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無宗教で供養の仕方は?無宗教葬はどのように進める?納骨をするにはどうする?法要は?

無宗教で供養の仕方は?無宗教葬はどのように進める?納骨をするにはどうする?法要は?

「無宗教での葬儀・遺骨供養の仕方は?」
「無宗教葬の準備・進め方は?」
「無宗教の人の納骨はどうする?」

 
「無宗教」とは特定の宗旨宗派を信仰しない人々を指しますが、決して神仏を否定している訳ではありません。日本人は初詣やお盆を行うものの7割以上が無宗教と言われていますよね。

 
無宗教での供養の仕方は自由度が高く、遺族の意向に沿った葬送ができます。ただ日本では仏教による葬送が根付き、無宗教葬・納骨に戸惑う方も少なくありません。

 
本記事を読むことで、無宗教葬の進め方・遺骨供養の仕方、注意点が分かります。後半では納骨後の法要や位牌・仏壇の扱いについても解説していますので、どうぞ最後までお読みください。

 

無宗教で供養の仕方

無宗教で供養の仕方

無宗教での供養は宗教者を呼ばず、宗教的儀式を行わないことに特徴があります。仏式の葬儀では読経供養やお焼香、神道では玉串奉奠等の宗教的な儀式です。

 
無宗教葬では故人の遺志を汲み、遺族の希望を葬儀に反映できます。
故人を知る人々が一同に集まり故人を偲び送り出す「偲ぶ会」が多いです。黙祷・献花等が一般的ですが、式次第は多岐に渡るでしょう。

 

①無宗教のメリット

無宗教で行う葬儀「無宗教葬」は、宗教的な決まり事がないため自由度が高いため、故人の遺志を尊重できるでしょう。

 
また宗教者を呼ぶ必要がないため費用を抑えた葬儀も可能です。例えば仏式の葬儀では僧侶をお呼びして読経供養を行いますが、お礼として1回の読経供養につき約3万円~5万円以上のお金を包みます。

 
1回の読経供養なので、四十九日法要・納骨式・位牌の開眼供養と複数の法要が重なる場合は読経供養の回数分だけお金を包むことになりますね。

 
その他、古い慣習に縛られずに故人を見送ることができるため、遺された遺族は心置きなく納得できる形で故人を見送ることができます。
何よりも喪主の負担が少ない葬儀・葬送を選ぶことが可能です。

 

②無宗教のデメリット

無宗教であることのデメリットは、前例が少ないことから葬送において周囲からの理解が得にくい点でしょう。少なくとも理解者を得るよう、家族・親族には説明をして納得してもらう必要があります。

 
納骨先が限られるため他の家族と同じお墓に入れないケースもある他、宗教的な儀式がなく、不安に感じる家族・親族もいることを理解して話し合いを進めることがポイントです。

 

③菩提寺への配慮

菩提寺がある場合、僧侶を呼ばずに無宗教葬を執り行うことは失礼です。家が先祖代々墓を寺院墓地に建てている場合、その寺院は菩提寺でしょう。

 
菩提寺にとって属する家は、菩提寺に属し支える「檀家」となります。
菩提寺がある家で無宗教葬を選び、戒名も授からない故人の遺骨は、先祖代々墓に納骨されないことがあるので、最初の段階でご住職への相談は最低限のマナーです。

 
実家に菩提寺がある場合、先祖代々墓に納骨しない方法もあります。詳しくは下記コラムをご参照ください。

 

 

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無宗教葬プラン

無宗教葬プラン

宗教的な儀式がない無宗教葬には縛りがないため、遺族は自由にプランニングができます。無宗教葬プランがある葬儀社もあるため、プランを基に希望を伝えても良いでしょう。

 
僧侶・神官・司祭者等の宗教者がいないため、無宗教葬では葬儀をスムーズに進めてくれるプロの司会者・ナレーターを依頼すると助かります。

 

①家族葬

家族葬は約10名~30名以下を目安とした規模の小さな葬儀を指します。人数が少ないため、喪主の意向が反映しやすいでしょう。

 
無宗教葬による家族葬では香典返しを省くため、香典辞退、供花・供物を辞退する遺族も少なくありません。香典辞退の場合、葬儀のご案内状に「誠に勝手ではございますが 香典は固く辞退させていただきます」等とひと言添えます。

 
一方、参列者の少ない無宗教葬による家族葬では、参列を希望しない人々への訃報は葬儀後に知らせる選択も多いです。この場合「故人の生前の遺志により 近親者のみにて葬儀を執り行いましたことをご報告いたします」等の一文を訃報ハガキに添えましょう。

 

