お斎(おとき)とは?精進落としとは違うの?お弁当でも良い?お斎の相場や準備を解説!
・お斎とは?
・お斎の相場は?
・精進落としとお斎は違うの?
お斎とは、法要の後に用意されるお食事の総称です。
施主は参列者への感謝を込めて、法要後にお斎の席を用意します。
本記事を読むことで、お斎とはなにか?法要の後には用意しなければならないのか…、お斎の相場など、施主が滞りなくお斎の準備ができますので、どうぞ最後までお読みください。
「お斎」とはなに?
◇「お斎(おとき)」とは、法要の後に用意されるお食事の総称です
もともとは仏教で定時にいただく「斎食(さいしょく)」から産まれた言葉ですが、現代は法要後に施主が振る舞うお食事会を差すようになりました。
法要後のお食事の総称なので、法事に関わる全ての振る舞いを含みます。
[法要後のお食事会]
・通夜振る舞い
・精進落とし
[その他の言い方]
・お清め
・御斎(おとき)
・おとぎ
「お清め」は関東地方に多いお斎の呼び方で、通夜・葬儀後のお斎に多いです。
また葬儀での食事会を「出立ちの膳」と呼ぶ地域もありみあすが、出棺前に振る舞われる点が違います。
精進落としとは?
◇現在、精進落としは葬儀後に用意されるお斎です
本来の「精進落とし」は、精進料理による食事から、通常の食事に戻すことをさしましたが、現代は一般的に葬儀や火葬の後で用意されるお食事会とされています。
●その昔は家族が亡くなると、四十九日までの忌中は精進料理で過ごす風習がありました。
[精進料理から戻すお食事]
・忌中払い
・精進落とし
四十九日の忌明けに、通常の食事に戻す時のお食事が「精進落とし」です。
関東で言われる「お清め」も同じ意味合いがありますが、「お清め」は通夜振る舞いも含め、全般で使用する傾向にあります。
・法要とは?いつまで、なにをするの?法事との違いや意義、会食の内容やお布施相場も解説
お斎に用意するお食事は?
◇現代は、お斎に弔事用の仕出し弁当を用意する施主が多いです
ホテル会場などでは、お斎を膳でお出しする流れがありますが、法要の多くは寺院や斎場、霊園の法要スペースを利用するケースが多いため、便利な仕出し弁当を用意する施主が増えました。
<お斎のお食事タブー> | |
●精進料理が基本なので、下記はタブーです。 | |
・殺生を連想させる | 肉・魚 |
・お祝いを連想させる | 伊勢海老など |
お斎は弔事で振る舞われるため、基本的に仏教の教えに基づき、精進料理を中心に用意します。
特に四十九日までの忌中、遺族は精進料理をいただくとされてきたので、殺生を連想させる肉や魚を避けて用意してきました。
・精進料理とは?特徴や使ってはいけない食材など、精進料理を3分で分かりやすく解説!
・四十九日法要とは?いつ・何をする?しなくちゃダメ?四十九日までしてはいけないこと?
お斎は肉や魚を出してはダメ?
◇四十九日法要のお斎では、肉や魚を出すとされます
四十九日法要の後に用意されるお斎は、前述したように「精進料理から普通の食事に戻る」お食事会の席なので、肉や魚が振る舞われるとされてきました。
・四十九日法要のお斎では、肉や魚も用意される
・主食でなければ、肉や魚も振る舞われる
また通夜や葬儀にお出しするお斎場でも、現代は主食でなければ肉や魚料理を振る舞う傾向にあります。
ただ、高齢の人々のなかにはお斎の肉や魚を嫌がる人もいるため、高齢の親族に確認を取り、用意を進めると安心です
・忌中とは?喪中との違いはなに?忌中と喪中期間の違い、過ごし方や注意点をくわしく解説
料理が出されるお斎は?
◇お斎でお食事が提供されるスタイルでは、和食の懐石料理が多いです
斎場やホテルの一室が用意され、お食事が提供されるお斎では、7品~9品ほどの和食膳が少しずつ出される懐石コースもあります。
・和食膳
・和食の仕出し弁当
ただし現代は、お斎の決まり事も緩くなりました。
そこで故人が生前に好きだった料理を提供する施主も増えています。
お斎の相場はどれくらい?
