
桜の木を墓標とする「桜葬」が人気の理由とは?メリットや選び方、大阪の桜葬墓地も紹介

・桜の木の下で眠る「桜葬」とは?
・桜葬が人気の理由は?
・桜葬墓地の選び方は?
・大阪の桜葬墓地は?
「桜葬」とは桜の木を墓標とした樹木葬のひとつです。
樹木葬とは墓石ではなく、草花や樹木を墓標とした遺骨供養として、桜以外でもハナミズキやサルスベリなどの木の種類が選ばれています。
本記事を読むことで桜の木の下で眠る桜葬の魅力や、後悔しない選び方、大阪でおすすめの桜葬墓地が分かります。

桜葬は桜の樹木葬

◇桜葬は、桜を墓標とした樹木葬です
「桜葬」は木の種類に桜を選んだ樹木葬となり、もともとは認定NPOエンディングセンターが運営する樹木葬霊園から始まりました。
まだ樹木葬が広く認知されていない2000年代、人々の尊厳ある死、そして尊厳ある葬送として市民の力でエンディングセンターが実現した形が、桜葬と言えます。
桜葬は当初、一本の桜をシンボルツリーとして、桜のふもとに合祀する合祀型でした。
けれども現在では個別納骨など、さまざまな種類の桜葬が、複数の霊園や墓地で登場しています。
桜葬は自然葬
桜葬が人気の理由

桜葬は、まだ樹木葬が広がっていない2005年に東京都町田市町田いずみ浄苑から始まり、2012年には、大阪府高槻市の神峯山寺でも桜葬墓地が始まりました。
葬送のひとつとして桜葬が受け入れられたのは、詩情溢れる文体が特徴的な近代日本文学を形作った小説家「梶井 基次郎(かじいもとじろう)」による小説「櫻の樹の下には」も影響しているとされます。
「櫻の樹の下には」書き出しの一文は「櫻の樹の下には屍体が埋まっている」となっています。
①日本で愛される桜の木
日本人に愛される花が桜ですよね。
毎年、桜の開花時期になると全国の開花情報が流れ、日本人は花見シーズン到来です。
昔から美しい日本の花と言えば桜のイメージが強く、散りゆく姿から儚さも感じます。
2007年NHKの文化放送研究所による調査では「日本人の好きな花」第一位が桜でした。
②継承者を必要としない
桜葬で埋葬すると、ご遺骨はゆっくりと時間を掛けて土に還る日を待ちます。
そのため一般墓のように定期的なお墓の掃除や、維持管理をする必要がありません。
必然的に桜葬で葬送すると、その後の継承者も必要なくなるでしょう。
③桜が咲く頃に供養祭がある
桜が咲く4月頃になると「合同供養祭」が執り行われる樹木葬墓地が多いです。
合同供養祭では、毎年管理会社が主催し、合同で読経供養を行い魂を供養します。
家族は合同供養祭に参列して、一緒に故人を偲ぶこともできる墓地が多いでしょう。
合同供養祭で家族が参加する場合、お布施を強要する桜葬墓地はまずありませんが、持参することもできます。
お布施を包む金額目安は約千円~3千円ほど、気持ちを包む程度で問題はありません。
④費用を安く抑える
墓石を持たない桜葬は、一般墓を建てるよりも費用を抑えることができるでしょう。
お墓は墓石代がかかるため、平均的には約155万円~175万円ほどとされ、大きなお墓であれば300万円のお墓も多いです。
最初から他のご遺骨と一緒に埋葬される「合祀埋葬」による桜葬などの場合、桜葬墓地や埋葬方法によっても費用幅がありますが、約40万円ほどの桜葬プランもあります。
⑤宗旨宗派を問わない
桜葬のメリット

