
墓じまい後の供養方法に樹木葬を選択するメリットとは?手順や注意点なども紹介

「先祖代々のお墓の維持を、子供たちに引き継がせていいものだろうか?」
「墓じまいというのは、どんなものなのだろうか?」
など、お墓についていろいろな思いをお持ちの方は少なくないでしょう。
本記事では、墓じまいについて、手順や注意することなど、詳しくご紹介しています。また、墓じまいをした後の供養方法として、永代供養のひとつの樹木葬についてなども詳しく取り上げています。
本記事を読むことで、墓じまいについて全般的に把握できます。また、樹木葬を含め、永代供養法についても、知識が得られるでしょう。
お墓の継続、建立について悩んでいる人は、本記事をぜひ参考にしてください。
墓じまいとは
墓じまいしても遺骨は勝手に処分してはいけない?
墓じまいして取り出したご遺骨は、個人では勝手に処分できません。ご遺骨の取り扱いに関しては、刑法第190条で「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する」と決められています。
墓じまいの注意点とは
墓じまいは手続きや作業も多いですが、まとまった費用がかかることにも注意しましょう。また、墓じまいしてしまった後は元に戻すことが難しいため、慎重に検討する必要があります。
例えば、先祖代々のお墓を墓じまいする場合は、親族間でお墓に関わる話し合いをすることをおすすめします。その際には、墓じまいにかかる費用、時間、墓じまいをした後どうするのかなど、具体的な問題について話し合い、後悔のないようにしましょう。
また、墓じまいをするなら永代供養もおすすめです。興味のある方はぜひ下記の資料を請求してみましょう。
墓じまいの手順
墓じまいするためには必要な手続きや作業が多く、やや複雑です。
墓じまいに必要なことを大まかに取り上げると、元のお墓からご遺骨を取り出すための申請や許可、ご遺骨を取り出した後の作業、宗教的な儀式や手続き、新しくご遺骨を納める場所の確保や受け入れの許可などです。ここでは、墓じまいの手順について詳しく取り上げます。
- 子供や親族へ許可を取る
- お墓の中を確かめる
- 墓じまい後の遺骨をどうするか決める
- 改葬許可申請書をもらう
- 埋葬証明書をもらう
- 役所で改葬許可証を発行してもらう
- 遺骨を取り出す
- お墓の跡地を更地にする
子供や親族へ許可を取る
墓じまいをしてしまったら、元に戻すことは難しいでしょう。よって、一存ではせず、墓じまいをしようとするお墓に関わる人、子供や親族へ許可を取りましょう。
先祖代々のお墓の場合、関係者を調べてみると、中には会ったこともないような遠縁の方が埋葬されていることもあります。後でトラブルにならないよう、できる限り連絡を取って、墓じまいをする許可をとることをおすすめします。
お墓の中を確かめる
お墓を開ける前に、納骨されているご遺骨の数を確認しましょう。「改葬許可証」は、遺骨1柱ごとに必要なため、数を把握しておかなければなりません。
お墓を開けた後に不明なご遺骨が出てきてしまった場合は、お墓の管理者に確認してみましょう。
墓じまい後のご遺骨をどうするか決める
墓じまい後、ご遺骨をどうするか決めておきましょう。
墓じまい後のご遺骨を納める場所は、合祀墓、納骨堂、永代供養墓、散骨、手元で供養するなどがあります。ご遺骨を施設に移す場合は、墓じまいに必要な書類の中に、施設が発行するものがあるため、あらかじめ施設を決めておく必要があります。
改葬許可申請書をもらう
墓じまいするお墓がある場所の市町村区の窓口で、改葬許可申請書をもらいましょう。
改葬するためには許可をとる必要があり、改葬許可申請書はそれを申請するものです。墓じまいは改葬の手順のひとつであるため、この許可がなければおこなえません。改葬許可申請書を記入し、必要書類と合わせて提出します。
埋葬証明書をもらう
埋葬証明書とは、お墓に誰が埋葬されているのかを証明する書類で、埋葬されているお墓の管理者が発行するものです。
ただし、自治体によっては、これを省略して手続きできる場合があるため、事前に管轄の市町村に確認することをおすすめします。
役所で改葬許可証を発行してもらう
改葬許可申請書とは、前述したとおり、改葬することを許可するものです。改葬許可申請書を提出した市町村と同じ担当窓口で、改葬許可申請書を提出し、発行してもらいます。発行するまでの期間は、自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
