お葬式に花を贈るにはどうしたらいい?供花・花輪・献花・枕花、4つの種類と贈り方手順
お葬式に花を贈る際、どのように手配をしたら良いのか、またどのような形の花を選ぶのが適当なのか…、経験が少ないと戸惑う人も多いですよね。
お葬式の花には供花、花輪、献花、枕花の4種類があり、それぞれの役割があります。
お葬式に贈るタイミングや故人との関係性などで、選ぶお葬式の花も変わるでしょう。
また宗旨宗派によって、お葬式の花選びにはマナーもあるので注意が必要です。
今回は、お葬式に贈る花の基礎知識と手配の仕方を、マナーにも触れながらお伝えします。
お葬式の花には4種ある
お葬式に届ける花は「供花(きょうか/くげ)」が一般的ですが、贈る人の立場や故人との関係性によっては花輪(花環/はなわ)になりますし、キリスト教など宗旨によっては献花がより良いお葬式もあるでしょう。
下記、お葬式に贈る4種類の花は、それぞれお葬式の流れに合わせて、時系列で適切なシーンの花をお伝えしています。
(1)枕花…訃報/通夜
(2)供花…通夜/お葬式
(3)花輪…通夜/お葬式
(4)献花…お葬式
…また最近ではお別れ花などもあるでしょう。
特にお葬式が花に囲まれた「花葬」であれば、出棺前に棺を開け、参列者が囲んでお花を添えるセレモニーもあります。
ただこのようなお別れ花は遺族側が用意する場合が多く、「お葬式に花を贈る」となると上記の4種類が一般的です。
また忌中となる四十九日を過ぎた後にお仏壇へ届ける花は、「仏花(ぶっか)」となりますので、今回はお葬式に贈る花とは別としてお伝えします。
(1)枕花(まくらばな)
枕花は、臨終、訃報後から通夜にかけて飾られています。
供え花はお葬式に来る花ですが、枕花は臨終やお通夜の場で、故人の枕元に飾られます。
枕花を贈る人は、親族や故人の親しい友人になるでしょう。
●贈る時期…訃報から臨終、お通夜まで
(1)選ぶ花…白・淡い青などを基調とした控えめな花
(2)花の形…籠花などアレンジメントフラワー
(3)花の金額相場
・自宅へ贈る…1万円ほど
・斎場などへ贈る…5千円~2万円ほど
注意点としては、故人と贈り主の関係性によって、訃報からすぐの早いタイミングで手配をしてしまうと、「臨終の準備をしていた」と言う意味合いに変わり、失礼に当たります。
枕花は哀悼の意を表するための花なので、ご遺族が落ち着いたタイミングで、控えめな花を贈ると良いでしょう。
(2)供花(きょうか/くげ/そなえばな)
供花は通夜やお葬式で使用される花で、贈る花では最も一般的なお葬式の花です。
お葬式では祭壇の脇やお供物などと一緒に飾られます。
訃報から落ち着いてお葬式に使用される花なので、贈り主は故人の親近者や遠方の人が多いでしょう。
●贈る時期…通夜・お葬式です。
(1)選ぶ花…白を基調に淡い青などに留める
(2)花の形…籠花などのアレンジメントが多い
※花輪については別の種類としてお伝えします。
(3)花の金額相場…5千円~1万5千円ほど
一般的には、お葬式に参列できない時に花を贈る習慣がありますが、お花だけではなく御香典も送る人が多いです。
御香典は現金書留で送りますが、後日、自宅まで弔問し、その時に御香典をお渡しするのも良いでしょう。
近年はお葬式に合わせて供花を届ける習慣がありますが、昔のお葬式では通夜までに届けるとする地域も多くありました。
近年では弔電にアレンジメントフラワーが付いているものもあります。
(3)花輪(花環/はなわ)
花輪も供花と同様、お通夜や告別式で使用されています。
役割としては供花と同様ですが、スタンド式のものを花輪と言う場合が多いでしょう。
飾る場所は、式場の外や入り口に飾られている事が多く、近い親族や故人にゆかりがある人が送ります。
花輪には名札が付くので、手配の時には書き方まで決めてから連絡をしましょう。
連名であればどちらの名前が右側になるか(立場が高い人が右側)、また「○○一同」として贈ることもできます。
●贈る時期…通夜・お葬式です。
(1)選ぶ花…葬儀会社の指定する花屋さんで依頼し任せる
(2)花の形…スタンド式
(3)花の金額相場…7千5百円~1万5千円/1基(いっき)
基本的に、葬儀社に連絡をして葬儀社が手配をする花屋さんへ依頼します。
花輪はスタンド式で存在感が大きいので、花屋さんへ任せて葬儀スタイルを統一するためです。
昔ながらの花輪は左右一対として二基を贈るとされてきたので、花の金額相場もその倍になりますが、最近では一基の花輪も多く見受けるようになりました。
●また花輪は「お花代」としてお金を包むこともあります。
献花(けんか)
お葬式で贈る花はほとんどが供花ですが、キリスト教式など葬儀によっては献花(けんか)を祭壇に供えることもあるでしょう。
