葬儀でのアクセサリーマナーとは?葬儀に着けるパールの種類やタブー、必ず着けるべき?
・葬儀に着けるアクセサリーとは?
・葬儀にアクセサリーは必ず必要?
・葬儀のアクセサリーはパールのみ?
一般的に葬儀に着けるアクセサリーはパールの一連ネックレス、そしてひと粒イヤリングですよね。
ただ弔事である葬儀では、パールネックレスにも着けて良いものとタブーがあります。
またパール以外にも着けて良いアクセサリーもあるのです。
本記事を読むことで、葬儀に着けるアクセサリーマナーやタブー、欧米の葬儀で着けるアクセサリー「モーニングジュエリー」の考え方が分かります。
葬儀のアクセサリーマナーとは?
◇従来、葬儀ではアクセサリーは結婚指輪のみでした
日本では従来、葬儀に着けるアクセサリーは結婚指輪のみ、ダイヤなどの宝石が付いたものは控えてきました。
けれども準喪服として洋装が一般的になった現代では、欧米の葬儀におけるアクセサリーマナーに倣い、パールの一連ネックレス、そしてひと粒イヤリング(ピアス)を付けて喪服の完成とする考え方が一般的です。
葬儀にアクセサリーは必ず着ける?
◇葬儀にアクセサリーは、必ず着ける必要はありません
前述したように、和装で葬儀に参列した昔の日本では、アクセサリーを着けての参列はマナー違反とされました。
そのため喪主(施主)やご遺族が着用する和装の喪服においては、むしろ葬儀に参列する際、アクセサリーは着用しないのがマナーです。
<葬儀アクセサリー:着用の目安> |
||
[喪服の格式] | [着用する人] | [アクセサリー] |
①和装の正喪服 | ・喪主 ・ご遺族 |
・付けない |
②準喪服 (ブラックフォーマル) |
・ご遺族 ・一般参列者 |
・付けても良い |
現代では一般的に葬儀にパールのアクセサリーを着けて参列しますが、必ず着用すべきものではありません。
喪服の「格式」とは、故人との関係性により変化する正装の格式です。
喪主や第三親等までのご遺族が最も高く、参列者はそれに準じます。
詳しくは下記コラムをご参照ください。
葬儀に婚約指輪はタブー?
◇一般的に葬儀に婚約指輪の着用はタブーです
葬儀のアクセサリーとして、男性・女性ともに、結婚指輪をつけて問題ありません。
結婚指輪にはゴールド(金色)や、ダイヤモンドが付いているものも多いため、周りの目を気にする場合は、外しても問題はないでしょう。
ただし結婚指輪と婚約指輪をセットで、日常的に身に着けている人も増えていますが、婚約指輪は外す方が丁寧です。
葬儀にふさわしいパールアクセサリー
◇パールは「月の涙」とも呼ばれています
葬儀にパールアクセサリーがふさわしいとされるのは、パールが「月の涙」と呼ばれ、喪に服すアクセサリーとされるためです。
その後、他の参列者たちも女王に倣い、葬儀にパールアクセサリーを身に着け、喪に服す「モーニングジュエリー」として広く認知されるようになりました。
このようなことから、日本でも悲しみを表す葬儀では、パールが一般的です。
ただしパールであれば何でも良い、と言う訳ではありません。
葬儀に適したパールのデザイン
◇葬儀ではパールが連なる一連ネックレスを選びます
葬儀で着用するパールアクセサリーは、パールが連なる一連タイプです。
円形のパールで長さは約40cmほど、留め具の色はシルバーを選びます。
二連や三連のパールネックレスは、「不幸が繰り返される」ためタブーです。
パールが等間隔で配置されているステーションデザインも、カジュアルな印象を与えるのでふさわしくありません。
①一連ネックレス
・長さは鎖骨ぐらい
(約40cmほどの長さ)
②丸形
③留め具はシルバー
パールは形状もさまざまにありますが、バロック型など、デザイン性を感じるものではなく、シンプルな丸形を選びます。
また留め具ゴールドは華美に映るため、シルバーで華やかさを抑えましょう。
パールのサイズ
◇パールはミディアムサイズの7mm~8mmほどが適切です
葬儀でパールアクセサリーを着用するならば、サイズは大きすぎず、小さすぎないものを選びます。
ミディアムサイズが標準的なパールの種類はアコヤパールです。
・アコヤパール…約7mm~8mmほど
・タヒチパール…約11mm~13mmほど
葬儀で選ばれるパールアクセサリーはアコヤパールやタヒチパールがありますが、タヒチパールは約11mm以上のものが標準的で少し大きめになります。
そのため20代・30代ほどの若い世代はアコヤパールを選び、40代以降の女性は少し大きめのタヒチパールを選ぶ傾向です。
葬儀アクセサリー:パールの色
葬儀にタブーなパールとは?
