
水子供養とは?いつまでにするといい?赤ちゃんの遺骨はどうする?12の方法と体験談

「水子供養」とは、それぞれの事情でお母さんの胎内に生命を受けたものの、この世に生まれ出なかった、もしくはすぐに亡くなった赤ちゃんを供養することです。
・水子供養とは?
・水子供養はいつまでにするといい?
・水子供養の流れやお供え物は?
・水子供養に掛かる費用は?
・死産した赤ちゃんの遺骨はどうするの?
今回は、流産で亡くなった赤ちゃんの水子供養とは?その流れや費用、供養の方法を、死産で亡くなった赤ちゃんの遺骨を葬送するともに12の方法をお伝えします。

水子供養とは?

●水子供養(みずこくよう)とは、それぞれの事情でこの世に産まれ出てこれなかった、産まれてから間もなく亡くなった赤ちゃんの供養です
水子供養はお母さんの胎内で流産や中絶により亡くなった赤ちゃん、妊娠6ヶ月(22週)以降に亡くなった、産まれて間もなく亡くなった死産による赤ちゃんなどの供養をします。
・流産
・中絶
・死産
…など。
妊娠4ヶ月(12週)以降に亡くなった赤ちゃんは、役所へ死産届を出した後、火葬が義務付けられていますが、小さい体で火葬後に遺骨が残らないことも多くあります。
どのような場合も、水子供養は葬儀社や寺院、菩提寺などに相談をすると良いでしょう。
・【死産とは】妊娠何ヶ月から死産になる?赤ちゃんの死産から処置や手続き、火葬は行う?
「水子供養」の意味とは?
●亡くなった赤ちゃんを水子と呼ぶのは、大まかに3つの説があります
まだこの世に産まれ出ていない、間もない、尊い魂を持つ赤ちゃんを、日本では昔から「水子」と呼び、水子を手厚く供養することを「水子供養」としました。
古くから伝わる言葉ですが、主に3つの云われがあります。
[1]その昔、胎児は川に流して葬送していたため
[2]この世界を見ぬまま亡くなった「見ず子」
[3]日本の神話「古事記」に登場するヒルコ(水蛭子)から
ヒルコ(水蛭子)は国生みの神イザナギとイザナミの初めての子でしたが、手足が水蛭の形をした不具の子だったため、葦船(あしぶね)に乗せて流されてしまった神様です。
けれどもヒルコ(水蛭子)はやがて、七福神の恵比須神となって幸福をもたらします。
水子供養をすることで、どこかで幸せに育ち、福福しい姿で人々に幸せを分け与えているかもしれません。
水子供養を行う、水子地蔵

●水子供養でご本尊とされるのは、赤ちゃんを抱きかかえた水子地蔵が多いです
この世を見ずに亡くなった赤ちゃんの魂(水子)は、その昔、あの世へと続く三途の川を渡ることができなかったと言います。
●お地蔵様は子ども達を見守り、子ども達の願いを叶えてくれる仏様です。
そのため、赤ちゃんの魂(水子)は三途の川の手前にある「賽の河原(さいのかわら)」で石を積み上げていますが、この赤ちゃんの魂(水子)を救い上げる仏様が水子地蔵でした。
水子供養はいつでもできる

●水子供養は、ご両親の心が落ち着いてから、いつでも供養ができます
妊娠4ヶ月(12週)以降に赤ちゃんが亡くなった死産(法的に)では、役所へ届ける死産届が7日以内であったり火葬など、法的な期限にそったものは必要です。
けれども水子供養については、大人の葬儀のように「四十九日法要までに位牌を…」などの決まり事はありません。
・両親の心が落ち着いてから
・赤ちゃんとの時間を過ごしてから(思い出づくり)
水子供養で供養をする赤ちゃんの魂は、まだこの世を知らずに汚れていない清らかな存在だとされ、大人の供養のような成仏の概念がない、とする人が多いためです。
水子供養を行う2つの場所
●水子供養は寺院に依頼する、自宅で行う水子供養があります
一般的には気持ちが落ち着いたら寺院や葬儀社へ相談し、寺院で水子供養を行うとともに、家でも位牌などを祀って日々供養をする両親が多いです。
また遺骨が残る水子供養(死産)では、遺骨をどのように葬送するかを検討します。
①寺院で供養をしてもらう
②家で供養を行う
遺骨が残る水子供養(死産)でも、前述したように遺骨とともに過ごす「思い出づくり」の時間を設けてから納骨先を検討する両親は多いでしょう。
①寺院で供養をしてもらう

