
後悔しないお墓選び、樹木葬と永代供養の違いと注意点をやさしく解説

・樹木葬と永代供養の違いはなに?
・納骨堂や永代供養墓と樹木葬の違いは?
お墓の継承や供養のあり方が多様化する現代、注目を集めているのが「樹木葬」や「永代供養」といった新しい供養スタイルです。けれども、「違いがよくわからない」「どちらが自分に向いているの?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、樹木葬と永代供養の違いや特徴をやさしく解説しながら、それぞれに向いている人や選ぶ際の注意点もわかりやすくまとめました。
「費用を抑えたい」「子どもに負担をかけたくない」「自然に還りたい」——そんなお悩みをお持ちの方にも役立つ情報をお届けします。後悔のないお墓選びのために、ぜひ最後までご覧ください。

樹木葬と永代供養の違いとは?

「樹木葬と永代供養の違いがよく分からない」と感じる方は少なくありません。
実際には、両者はまったく別の供養方法というよりも、樹木葬は永代供養の一つのスタイルと捉えるのが正確です。
ここではまず、「永代供養とは何か?」を基本から解説し、その上で「樹木葬との関係性や違い」について詳しく見ていきましょう。
「永代供養」とは?どんな供養方法なのか解説
永代供養とは、家族や子孫に代わって、寺院や霊園などの管理者が永続的に故人の供養や管理を行う仕組みのことを指します。
従来のお墓のように、子どもや孫が代々お墓を守っていく必要がないため、継承者がいない方や負担を減らしたい方に選ばれる供養方法です。
永代供養には、以下のようなさまざまな形があります。
● 納骨堂タイプ(屋内で遺骨を安置)
● 合祀墓(他の方と一緒に埋葬)
● 樹木葬(自然の中で供養)
このように、永代供養という考え方は「供養のスタイル」そのものを表す言葉であり、墓石の有無や自然かどうかとは直接関係がありません。
・永代供養とは?メリット・デメリットやリスクはなに?永代供養5つの種類を費用まで解説
「樹木葬」は永代供養のひとつ|自然葬との関係
一方で「樹木葬」とは、墓石を使わず、樹木や草花を墓標として遺骨を埋葬するスタイルの供養方法です。
遺骨は土に還ることを前提とし、霊園や山林、公園の一角などに埋葬されることが多く、自然回帰志向の強い方に人気があります。
そして大切なのは、多くの樹木葬プランが「永代供養付き」であるという点です。
つまり、「樹木葬=永代供養の一種」と言えます。
永代供養付きの樹木葬では、埋葬後の管理や供養を霊園や寺院側が継続的に行ってくれるため、家族や子孫の負担が大きく軽減されます。
● 永代供養=供養のしくみ・考え方
● 樹木葬=供養のスタイル(自然志向型)
● 樹木葬は永代供養の一つの選択肢
このように、両者を「対立する概念」ではなく、「仕組み(永代供養)」と「方法(樹木葬)」として理解すると、違いが明確になります。
樹木葬の種類と特徴|永代供養のタイプ別に紹介