◇ピーコックやピンクなど、カラフルなパールはタブーです
ブラックパール・グレーパールは葬儀にもふさわしいアクセサリーですが、そのなかでも、派手さを感じる光沢が強すぎるものは避けましょう。
またパールにはカラフルなピーコックなど、さまざまな色味があります。
ピーコックの他、ピンク・ゴールドパールなどは、華やかすぎて葬式にはふさわしくありません。
グレーパール・ブラックパール
◇40代・50代以上でグレーパールやブラックパールが選ばれます
葬儀にグレーパール・ブラックパールのアクセサリーを着用しても問題ありません。
特定の年齢に制限されることはありませんが、一般的にグレーパールやブラックパールは、40代後半~50代以降の女性に選ばれる傾向です。
<グレーパール、ブラックパール> |
|
[喪服の格式] | [着用する人] |
①グレーパール | ・一般的に40代以降 ・光沢のないもの |
②ブラックパール | ・一般的に50代以降 ・光沢のないもの |
もし年齢を特定するならば、人生経験を積んで「2回目の成人式」などと形容される40代以降になるのかもしれません。
「年齢を重ねてホワイトパールが肌色と馴染まない」「浮いた感じがする」などと感じ始めたら、グレーパールやブラックパールを検討しても良いでしょう。
葬儀アクセサリー:モーニングジュエリーとは?
◇モーニングジュエリーとは「喪に服すジュエリー」です
「モーニングジュエリー」とは、ヨーロッパで喪に服すためのジュエリーを差し、葬儀のフォーマルドレスはモーニングジェリーを着けて完成すると考えられています。
●モーニングジュエリーは、ヨーロッパの風習で喪に服す期間に身につける宝石です。…イギリス王室から広まり、日本でも女性皇族が葬儀でモーニングジュエリーを身に着けています。
和装の日本では、基本的に葬儀にアクセサリーを着けないとされてきたので、あまり馴染みがない風習かもしれません。
けれどもヨーロッパでは、葬儀の正式なアクセサリーです。
そのためモーニングジュエリーであれば、パール以外でも葬儀アクセサリーとして着用し、参列できます。
モーニングジュエリー:ジェット
◇「ジェット」は化石化した木の一種、和名で「黒玉」です
ジェットは紀元前1,500年~1,400年頃には、装飾品のために採掘され、軽くて柔らかい化石化した木の一種です。
ジェットを愛していた歴史上の人物は、イギリスのヴィクトリア女王です。
19世紀~20世紀にかけ、イギリスのヴィクトリア女王が在位していた頃に、葬儀の際にジェットのアクセサリーを身に着けていました。
それ以来、ジェットは正式な葬儀用アクセサリーとして一般化しています。
モーニングジュエリー:ブラックコーラル
◇ブラックコーラル(黒珊瑚)は、希少性の高いモーニングジュエリーです
ブラックコーラル(黒珊瑚)も、ヨーロッパのモーニングジュエリーとして知られ、その名の通り、黒い珊瑚すのでジェット同様に軽さがあります。
ブラックコーラルは、かつてワシントン条約で保護され、すでに取引が停止されているため希少性が高まっています。
モーニングジュエリー:オニキス
◇オニキスは「黒メノウ」、真っ黒な石です
「オニキス」は、現代ではパワーストーンとして扱われる石ですが、従来は魔除けとしても使用されてきました。
ヨーロッパのモーニングジュエリーの一つで、「黒瑪瑙(くろめのう)」とも呼ばれています。
オニキス自体は真っ黒ですが、カットが施されたものは光を反射して煌めくものもありるので、あまり光沢が強く反射しないタイプを選びます。
モーニングジュエリー:黒曜石
◇「黒曜石」とは、ガラスに似た性質を持つ火山岩です
現代ではアクセサリーとしての需要が高い黒曜石(こくようせき)ですが、かつて古代では矢尻としても使われていました。
現代において黒曜石は、数珠の素材としても利用されています。
葬儀でネックレス以外のアクセサリーは?
