樹木葬の失敗しない選び方とは?欠点はある?目的で違う後悔しない選び方のポイント解説
・樹木葬の失敗しない選び方は?
・樹木葬の目的で違う選び方とは?
・樹木葬を選ぶのに注意点はある?
樹木葬で失敗のない選び方は、まず樹木葬を選ぶ目的や期待すること、予算を整理して明瞭にすることから始まります。
その上で樹木葬の種類や埋葬方法、供養方法を理解し、優先順位を付けて選ぶことで、自分の目的にとって失敗しない、樹木葬の選び方ができるでしょう。
本記事を読むことで、後々まで後悔することのない、失敗しない目的で違う樹木葬の選び方が分かります。
樹木葬の選び方
◇満足できる樹木葬を選ぶには、目的を明瞭にします
樹木葬はもともと、人が亡くなって土に還ることを目的とした自然葬として登場しました。
けれども現代では樹木葬のニーズも広がり、そのニーズに対応しした、さまざまな樹木葬の種類やタイプが登場しています。
そのため後々まで満足できる樹木葬の選び方の第一歩は、樹木葬を選ぶ目的を明瞭にして、希望に優先順位を付けることです。
下記は樹木葬に多い6つのニーズをあげています。
・予算で選ぶ
・目的で選ぶ
・人数で選ぶ
・納骨方法で選ぶ
・アクセス環境で選ぶ
・供養で選ぶ
ただ樹木葬を選ぶ前に「本当に樹木葬しか選択肢がないのか?」の検討もしてみましょう。
樹木葬に多いニーズに合わせた選び方は、後ほど詳しく解説しますので、どうぞ最後までお読みください。
永代供養と比較検討する
◇永代供養にはさまざまな方法があります
樹木葬を選ぶ理由には継承者不在が多いです。
お墓を建てても将来的な継承者がいないため、無縁墓になることへの対策として、お墓のいらない供養方法として選びます。
けれども継承者を必要としない「永代供養」は、供養方法もさまざまです。
<樹木葬以外の選択肢> |
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●永代供養 | ・永代供養墓 ・納骨堂 ・集合墓 ・永代供養付き個別墓 |
●自然葬 | ・散骨 |
またご遺骨を自然に還す「自然葬」では、樹木葬以外にも「散骨」があります。
日本では海洋散骨が、より広がっていますよね。
ちなみに永代供養とは、墓地管理者にご遺骨の供養や管理を任せることです。
最終的に合祀されるプランが多いですが、ご遺骨は無縁仏になりません。
樹木葬の選び方:予算で選ぶ
①合祀埋葬
◇合祀埋葬の樹木葬は、約3万円~10万円ほどです
最初からご遺骨は骨壺や骨袋から取り出され、他のご遺骨と一緒に埋葬されます。
ひとつの供養塔に合祀される「永代供養墓(合祀墓)」と同じ仕組みです。
その分、合祀埋葬による樹木葬を選ぶことで、最も安く抑えられるでしょう。
また最初から合祀されるため、最初に初期費用を支払うのみで、後々の支払いはありません。
納骨式を執り行う場合は別途、僧侶へのお布施が必要になりますが、納骨式や読経供養の有無はご家族の判断によります。
②集合埋葬
◇集合埋葬の樹木葬は、約20万円~60万円ほどです
スペースはひとつですが、ご遺骨は骨壺や骨袋に入ったまま納骨されます。
いずれ土に還るよう、骨壺や骨袋は土に分解される木や綿などの素材です。
そのため納骨した当初は、他のご遺骨と混ざることはありません。
けれども骨壺や骨袋はいずれ土に分解されるため、ご遺骨が土に還る過程で、他のご遺骨と混ざるでしょう。
③個別埋葬
◇個別埋葬の樹木葬は、約60万円~80万円ほどです
個別の区画を購入して、区画内にご遺骨を埋葬します。
そのためご遺骨は他のご遺骨と混ざることなく、個別のスペースで土に還るでしょう。
個別埋葬の樹木葬では、シンボルツリー型と植樹型があります。
・植樹型…個別区画に埋葬後、木の苗を植える
シンボルツリーには桜などの大樹もあり、毎年花見を楽しみながらお参りも可能です。
また樹木ではなく、観音像などのモニュメントを建てる樹木葬墓地もあります。
植樹型は個別区画にご遺骨を埋葬して、その上から苗を植樹するため、木の成長とともに供養ができるでしょう。
樹木葬の選び方:目的で選ぶ
◇樹木葬には永代供養型もあります
