表現したものですので、自分を飾ることが目的ではありません。
他の参列者や葬儀スタイルに柔軟に対応して、周囲と合わせた葬儀の服装で参列し、故人を偲び弔いましょう。
お電話でも受け付けております
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