◇葬儀では基本として、ごくシンプルにまとめます
イギリスを中心とするヨーロッパの風習から、葬儀にアクセサリーを着けて参列する習慣が日本にも産まれましたが、基本的に葬儀ではお化粧もアクセサリーも、故人へ弔意を表す程度に留めます。
そのため必要がなければ、極力、時計やヘアークリップなどの装飾品も控え、必要があれば柄や光沢のない、マット調のシンプルな無地を選び、存在を主張しないものを身に着けることが、失礼にならないポイントです。
ピアスやイヤリング
◇イヤリングやピアスはひと粒で揺れないものを選びましょう
葬式アクセサリーとしてピアスやイヤリングは、パールイヤリングやピアス、モーニングジュエリーであれば失礼にはあたりません。
ただし派手なデザインや色合いは避け、控えめなものを選ぶことが重要です。
<葬儀アクセサリー:ピアスやイヤリング> |
|
①デザイン | ・ひと粒のみのもの ・揺れないデザイン |
②留め具 | ・透明 ・シルバー |
③タブー | ・耳元で揺れる ・2粒以上のパール ・カラーパール |
パールはひと粒で小ぶり、留め具はゴールドの金具を避け、透明またはシルバーのものが葬儀アクセサリーに適切です。
また耳元で揺れるような、デザイン性の高いパールイヤリングやピアスは、故人との最後の別れにはふさわしくありません。
葬儀に腕時計は着用できる?
◇基本的に葬儀に腕時計は、外して参列するのが良いとされます
葬儀の主役は故人であり、時間を気にしている印象を与えること、おしゃれを楽しんでいる印象になることがあるため、どうしても必要でなければ、葬儀に腕時計は控えた方が良いでしょう。
そのため時間の確認が必要であれば、シンプルで目立たない腕時計を着用しても良いでしょう。
ゴールド(金色)の腕時計など、華やかな印象を与えるものはタブーです。
ブローチ
装飾にも注意
◇バッグやベルトのバックルなどの装飾まで配慮します
葬儀ではアクセサリーばかりではなく、持参するバッグにゴールドの装飾が施されていたり、ベルトのバックルが華やかなものなど、細かな装飾品にも注意が必要です。
ベルトやバッグの他、デザイン性の高い靴は葬儀当日に目立ちやすいでしょう。
葬儀の多くは仏式ですので、殺生を連想させるファーや革製品も向いていません。
そのため間に合うならば、葬儀用の小物一式を購入しておくと安心です。
・納骨式に参列する服装マナーとは?納骨するタイミングで変わる?家族のみの納骨式では?
まとめ:葬儀アクセサリーは故人への弔意です
葬儀でアクセサリーを着ける行為は、故人への敬意とご遺族へ寄り添う気持ちを表します。
イギリスをはじめとする欧米のフォーマルドレスは、喪に服すためのモーニングジュエリーを着用することで完成する、とされるため、むしろ葬儀にアクセサリーは着用するのがマナーです。
葬儀アクセサリーを選ぶなら、参列前に正しいマナーを把握しておくことで、悲しい場や最後の別れの場面でもふさわしい装いができるでしょう。
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