ただ献花の場合、多くが遺族側が用意をして、一輪ずつ祭壇に向かい供えます。
(1)供花
・弔意を示す花
・対象は故人と遺族
(2)献花
・故人へお別れを示す花
・対象は故人
このようなことから、一般的な仏式のお葬式におけるお線香と同じ役割です。
ただお葬式ではなく献花台に花を献げる時には、自分達で思い思いに用意をして献げることもあるでしょう。
お葬式で花を贈る3つの手順
お通夜やお葬式に花を贈る場合、遺族や葬儀社へ確認を入れなければなりません。
葬儀のスタイルによっては、遺族側が「供花のお断り」をしていることもあります。
そのためまずは、斎場や葬儀会場へ連絡をして、葬儀社の確認をすることになりますが、遺族との関係性によっては、直接遺族へ確認を取る人もいるでしょう。
(1)斎場・葬儀会場へ連絡して葬儀社を確認
(2)葬儀社へ連絡して条件を確認
(3)葬儀社か花屋で注文
またこの時、葬儀社に連絡を取るのであれば「他社で手配した花を届けていいか」などの確認を入れておくことも必要です。
葬儀には遺族が希望する葬儀スタイルがあり、それにそった花や祭壇を葬儀社が用意しているため、お葬式に贈る花の手配は確認が大切になります。
供花マナーの注意点
以上がお葬式に花を贈るための基礎知識ですが、この際に意識したい事柄は2点です。
まずお葬式で花を贈る時には、先方の宗旨宗派や葬儀スタイルに倣うこと、そして遺族側の立場に立ち、受け取った時に余計な手間暇が掛からぬように配慮をします。
(1)先方の宗旨宗派に倣い花を選ぶ
・仏式
・キリスト教式
(2)供花の費用相場を守る
基本的に仏花は白い花など、どのような通夜やお葬式でも安心できる花はありますが、先方の宗旨宗派を意識することで、より遺族や故人に寄り添ったお葬式の花を選ぶことができるでしょう。
(1)先方の宗旨宗派に倣い花を選ぶ
お葬式の案内では宗旨宗派も明記されているでしょう。
この宗旨宗派に倣い、お葬式に贈る花ばかりではなく、御香典や服装も整えていきます。
(1)仏式のお葬式
・菊
・蘭
・ユリ
…などなど。
※白い花をメインとした花が良い
(2)キリスト教のお葬式
・ユリ
・カーネーション
…などなど。
ちなみに、仏式のお通夜やお葬式、その他の供養行事では定番の花である菊は、キリスト教ではそれほど使いません。
現在ではユリや白いカーネーションなどが多いでしょう。
一方、ユリはお花屋さんへ依頼する場合は対応してくれますが、供花として自分で持参する自宅葬などならば、避けた方が良さそうです。
ユリの花粉は取れにくく仏壇などにシミや付きやすいためですが、予めお花屋さんへ「花粉を取ってください」と依頼をして購入する事例も少なくありません。
(2)供花の費用相場を守る
枕花や供花、花輪、献花について、それぞれの費用相場をお伝えしましたが、ここでの注意点はこの費用相場を大きく上回らない予算で、準備をすることです。
弔意が深いからと費用を掛けて大きな花を用意する必要はありません。
むしろお返しを特別に準備しなければならない事態もあり得ます。
●相場を大きく上回ると、逆に遺族に気を遣わせてしまうこともあるでしょう。
故人との関係を思い出し、適切な価格のものを選ぶようにしましょう。
ちなみに供花の平均的な相場は約1万5千円〜3万円ほど、花輪など葬儀社の指定により手配するものであれば、先方で金額ごとに指定があるので、ここから選びます。
最後に
以上がお葬式にお花を贈る時の手順や種類、意識したいマナーです。
ちなみに本文中で献花についてお伝えしましたが、他の供花(枕花や花輪まで)が、それぞれお葬式に参列できない人が花を贈るのに対して、献花は本人が献花台に行って献える花ですので、この点は注意をしてください。
ただ近年では無宗教の自由葬で、献花台を設ける葬儀スタイルもあり、この場合には決まり事はありませんので、遺族側に確認を取っても良いでしょう。
またお葬式に供花を贈る際、叶うのであればひと言メッセージを添えると、より弔意が伝わります。
※お葬式に供花を贈る際のメッセージについては、下記に詳しいです。
・お葬式に供花を贈る時、添えるメッセージは何が良い?弔意が伝わる6つのメッセージを紹介
まとめ
お葬式に贈る花の種類と、贈る手順
(1)お葬式に贈る花の種類
・枕花
・供花
・花輪
・献花
(2)花を贈る手順
・葬儀会場へ連絡して葬儀社を確認
・葬儀社へ連絡して条件を確認
・葬儀社か花屋で注文
(3)仏式とキリスト教式、花の違い
・仏式は白をメイン
・キリスト教はカーネーションとユリ
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