◇日本人が愛する桜の木の下で眠ります
樹木葬と桜葬の大きな違いは、そのまま墓標とする樹木が桜であることです。
桜は長い寿命で大樹となり、美しい桜の花を咲かせます。
ご遺骨が桜の木の下で合祀される、シンボルツリー型の桜葬の場合、個別の墓標が残ることはありませんが、大きな桜の木の下に入るだけでも、故人を温かな気持ちで偲ぶことができるでしょう。
①花見を楽しむお参り
◇花見を楽しむ感覚でお参りができます
桜葬は何と言っても、桜の開花時期となる3月末~4月、お花見シーズンに明るい気持ちで家族や親族と参拝ができる点が魅力です。
桜葬墓地のなかには、広い芝生広場を設けて行楽を楽しむことができる「公園型墓地」と呼ばれるタイプがあります。
このような公園型樹木葬墓地では、芝生広場にレジャーシートを広げてお弁当を出し、家族や親族で故人を偲びながら、明るいお参りが可能です。
②桜の木は寿命が長い
桜葬のデメリット

桜葬は毎年お花見を楽しむ感覚で、家族や親族と故人を偲ぶことができる点が、大きな魅力ではありますが、一般墓とは考え方もお参りの仕方も大きく異なる葬送です。
そのため契約者はもちろん、家族や親族にも理解をもらうための相談は必要になるでしょう。
まだまだ新しい形の葬送になるためピンとこない家族がいるかもしれません。
家族と一緒に複数人で、桜葬の見学に行くことも一案です。
①桜は4月が開花時期
◇桜の木は4月の開花がピークです
日本人に愛さる美しい桜ですが、毎年賑わうお花見シーズンが過ぎると、1年を通して静かな墓地になるでしょう。
毎月の月命日など、頻繁に参拝する家族にとって秋冬は寂しい風景になるかもしれません。
けれども一方で、ついつい足が遠のいていた家族でも、「毎年のお花見シーズンだけは、みんな集まって参拝するようになった」などの声もあります。
②遺骨は取り出すことができない
◇桜葬は自然葬ですので、遺骨は再び取り出せません
桜葬をはじめとする樹木葬は、基本的にご遺骨を土に還す自然葬として葬送します。
そのため一度ご遺骨を埋葬すると、再び個別に取り出すことはできません。
一部の永代供養型桜葬では、個別の納骨室を設けたプランもありますが、基本的に納骨堂のように、ご遺骨を他のお墓などに引っ越す「改葬」は、難しくなります。
③親族の理解が得にくい
◇桜葬はご遺骨が手元に残らない葬送です
桜葬でご遺骨は土に還り、お墓や手元にご遺骨が残ることはありません。
従来のお墓にご遺骨を納骨して、代々守る考え方とは違う、新しい供養の形です。
そのため従来のお墓に慣れ親しんだ人々にとっては、抵抗感がある人もいるでしょう。
桜葬に埋葬してしまうと、再び取り出すことは難しくなるので、最初に家族や親族まで相談をして決めてください。
④植樹型が難しい
◇大樹となる桜は、植樹型が困難です
桜葬を選ぶと、多くは一本の桜の木を墓標として、その周辺にご遺骨を埋葬する「シンボルツリー型」樹木葬が主流となるでしょう。
桜の木は長い時間をかけていずれ大樹となり、桜葬はもちろん、大きくなれば墓地全体のシンボルにもなり得るほどです。
根の張った桜の大樹のふもとに埋葬される桜葬では、ご遺骨1柱ごとの埋葬スペースが狭くなる傾向もあります。
⑤墓地が広い傾向
桜葬の埋葬方法