「樹木葬を選んだのに、最終的に合祀墓に合祀されてしまった」などの声があります。
これは土に還る自然葬が目的の樹木葬を望んだけれど、選んだ樹木葬プランが永代供養型だったことが、失敗の原因と言えるでしょう。
樹木葬が登場した当初は自然葬を目的とした樹木葬墓地ばかりでしたが、現代ではニーズに合わせて永代供養型も増えました。
①自然葬
◇最終的に土に還る自然葬を目的とした樹木葬です
自然葬による樹木葬プランは、最終的にご遺骨が土に還ります。
そのため山林奥深くに位置する「里山型樹木葬墓地」などは、より自然葬を目的とした人々の希望を叶えてくれるでしょう。
なかには里山全体が墓地となっており、埋葬した後に印を付けるだけのプランもあります。
この場合、月日を経るごとに、どこに埋葬されたのかも分からなくなるでしょう。
自然葬による樹木葬を選ぶ場合、どれほど自然に近い環境で埋葬したいのか?まで検討すると失敗なく選びやすいです。
②永代供養
◇美しい草花や樹木に囲まれて眠ることが目的です
土に還ることを目的としない永代供養型樹木葬では、最終的に施設内の永代供養墓(合祀墓)に合祀埋葬されます。
施設内の永代供養墓に合祀するため、霊園内の特別区画で提供される樹木葬墓地に多いです。
美しい草花や樹木に囲まれて眠ることが目的となるため、イングリッシュガーデンのように美しく整備された、ガーデニング樹木葬(庭園風樹木葬)なども人気があります。
樹木葬の選び方:人数で選ぶ
①個人用
◇個別埋葬で個人用の樹木葬は、約30万円~50万円です
納骨できる人数が1柱のみの区画で、基本的な樹木葬のスタイルです。
個人用の区画となるので、ご夫婦やご家族で一緒のスペースに入ることはできません。
個人型の樹木葬にご夫婦で契約したい場合には、残っていれば隣り合わせの区画などで契約することもできるでしょう。
②夫婦用
◇個別埋葬で夫婦用の樹木葬は、約60万円~100万円です
ご夫婦で入ることのできる樹木葬です。
樹木葬プランにもよりますが、ご夫婦で樹木葬を契約するならば、同じ条件下では、スペースはひとつとなる夫婦型の樹木葬の方が、個人型よりも安いでしょう。
また夫婦用は区画に墓標として墓碑を置くタイプもあり、子ども達は墓碑を前にお参りできるスタイルもあります。
夫婦用の個別埋葬型で個別に安置される期間「個別安置期間」は、最後のご遺骨が納骨されてからカウントされるプランが一般的です。
③家族用
◇個別埋葬で家族用の樹木葬は、約100万円~150万円です
家族用は約3人~4人の家族が納骨できる、個人埋葬型の樹木葬です。
子どもまで二代に渡り納骨される家族用ですが、夫婦用と同様に、一般的に最後のご遺骨が納骨されてから、個別安置期間がカウントされます。
家族用と言っても契約者が許可すれば、血縁関係のある「家族」に限らず、人数分のゆかりあるご遺骨を収めることができる樹木葬プランが多いです。
④継承用
◇個別埋葬で継承用の樹木葬は、約150万円~200万円以上です
継承用の樹木葬は約6人~8人ほど、お墓と同じほどの人数が納骨できます。
また継承用の樹木葬プランのなかには、個別安置期間が長いものもありますが、それだけ費用も割高です。
「継承用」と言っても、お墓の継承者を必要とするものではありません。
個別安置期間の契約更新ができるプランとして「継承用」と謳う樹木葬墓地が一般的です。
そのため納骨できる人数が多いだけで、基本的な内容は家族用の樹木葬と変わらないプランが多いでしょう。
⑤ペットと一緒
◇ペットと一緒に入る樹木葬は、約30万円~180万円です
ペットと一緒に入る樹木葬では、霊園内に特別区画を設けて、飼い主やペットのお墓が並ぶ樹木葬墓地が多いでしょう。
ただ、ペットと人が一緒に埋葬されることに抵抗がある方も多いため、最終的には同じ特別区画内ではありますが、ペットはペット専用の供養塔へ、飼い主は人の永代供養墓へ合祀される仕組みが一般的です。
美しい草花や樹木に囲まれて眠る永代供養型の樹木葬では、特別区画内にコンパクトな個別のお墓を設けて、契約した一定期間は一緒のお墓内で眠るプランもあります。
・お墓にペットと一緒に入ることはできる?メリットやデメリット、選び方や注意点はある?