樹木葬と一口に言っても、そのスタイルや埋葬場所はさまざまです。
施設の立地や管理形態によって「霊園タイプ」「公園タイプ」「里山タイプ」の3つに大きく分けられ、それぞれに異なる特徴があります。
ここでは、永代供養がセットになっている樹木葬の代表的な種類と、その違いや特徴について詳しく見ていきましょう。
霊園タイプ|都市型で整備された環境
霊園タイプの樹木葬は、都市部や郊外にある既存の霊園や寺院墓地の一画に設けられた整備された区画で行うスタイルです。
「都市型樹木葬」とも呼ばれ、バリアフリー設計や駐車場完備など、アクセス性や利便性の高さが大きな特徴です。
このタイプの樹木葬では、シンボルツリーの周囲や花壇の中に遺骨を納めるプランが一般的で、多くの場合、永代供養が含まれているため、家族の手を煩わせることはありません。
また、個別区画や夫婦・家族向けの複数柱プラン、ペットと一緒に入れる区画など、選択肢の幅が広いのも魅力です。
● お参りしやすく管理も安心
● デザイン性や清潔感を重視したい方におすすめ
公園タイプ|芝生や花々に囲まれた庭園型
公園タイプの樹木葬は、名前の通り公園や庭園のような自然豊かな雰囲気の中で行う供養スタイルです。
広々とした芝生エリアや花壇に囲まれており、明るく開放的な環境が特徴です。
このタイプも霊園の敷地内に設けられていることが多く、樹木葬+永代供養プランがセットで提供されています。
区画ごとに樹木や草花が植えられ、周囲にはベンチや散策路が設けられている施設もあるため、お墓参りが自然とのふれあいの時間になることも。
また、ペットと一緒に眠れるプランや、レジャー感覚で訪れることができる施設もあり、従来の供養のイメージを覆すスタイルとして注目されています。
● 家族で気軽に訪れやすい
● 自然志向かつ利便性を求める方に向いている
里山タイプ|自然の中に埋葬される本格的な自然葬
もっとも自然葬の思想に近い供養スタイルが、山林や郊外の自然環境を活かした「里山タイプ」の樹木葬です。
このタイプでは、許可を得た山林に遺骨を埋葬し、墓標となる樹木を植えるなどして、自然に還ることを目的とした本格的な樹木葬が行われます。
基本的に一代限りの埋葬となり、永代供養付きであっても改葬や遺骨の取り出しはできないケースが多いため、慎重な検討が必要です。
また、都市部から離れているためアクセスにやや不便を感じることもありますが、「自然の中で静かに眠りたい」「できるだけ人の手を加えずに埋葬したい」といった強い自然回帰志向を持つ方には最適な選択肢です。
● 自然に還ることを重視
● 静けさと自然との一体感を大切にしたい方におすすめ
まとめると、樹木葬には霊園タイプ・公園タイプ・里山タイプという3つの種類があり、それぞれが永代供養の考え方と結びついています。
供養のあり方に対する価値観やライフスタイルに合わせて、最適な樹木葬の種類を選びましょう。
樹木葬による永代供養の埋葬方法と選び方

樹木葬で永代供養を行う際には、「どのように遺骨が埋葬されるか」が非常に重要なポイントとなります。
埋葬方法によって費用や管理方法、再納骨の可否が大きく変わるため、事前にしっかり比較・検討することが大切です。
ここでは、樹木葬の代表的な3つの埋葬タイプ(合祀・集合・個別)と、それぞれの特徴や選び方のポイントについて解説します。
合祀タイプ|費用が抑えられる一方、取り出し不可
合祀(ごうし)タイプの樹木葬は、複数の遺骨を一つの区画にまとめて埋葬するスタイルで、もっとも費用を抑えられる永代供養プランです。
遺骨は骨壺や骨袋から取り出されたうえで、他の人の遺骨と一緒に埋葬され、一度納骨すると個別に取り出すことはできません。
このため「改葬(別のお墓へ移す)」を将来的に希望する方には向いていませんが、継承や管理の負担が一切なく、供養自体は施設側に任せられるため、身寄りがない方や費用面を重視する方に適しています。
● 永代供養付きで安価
● 管理不要・維持費なし
● 埋葬後の改葬不可のため慎重に判断を
集合タイプ|他人と同区画でも遺骨は分けられる
集合タイプの樹木葬は、複数人が同じ区画内に埋葬されるものの、遺骨同士が混ざらないように配慮された埋葬方法です。
遺骨は土に還る自然素材の布や骨袋に包まれた状態で埋葬され、将来的には土に還りますが、一定期間は個別性が保たれる点が特徴です。
このタイプは、合祀よりも費用はやや高めですが、完全に混ざることに抵抗がある方や、「改葬しないが個別性は少し保ちたい」という希望に対応できます。
● 遺骨は分けて埋葬される
● 合祀より高いが、個別より安価
● 一定期間後に自然と混ざる可能性あり
個別タイプ|家族やペットと一緒に入れるお墓も
個別埋葬タイプは、専用の区画に個別の骨壺や桐箱などで遺骨を納めるスタイルで、他の人の遺骨と混ざることがありません。
区画ごとに墓標が設けられている場合も多く、従来のお墓のような感覚で供養ができる永代供養付き樹木葬です。
費用は3タイプの中で最も高くなる傾向にありますが、夫婦や家族、ペットと一緒に入れるプランも多く、自由度が高い点が魅力です。
また、石碑に名前やメッセージを彫刻できるタイプもあり、供養の気持ちを形として残したい方に向いています。
● 遺骨を個別に管理・供養
● プライバシーと家族単位での供養が可能
● ペット共葬可能なプランもあり
・お墓にペットと一緒に入ることはできる?メリットやデメリット、選び方や注意点はある?
【埋葬方法の選び方の知識とポイントまとめ】
樹木葬による永代供養では、埋葬方法の選び方が重要なポイントとなります。以下のような基準で比較していくと、目的に合ったタイプを判断しやすくなるでしょう。供養の目的に適したタイプを選ぶための知識が不可欠です。
● 費用を抑えたい場合 → 合祀タイプ
● 費用と個別性のバランスを取りたい場合 → 集合タイプ
● 個人や家族単位で丁寧に供養したい場合 → 個別タイプ
また、樹木葬のプランによっては「一定期間は個別安置し、その後合祀される」といったケースもあります。
不安な点は事前に資料請求や現地見学でしっかり確認し、自分や家族が納得できる方法を選びましょう。
費用や負担面で比較|一般墓と樹木葬の違い