遺骨を取り出す
お墓の跡地を更地にする
ご遺骨を取り出した後は、墓石を撤去し、お墓の跡地を更地にします。この作業は個人では難しいため、石材店なのど専門業者に依頼することが一般的です。
お墓の管理者によって専属の業者が決まっている場合もあるため、あらかじめ管理者に確認しましょう。
墓じまい後の供養方法に樹木葬がおすすめな人
墓じまい後の供養方法は、さまざまなものがあります。供養方法のひとつである樹木葬は、墓石の代わりに樹木をシンボルとします。ここからは、樹木葬がおすすめな人はどんなタイプか紹介しましょう。
自然回帰を望んでいる人
自然回帰とは、自然の大きな循環の中にという戻るという意味合いです。自然回帰をしたい人の中には、お墓の中でなく、木々のしげる自然の土の中に納骨されることを望む場合があり、樹木葬がおすすめといえるでしょう。
独り身の人
独り身の人とは、配偶者や後継する子供がいない人のことです。
お墓は自分の死後、残された家族に維持を託すものなので、後継者がいない場合お墓の維持は難しいでしょう。樹木葬の場合は、施設の管理者が管理や維持をするシステムなので、独り身の人におすすめといえます。
経済的に余裕がない人
お墓の場合、管理や維持が必要で、後継者に経済的な負担をかけることになります。自分や家族に経済的な余裕がない場合は、お墓を維持することが難しいでしょう。
樹木葬の場合、墓石が不要であるため比較的安い費用で済みます。よって経済的に余裕がない人におすすめといえるでしょう。
子供に負担をかけたくない人
子供に負担をかけたくない人には、樹木葬がおすすめでしょう。
お墓を受け継ぐ子供たちは、維持や管理のための時間、費用を担います。永代供養のひとつである樹木葬は、管理や維持は施設の管理者が負担します。また、費用は契約時に一式で支払った後は、通常の管理や維持には別途費用がかからないものが一般的です。
樹木葬の永代供養は、子供への負担が少ないといえるでしょう。
お墓を継ぐ人がいない人
お墓を継ぐ人がいない人は、お墓の維持や管理をすることができないため、自分自身の代でお墓の存続について決断する必要があります。
この場合、墓じまいをするケースがあり、ご遺骨の受け入れ先を永代供養の施設にする傾向があります。永代供養のひとつの樹木葬は、お墓を継ぐ人がいない人におすすめでしょう。
樹木葬のタイプとその特長
樹木葬は、お墓の代わりに樹木をシンボルにしますが、さまざまなタイプのものがあります。また、敷地面積、樹木の種類、個別埋葬、合同埋葬などにより、費用や契約内容も異なります。
ここでは、場所のイメージの違いにより分けた、3つのタイプをご紹介します。
- 公園タイプ
- 里山タイプ
- 庭園タイプ
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公園タイプ
里山タイプ
樹木葬の里山タイプでは、お寺や霊園などが管理する里山に、ご遺骨を埋葬します。一区画に1本ずつ植樹するものが一般的で、植樹により里山の樹木が増えていきます。里山タイプは、ご遺骨の埋葬と自然保全の両方が叶う方法ともいえるでしょう。
自然の里山で眠るようなイメージで埋葬できる点が特長です。ただし、墓標として植樹した木が、やがて自然と一体化するという点に注意しましょう。墓誌、プレートなどが設置されない場合は、時間の経過で埋葬した場所がわかりにくくなる場合もあります。
庭園タイプ
樹木葬の庭園タイプには、墓地、霊園、寺院などの敷地内の一角に、墓標となるシンボルツリーや草花などを植え、庭園に見立てた雰囲気のものが多いでしょう。
和風、欧風などのさまざまな庭園のタイプがあり、庭園内の植物の手入れなどが行き届いている傾向があります。従来のお墓の雰囲気と異なり、美しい景色を楽しむことができるのが特長といえるでしょう。
樹木葬の埋葬方法
樹木葬は永代供養のひとつですが、埋葬法はひとつではありません。ご遺骨を何柱納めるか、埋葬のスペース、個別、合同などの違いで、いくつかのタイプに分かれます。
また、樹木葬の基本概念である「自然に還る」ことから、骨壺を使用せず、土に直接ご遺骨を埋めることが一般的です。ここでは、3つの埋葬方法について、ご紹介します。
集合型
集合型の樹木葬は、施設によって定義がさまざまなため、個別に確認する必要があります。