②音楽葬

音楽葬は音楽により故人を送り出す葬儀です。無宗教葬による音楽葬では、読経供養・お焼香の代わりに、プロの音楽家による生演奏が披露される式次第等があります。

 
プロの音楽家に依頼する場合、1人あたり約5万円~10万円が費用相場となり、無宗教葬のなかでは比較的高い費用がかかるでしょう。ピアノであれば1人でも良いですが、四重奏等では人数分の費用がかかります。

 
ただ音楽葬は「音楽で故人を送り出す」ことが目的なので、故人と生前にご縁があった人々が楽器演奏をする無宗教葬も少なくありません。楽器が弾けずとも、参加者が次々と歌を歌う「カラオケ葬」もあります。

 
生前に故人が好きだった音楽を流すことが多く、終活により生前に故人が選曲している音楽葬があるほどです。

 

③ホテル葬

ホテル葬はホール等、ホテル内の施設を貸切って行う葬儀です。「偲ぶ会」「お別れの会」等の名称で開催することが多いでしょう。通夜や密葬後のホテル葬は昔からあります。

 
ホテル葬は斎場で執り行わない点が特徴で、ご遺体が入った棺は衛生管理の問題で持ち込みはできないホテルが一般的です。

 
読経やお焼香等の宗教的儀式に対応していないホテルもあり、葬儀専門スタッフもいないため、事前にホテルスタッフと入念な打ち合わせが欠かせません。

 
遺族が先に火葬を済ませ骨壺を祀る「骨葬」によるホテル葬も稀にあるものの、基本として遺骨の持ち込みも控えます。代わりに遺影やメモリアルプレート・記念品を置く方法が適切です。

 
会食をしながら参加者が思い出話に花を咲かせて交流するプログラムが一般的で、立食によるホテル葬もあります。また従来の「香典」を辞退し、代わりに会費制にするホテル葬も少なくありません。

 

④生前葬

生前葬は生きているうちに執り行う葬儀です。生前に葬儀を行う風習はないため、無宗教葬に多いスタイルとして広まりました。生前葬のメリットは本人の意向を充分に反映できる点です。

 
一般的な式次第では本人のこれまでの人生を振り返る内容が多いでしょう。明るい雰囲気で進めるため、パーティー・宴会形式が一般的です。歓談中は本人がそれぞれのテーブルを巡回して歓談します。

 
華やかな花々で飾られ開放的な雰囲気で進む生前葬が一般的です。包むお金は白黒の不祝儀袋ではなく、白無地の封筒の方が良いでしょう。表書き等の香典の包み方マナーは従来の葬儀と同じです。

 

⑤一日葬

通夜と葬儀を省略し、火葬と告別式のみで執り行う葬儀が一日葬です。無宗教葬による一日葬は宗教者を呼びません。

 
一日葬をすることで高齢者の負担を軽減する他、遠方から参列する方の宿泊費負担・体力的な負担も軽減されます。

 
宗教者をお呼びしない一日葬ではお布施も包まない点は特徴です。仏教の教えに基づいた供養「お焼香」の代わりに黙祷や献花を行う式次第が多いでしょう。

 
一日葬では参列者の負担を軽減したうえで、火葬後に故人の思い出を歓談する時間・空間を重視します。

 

 
樹木葬と納骨堂どっち?
 

無宗教葬の進め方

無宗教葬の進め方

無宗教葬は「自由葬」とも呼ばれ、故人や遺族の希望が通りやすい自由な葬儀が特徴ですが、基本的な流れはあった方が進めやすいです。

 
挨拶文の構成と同じように、基本的な流れを軸にアレンジしてみてはいかがでしょうか。下記は最も基本的な無宗教葬の流れです、参考にしてください。

 

 

①開式の挨拶

無宗教葬で開式の挨拶は司会者が行います。喪主(施主)は知り合いへ依頼することもできますが、困った時には司会者の手配を葬儀社に相談しても良いでしょう。

 

②黙祷

「黙祷(もくとう)」は仏式の葬儀で行う読経供養にあたります。声を立てずに心のなかで故人を偲び祈りを捧げましょう。

 
開式の挨拶の直後に黙祷を行う式次第が多い一方で、故人の紹介の後に行うケースもあります。

 

③故人の紹介

故人の紹介(プロフィール)は略歴をまとめて司会者へ渡します。内容に決まり事はありませんが、一般的には下記のような内容が紹介されるので、どうぞ参考にしてください。

 

<故人の紹介(プロフィール)内容の一例>
・故人の氏名
・生年月日
・故人の両親の名前と家族構成
・学歴
・仕事歴
・結婚(配偶者名、年月日)
・結婚後の家族構成
・趣味、特技、性格等
・病歴
・死因