●水子供養は、全ての寺院で受け付けるとは限りません
…そのため水子供養を受け付けてくれるか、事前に確認をしてください。
菩提寺で水子供養を受け付けていない場合、ご住職に相談をすれば、同じ宗派で水子供養を受けてくれる寺院を紹介してくれるかもしれません。
・寺院へ直接相談(菩提寺/近郊の寺院)
・葬儀社へ相談
・墓地管理業者へ相談
また何らかの事情で、菩提寺に水子供養を知られたくない人もいるでしょう。
このような場合は、近隣の寺院や葬儀社へ相談もできます。
遺骨のある水子供養であれば、霊園など墓地管理業者へ相談しても心強いです。
卒塔婆による水子供養

●水子地蔵へ卒塔婆(そとば)を立てる…約5千円~3万円ほど
…卒塔婆を立てた後、僧侶による読経供養が行われます。
卒塔婆(そとば)とは、亡くなった赤ちゃん(水子)の追善供養のために立てる木の塔です。
卒塔婆には、経文やお題目が記載されていますが、水子供養の場合は「○○家水子之霊」などと記す人が多いでしょう。
戒名授与による水子供養
●亡くなった赤ちゃん(水子)に戒名を授ける…約3万円ほど~
…戒名を位牌に彫り、開眼供養を行います
赤ちゃんには名前がありませんが、僧侶へ相談すると戒名授与も可能です。
ただし亡くなった赤ちゃん(水子)に限らず、戒名は依頼する宗派やランクで金額幅が大きいので、予め確認をしてください。
戒名が付けられたら、位牌に戒名を彫る(書く)ことができます。
位牌を祀るにあたり、位牌を礼拝の対象とする「開眼供養」も行ってくれるでしょう。
地蔵奉納による水子供養

●石仏のお地蔵様を奉納する…約3万円~25万円ほど
…水子供養で有名な寺院での受付が多いです。
水子供養を行う寺院のなかには、地蔵奉納を受け付ける寺院もあるでしょう。
奉納する地蔵は石仏なので、大きさや石仏によって費用が違います。
多くは寺院で石仏を用意してくれるため、費用も事前に確認してください。
地蔵尊へ参拝する水子供養
●水子供養のご本尊「地蔵尊」へ参拝をします…無料
水子供養を行っている寺院では、地蔵尊が祀られています。
地蔵尊へお線香を上げて手を合わせるだけでも、充分な供養です。
無料でいつでも参拝できるので、心の拠り所となる両親も少なくありません。
②家で供養を行う

●家で位牌や骨壺、仏壇を仕立てて供養します
…仏壇仏具店へ相談すると良いでしょう
家で位牌や骨壺、仏壇を仕立てて供養するのであれば、近年では手元供養を扱う仏壇仏具店へ相談することをおすすめします。
・毎日供養ができる
・遺骨を祀っても良い
手元供養のミニステージや小さな骨壺が、亡くなった赤ちゃんのイメージにも合い、大きさも丁度良いとの感想が多いためです。
位牌を祀る水子供養
●位牌を家に祀り、日々供養をします…約1万円~3万円ほど
位牌だけを祀る家もありますが、手元供養で扱うステージ(約1万円ほど~)の上に祀る家も多いでしょう。
・名付ける予定だった名前
・○○家水子之霊
…など。
寺院で戒名を授与された場合はもちろん、そうでなくとも位牌に書く(彫刻)する文字は、ご両親が納得できるもので構いません。
骨壺を祀る水子供養
●骨壺を祀り手元供養をします…約1万円~
死産などで火葬をして残った赤ちゃんの遺骨は、墓地に埋葬しても良いですし、家で手元供養をしても問題はありません。
・骨壺と位牌を祀る
・ステージや仏壇、仏具を揃えて祀る
…など。
病院や火葬場で準備される骨壺が赤ちゃんには大きすぎるとし、仏壇仏具屋さんで骨壺を準備するご両親もいます。
お経を唱える、写経、写仏
●お経を唱える、写経、写仏などをします…無料~
写経を行う場合は、経文を書き終えた後に「為○○水子供養」と、亡くなった赤ちゃんの戒名や「為○○家之水子供養」などと添えることで、その魂へ向けた追善供養となります。
・水子供養のご本尊、地蔵尊を写仏する
・お経を唱える
一般的にお経は、観音経・般若心経などが多いでしょう。
位牌や骨壺を祀る家では、お経を唱えるご両親も少なくありません。
遺骨の埋葬