樹木葬の選び方:納骨方法で選ぶ
◇樹木葬では目的によって、納骨方法にも違いがあります
樹木葬を選ぶ人々の目的はさまざまです。
自然に還る自然葬を目的とするならば、土中に埋葬されるなど、最終的に自然に還る納骨方法が好まれるでしょう。
ただお墓がない、継承者がいらない永代供養が目的だった場合、個別安置期間は整備された環境のなかで、キレイに眠りたいと考える人もいます。
①土中に埋葬
一般的な樹木葬は、ご遺骨を土中に埋葬して、長い時間をかけて土に還ります。
骨壺や骨袋から取り出して、直接埋葬する樹木葬が多いですが、木や綿など、土に分解される自然素材の骨壺や骨袋に入れて埋葬する樹木葬墓地もあるでしょう。
特に最初から他のご遺骨と一緒に合祀される、合祀埋葬の樹木葬では、一度埋葬すると再び個別に取り出すことはできません。
②カロートに納骨
コンパクトな墓碑のみのお墓など、専用の納骨スペースに納骨される樹木葬です。
美しい草花や樹木に囲まれて眠ることを目的とした、ガーデニング樹木葬(庭園風樹木葬)などに多いでしょう。
個別安置期間を設けて、個別安置期間が過ぎると、施設内の永代供養墓(合祀墓)に合祀されます。
③山林に散骨
山林に散骨する樹木葬はご遺骨を2mm以下のパウダー状に粉骨し、墓地として登録されている里山に散骨する樹木葬です。
「里山散骨」とも呼ばれ、より自然に還りたい自然葬の役割を果たします。
ご遺骨を撒いてしまうため、ご遺骨は散骨すると手元に残りません。
散骨するためには粉骨の過程が必ず必要になるため、粉骨に抵抗がある人は避けた方が良いでしょう。
樹木葬の選び方:アクセス環境で選ぶ
①里山型樹木葬墓地
里山型樹木葬墓地は、山林の山奥深くに位置する樹木葬墓地です。
自然葬を目的とする人々に人気のある墓地ですが、都市部からは遠く、墓地までの道のりが険しいこともあります。
ハイキングや登山の様相を呈する樹木葬墓地もあり、高齢になると転倒やケガのリスクもあるため、埋葬後も頻繁に参拝したいご家族は、現地見学をして慎重に判断しましょう。
②都市型樹木葬墓地
都市型樹木葬墓地の多くは、霊園の敷地内で樹木葬墓地を提供しています。
都市部に近い、もしくはアクセス環境がより良い立地が多く、霊園なので区画も整備されている樹木葬墓地が多いです。
ただ広い霊園の場合、霊園に入ってから樹木葬墓地の区画まで長距離を歩く必要があったり、道程が困難なこともあるので、現地見学は欠かせません。
車であれば駐車場の広さや台数、公共交通機関であれば駅からの送迎バスや頻度も確認しましょう。
樹木葬の選び方:供養で選ぶ
自然葬を目的に樹木葬を希望する人の場合、埋葬後は参拝しない、墓前での供養や法要としない、と考える人もいます。
けれども樹木葬を済ませた後も定期的なお参りや回忌法要などの供養をしたいならば、お参りの規定や納骨後の供養も確認しましょう。
①参拝の規約
草花や樹木など自然に囲まれた樹木葬の場合、火事や野生動物に荒らされることへの対策として、参拝方法に規約を設けた樹木葬墓地が多いです。
お線香をあげたり、供花や供物を供えることへの禁止事項はないか、確認をしてください。
またお参りは個人に対してできるのか、シンボルツリーやモニュメントなど、合同の対象に向かうのかも、樹木葬を選ぶポイントです。
②合同供養の頻度、規約
樹木葬を済ませた後、一般的な樹木葬墓地では定期的な合同供養を行います。
ただ合同供養は樹木葬墓地によって、頻度や宗旨宗派が異なるので、気になる方は確認をすると良いでしょう。
・供養の宗旨宗派
・家族参加の可否
また樹木葬を契約するにあたり、特定の宗旨宗派に入ることは強要されない樹木葬墓地が一般的ですが、合同供養においては契約した僧侶の宗派に倣います。
気になる人はどの宗派で供養をするのか、確認をしてください。
この他、合同供養に家族が参加できるかも確認しておきましょう。
家族が参加した場合、お布施はいらない樹木葬墓地が一般的ですが、気持ちとしてお布施を渡すこともできます。
③個別法要の規約
樹木葬を済ませた後、回忌法要など、個別の法要を行いたい場合は、契約前に個別法要の可否を確認しましょう。
また寺院墓地が提供する樹木葬墓地の場合、契約にあたって宗旨宗派は問わない寺院が多いですが、回忌法要を行うならばご住職に相談します。
宗旨宗派にこだわりがあり、ご住職に依頼したくない場合は、もともと宗旨宗派を問わない民間霊園などがおすすめです。
個別スペースがある霊園や墓地であれば、法要や法要後の会食にも便利でしょう。
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まとめ:樹木葬の選び方は目的がポイントです
もともと樹木葬は草木や樹木のふもとに埋葬され、長い時間をかけて土に還る自然葬の目的がありました。
けれども樹木葬が広がるにあたり、自然葬を目的とした人ばかりではなくなっています。
子どもや孫に負担を掛けない、継承者を必要としないなど、さまざまなニーズに対応し、さまざまな種類の樹木葬が登場しました。
そのため樹木葬とひと口に言っても、墓地や埋葬・納骨方法、供養方法まで多岐に渡ります。
後々まで満足する樹木葬の適切な選び方は、まず目的をハッキリとさせることがポイントです。
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