 
ただしあくまでも参考程度ですので、遺族が話したい内容に留めます。特に病歴・死因等は繊細な部分なので、遺族が望むなら添える程度で構いません。

 

④お別れのセレモニー

最も無宗教らしい式次第が「お別れのセレモニー」でしょう。音楽葬ではプロの生演奏等をここで披露する「献奏」等もセレモニーのひとつです。

 
参加者がそれぞれ故人へ歌や踊りを披露するセレモニーも見受けます。なかでも最も人気が高いセレモニーは、生前の故人を思い出すスライドショーです。

 

⑤お別れの言葉

「弔辞」にあたる式次第が「お別れの言葉」です。弔電もここで紹介され、続いて参加者が故人へ次々と感謝の言葉を告げる流れが多いでしょう。

 
自由な無宗教葬なので、どのようにお別れの言葉を故人へ伝えるのかは自由です。手紙を事前に準備して読み上げる事例もありました。

 
お別れの言葉を伝える儀では、複数の参加者が故人へ感謝の言葉を告げた後に集合写真を撮る式次第もあります。

 

⑥お別れの儀

自由な無宗教葬に決まり事はありませんが、お別れの儀は献花が多いです。

 
最期のお別れの言葉をかけながら、棺で眠る故人へ参加者が次々と花を手向ける方法などが選ばれます。ホテル葬等、棺がない会場では献花台へ献花すると良いです。
喪主・遺族・親族・知人友人と、故人と生前に親しかった方から献花をする流れが多いでしょう。

 

⑦喪主挨拶

喪主挨拶は長すぎず・短すぎないこと、参加者へ最大限の感謝を伝えること、ゆっくりと丁寧に自分の言葉で伝えることの3つがポイントです。

 
喪主挨拶に費やす時間の目安は1分~3分と言われます。
また聞き手が話しやすいペースは1分間に300文字ですので、3分間では400文字の原稿用紙2枚~3枚を目安に原稿の準備を進めましょう。

 
スマホを見ながら話すのは失礼にあたるので、紙に書いて読むと良いです。忌み言葉、縁起の悪い言葉に注意するよう、原稿が完成したら家族にも聴いてもらいながらチェックまで済ませることをおすすめします。

 

 

⑧閉式の挨拶

最後に司会者・もしくは喪主(施主)による閉式の挨拶です。無宗教葬の後、会食の場を設けているならば会場のご案内しましょう。

 
ただし無宗教葬では食事をいただきながら歓談する流れが多いため、閉式後はそのまま解散になる葬儀が少なくありません。

 
そのまま解散する場合は、閉式の挨拶で次回法要のご案内も添えます。ただ無宗教に決まり事はないため、法要も遺族の自由です。
無宗教葬の後に火葬場へ行くならば出棺のお見送りもご案内します。

 

⑨閉式の後

無宗教葬の後、親族のみで火葬場へ行く流れも多いでしょう。

 
この場合、出棺時に喪主挨拶を行うこともあります。火葬後、会食「お斎」を行う無宗教葬もありますが、お斎の有無も自由です。

 
ホテル葬では棺を伴わないため、必然的に閉式で解散もあるでしょう。
一般的に参列者がお帰りの際には会葬御礼品をお渡しします。人数が少ない無宗教葬であれば喪主が受付で感謝を伝えながら手渡しすると丁寧です。

 
一方、香典返しは無宗教葬であっても四十九日の忌明けに郵送する判断が一般的ですよね。気になるところですが、遺族が望めば無宗教葬なので、香典返しは当日返しでも構いません。

 

 

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無宗教での遺骨供養の仕方

無宗教での遺骨供養の仕方

無宗教であっても遺骨はお墓に埋葬することができます。ただし無宗教葬では遺骨供養の仕方も自由なので、手元供養や自然葬の選択肢もあるでしょう。

 
無宗教でお墓のいらない遺骨供養の仕方を選ぶケースでは、納骨費用が各段に安くなることもあります。

 

①宗旨宗派不問の霊園

無宗教でもお墓に納骨することはできます。
ただし宗旨宗派不問の霊園(墓地)を選ぶことがポイントです。宗旨宗派不問が多い民営墓地(霊園)・公営墓地を中心に探してみましょう。

