
お盆で供える花はなにがいい?タブーはある?供え花マナーや贈り方、おすすめ5つの花々

・お盆に供える花とは?
・お盆に花を供えるマナーは?
・お盆の花にタブーはある?
供養のために供える花々を「仏花」と言いますが、特にお盆で供える花は「盆花」と呼ばれますよね。お盆には花をお仏壇やお墓に供える他、贈ることもあるでしょう。
本記事を読むことでお盆の花々の選び方やマナー・タブーを知り、お盆を迎えることができます。後半には多くの人々に愛され、お盆に供えやすい花々を5種、ご紹介しているので、どうぞ最後までお読みください。

お盆に供える花とは

◇お盆の花とは、お盆の期間にお仏壇やお墓に供える花々です
そしてお盆はご先祖様が家に帰省する期間ですので、お盆の花にはご先祖様や故人の霊が宿るともされます。
例えばお盆に飾る鬼灯(ほおずき)は、ご先祖様の霊を家にご案内する目印として、提灯の役割を果たすことで有名ですが、そればかりではありません。
鬼灯(ほおずき)は中が空洞であることから、ご先祖様や故人の霊が宿るともされるのです。
・お盆の花に霊が宿る
このようにお盆の花々はご先祖様や故人をおもてなしする気持ちを表すものであり、お盆時期はご先祖様や故人の居場所ともなります。
お盆の花:仏花とは
◇「仏花(ぶっか)」とは、仏様に供えるお花です
お仏壇やお墓に供養のために供える花々を仏花と言います。
また短い命のなかで精いっぱい咲いて、見る人々に慈悲を与える花々の姿から、命の尊さ・儚さを想う、仏教的な役割もあるのが仏花です。
そのため仏花は仏様(お仏壇やお墓)向けに供えるのではなく、生きる者が見えるように供えるとされます。
お盆の花:盆花とは
◇「盆花(ぼんばな)」とは、お盆の期間に供える花々です
お盆に供える花「盆花」も仏花ですが、特にお盆の期間に供える花々として呼ばれます。
お盆の飾り物として知られる鬼灯(ほおずき)や禊萩(みそはぎ)も、盆花のひとつとして数えられるでしょう。
お盆の花:供花とは
お盆で供える花々の選び方

◇お盆で供える花々は、夏や秋の季節の花々を選びます
お通夜や葬儀など、故人が亡くなって四十九日の忌中を過ぎておらず、成仏していない頃に供える仏花は「白い花」とされますが、お盆は供養行事でもお祝いとしての要素があります。
ご先祖様が1年に1度、家に帰省してもてなす期間ですので、忌中や喪中でなければ、色が付いた華やかなお盆の花々でも問題はありません。
お盆に季節の花々を選ぶ理由

◇ご先祖様にこの世の季節を感じていただくためです
お盆の花々に夏や秋に盛りの花々「時花」を選ぶのは、ご先祖様にこの世の季節を感じ、愛でていただくためのおもてなしとされますが、言い伝えには2通りがあります。
・あの世には時間がないため、季節を感じる花を選ぶ
またその昔のお盆では、花を摘みにお盆前に近郊の山に入る風習を持つ地域もありました。そのため、地域によってお盆に供える花々にも違いがあります。
地域に伝わるお盆の花々

◇地域によって、お盆に供える花が決まっていることもあります
全国的にお盆に供える花と言えば、鬼灯(ほおずき)や禊萩(みそはぎ)ですよね。同じように京都や広島など、お盆に供える花や飾り方が伝わる地域もあります。
<お盆の花々:地域の風習> | ||
・禊萩(みそはぎ) | 全国的 | 水の子の傍に置く |
・鬼灯(ほおずき) | 全国的 | 精霊棚に掛ける |
・蓮の花 | 京都・長崎 | |
・萩(はぎ) | 広島県尾道 | |
・千日草 | 広島県尾道 | |
・閼伽(あか) | 蓮の花に水を垂らす | |
・金銀の紙で作る造花 | 北関東 |
※「精霊棚(しょうろうだな)」とは、お盆飾りのために出す棚です。
禊萩(みそはぎ)は、禊(みそぎ)を祓い餓鬼の喉の渇きを潤すとして、餓鬼に供えるナスと米を混ぜたお供え物「水の子」の傍に置きます。
また閼伽(あか)は一部地域に伝わるお盆の花の飾り方で、蓮の花に水を少し垂らすことで、穢れを祓うとされてきました。
・【図解】お盆の飾り方とは?盆棚・精霊棚やお供え、初盆との違いもイラストで徹底解説!
昔ながらのお盆の花々
お盆の花の贈り方