◇ご遺骨がどの段階で混ざるかで判断します
桜葬の埋葬方法は自然葬ですので、土に還る過程では、いずれ他のご遺骨と混ざって合祀されるプランが多いです。
ただ最初から合祀されるのか、土に還る過程で自然と混ざり、他のご遺骨とともに供養されるのか…、もしくは個別区画に埋葬されるのか…、個別に埋葬される期間によって判断する人も増えました。
下記では、ご遺骨がどの段階まで個別に安置されるのかが分かる、桜葬における埋葬方法の種類を詳しくご紹介します。
①合祀埋葬
◇ひとつのスペースに他のご遺骨と埋葬されます
合祀埋葬の桜葬は、永代供養墓(供養塔)の仕組みと同じです。
シンボルツリーとなる桜の木の下に、大きな納骨スペースを設け、最初から骨壺や骨袋から取り出して、他のご遺骨と一緒に合祀埋葬されます。
個別に安置される、残る期間は至って短い埋葬方法ではありますが、費用を抑えて予算に合わせた桜葬が実現します。
②集合埋葬
◇ひとつのスペースに骨壺などに入れて埋葬します
集合埋葬の桜葬では、埋葬するスペースは同じですが、ご遺骨はそれぞれ骨壺や骨袋に入れて区別されるため、他のご遺骨と混ざることはありません。
けれども納骨後の参拝はシンボルツリーなど、ひとつの対象に向かって参拝します。
骨壺や骨袋は木や綿など、土に分解される自然素材を利用しているため、土に還元される過程では、いずれ他のご遺骨と混ざることにはなるでしょう。
③個別埋葬
◇個別区画に埋葬されます
個別埋葬は、個別区画が分譲される桜葬です。
個別区画にご遺骨を埋葬するため、他のご遺骨と混ざることはなく、埋葬後も個別区画に向かって参拝ができます。
個別埋葬の樹木葬では、主にシンボルツリー型と植樹型がありますが、桜葬は樹齢が長く樹木が大きく成長する特徴から、シンボルツリー型が一般的です。
桜葬墓地にひとつの桜がシンボルツリーとしてそびえ、家族はひとつの桜、もしくは個別区画に向かって参拝します。
④永代供養
桜葬墓地の種類

◇桜葬墓地には立地や環境で種類があります
桜葬墓地にも種類があるため、桜葬を選ぶ時には目的や希望を整理して、自分たちに見合った墓地を選ぶと良いでしょう。
桜葬墓地の種類のなかでも、特徴は幅広く、それぞれ魅力は違うので、実際に現地見学に行くことは、後々まで失敗しない重要なポイントです。
・【樹木葬の体験談】娘の提案で樹木葬を3件見学して分かった、墓地見学のポイントとは
①里山型
◇自然の深い山林にある桜葬墓地です
里山型の桜葬墓地は、都心部よりも郊外にある山林をひと山まるごと墓地登録したタイプなど、より自然葬の意味合いを強くした桜葬墓地です。
里山型の桜葬を契約する人々も「自然に還りたい」と、自然を愛し、自然回帰志向が強い人々が多いため、合祀型の桜葬プランが多い傾向にあります。
山林奥深くにありアクセスが大変な他、月日が経つごとに埋葬した場所が分からなくなることもありますが、自然を愛する人や家族には最適です。
②ガーデン(庭園)型
◇美しい庭園風の特別区画で眠る桜葬です
ガーデン(庭園)型の桜葬は、イングリッシュガーデンのような色とりどりの美しい草花で整えられた庭のような特別区画で提供されます。
桜の木を囲むように骨壺を収蔵するスペース「カロート」を設けた永代供養型桜葬で、一定期間は個別にご遺骨が安置されるタイプが人気です。
③公園(霊園)型
桜葬に埋葬する人数