一般的な集合型では、シンボルツリーの樹木を中心に、周辺の土地を複数の区画に分け、さらに個別に区切ったスペースを使い、納骨します。個々に埋葬されたものの、集合体というイメージです。
埋葬では骨壺を使用しないため、一旦納骨したら取り出せないことが一般的です。また、施設によっては、合祀型と同じ埋葬方法の場合もあります。
個別型
個別型は、区画で区切られおり、従来のお墓のように専用の区画があるものが一般的です。また、シンボルツリー以外に、墓石やプレートを設置するところもあり、比較的自由な演出ができる傾向にあります。
樹木葬は、自然に還るという観点から、個別型であっても骨壺を使用せず、ご遺骨のみを埋葬するところが多いでしょう。ただし土に還る素材の骨壺を使用するなど、利用者の希望に応じて個別対応をする施設もあります。
施設により異なるため、あらかじめ確認が必要です。
合祀型
合祀型とは、遺骨を骨壺から取り出し、同じ空間で、複数のご遺骨を埋葬するものです。
合祀型の場合、シンボルツリーとなる樹木の周辺の一か所に、まとめてご遺骨を埋葬するために、骨壺は使用しないことが一般的です。ご遺骨はそのまま土に還るので、維持や管理の手間が少ない点が特長といえるでしょう。
この方法では、一旦埋葬したご遺骨は取り出せず、改葬の予定がある場合は不向きといえるため、慎重に検討することをおすすめします。
墓じまい後の供養方法に樹木葬を選択するメリット
墓じまい後に永代供養を選ぶ際に、いくつかある永代供養の中から、樹木葬を選ぶ場合、どんなメリットがあるでしょうか。ここでは、墓じまい後の供養方法に樹木葬を選択するメリット5つをご紹介します。
- 経済的な負担が少なくなる
- お墓へのアクセスが良くなることがある
- お墓の景観が良い
- 子供に負担をかけずに済む
- 季節を感じられる
経済的な負担が少なくなる
墓じまいした後の供養方法を選ぶ際の基準に、費用面が気になるという人は少なくないでしょう。
樹木葬では、墓石が必要ないため、比較的安い費用でおこなうことができます。墓石を建立するお墓の費用の目安は200万円前後で、樹木葬の場合は約10万円~80万円が一般的です。この2つを比較すると、樹木葬の方が費用を抑えることが可能といえます。
つまり、樹木葬は経済的な負担が少なくなるといえるでしょう。
お墓へのアクセスが良くなることがある
消費者のニーズなど、さまざまな理由により樹木葬の庭園タイプや公園タイプの施設は、都市エリアにも増えている傾向があります。従来の墓地は郊外にあるものが多いため、それと比較するとお墓へのアクセスが良いといえるでしょう。
ただし、里山タイプの樹木葬の施設は、山の中にあるため、アクセスが不便な場所にあることが一般的です。
お墓の景観が良い
樹木葬のコンセプトは、「自然に還る」ものが比較的多いため、樹々や草花などの自然の景観を眺めることができる施設が多いでしょう。
里山タイプは、自然のありままの景観があり、従来の墓地の独特な雰囲気とは異なるものです。また、庭園タイプ、公園タイプの樹木葬の施設は、景観に配慮した演出があるところが多く、お墓の景観が良いといえます。
子供に負担をかけずに済む
樹木葬は、永代供養のひとつの方法です。永代供養の費用には、ご遺骨の供養や管理、維持などの費用が、契約時に一式で支払うものに含まれていることが一般的です。これにより、ご遺族がお墓の維持や管理をおこなう必要がありません。
樹木葬を選択することで、子供に負担をかけずに済ませることができるでしょう。
季節を感じられる
樹木葬の施設は、自然が豊かな環境や、自然を感じる景観がある場所に多いため、季節を感じられるところが多いでしょう。
春の開花、夏の樹々の新緑、秋の紅葉、冬の落葉など、四季折々の景観を眺めることができる演出に取り組む施設が、比較的多い傾向があります。お墓参りにくる人たちが、自然に触れることもできる点は、十分なメリットといえます。
樹木葬で起こりうるトラブル
樹木葬を選ぶ場合に、どんな点に気を付ければいいでしょうか。ここでは、樹木葬で起こりうるトラブルについて4つ紹介します。購入後に後悔することのないよう、参考になさってください。
普通の墓地と変わらない
樹木葬の庭園タイプ、公園タイプは、霊園や寺院などの施設の一角にあるものが一般的です。つまり、同じ敷地の中に従来の墓地がある場合、景観や雰囲気が、普通の墓地と変わらないこともあるでしょう。
樹木葬のタイプは自由でバリエーションが多いため、施設ごとに景観は異なります。見学するなどして、あらかじめ確認することをおすすめします。