お墓選びにおいて、多くの方が気になるのが「費用」と「管理の負担」です。
特に近年では、後継ぎの負担を減らしながら費用も抑えたいというニーズが高まっており、樹木葬が注目されています。
ここでは、一般墓と樹木葬を費用面・負担面で比較しながら、それぞれの違いとメリットをわかりやすく解説します。
樹木葬は墓石が不要|費用を抑えられる違いと理由
一般墓の最大の特徴は「墓石」が必要になることです。日本で一般的に建てられているお墓には墓石代や工事費用がかかり、平均で100万円〜200万円程度の費用が発生すると言われています。加えて、永代使用料や管理費なども継続的に必要です。
一方で、樹木葬では墓石の代わりに樹木や草花を墓標として使用するため、墓石代がかかりません。
また、多くの樹木葬プランでは埋葬・供養・管理費がセットになった「永代供養型」が採用されており、トータルコストを抑えることができます。
● 個別区画タイプ:30万〜80万円程度(※場所や施設により異なる)
このように、初期費用・管理費ともに抑えられることが、樹木葬の大きなメリットといえるでしょう。
お墓の継承・管理負担が軽くなる永代供養の違い
一般墓を選ぶと、後継者が必要になるケースがほとんどです。
お墓の維持管理には定期的なお参り・清掃・法要などが必要であり、管理費の支払いや改葬など、家族に大きな負担がかかることもあります。
その点、樹木葬は永代供養付きのプランが基本となっており、一度契約・納骨すれば、家族や子孫が関わらなくても、施設側が供養と管理を継続してくれます。
とくに、次のような方にとっては、負担軽減の大きな選択肢となります。
● 自分の代でお墓を完結させたい
● 将来、無縁墓になることを避けたい
このように、「供養はしたいけれど家族に迷惑はかけたくない」方に、永代供養付き樹木葬は理想的な選択肢といえるでしょう。
樹木葬での永代供養が向いている人は?

近年、「自分らしい供養のかたちを選びたい」と考える人が増えており、自然葬の一種である樹木葬は多くの人に選ばれるようになってきました。
ただし、一般墓とは考え方や管理方法が異なるため、樹木葬が向いている人・向いていない人の特徴を知った上で選ぶことが大切です。
ここでは、特に樹木葬に向いている人の傾向を2つの観点から紹介します。
自然回帰志向・無宗教・こどもがいない人におすすめ
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標として使用する供養方法であり、自然と共に眠りたいと願う「自然回帰志向」の方に最も適しています。
また、「家のお墓を継ぐ人がいない」「お墓に強いこだわりがない」という方にもぴったりです。
とくに次のような方には、樹木葬が向いています。
● 子どもや後継者がいない独身の方やご夫婦
● 費用や管理負担を最小限に抑えたい方
● 自然の中で静かに眠りたい方
さらに、樹木葬は永代供養付きのプランが一般的なため、将来的に「無縁仏」になる心配もありません。
宗旨宗派を問わない霊園や寺院も多く、自分らしい供養スタイルを実現できるのが樹木葬の大きな魅力です。
ペットと一緒に入りたい人にも対応可能
現代では、ペットを家族の一員として考える方が増え、「亡くなった後もペットと一緒に眠りたい」と希望されるケースも珍しくありません。
しかし、一般墓ではペットの埋葬を禁止している霊園が多く、実現が難しい場合もあります。
その点、樹木葬の中にはペットと一緒に入れる専用区画を設けている霊園や施設も増えており、
● 「夫婦+ペットで供養されたい」
といった希望を叶えやすくなっています。
また、ペット共葬型の樹木葬でも、永代供養が含まれているケースが多いため、家族に負担をかけることなく安心して選ぶことができます。
● 動物と共に眠れる「自然志向+家族愛」の象徴
● 一生涯のつながりを大切にしたい方に最適
樹木葬で永代供養を選ぶ際の注意点と違い・デメリット