◇お盆の花を贈る場合、お盆前に約3千円~5千円ほどの価格帯を目安に贈りましょう
お盆に花を贈るなら、お盆前に届くように手配します。お盆に贈る花の金額相場は、全国的に約3千円~5千円です。
ただし、お盆日程が異なる地域もあるので、先方に確認してからお盆の花を手配すると良いでしょう。
<お盆の花を贈る:全国で違うお盆日程> | ||
・月遅れ盆 | 新暦8月13日~16日 | 主に関西・全国 |
・七月盆 | 新暦7月13日~16日 | 主に関東 |
・旧盆 | 旧暦8月13日~15日 | 主に沖縄 |
一般的にはお盆休みと重なる新暦8月13日~16日なので、8月12日までに贈ると良いのですが、関東地方の一部地域では七月盆(新盆)として、7月に行うこともあります。
・2024年のお盆はいつ・どんな日程で行う?地域で違う3つのお盆?全国の行事も紹介!
お盆の花贈りへの配慮
◇お盆の花は、先方のご家族に配慮して、飾りやすく贈ります
お盆に花を贈るならば、先方のご家族にとって手入れがしやすく、飾りやすい花々を贈ると良いでしょう。花束を贈ることもありますが、お仏壇やお墓参りのお盆の花は、すでに先方で用意していることが多いです。
・バスケットなどのフラワーアレンジメント
・フラワーボックス
・ブリザーブドフラワー
「ブリザーブドフラワー」とは、半永久的に保存できるフラワーアレンジで、手入れの必要もなく、長く飾ることができます。
生花が好きなご家族でしたら生花など、先方のご家族を想像しながら、供えやすいお花を贈ってください。メッセージも添えると、尚良いでしょう。
お盆の花にタブーはある?

◇お盆の花は、トゲや香りの強すぎる花々を避けるなどのタブーがあります
仏教的な意味でタブーとなる花々の他、お盆の花を贈る場合は、先方に迷惑を掛けないよう、臭いが強すぎる、花粉が落ちやすい花々には配慮すると丁寧です。
あまりこだわらないようであれば、花屋さんで「お盆に贈る花を作ってください」と予算とともに伝えることで、タブーに触れない適切な花を見繕ってくれます。
盆花のタブー:トゲのある花
バラやブーゲンビリアなど、お盆にトゲのある花を供えるのは、「仏様へ攻撃をする」としてタブーです。
・ブーゲンビリア
・あざみ
ただしバラなど、故人が生前に好きだった花である可能性もあるでしょう。
このような時には、花屋さんで相談すると、トゲを取ってくれます。
盆花のタブー:香りの強い花
ユリやゼラニウム、すずらんなどが香りの強い花として知られています。
・ゼラニウム
・すずらん
ただお盆に供える花にユリは多いですよね。
ユリはキリスト教において聖母マリアの象徴であり、バラとともに天国の花とされるためです。
盆花のタブー:毒のある花
毒のある花は「仏様へ毒を盛る」としてタブーです。
例えばすずらんやスイートピー、彼岸花などが毒のある花々となります。
・スイートピー
・彼岸花
彼岸花は仏花のイメージを持つ人もいますが、もともと墓地と人里が分かれる畦道などに植えられたため、この名前が付きました。
彼岸花には毒があるので、墓地に狸などの獣が入り、お墓を荒らさないよう、墓地の周りに彼岸花を植えたのです。
盆花のタブー:ツルのある花
ツルのある花は「ツルで生きる者を引っ張る」とされます。
ただトゲやツルは花屋さんに相談すると取ることができるので、故人が生前に好きだった場合などは、取って供えると良いでしょう。
・クレマチス
・ビエネッタ
またお盆に贈る花としてはタブーに配慮するものの、お仏壇やお墓参りで供えるお盆の花は、生前に故人が好きだった場合など、家族で話して敢えて供えることもあります。
盆花のタブー:不吉な花
椿や黒百合など、不吉なイメージを持つ花はタブーです。
見た目に黒くて不吉そうなイメージの花は、お盆の花には向いていません。
・黒百合
・チョコレート秋桜
椿は朽ちる時に花頭がポトッと落ちるため、昔の日本では斬首を連想するとして忌まれました。
この他、花言葉に不吉なイメージを持つ花も、お盆の花として避けられます。
お盆におすすめの花々とは

