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永代供養ナビTOP永代供養コラム【手元供養の体験談】娘の手元供養。娘の遺骨を納骨できないまま5年、分骨をして祭壇へ

【手元供養の体験談】娘の手元供養。娘の遺骨を納骨できないまま5年、分骨をして祭壇へ

【手元供養の体験談】娘の手元供養。娘の遺骨を納骨できないまま5年、分骨をして祭壇へ

手元供養は、グリーフケアの一助となってくれる体験談も多いですよね。
特に子どもを亡くした遺族にとって、手元供養により「日々を生きる」糧が産まれるとの声は多いです。
 
手元供養を決断した体験談を伺うなかには、特に「遺骨を納骨できない…」として、何年も迷ったままお仏壇に置いていたケースも見受けます。
 
確かに宗旨宗派によっては自宅に遺骨を安置することを良しとしないものもありますが、生きる身と故人を繋ぐひとつの方法として、広く手元供養が認知されるようになりました。
 
今回は手元供養を決めた体験談のなかでも、娘の遺骨を納骨できずに5年経った後、思い切って手元供養に決めた真由美さん(仮名)の体験談です。
 

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娘が小児がんに

娘が小児がんに

娘の遺骨を手元供養にした真由美さん(仮名)は現在46歳、10年前に娘の愛美さん(享年5歳)が、小児がんにより亡くなりました。
 

●現在は夫の良夫さん(仮名)51歳、長男の正人くん(仮名)18歳と3人暮らしです。

 
今回は、正人くんの大学進学により家を出ることになり、改めて愛美さんを失ったグリーフ(悲嘆、大切な人を亡くした哀しみ苦しみ)を、家族と乗り越えたプロセスを振り返ろうと、体験談を教えてくれました。
 

納骨式の手配だけはできなかった

愛美さんの闘病生活に長く付き添い、覚悟も決めていた真由美さんは、愛美さんが息を引き取った後も、テキパキと事務的な事柄を「無感情で」進めていたそうです。
 

●お通夜、葬儀、初七日…と進んだのですが、四十九日法要の準備はできても、どうしても、納骨式の手配や手続きができなかったと言います。

 
当初、愛美さんはもともとあった先祖代々墓に入ることになり、一般的な納骨時期に合わせて、四十九日法要の後に納骨式を行う予定でした。
 

四十九日法要当日、ご住職の言葉

とうとう納骨式が実現しないまま四十九日法要を終えます。
 
親族は「お墓に埋葬してあげないと、愛美ちゃんの魂があの世とこの世をさまよってしまうよ。成仏できないよ。」と説得していました。
けれども「どうしても愛美ちゃんの遺骨を手放せない…」、そう真由美さんは感じたのです。
 

●真由美さんが菩提寺のご住職へ相談したところ、ご住職は「気が済むまでお家に置いて良いですよ。」と承諾をしてくれました。

 
菩提寺は家族が信仰している寺院です。寺院墓地にお墓がある場合、お墓を管理している寺院を差すことが多いでしょう。
 

※「菩提寺」について、下記コラムにて説明をしています。
大阪でお墓を建てたら「檀家になる」ってどういうこと?菩提寺・檀那寺との関係性とは

 

5年続く身体の不調

5年続く身体の不調

こうして自宅に遺骨を安置できたものの、真由美さんとしては「いつかお墓に埋葬しなければ…」といつも考えるようになりました。
 

●ご住職はご厚意で「気が済むまで」と伝えたのですが、真由美さんにとっては「今は良いけれど、いつかは遺骨を何とかしなくちゃ」と聞こえたのだそうです。

 
その間に一周忌・三回忌法要が訪れます。
この時も、法事の準備を進めている時は一気に元気になるのですが、法事を終えると「いつかは遺骨を何とかしなければ…」と頭がごちゃごちゃになりました。
 

体に現れる「哀しみ」

気付けば「体が動かない」状態になり、一日中ソファーで眠る日が増えていき、身体の不調が日に日に目立つようになります。
 
疲れやすい、無気力などの症状の他、動悸や吐き気、胃のむかむかや頭痛など、具体的な症状が強く出たため、内科などでそれぞれの症状について診断を仰ぎましたが、いずれも原因が分からずじまいです。
 