樹木葬は、自然志向や継承不要といったメリットから人気が高まっていますが、従来のお墓とは異なる仕組みであるため、注意点やデメリットも存在します。
選んだ後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前に把握しておくべきリスクやトラブルの可能性を確認しておきましょう。
ここでは、樹木葬で永代供養を選ぶ際に特に気をつけたいポイントを3つに分けて解説します。
違いの注意点:一度埋葬すると改葬が難しい
樹木葬の最大の注意点は、一度埋葬した遺骨を後から取り出す(改葬する)ことが難しい点にあります。
特に合祀タイプや自然還元型の埋葬方法では、遺骨が他の方と混ざったり、土に還る工程に入っていたりするため、個別に取り出すことができないケースがほとんどです。
これは、永代供養の大前提である「管理・供養を施設に委ねる仕組み」とも関係しています。
そのため、「将来改葬するかもしれない」「家族が別の形で供養したがる可能性がある」場合には、契約前にしっかりと埋葬方法・規約を確認することが不可欠です。
● 契約書の「取り出し不可」「合祀のタイミング」などをよく確認
違いの注意点:景観やアクセス面での課題も
樹木葬は自然を墓標とするため、墓石を用いた一般墓のように場所の特定や景観の安定性には欠ける場合があります。
特に「里山タイプ」のような山林に埋葬するケースでは、季節や気象の影響で草木が茂ったり、訪問ルートが変わったりすることもあり、景観の変化やアクセスの不便さがデメリットになることがあります。
また、「どこに埋葬されているのか分かりにくくなった」という声や、
● 車が停めにくい
● 高齢者が1人で訪れにくい
といった実用面でのトラブルも見受けられます。
● 都市部なら霊園
違いの注意点:家族の理解を得ることが重要
樹木葬は自然志向で自由度の高い供養方法ですが、従来の「先祖代々墓」とは大きく異なる価値観を持つため、家族や親族の理解が得られないこともあります。
特に高齢の親族や宗教的価値観を重視する家族からは、「跡継ぎがいないのは寂しい」「本当にお参りできるの?」といった懸念が出ることも少なくありません。
また、一代限りの供養になることや遺骨が残らないケースがあることも、家族の立場から見ると不安要素となります。
そのため、契約前にきちんと話し合いの場を持ち、「なぜ樹木葬を選びたいのか」を共有し、理解を得ることが大切です。
● パンフレットや現地案内を見せながら説明すると納得を得やすい
樹木葬の永代供養の違いによるトラブル実例
「個別にお墓があると思って契約したが、実際は合祀タイプで遺骨が他人と一緒に埋葬されていた」というケースがあります。
特に永代供養付きの樹木葬では、埋葬方法や供養内容に違いがあるため、プランの確認不足が後々のトラブルにつながることも。
また、親族に説明せずに埋葬したことで、「勝手に決めた」と反発された例も報告されています。
契約前には資料だけでなく、現地見学と家族への共有を忘れずに行いましょう。
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まとめ|樹木葬の違いを理解して後悔のない永代供養を

「樹木葬と永代供養の違いがよく分からない」と悩む方も多いですが、実際には樹木葬は永代供養の一つの形式として捉えることができます。
永代供養とは、後継者がいなくても寺院や霊園が故人の供養を永続的に行ってくれる供養スタイルのこと。
その中でも樹木葬は、自然に還ることを前提とした新しい供養方法として、近年注目を集めています。
本記事では、以下のような樹木葬と永代供養の主な違いや選ぶ際のポイントを解説しました。
● 樹木葬には「霊園タイプ」「公園タイプ」「里山タイプ」など複数の種類がある
● 埋葬方法は「合祀・集合・個別」に分かれ、費用や管理の自由度に差がある
● 樹木葬は費用が比較的安く、管理負担も少ないが、改葬できない点には注意
● 自然志向や無宗教の方、継承者のいない方に向いている
永代供養の中でもどの形式を選ぶかは、ご自身やご家族の価値観・生活スタイル・費用感によって大きく異なります。
後悔しない供養のためにも、「違いを理解したうえで自分に合った方法を選ぶ」ことが最も大切です。
なお、樹木葬や永代供養の費用相場やプランの選び方については、「樹木葬」関連記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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