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結婚10年目で妊娠した子どもが死産。「家のお墓には入れない」と親族から言われたが…

結婚10年目で妊娠した子どもが死産。「家のお墓には入れない」と親族から言われたが…

花田朋子さんは現在46歳、25歳に結婚をして28歳から不妊治療を始めましたが、2人の流産、そして死産を経験し、お墓に埋葬してもらえない経験をしました。
 
朋子さんとしては流産をした2人の子も、死産の子もひとりの人として、お墓に入れたかっただけでした
 
死産の子はお墓に入れない」との考え方に驚きますが、法的には死産でもひとりの人として扱います。けれども地方によって胎児や幼児が先祖代々墓に入れない風習もあるためです。
 
今回は、花田朋子さんの経験した2度の流産と供養、死産の子をお墓に埋葬するまでの体験談をご紹介します。
 

死産した赤ちゃんの供養や手続きは、下記をご参照ください。
【死産とは】死産と流産の違いとは。いつから死産か…、処置や火葬まで分かりやすく解説

 

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28歳からの不妊治療と2人の流産

28歳からの不妊治療と2人の流産

●我が子が死産する前もお墓を建てたいと思った…、2人の流産
 
25歳に結婚して3年、28歳から不妊治療を始めた私は、4ヶ月で最初の流産も経験していました。そしてやっとのことで2回目の妊娠後、再び流産をしてしまいます。
 

<死産でお墓に埋葬:PTSDの症状>
●2回の流産は心に傷を負うには充分で、麻酔から覚めた時の喪失感やパニック症状、罪悪感がまるで今起きてるかのように襲い掛かる日々でもありました。
 
…今から思うとこれは、その体験の記憶が自分の意思とは関係なく、フラッシュバックする「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」だったのかもしれません。

 
それでも、年齢はすでに35歳、担当医からは「流産後すぐに妊娠は母体に負担が大きいから、4ヶ月は妊娠は控えた方が良い」とアドバイスがありましたが、「一刻も早く妊娠したい、しなければ」と、まるで取り憑かれているような執着がありました。
 
そして再び、不妊治療専門医を訪ねます。
 

両親や夫と喪失感が共有できない

●両親や夫とも共有できない喪失感
 
子が死産する前、2人の流産でもお墓に手を合わせたいと思いました。「セレモニーだけでもできないか?」と、両親や夫に相談したものの、反対されています。
 
2人の子は初期の流産です。全身麻酔により午前中に手術を行い、午後には麻酔が切れて夫とともに自宅へ帰りました。何ともあっけないものです。
 
ただ計り知れない喪失感と罪悪感だけが残りました。けれども2人とも初期の流産だったためか、喪失感や罪悪感は家族と共有できません
 

<死産でお墓に埋葬:身近な家族に理解されない>
・よくあること、次の赤ちゃんのことを考えて
・(手術後)精神が不安定なのは、ホルモンバランスの乱れでは?

 
流産を経験したばかりの女性に対して、誰もがどのような声を掛けて良いのか分からない、戸惑うことは充分に理解しています。それでも、さらに塞ぎ込む悪循環がありました。
 

母から「香合仏」

●セレモニーができず哀しむ私に、母から「香合仏」が届きます
 
死産の前、流産した子もお墓に入るセレモニー(遺骨のない納骨式)がしたかったのは、両親が仏教に信心深かったためかもしれません。
 
どこかで「埋葬すると成仏する」との意識が強かったのでしょう
納骨式セレモニーが行ったら、喪失感も癒えるかもしれないと思っていました。
そんな時、母からの贈り物が、「香合仏(こうごうぶつ)」です。
 

<死産でお墓に埋葬:香合仏とは>
●「香合仏(こうごうぶつ)」とは、「お守り仏」とも言われる携帯用の仏様です。
蓋つきの小さな容器に納められた木像の仏様で、一見は香合のように見えます。

 
可愛らしい阿弥陀如来様で、お姿が子どものよう…、2人の子どもを見ているようでした。その日から私は、この香合仏にこっそりと供養を捧げています。
 

 