・吐き気
胃のむかむか
・便秘
動悸
胸の引きつるような痛み
呼吸困難
・頭痛

 
…そこで更年期障害を疑い診察した婦人科で紹介された科が、心療内科でした。
 

自律神経失調症の診断

ただ、真由美さん本人としては納骨こそできなかったものの、長男の正人くんも子育て真っただ中でしたし、日々の暮らしはキチンとこなしていたつもりです。
 
そのため、無気力などの精神的なダメージは自覚症状としては少なく、一方で身体的な痛みや苦しみが多かったために「意外だった」と言うのが正直な感想でした。
 

●けれども自律神経失調症と診断されます。

 
さらに真由美さんが驚いた結果が、胸のひきつるような痛み、そして呼吸困難は、娘の愛美さんが、生前に真由美さんに訴えていた症状でした。
 

生前の娘と同じ症状が…

お医者様から「娘さんも同じ症状があったのでは?」と尋ねられた時、すっと腑に落ちたと真由美さんは言います。
 

●そして、その病院で紹介してもらったのが、グリーフケアの会でした。

 
…この日、旦那様の良夫さんと正人くんに、初めて愛美さんを失ったグリーフが未だに癒えていないことを話しました。
 

グリーフ(喪失による哀しみ)による症状やケアは、別記事でお伝えしています。
グリーフとは?大阪で哀しみを乗り越えるグリーフケア。気付きにくい症状やプロセスまで

 

娘の手元供養を決断

娘の手元供養を決断

そこで「このまま手元供養にしても良いのでは?」と提案したのが、夫の良夫さんでした。
 
正人くんも当時、夕方頃になると遺骨を見つめて座り込む瞬間があることを理解していたようです。
 
また正人くん自身も、日常的にお仏壇のお水を替えたり、お線香を上げながら、愛美ちゃんに話しかけています。
 

●自宅で手元供養の決断をするまで、愛美ちゃんは火葬場で渡されたまま、大きな白い骨壺と袋に入った状態で、お仏壇の横に安置されていました。

 
そこで家族で調べた結果、下記のような手順で愛美ちゃんの手元供養を進めます。
 

(1)家族が入る樹木葬のお墓を購入

家族6人まで入る大阪近郊の樹木葬(※)を購入し、後々家族が愛美ちゃんと入るお墓を購入しました。(約130万円)
 
樹木葬にはさまざまなタイプがありますが、真由美さんが選んだタイプは、敷地内に小さなプレートによる墓標を持つタイプの、公園型樹木葬です。
 

公園型樹木葬について、詳しくは別記事でご紹介しています。
大阪で桜葬を選ぶ家族が増えたのはなぜ?体験談から見る理由、樹木葬の選び方・供養の仕方

 

(2)分骨して一部を室内墓所へ納骨

後々家族だけが集まる樹木葬と言うこと、また分骨して一部は自宅に残ることで、真由美さんも納得できる方法です。(分骨証明書300円/1通
 

(3)手元供養の仏壇仏具を購入

生前の愛美ちゃんを思わせる、可愛い位牌も新調し、桜色の小さく可愛い骨壺と木の温もりを感じる小さな仏壇を購入します。(仏壇と仏具、骨壺セット約50万円
 

(4)遺骨を粉骨

可愛い骨壺に入れるため粉骨依頼をしました。(約5万円
 

(5)お仏壇に祀る

骨壺に粉骨した遺骨を収蔵し、お仏壇に祀った後、自宅に僧侶を呼び開眼供養を行いました。(読経供養のお布施として5万円
 

手元供養の後

手元供養の後

とうとう正式に手元供養として、愛美ちゃんを迎え入れました。
すると不思議なもので、日々愛美ちゃんに堂々と話し掛けて暮らすなか、あれだけ悩んだ不調が改善されたそうです。
 

●迎え入れるなかで、分骨や樹木葬への納骨・お仏壇探しなどのさまざまなイベントが、真由美さんにとってはセレモニーのようで、ひとつひとつがグリーフケアになったと振り返っています。

 

最後に

同じように「遺骨が家に安置されていても、火葬場から渡された状態のまま「いつか納骨しなければ」と毎日思いながら過ごす日々と、生前の故人を想いながら選んだ骨壺や仏具に囲まれて、手元供養として迎えるのとでは全く違います。
 

●真由美さんの場合、家と菩提寺との関係性が深いために「仏教の教えとしては、納骨した方が良い」との責任感に囚われてしまったのかもしれません。

 
けれども残された家族が、いかにこれからの人生を生きるのか…、そして生を全うして、故人と再会するひとつの方法として、手元供養を選んだのではないでしょうか。
 

まとめ

娘の手元供養を決めた体験談
・娘の遺骨をお墓に埋葬できなかった
・親族は「成仏できないよ」と説得
・菩提寺は「気が済むまで家に」と理解
・「いつかは納骨しなければ」が焦りになる
・自律神経失調症を発症
・グリーフケアが必要だと知る
・家族に納骨できないことを相談
・家族で手元供養を決める
・分骨して一部は樹木葬へ
・残りは手元供養で遺骨を改めて迎える
・真由美さんの症状も改善

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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