 
また無宗教では「お墓がいらない遺骨供養」が選ばれるようになりました。お墓がいらない葬送では、合祀墓(合葬墓)・納骨堂もあります。

 
なかでも合祀墓(合葬墓)は安い費用での葬送ができるでしょう。「合祀(ごうし)」とは他の遺骨と一緒にひとつの場所に埋葬されることです。

 
合祀墓(合葬墓)は民間霊園等で「永代供養墓」とも言われます。「永代供養」とは墓地管理者が家族に代わり、永代に渡って遺骨の供養・管理をしてくれることです。

 
無宗教でも永代供養墓に埋葬できますが、供養の仕方は墓地管理者が選ぶ宗旨宗派に基づいて行われます。

 
また、一度合祀墓(合葬墓)に埋葬すると、遺骨は再び手元には戻らないので注意をしてください。

 

 

②樹木葬

樹木葬は自然に還る自然葬のひとつで、遺骨を骨袋や骨壺から取り出して樹木のふもとに埋葬する葬送です。遺骨はゆっくりと時間をかけて土に還ります。

 
大きな樹木「シンボルツリー」のふもとに埋葬あれる合祀型と、個別区画に埋葬され、その上から植樹する植樹型です。

 
近年では美しく整備された草花に囲まれた庭園内に納骨される「庭園型」も登場しました。庭園型は一定期間は個別スペースに納骨され、その後合祀するため永代供養型とも言われます。

 
いずれも一度埋葬(納骨)すると、再び遺族の手元に遺骨は戻らないので注意をしてください。

 

 

③海洋散骨

海洋散骨は遺骨を海に撒く自然葬のひとつです。海洋散骨は無宗教葬のセレモニーとして選ぶ方もいるでしょう。

 
海洋散骨は違法ではありませんが、厚生労働省で海洋散骨業者に向けてガイドラインを出しています。ガイドラインに倣い、散骨にあたり約2mm以下のパウダー状に遺骨を粉骨しなければなりません。

 
特定の海域での散骨が禁止されている自治体もあるため、遺族が個人で海洋散骨を行うことも違法ではありませんが、周辺住民の迷惑にならないよう配慮が必要です。

 
迷惑がかからないよう沖合いまで出て散骨することもあり、専門業者に依頼することをおすすめします。

 
海洋散骨後は定期的に海へ故人を偲び祈ることができるため、無宗教の方に人気です。海洋散骨した後は、スポットまで定期的に船をだす「メモリアルクルーズ」を提供している業者もあります。

 

 

 

④手元供養

手元供養は遺骨を自宅で供養する方法です。自宅に祭壇を仕立てて遺骨を祀る自宅供養と、ネックレス等のアクセサリーに遺骨を納めて持ち歩く手元供養があります。

 
現代の手元供養では遺骨を粉骨しコンパクトにする方法が一般的です。個別に粉骨する費用の目安は、1柱につき約2万円~5万円ほどでしょう。手元供養の用品を購入する仏壇仏具店等で粉骨の相談してください。

 
手元供養の場合、お世話をしている家族が亡くなった時の遺骨の扱いも検討しなくてはなりません。海洋散骨等の自然葬での葬送が人気です。
お世話をしている家族が生前に、一緒に自然葬の契約をするケースも多いでしょう。

 

 

⑤バルーン葬

バルーン葬は粉骨した遺骨を風船に納めて空へ飛ばす自然葬のひとつです。無宗教では葬儀に代わるセレモニーとして選ぶこともあるでしょう。

 
海洋散骨と同様、法務省の見解では「葬送を目的として節度を持って実施する分には遺棄罪にはならない」として違法ではありません。遺骨は2mm以下のパウダー状に粉骨します。

 
また周辺住民の方々に迷惑がかからぬよう、風船を飛ばす場所には注意が必要になるため、バルーン葬でも専門業者に依頼すると安心です。自然葬のひとつとして風船もゴミにならない天然ゴムを使用している専門業者も多くいます。

 

[参照]
・東京都保険医療局「散骨に関する留意事項

 
樹木葬と納骨堂どっち?
 

無宗教で納骨後の供養の仕方

無宗教で納骨後の供養の仕方

日本では仏式の法要を行ったり、お盆やお墓参りの供養を行う無宗教の方々は多いです。
自然葬による葬送を終えた後でも、定期的に自然葬を行ったスポットへお祈りに行く遺族はいるでしょう。

 
定期的な合同供養が開催される永代供養墓・納骨堂の葬送を選んだ場合でも、気にせず法要に参加する流れが一般的です。永代供養による供養方法は特定の宗旨宗派に倣いますが、宗旨宗派不問の霊園で、遺族も気にしていないならば問題はありません

 

①法要はどうする?