線香やお供えができない
樹木葬の墓標は樹木であることが一般的で、その周囲にはたくさんの植物があります。そのため、樹木葬の施設エリアは火気厳禁で、火を使う線香の使用を禁止しているところがほとんどです。
また花台などの設備がないため、花を供えることも難しいというケースもあります。一般的なお墓参りのイメージにある、線香やお供えができない可能性があることを知っておきましょう。
手入れの悪さが目立つ
樹木葬の墓標は樹木であるため、手入れをしていても枯れてしまうこともあるでしょう。また、里山タイプは周囲にも樹々や草花がたくさん生息しているため、手入れを怠ると密林状態になり、手入れの悪さが目立つ可能性があります。
庭園タイプ、公園タイプも、季節により花がない時期や葉が落ちる時期などもあるため、手入れが行き届かない様子に映ることがあるでしょう。手入れの状況は施設により異なるため、実際に見学をすることをおすすめします。
交通の便が悪くなる
樹木葬の庭園タイプ、公園タイプは、都市部にも増えている傾向があり、交通の便が悪くない施設もあります。しかし、里山タイプには山が必要であるため、必然的に郊外エリアになります。
樹木葬全てではありませんが、里山タイプの施設は交通の便が悪いところが多いといえるでしょう。
樹木葬以外の墓じまい後の供養方法
許可を得て、墓じまいをした後のご遺骨の供養方法は、さまざまな方法があります。墓地、埋葬等に関する法律に従った埋葬方法であれば、選択は自由です。
従来の故人の希望を尊重し、遺族が供養方法を決定するケース以外に、近年は生前に自分の希望の供養をしている施設を決めてしまうケースも増えているようです。ここでは、樹木葬以外の墓じまい後の供養方法4つをご紹介します。
永代供養
永代供養とは霊園や寺院などの施設が遺族の方に代わって、ご遺骨を管理、供養する供養方法のひとつです。樹木葬もこのひとつにあたりますが、永代供養の施設や種類は増えている傾向があります。
屋内では、納骨堂の形式でご遺骨を安置するもので、霊廟型やロッカー型があり、市街地エリアにもあります。また、屋外では、霊園や寺院の敷地内の、永代供養墓、納骨塔、納骨棚などの設備に、ご遺骨を安置するものが一般的です。
改葬
改葬とは、現在納められているご遺骨を他の場所に移動することをさし、ご遺骨全体を移すケース、一部を移すケースなどがあります。墓じまい後は、別の施設に納骨するケース、新たに建立したお墓に納骨するケースなどがあります。
改葬で注意したいポイントは、移転先の施設が改葬を受け入れるかどうかです。この点は改葬を考える準備段階で確認しておきましょう。
海洋葬
海洋葬とは遺骨を海に散骨するもので、樹木葬と同じで自然葬のひとつといえます。海洋葬をおこなう業者を利用し、セレモニー形式でおこなうことが一般的です。
散骨をおこなう際は、公衆衛生、宗教感情、漁業、観光業への風評被害に配慮する必要があります。法律でのしばりがないため、自治体がガイドラインを定めているのが一般的です。
墓石が不要なため散骨のセレモニーにかかるもの以外に必要な費用が殆どなく、費用を抑えることができるでしょう。また、故人の希望を尊重できる点が特長です。
手元供養
手元供養とはご遺骨を身近なところに安置、保管する供養方法で、多種多様なものがあります。
例として、散骨後ご遺骨の一部を小さな骨壺を入れて自宅に安置する方法、ご遺骨を加工して、念珠やアクセサリーにして常に身に着ける方法、一見遺骨であることがわからない、ぬいぐるみや人形の中に骨壺を納める方法などが挙げられます。
手元供養を選ぶ理由としては、故人を身近に感じられる、経済的な理由がある、継承者がいないためお墓を持てない、無宗教であるためお墓は持たないなどさまざまなものがあり、従来の固定概念にとらわれない人にとっておすすめの供養方法といえるでしょう。
墓じまい後の供養方法として樹木葬を考えてみよう
樹木葬のメリットは、永代供養であるため維持管理を施設側がおこなうこと、全体の費用が抑えられること、お墓を継承しないため、子供たちへの負担が減らせることなどが挙げられます。
近年は終活として自分の供養方法について考え、生前に家族で話し合って決めるケースも増えている傾向があります。本記事を参考に、樹木葬も選択肢のひとつとして考えてみることをおすすめします。
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