◇お盆の花の定番は、菊やトルコキキョウ、キンセンカなどです
お盆の花は「三色(さんじき)」「五色(ごしき)」などと呼ばれ、3色か5色で揃えるとされます。
・ひし形にまとめる
中央に差し色を入れて、ひし形にまとめる風習があるので、差し色にピンクや赤を入れると色のバランスがとれてまとまるでしょう。
お盆のお墓参りで花を供える場合、花立ての許容量があるので、少なめにまとめると供えやすいです。花屋さんで「お墓参りの花」と伝えると、適切な量でまとめてくれます。
お盆の花:菊

◇仏花の定番は「菊」です
皇族の紋章ともなっている「菊」は仏花の定番で、安心して選べるでしょう。
また「菊は邪気を払う」ともされ、花びらも散らずに長持ちする点でも、お盆に供える花として便利です。
<お盆の花:菊> | |
・全般 | 高貴・高潔・高尚 |
・白 | 誠実・真実 |
・赤 | 愛情 |
・ピンク | 甘い夢 |
最近ではポンポンマムやスプレー菊など、見た目にも可愛らしい菊の花が販売されています。現代的なモダン仏壇にも似合う菊が見つかるでしょう。
お盆の花:カーネーション

◇白いカーネーションは「亡き母へ贈る花」です
もともと母の日のカーネーションは、南北戦争の負傷者を献身的にケアしてきたアン・シャービスに向け、その娘アンナが母亡き後、母が好きだった白いカーネーションを供えたことがきっかけです。
その後に母の日の制定によって、生きている母には赤いカーネーションを贈ることが定番になりました。
<お盆の花:カーネーション> | |
・赤 | 母への愛 |
・白 | 私の愛は生きています |
・ピンク | 感謝 |
・青 | 永遠の幸福 |
カーネーションはお盆の花ばかりではなく、仏花全般で定番です。
亡き両親へ供えるお盆の花であれば、伝えたいメッセージに合わせてカーネーションの色を組み合わせるのも良いかもしれません。
お盆の花:スターチス

◇スターチスは、その花言葉がお盆の花に適しています
スターチスは別名リモニウムとも呼ばれ、ドライフラワーにも人気の花ですが、お盆のお墓参りの供え花として人気がある理由には、その花言葉が大きいでしょう。
花持ちが良く、花びらも散りにくい、お盆に頼もしい花です。
・変わらぬ心
・途切れない記憶
・いつまで経ってもあなたを覚えています
・いつもあなたを思い出します
またスターチスは一輪豪華なタイプではなく、細かい花が集まっている花なので、お盆の花束の彩りを良くしてくれます。
お盆の花:リンドウ

◇青く彩りの良いリンドウは、秋の季節を予感する時花です
お盆のお花は夏や秋の時花を供えます。
とは言えお盆は真夏なので、秋彼岸に供える仏花として知られています。
ただ今は、お盆のお花としても準備できるため、鮮やかな差し色として選ぶ人々が多いです。
・悲しんでいるあなたを愛する
故人への花言葉と言うよりも、残された者が助けられる花言葉です。「まるで故人からメッセージをもらっているよう…」とする方もいます。
花姿としても、青紫の花が清々しく、さり気ない華やかさを演出するため、お盆の花に人気です。
お盆の花:グラジオス

◇花期が6月~9月のグラジオラスは、お盆の時花として人気です
特にグラジオラスはアレンジメントで人気です。
トルコキキョウの可愛らしさと、グラジオラスの優雅さを組み合わせたお盆の花は、特に女性に好まれます。
水揚げも良く長持ちするので、真夏のお盆に供えやすい花です。
・楽しい思い出
ちなみにトルコキキョウの花言葉は「よい語らい」や「永遠の愛」。
お盆でトルコキキョウとグラジオラスのアレンジメントをすると、花言葉としては、明るく思い出を語り合うイメージになります。
お盆の花は、夏や秋の季節の花々を選びます

お盆の花に限らず、仏花はその季節を感じる「時花」を選ぶことが基本です。
またお盆は3日間~4日間に渡ります。夏場に供えるお盆の花は、花持ちが良く丈夫な花を供えると良いでしょう。
お盆にお墓参りに行き花を供えるならば、お参り後には花を持ち帰るのが霊園のマナーです。もしくは数日の間、花が朽ちないうちに片づけにくると良いでしょう。
本記事を読みながら、ご先祖様や故人へ気持ちが伝わるお盆の花を供えてください。またお盆の花を贈る時にも、先方に配慮した花々やアレンジを選ぶと良いでしょう。
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