◇お斎の相場は、約3千円~1万円ほどです
お斎は法要の参列に対する感謝を表すお食事の席なので、施主が負担します。
けれども参列者はお斎を想定して、多めにご香典を包んでいるので、気を使わせてしまわぬよう、高くなり過ぎない価格帯が良いでしょう。
・仕出し弁当…約3千円~5千円/1人
・お食事の提供…約3千円~1万円/1人
またお斎の準備があるため、法要のご案内状は往復ハガキなどを使用し、出欠の返信をいただくよう、ひと言添えます。
お子さまの同席が予想される相手には事前に確認し、お子様の年齢やお斎の有無を聞いておくと親切です。お子さま用のお斎を用意できれば良いですね。
・納骨式の案内状の書き方や例文は?書き方に注意点はある?納骨式の挨拶も例文付きで解説
僧侶がお斎に参加しない場合
◇僧侶がお斎に参加しない場合は、お布施とともに「御膳料」をお渡しします
お斎は僧侶へも読経供養のお礼として整える席ですから、お斎の席を用意するならば、かならず僧侶へも確認を取ってください。
そのうえで、僧侶がお斎に参加しない場合は、お食事代として「御膳料」を、お布施とは別に包みます。
[包むお金の相場]約3千円~5千円
[注意点]
・お布施とは別に包む
・お布施の下に重ねてお渡しする
・表書きは「御膳料」「御膳代」
包むお金の目安としてはお斎1人分のお代金になりますが、一般的に約3千円~5千円です。厚手の白い封筒に包み、お布施の下に重ねてください。
お斎の会場はどうする?
◇法要と同じ施設で、お斎会場を準備できると便利です
葬儀であればセレモニーホール隣りのスペース、寺院であれば寺院の別部屋など、法要が執り行われる施設内で、お斎会場を準備できると良いでしょう。
<お斎の会場手配> | |
[法要の場所] | [お斎場の場所] |
・寺院 | 専用の部屋 |
・セレモニーホール | 専用の部屋 |
・自宅で法要 | 広間を用意 ホテル 料亭など |
施主としても準備がスムーズですし、参列者も移動の必要がなく助かります。
自宅法要でのお斎会場は?
◇近隣のホテルや料亭、レストランなどを予約します
自宅法要の場合、自宅に広間などお斎会場を準備できれば良いですが、充分な広間が準備できない時には、近隣のホテルや料亭、レストランなどに予約します。
・個室の会場を予約する
・弔事で使うことを伝える
・参列者の移動に配慮する
お斎の会場を確保する時には、弔事で利用することを施設側に伝えてください。
弔事利用を嫌がる施設もありますし、伝えることで精進料理を準備してくれることもあります。
お斎の席順マナーはある?
◇お斎には故人の遺影と位牌を立て、最も故人と近い場所が上座です
お斎は施主がお礼として用意する席ですから、親族は位牌から最も遠い末席に座ります。
ただ施主や遺族代表は、ご挨拶やおもてなしを行うため、上座に座ることになるでしょう。
下記は、最も位牌に近い上座から下座に掛けての席順です。
[上座]
・僧侶
・僧侶の隣りに施主(喪主)
・遺族代表
・親族の年長者
・参列者
・その他の親族
[末席]
僧侶のお相手や挨拶をしない遺族は、参列者の飲み物を注いだり、配膳のお手伝いなどを手伝うことが多いため、末席で動きやすい席が良いでしょう。
お子さまや高齢の参列者がいらっしゃる時には、事前にお伺いをして、トイレなどへ行き来しやすい扉側に席を設ける配慮も行います。
ただし、地域の風習によっても違いがあるので、高齢の親族などに確認をして、地域の風習に倣い席順を決めると安心です。
お斎のない法要でも良い?
◇お斎はお礼の席ですので、必ず必要ではありません
現代はお斎のない法要も増えてきました。
お斎のない法要では、さまざまな意見がありますが、お斎の席を設けない旨を、案内状に添えておくと丁寧です。
・案内状にお斎がない旨を記載する
・引き物に仕出し弁当を加える(一案として)
※香典辞退の選択もある
お斎がない法要では、ご香典のお礼である引き物に、お斎の代わりとして仕出し弁当を加える施主が多いでしょう。
また近年では、そもそもご香典をいただかない代わりに、お斎や引き物も用意しない「香典辞退」も見受けます。
お斎とは法要後のお食事会です
お斎とは、施主が参列者や僧侶へお礼として用意する、法要後のお食事会です。
そのため施主がお斎のお代金を負担しますが、一般的に参列者は、お斎も考慮したご香典を包んでくれます。
現代はお斎のない法要も増えましたが、今も法要後にお斎の席を用意する風習は残っていますので、お斎がない場合にはご案内状にひと言添えると良いでしょう。
お斎で施主は最初と最後に施主挨拶を行います。
葬儀など法要の種類によって、施主挨拶の後、献杯となる流れもあるでしょう。
この場合は献杯を早めにお願いします。
お電話でも受け付けております