無宗教葬の後、供養の仕方としては定期的に偲ぶ会を開催する遺族が多いです。

 
自然葬を選んだ場合はお墓参りの代わりに、定期的に葬送したスポットを訪れる家族もいるでしょう。また命日ではなく誕生日を祝うケースもあります。

 
一方、従来の風習に倣い、僧侶をお呼びして法要を執り行っても問題はありません。インターネット僧侶派遣等、宗旨宗派を問わない僧侶に依頼する配慮をしましょう。

 
ただ神様のみもとで眠るため「死を喜ばしいものとする」キリスト教でも、納骨後の厳格な決まり事はないので、法要を執り行わないからと気に病む必要はありません。
家族が希望する方法で故人を偲び弔うと良いでしょう。

 

②仏壇・位牌はどうする?

無宗教での供養の仕方として、必ずしも仏壇・位牌を仕立てることはありません。故人を偲ぶスペースを設けて、思い出の品を並べる方法等があるでしょう。

 
また手元供養では遺骨が礼拝の対象になります。特別な祭壇がなくても、家族は自由な形で故人を偲び弔えば良いです。

 
ただ無宗教であっても仏壇や位牌を仕立てることができます。墓じまいをして無宗教になった後の位牌はそのまま祀っても構いませんが、位牌の永代供養やお焚き上げをする方法を検討しても良いでしょう。

 

 

③無宗教に戒名はいらない?

現代ではインターネットサイト等で戒名を名付けてくれる僧侶もいますが、無宗教では戒名の名付けはいりません

 
戒名がなく位牌を仕立てる場合、生前の氏名「俗名」でも良いでしょう。実際に仏教が根付いていない沖縄県では、位牌に俗名を記載する方法が一般的です。

 

 

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無宗教で供養をする注意点

無宗教で供養をする注意点

無宗教での供養の仕方は自由ですが、新しい形なので従来の風習とは異なる部分が多いです。過去の事例が少ないことから、周囲への理解・説得・相談をしながら慎重に進める必要はあります。

 

①納骨できない墓地がある

家族が亡くなると遺骨の納骨は、知事が認める霊園・墓地でなければなりません。
無宗教の場合、宗旨宗派不問とする霊園・墓地を選びます。公営墓地・民間霊園(民営墓地)であれば、一般的に宗旨宗派不問です。

 
寺院墓地の場合、檀家になることを求められるでしょう。ただ近年では、宗旨宗派不問とする寺院墓地も見られるようになりました。特に樹木葬等の自然葬では、運営が寺院であっても「宗旨宗派不問」の一文を発見できます。

 
無宗教で遺骨を納骨する際は、宗旨宗派不問かどうかを確認が必要です。

 

 

②菩提寺がある場合

菩提寺がある場合、何の相談もなく無宗教葬を済ませることは失礼にあたります。菩提寺は檀家に対して、一切の供養・法要に関する責任があるためです。

 
ご住職をお呼びせずに無宗教葬を済ませ、戒名を付けないままではトラブルになり兼ねません。戒名が付いていないと先祖代々墓の納骨ができない菩提寺があってもおかしくありません。

 
今後も無宗教として家族の供養を進めるなら、菩提寺から離れる「離檀」の選択肢もあります。ただし離檀はご住職にとって檀家を失うことになるので、ご住職の心中も理解して、丁寧にご相談から話を進める必要があるでしょう。

 

 

③家族・親族の理解を得る

日本の葬祭では長く仏教が根付いてきました。
寺院墓地に先祖代々墓を建てて子々孫々と故人の遺骨を管理・供養することを良しとする考え方です。無宗教は新しい考え方になるため、特に高齢の親族から理解を得られないことがあります。

 
なかでも無宗教の方が選ぶことの多い自然葬では、遺骨が手元に戻りません。親族から反対を受けても遺骨を取り戻すことができないため深い溝になることもあるでしょう。

 
無宗教葬や無宗教による遺骨供養の仕方を選ぶ場合、家族や親族を説得することも視野に入れて慎重に進めてください。

 

 
樹木葬と納骨堂どっち?
 

まとめ:無宗教では自由度が高い供養の仕方ができます

まとめ:無宗教では自由度が高い供養の仕方ができます

特定の宗旨宗派に拘らない無宗教の供養の仕方では、故人の遺志・遺族の希望が反映されるような自由度が高い方法を選ぶことが可能です。

 
無宗教では「故人の魂が成仏しない」等の考え方もないため、開放的な明るい気持ちでセレモニーを開催できる点も魅力のひとつと言えるでしょう。

 
一方で家族を喪失したショックを癒す「グリーフケア」としても無宗教の供養の仕方は有効です。遺された遺族が納得できるセレモニーが進みます。

 
法要を定期的に執り行う必要がない一方で、遺された遺族が望めば、いつでも・いくらでも故人を偲び弔うことができるでしょう。

 

 

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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