◇桜葬は個人用の他、ご夫婦やご家族用もあります
もともと2012年頃に桜葬が大阪で登場した時代は、個別区画を提供する故人おひとり用の樹木葬として始まりました。
けれども2024年現代は、お墓を持たない永代供養としての桜葬のニーズが急増したことで、ご夫婦やご家族が利用できる桜葬、ペットと一緒に入る桜葬も登場しています。
①個人用
◇埋葬する人数が1柱の桜葬です
…約40万円~60万円ほどが費用目安となります
一般的な桜葬は個人用で、ご遺骨1柱ごとに区画を購入できます。
個別埋葬の場合、個別区画にご遺骨は埋葬されますが、埋葬した個別区画が残される年数は、墓地によってさまざまです。
一定年数がすぎるとシンボルツリーのふもとで合祀されるプランもあります。
3年・5年と短い期間もあれば17年・25年・33年と、一般的な弔い上げまでの期間と同じように時間が充分にあるプランも多い他、合祀をせずにゆっくりと、ご遺骨を土に還す墓地もあります。
②ご夫婦用
◇埋葬する人数が2柱の桜葬です
…約90万円~100万円ほどが費用目安となります。
ご夫婦用の桜葬プランでは、2柱のご遺骨を納骨できるスペースを設けています。
ご遺骨は土に還るか、もしくは霊園・墓地内の永代供養墓に、最終的には合祀されるプランもありますが、いずれにしても継承者を立てる必要はありません。
ご夫婦用で個別安置期間を設けた桜葬の場合、ご夫婦最初のおひとりが納骨された後、最後のおひとりが納骨された後から、個別安置期間の年数がカウントされる桜葬墓地が多いです。
③家族用
◇埋葬する人数が3柱以上の桜葬です
…約100万円~180万円ほどが費用目安となります。
ご家族用の桜葬では、ご夫婦とお子様の合計3柱~4柱ほどが納骨できる桜葬です。
個別安置期間を設けた家族用の桜葬の場合、ご夫婦用と同じく、最後のご遺骨が納骨されてから、契約した個別安置期間がカウントされます。
家族で二代に渡ること、そして納骨できる柱数が多いことから、個別安置期間中に残された家族が申請することで、契約更新が可能な桜葬墓地も多いでしょう。
④ペットと一緒
大阪府の桜葬墓地

大阪府の桜葬を探すならば、ここまでお伝えしてきたような埋葬方法と、墓地のタイプを見極めて選ぶことが、後々まで後悔しない選び方のポイントとなります。
また個別埋葬であれば「個別区画が残る期間は何年か?」、個別安置期間を設けた桜葬の場合は「個別安置期間は何年か?」、及び、「個別安置期間に毎年の年間管理料は発生するのか?」まで、契約前に確認すると良いでしょう。
①神峯山寺の桜葬
◇認定NPO法人エンディングセンターの桜葬です
認定NPO法人エンディングセンターによる桜葬は、神峯山寺霊園内で提供されます。
シンボルツリーとなる複数の桜の木が区画を作り、そのふもとにご遺骨を埋葬する集合埋葬の形式です。
<①神峯山寺の桜葬> |
|
[住所] | 大阪府高槻市原1371-4 |
[TEL] | 072-669-9131(火・木定休日) |
[HP] | https://www.endingcenter.com/kansaisakura/ |
集合埋葬となるため、他のご遺骨と混ざることはありません。
桜葬墓地を提供する神峯山寺は、697年からある由緒ある寺院で、ハイキングルートなどもるなど、景色の良い環境のもとで眠ることができるでしょう。
②大阪生駒霊園の桜葬
◇ご夫婦・ご家族で入る桜葬があります
大阪生駒霊園の桜葬は、桜並木が続くメインロードが魅力の霊園内に複数の桜が区画を作り、桜の木のふもとで眠るプランです。
春の桜だけではなく、秋のお彼岸には彼岸花が咲く霊園でもあります。
個別の納骨スペースを設け、その上から墓碑が置かれるため、ご家族は墓碑に向かって個別に参拝ができるでしょう。
<②大阪生駒霊園の桜葬> |
|
[住所] | 大阪府四條畷市上田原1366番地 |
[TEL] | 0120-753-948(水曜定休) |
[HP] | https://www.yasiro.co.jp/reien/ikoma/sakura.html |
ご夫婦・ご家族で一緒に眠ることができる桜葬プランとなり、初期費用のみで年間管理料などはなく、最後のご遺骨が納骨されてから13年間、個別安置期間が設けられています。
まとめ:大阪の樹木葬は開放的なお参りができます

大阪で樹木葬のなかでも、特に桜葬に人気が集まっている理由は、満開の桜シーズンにお花見を兼ねてお参りをすることで、明るく楽しく、故人を偲ぶことができるためです。
レジャーシートを広げて楽しむ家族のなかには、「故人を囲みながら家族で楽しんでいるように感じる」と、喜ぶ声も聞こえます。
ただ桜葬の他にも、ハナミズキやポプラ、楓など、四季折々のさまざまな草花の表情を楽しみながら眠ることができる樹木葬も数多くあるので、桜葬だけにこだわらずに、複数の樹木葬プランを見学し、比較検討してみてはいかがでしょうか。
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