●死産で亡くなった赤ちゃんの遺骨は、法的に一般的な遺骨と同じ扱いです
…家の庭など、墓地以外の場所での埋葬、処分はできません。
「火葬した赤ちゃんの遺骨はどうするの?」との質問も多いですが、形としては小さくとも一般的な遺骨と法的に扱いは変わりません。
ただ現代でも地方などでは、「水子の遺骨は先祖代々墓に埋葬できないよ」とする親族がいたため、先祖代々墓に埋葬できなかった体験談も多いです。
・結婚10年目で妊娠した子どもが死産。「家のお墓には入れない」と親族から言われたが…
お墓に埋葬して水子供養をする
●死産の赤ちゃん(水子)の遺骨であっても、お墓に埋葬できます
死産の赤ちゃん(水子)の遺骨は、お墓に埋葬するか、合祀墓などに永代供養してもらう葬送が一般的です。
・新しいお墓を建てて埋葬(約100万円ほど~)
赤ちゃんの納骨をきっかけに、新しく家族墓を建てる両親も多く見受けます。
現代、新しくお墓を建てる費用は約125万円~175万円ほどが平均的です。
自然葬で水子供養をする
●樹木の根本や土、海など、自然に還る葬送です…約3万円ほど~(海洋葬)
自然葬とひと口に言ってもさまざまな種類がありますが、水子供養では母親のような大樹に見守られ葬送する樹木葬や、土に還る自然葬が選ばれる傾向にあります。
・自然葬(約10万円ほど~)
・海洋葬(約3万円ほど~)
ただし海洋葬を選んだ場合、赤ちゃんの遺骨は海へ散骨されるので確認をしてください。
また自然葬はいずれ自然に還る葬送なので、一度埋葬すると遺骨は取り出すことができません。
納骨堂で水子供養をする
●遺骨を納骨堂へ収蔵します…約15万円ほど~
納骨堂の多くは都心部にあるので、いつでも気軽に参拝に行ける点が、両親が選ぶ大きな理由です。
お墓がない・先祖代々墓に埋葬できない、などの事情があっても、個別のスペースで参拝ができるので、「我が子に向かって水子供養ができる」と選ぶ両親が多くいます。
合祀墓で水子供養をする
●他の遺骨とともに合祀埋葬します…約10万円ほど~
他の遺骨とともに合祀埋葬し供養される永代供養の形です。
少し寂しいようにも思えますが、現代では多くの合祀墓で定期的な合同供養が執り行われ、遺族も参列できる合祀墓が増えました。
●死産の赤ちゃんは、水子地蔵様の元で合祀供養してくれる寺院もあります
三回忌法要など、個別法要も受け付けてくれる合祀墓は多いでしょう。
ただし自然葬同様、一度埋葬されると赤ちゃんの遺骨は取り出すことができません。
手元供養で水子供養をする
●遺骨を埋葬せず、骨壺のまま祀り供養します…約1万円ほど~
骨壺のみを祀るのであれば、骨壺の費用だけなので約1万円ほどから手元供養ができますが、一般的には手元供養のステージや位牌、仏具などを揃えて、毎日お世話をします。
手元供養は骨壺が手元に残り、この先も赤ちゃんとともに過ごせるとして、喪失の哀しみのなかにいるご両親に、多く選ばれる水子供養です。
最後に
以上、水子供養とはなにか、いつ、どこでできるかを解説しました。
まだこの世に産まれ出ていない赤ちゃんの魂は清らかだとされ、水子供養は両親の哀しみや苦しみを癒すためにあるとも言われます。
流産や死産のショックは、例え配偶者であっても胎内に宿したお母さんにしか分からないともされますし、経験した女性でも人によって違うでしょう。
・グリーフケアとは?喪失の哀しみから再生8つのステップ。放置するとPTSDの可能性も
そんな先の見えないグリーフケアのひとつの方法として、水子供養があります。
亡くなった赤ちゃんとの、新しい絆を感じながら供養を行ってみてはいかがでしょうか。
・大阪で水子供養ができる寺院とは?評価が高い8寺院を、供養の種類・流れ・料金まで紹介
まとめ
水子供養12の方法まで
●寺院で
・卒塔婆を立てる
・戒名をいただく
・お地蔵様を奉納する
・地蔵尊へ参拝する
●家で
・位牌を祀る
・骨壺を祀る
・お経を唱える(写経、写仏)
●遺骨の葬送
・お墓に埋葬する
・自然葬
・納骨堂
・合祀墓
・手元供養
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