終活でお墓がいらない人がすべき5つの事柄、3つの失敗談とともに解説!|永代供養ナビ
現代の終活では、お墓のない葬送を生前契約する人が増えました。
ひと昔前までは、「死後の話をすることはタブー」として、生前に自分のお墓や葬儀について話し合うこともできない状況にありましたが、終活が広がり、本人の遺志が尊重されるようになったことが、背景にあるでしょう。
終活の広がりで自分のお墓も、自ら生前契約できる時代になりましたが、その時に自分はいません。
今回は残された家族のために済ませたい5つの事柄と、3つの失敗談をお伝えします。
終活でお墓がいらない人がすべき、5つの事柄
終活では「お墓のない葬送」を希望する人が増えました。
確かに全くのおひとりさま終活であれば、お墓事も自由でしょう。
けれども、おひとりさまでも独立した子どもがいたり、兄弟姉妹が健在だった場合、意外と「おひとりさま」でもなかったりします。
①現存のお墓を墓じまい
②お墓以外の納骨方法
③家族の理解を得る
④生前契約
⑤遺言を残す
普段は気ままなおひとりさま老後を楽しんでいる人でも、子どもや孫、兄弟姉妹はもちろん、甥っ子姪っ子がいる場合でも、少しでも関わりがあるならば、親族への配慮が必要です。
・【大阪おひとりさま終活】死後を託す人がいない場合の納骨方法
①現存のお墓を墓じまい
●既存のお墓がある、継承者である場合は、墓じまいを行います
一般的に先祖代々墓を継承しているなど、納骨されるお墓が現存している場合は、いくら本人が生前に「お墓には入らない」と口約束で話しても、現存のお墓に納骨されるでしょう。
特に先祖代々墓がある場合、遺族としては特別な事をしなくても納骨できます。
けれども一方で、相続において継承者トラブルが起きやすいため、墓じまいは有効です。
[1]お墓の内部調査
[2]取り出す遺骨の納骨先を契約する(合祀墓など)
[3]閉眼供養(仏教の場合)
[4]遺骨の取り出し
[5]墓石の撤去
[6]墓地の整地
[7]墓地の返還
[8]取り出した遺骨の納骨
…以上が終活でお墓を墓じまいする場合の一連の流れです。
お墓の内部調査や遺骨の取り出し、墓石の撤去や整地は石材業者に依頼しますが、まずは墓地管理者である霊園に相談すると良いでしょう。
霊園では提携する石材業者があり、「墓じまいパック」などの便利なサービスを紹介してくれます。
・大阪で利用する「墓じまいパック」5つの内容☆業者選びの3つのポイントや注意点を解説
②お墓以外の納骨方法
●終活では、お墓以外の納骨先を比較検討が必要です
納骨しない葬送の選択は、残された遺族には難しいものでしょう。
そのため家族に相談することは必要ですが、最終的には葬送される本人が生前に自ら決めて、生前契約を行ったうえで、遺言などで遺志を示す必要があります。
ただ終活で探してみると、お墓以外の納骨先は多種多様にあるため、予算と相談をしながら比較検討して選ぶと良いでしょう。
[1]合祀墓 約3万円~10万円/1柱ほど~
[2]散骨 約5万円~30万円/1柱ほど~
[3]手元供養 約3万円~100万円/1柱ほど~
[4]樹木葬 約20万円~100万円/1柱ほど~
[5]納骨堂 約20万円~150万円/1柱ほど~
それぞれ金額幅がありますが、納骨後の定期的な供養なお参りの仕方、個別安置や個別供養・法要ができるなど、葬送サービスの充実度により変わります。
例えば散骨では、散骨業者が郵送で受け取った遺骨を委託で散骨する「代行委託散骨」もあれば、船一隻を遺族でチャーターして散骨セレモニーを行ううえ、霊園内の石碑に名前を彫刻するサービスが付加されたものもあるでしょう。
複数の霊園や業者を見学して葬送サービスまで比較検討したうえで、納得できるものを選びます。
また納骨後の供養は家族が行うものですので、家族とともに見学し比較検討した方が、関係者全員が納得できる葬送ができておすすめです。
・【自然葬の種類】自然葬の種類と特徴。個別の墓標を残す自然葬もあるの?|永代供養ナビ
③家族の理解を得る
●終活でお墓事を進める時には、残される家族の理解は不可欠です
終活でお墓事を進める時、意識したいポイントは、「その時に自分がいない」ことです。
確かに終活でお墓のない葬送を選ぶことで、お墓の継承や維持管理、費用面での子ども達の負担は軽減しますが、大切な家族を失った悲しみ「グリーフ」は、日々の供養やセレモニーを通して癒されていく側面もあります。
・家族に希望を伝える
・家族とともに終活を進める
・家族の希望との折衷案も検討する
特に終活でお墓のいらない葬送を進めている人は、「家族の反対が心配」として、家族に内緒にしているケースを見受けますが、生前契約の存在を知らないまま、終活も虚しくお墓に納骨される失敗談は多々あります。
・大阪で改葬(お墓の引っ越し)をして家の近くへ。家族を失った哀しみが軽減された体験談
④生前契約
●終活でお墓の生前契約を行います
生前契約をしたら、遺言やエンディングノートに託すこともできますが、より確実に残された家族と連携を取るため、事前に家族に口頭でも伝えることがポイントです。
特に家族からの理解を得ているならば、家族とともに生前契約を行うと良いでしょう。
・【大阪の終活】永代供養の生前契約をする手続きは?押さえておきたい7つの記事を紹介!