35歳で高齢妊娠も死産…

35歳で高齢妊娠も死産…

●妊婦検診で亡くなったと言われた子を出産する、喜びと辛さ
 
この2人の子どもを流産した経験があるからこそ、3人目の子どもは死産をしても、お墓に埋葬したいと主張しました。
 
胎動には「神経質だな!」と言われるほど敏感で、数時間胎動がないと病院へ電話する始末でしたが、死産の兆候は知る由もなかったことを覚えています。
 
ですから、高齢妊娠や不妊治療、持病などの原因はあるにしても、産婦人科医さんが良く言う「お母さんのせいじゃない」と言うのは真実のひとつでもあるのでしょう。
 
「動かない」と担当医が険しい顔をし、すでに亡くなっていると知らされた妊婦検診の後、夫に打ち明けた時の、一瞬見せた落胆の顔が忘れられません
 
すでに亡くなっている赤ちゃんを出産することは、母親にとってとても酷なことです。けれども例え亡くなっていても、お腹に来てくれた子に会いたい、会える瞬間でもありました。
 
これが前の2人の流産の時にはできなかったことでもあるのです。
 

<死産でお墓に埋葬:温かな産院>
●周囲で幸せそうな様子が見て取れるなか、陣痛を経て出産をしました。
 
…希望をしていた通り、赤ちゃんを胸に抱きます。赤ちゃんは小さいけれど、目とお口、耳も大きくて父親みたいです。
 
ひと時、胸の上で抱きしめた後、赤ちゃんは肌着を着せてもらい、手形・足形を取ってもらいました。

 
確かに陣痛を経て出産をしても、産声は聞こえない、付き添う人は誰もいない、祝福の声もありません。
 
そして出産を終えて部屋へ戻るとお花が生けられているのです。「これが死産を知らせるものなのだな」と、すぐに分かりました。
 
処置は痛いことばかりで辛い出産ではありましたが、一度は来てくれた我が子を胸に抱けたこと、病院で温かな対応をいただけたことが、大きな癒しとなりました。
 
●我が子が産まれたセレモニー、亡くなったセレモニーをしたい、その子がいたことを残したいだけだったんだ、と気づいたのです
 

親族から「死産の子はお墓には入れない」

親族から「死産の子はお墓には入れない」

●我が子を死産した後、火葬をして納骨の相談に行ったら、「死産の子はお墓には入れないよ」と親族に言われます
 
まさかとは思いましたが、夫の郷里では胎児は死者として一人前の扱いをしないそうです。家によっては、死産のみならず幼児もお墓に入れないと…。
 
夫も含めて「まさか死産の子がお墓に入れないとは思いもしなかった」ため、遺骨を持って郷里に帰っていたご夫婦は、菩提寺のご住職へ相談しました。
 
ご住職は死産の子であろうとお墓に埋葬できる考えであり、親族さえ納得すれば、いつでも納骨式を行ってくれると言います。
 

<死産でお墓に埋葬:遺骨を預ける>
●境内墓地の奥には、水子供養の水子地蔵もいるとのことです。
・水子地蔵へ卒塔婆(そとば)を立てる
・遺骨は合祀墓に埋葬、永代供養をする
お墓に埋葬する
手元供養をする

 
…など死産の子を先祖代々墓に埋葬できなくても、方法はいくつかあることを教わります。
 
また水子供養の水子地蔵もいるとのことで、ここでやっと流産をした2人の子を供養してもらいました。
 

 

法的に死産の子の扱いは?

法的に死産の子の扱いは?

●「考える時間が欲しい」と、しばらく菩提寺のご住職へ遺骨を預けます
 
死産の子はお墓に埋葬してあげたいが、何とかならないか…」
なぜ死産の子の遺骨をお墓に埋葬したかったのか…、理由は自分でも説明できません
 
けれども「合祀墓に埋葬をする気持ちになれなかった」のが正直な気持ちです。
亡くなってはいても産まれて産着を着せてもらい、抱きしめたこの子は、一人前の扱いではないでしょうか。
 
法的に人として扱われるのか…、納得がいかないまま調べます。
 

<死産でお墓に埋葬:法的な扱い>
●胎児であっても成人の死者と同じ扱い(判例の立場として)
 