⑤遺言を残す
●遺言で遺志を明瞭に残します
特に終活でお墓を持たない葬送を選ぶ場合、残された喪主となる子どもや夫が、親族から非難を浴びることにもなり兼ねません。
また遺言により、より確実に遺志が実行されます。
・付言事項などで、理由を加える
・エンディングノートなども利用する
また遺言書の存在を家族に伝えておくことも大切です。
公正証書遺言は最も確実な方法ですが、自宅で保管する自筆証書遺言であれば、公証役場で保管してもらう制度を利用しても良いでしょう。
・【相続対策】遺言の有効性が高い種類を選ぶ。遺言3種類のメリットとデメリットを解説!
終活でお墓のない選択、3つの失敗談
現代は終活において、お墓のない葬送ニーズが高い傾向にあります。
「子ども達にお墓を継承したことによる、余計な負担を掛けたくない」との理由が多い傾向ですが、残された子どもにとっては、必ずしも負担ではないこともあるでしょう。
①家族がお墓に納骨してしまった
②長男が親族から非難を浴びた
③子どもが再びお墓を建てた
結果的にはいずれも、親と子のコミュニケーション不足とも言えます。
先回りして終活でお墓のない葬送を選ぶよりも、子ども達と相談をしながら一緒に楽しく終活を進めることで、失敗しないお墓の選択ができるでしょう。
・墓じまいや仏壇じまいで親族間トラブル☆話し合いがまとまらない事態を解決した3つの対策
①家族がお墓に納骨してしまった
●生前契約の存在を、残された遺族が把握していなかった失敗談です
町子さん(仮名)は終活でお墓のない樹木葬の生前契約を交わし、自筆証書遺言にて樹木葬の存在を明記していました。
けれども自筆証書遺言は、自宅に保管するタイプの遺言だったため、四十九日法要の納骨後に、遺族の遺品整理により発見されてしまいます。
その時、遺族は初七日法要の後、すでに先祖代々墓に納骨していました。
●結果的に三回忌法要を目安に遺骨を取り出し、やっと遺言通りの樹木葬を済ませています。
・お墓を移す時の費用は100万円〜250万円が相場ってホント?費用内訳|永代供養ナビ
②長男が親族から非難を浴びた
●故人の遺志を受けた長男が海洋散骨をしたところ、親族より非難の的になりました
母親は長男を説得し理解を得て、海洋散骨の生前契約を済ませましたが、その後、母親自身の遺志を遺族に示す遺書を用意しないまま他界してしまいます。
そこで兄弟姉妹や叔父叔母から、長男が「遺骨を残さないなんて!」と、後々まで怨恨が残るトラブルが起きてしまいました。
・長男が海洋散骨の案内で人数制限をしたこと
(海洋散骨では船をチャーターするため、搭乗人数が制限された)
…など、親族の非難の内容はさまざまです。
対策として、終活でお墓のない葬送を決める時には、家族親族のひとりだけと決めるのではなく、全員の理解を得ることが、最もスムーズでしょう。
けれども全員へ報告することも困難です。
●今回は、遺言やエンディングノートを通して、遺志をハッキリと残しておくことで、長男を非難から守ることができたかもしれません。
・エンディングノートの書き方まとめ☆欠かせない7つの項目と残された家族に役立つポイント
③子どもが再びお墓を建てた
●結果的に子どもがお墓を建て、建墓費用など負担が大きくなった失敗談です
墓じまいをすることで継承者問題は解消されますが、今度は子ども達が納骨先に戸惑うケースもあります。
先祖代々墓を墓じまいして合祀墓を生前契約した山本さん(仮名)のケースでは、長男がいずれ郷里にUターン帰省して、家族と先祖代々墓に入ろうと思っていました。
けれども山本さん亡き後に初めて墓じまいの事実を知り、家族で相談した結果、改めて民間霊園にお墓を建てます。
山本さんは「子どもに経済的負担を掛けないように」と墓じまいをしていましたが、結果的にお墓を建てる費用など、負担が大きくなったとも言えるでしょう。
●終活でお墓事を進める時には、子ども達がどう思っているのか、確認を最初に行うと安心です。
・お墓を建てる費用はどれくらい?平均的な費用と内訳、安く抑える方法まで|永代供養ナビ
最後に
以上が終活でお墓がいらない人がすべき事柄です。
おひとりさま終活も増え、お墓はいらないとする人もいますが、兄弟姉妹や子どもなど、身内がいる場合には、下記2点をまず、検討すると良いでしょう。
・最初から遺骨を合祀するか
合祀墓や自然葬など、最初から遺骨が0になる「0葬」を選んでしまうと、残された家族が遺骨を前に供養したくても、二度と遺骨を取り出すことができません。
これは良く言われることですが、実際に納骨式で突然戸惑いを見せる遺族も多いため、まず検討すべき事柄と言えるでしょう。
また一定期間は遺骨を残す場合でも、「何年」個別安置を希望するかも、よく相談し検討することで、納得できる終活でのお墓事ができます。
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まとめ
終活でお墓のない葬送、5つの事柄と3つの失敗談
●お墓のない葬送、終活で行う5つの事柄
・現存のお墓を墓じまい
・お墓以外の納骨方法
・家族の理解を得る
・生前契約
・遺言を残す
●お墓のない葬送、3つの失敗談
・家族がお墓に納骨してしまった
・長男が親族から非難を浴びた
・子どもが再びお墓を建てた
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