①妊娠4ヶ月以降
役場に火葬、埋葬の許可を得る
 
②妊娠7ヶ月以降
・役場に火葬、埋葬の許可を得る
死後24時間経過後に火葬をする
※成人の死者と全く同じ扱い

 
…確かに我が子も死産の後、24時間を経て火葬され、小さな遺骨で返ってきました。
では何をもって「人が産まれる」とするかは、民法と刑法で見解は分かれるようです。
 
・民法…全ての体が母親の胎内から露出した時点
・刑法…体の一部が母親の胎内から露出した時点

 
…これは出産して間もなく赤ちゃんが亡くなったとして、それが過失であった場合に、「どのように赤ちゃんの命を守るか」の観点によるものでしょう。
 

死産の子は、お墓に埋葬できる?

●成人の死者と同じ扱いなので、死産の子でもお墓に埋葬できます
 
夫の郷里と同じく、地域の風習として死産の胎児はお墓に入れない、一人前の死者として扱わない地域もたくさんあるのかもしれません。
 
けれども法的には、成人の死者と同じ扱いですから、お墓に埋葬することも問題はなく、むしろ丁寧に葬送すべきでしょう。
 

<死産でお墓に埋葬:違法行為>
●死産であっても死者の遺骨ですから、下記は違法行為です。
 
墓地以外の場所に埋める(自宅の庭など)
・捨てるなどの行為
 
[参考]墓埋法 第2条1、3条、4条、刑法第190条

 
死産でもお墓に埋葬する時には埋葬許可をもらいます。
ましてや例え家の庭であっても、墓地以外の場所へ埋めることは遺体遺棄です。
 

実家に埋葬

実家に埋葬

●遺骨を寺院へ預けて1年、実家のお墓への埋葬を提案されました
 
死産の子は夫方の先祖代々墓に埋葬することを拒否されています。
そのため「自分達でお墓を建てよう」と夫婦で話し合ったものの、長い不妊治療に掛けた費用で貯蓄もなく、お墓を建てることができず仕舞いでした。
 
そこで実家の母が、実家のお墓に埋葬することを提案してくれます。
○○家の墓」とありましたが、これも「やすらぎ」に変えて、苗字の違う者も入れるお墓にしてくれるそうです。
 

<死産でお墓に埋葬:実家に埋葬>
墓石を建て替え
・彫刻を「やすらぎ」へ
・死産の子を実家のお墓に埋葬(納骨式)

 
この時は「死産の子をお墓に埋葬したい」と強く思っていましたが、数年経った今、もっと冷静に柔軟に考えたら、お墓に埋葬しなくても多くの供養があったかもしれません。
 
・納骨堂に納骨する
・樹木葬
・手元供養をする

 
…などなど。
その時は、死産の子をお墓に埋葬することで、子の存在が確かにあったことを感じました。
 

 

最後に

以上が、長い不妊治療後に授かった子を死産、お墓に埋葬するまでの体験談です。
流産や死産の体験談で多くは「赤ちゃんを抱きしめながら泣いた」「出産して2か月は泣いてばかりだった」などと聞きます。
 
けれども朋子さんは、2人の流産でも死産を経験した後も、泣いた記憶はありません
朋子さんは結婚後、数年してお父様を亡くしていますが、この時も涙を流さなかったと言います。
 
決して結婚先が温かな家族でない訳ではありません。
けれども朋子さんは、哀しみを表現することを許されないように感じていたようです。
 
そのなかで主張した「死産の子をお墓に埋葬したい」と言う思いでした。
 
今、当時の夫とは別れ、独り身で暮らす朋子さんですが、寂しさも自由もあると言います。
そして何よりも、結果的に実家に死産の子を埋葬することで、今も気軽にお参りできている、と話してくれました。
 
 

まとめ

死産の子どもをお墓に埋葬するまで
・2人の流産でもお墓に入れたかった
・香合仏をいただき、供養をする
・死産を経験
・火葬をする
・義親族より「家のお墓には入れない」
・法的には成人の人と同じ扱い
・ご住職に遺骨を預ける
・実家の母よりお墓に埋葬の提案
・実家のお墓に埋葬

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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