【図解】2024年最新!お盆の飾り方は?精霊棚やお供え、初盆との違いもイラスト解説
・一般的なお盆の飾り方は?
・盆棚や精霊棚とは?
・お盆のお供え物や飾り方は?
お盆の飾り方は、宗派や地域性もありますが、盆棚や精霊棚に飾る一般的なお盆の飾り方で整える家が多いです。
全国的な月遅れ盆であれば2024年は8月13日(火)~15日(木)、4日間日程なら8月16日(水)がお盆となり、お盆飾りは8月1日から、盆棚や精霊棚を出して少しずつ準備を進めるでしょう。
小さなお仏壇でのお盆の飾り方では、盆棚や精霊棚を用意せず、経机などの小さな机で納める家も増えました。
本記事では、お盆の飾り方、盆棚や精霊棚の整え方、お供え物やお盆を迎える準備を徹底的に分かりやすく、図解イラストとともに解説しますので、どうぞ最後までお読みください。
お盆の飾り方:初盆との違いは?
◇「初盆」とは、故人が四十九日の忌中を過ぎた後、初めて迎えるお盆です
一般的に初盆もお盆も飾り方はほとんど変わりませんが、唯一「白提灯(しろちょうちん)」を飾る点が違います。
初盆でお盆の飾り方とは違い白提灯を飾るのは、初めてのお盆で故人が道に迷わないための目印です。ただ初盆やお盆での提灯の飾り方は、地域によっても違いがあります。
●白提灯の飾り方
・玄関に飾る
・お墓参りに白提灯を持って行き、案内する
お盆にお墓参りに行く習慣は家や地域によってさまざまですが、普段はお墓参りをしないのに、初盆では白提灯を持って初日にお墓参りに行き、家まで新霊をご案内する風習もあります。
またお盆の飾り方との違いではありませんが、そもそも初盆では法要を執り行う家も多いでしょう。
この他、普段のお盆の飾り方は簡素で、もともとある小さな経机などを用いる家が、初盆では盆棚(精霊棚)をレンタルしてお盆に備える家もあります。そのため「初盆セット」を販売する仏壇仏具店も多いです。
・盆棚付き初盆・新盆セット
・初盆(新盆)とは何?お布施や香典返し・盆棚(精霊棚)まで、施主が進める準備と進め方
お盆の飾り方:盆棚(精霊棚)とは?
◇盆棚とは、お盆のお供え物を飾るための棚です
「盆棚(ぼんだな)」「精霊棚(しょうろうだな)」と呼ばれる、お盆のお供え物を飾るための棚を置きます。
日々のお供養では御仏前に仏飯やお茶を供える程度ですが、お盆の飾り方になると、精霊馬や夏野菜などを盛大に飾るためです。
そこで盆棚(精霊棚)を置き、そこに飾り付けます。
精霊棚は「ご先祖様の精霊を迎える棚」と言う意味ですが、盆棚と違いはありません。いずれにしても、お盆の時にご先祖様を迎え入れるために準備する棚です。
●地域によって盆棚(精霊棚)を置く場所が違います。
・お仏壇前(最も一般的)
・庭先や縁側
・戸口や床の間
・仏間
…など
また、仏教的にはご先祖様の居場所と言われています。
例えば、お彼岸では家族がご先祖様の住むお墓まで行くので、「ご先祖様の居場所」は必要ありません。
けれどもお盆では、ご先祖様が家族の住む家へ帰省して数日を過ごします。お盆の飾り方で盆棚(精霊棚)を準備するのは、このお盆の数日間をご先祖様が過ごす居場所を作るためです。
お盆の飾り方:盆棚(精霊棚)に必要なもの
◇お盆に欠かせない、盆棚(精霊棚)飾りに必要なものは、精霊馬や真菰(まこも)など10点です
お盆の飾り方に欠かせない盆棚(精霊棚)は、棚の上にゴザを敷いて祭壇にします。このゴザは多年草の真菰(まこも)で編まれたものを使用するとされてきました。
これはお釈迦様が病人を真菰(まこも)で編んだゴザに寝かせたことが由来ですが、現代では従来のゴザでも良いでしょう。
(1)素麺(そうめん)
(2)昆布
(3)鬼灯(ほおずき)
(4)生花
(5)精霊馬(しょうろううま)
(6)水の子(みずのこ)
(7)みそはぎの花
(8)夏の野菜や果物
(9)真菰(まこも)
(10)真菰縄(まこもなわ)
またお盆自体の準備としては、初日の精霊迎えや最終日の精霊送りに必要な、迎え火・送り火を焚く仏具「焙烙(ほうろく)」や、火を焚く「オガラ」などもあります。
最近ではネットで「迎え火・送り火セット」などで焙烙とオガラをセットで販売しているお店もありますね。
お盆の飾り方:盆棚(精霊棚)の飾り方
◇お盆の飾り方では、まず盆棚(精霊棚)を出して真菰(まこも)やゴザを敷き、祭壇を作ります
お盆ではお仏前の飾り方ならば、お仏壇前に小さなゴザ(真菰)を敷き真菰縄を掛けた後、お供え物を整えるだけです。
ただ庭先や奥座敷など、お仏前以外の場所で整えるお盆の飾り方になると、盆棚(精霊棚)も大きな棚が必要になり、大きな祭壇になるでしょう。
<お盆の飾り方:盆棚(精霊棚)>
(1)盆棚(精霊棚)を置く
(2)下に敷くゴザ「真菰(まこも)」を棚に敷く
(3)四隅に竹を立てる
(4)竹の上部に真菰縄を張る
(5)位牌を盆棚(精霊棚)の中央・奥に置く
(6)お供物を供える
お仏前以外の場所で整えるお盆の飾り方は、特に竹を四隅に立てるなどにコツが必要ですが、こちらも現代では整えやすい「盆棚(精霊棚)セット」が販売されています。
レンタルなどもあり、ひと通り揃うので、忙しい現代に正しいお盆の飾り方で整えたい家には便利です。
下記よりお盆の飾り方で欠かせないお供え物を詳しく解説します。
お盆の飾り方:素麺(そうめん)
◇素麺の細く長い糸はあの世とこの世を繋ぎます
旧盆だった時代は、お盆を迎える6日前の七夕(タナバタ)に、ご先祖様へお盆のご案内をするため、お墓参りへ行く風習を持つ地域がありました。
織姫と彦星伝説は神様によって引き裂かれた二人が、年に一度逢瀬できる日ですよね。これは「神様の目が届かない」日とされるためで、ご先祖様と生きる者との間も同様です。
・ご先祖様の背負う紐
・荷綱や手綱
・細く長く幸せに過ごす
また素麺の供え方もさまざまで、お盆のお昼には集まった家族親族で素麺汁をいただく地域もあります。
・乾麺のまま供える
・茹でて供える
ちなみにお盆で笹(ささ)は飾りませんが、笹は先祖の霊が宿るところです。
七夕は針仕事の上達を願うお祭りでもあり素麺は糸と見立てられました。七夕とお盆にも素麺を、お供え物として捧げる習慣が取り入れられた説もあります。
お盆の飾り方:昆布
◇昆布は語呂合わせとして「喜ぶ(よろ昆布)」、長い姿から「細く長く喜んで過ごす」意味があります
「弔事なのに喜ぶ?」と疑問に思う人もいますが、お盆はご先祖様を家にお迎えする年中行事ではありますが、お盆は弔事ではありません。
ご先祖様が帰省するお祝い事と捉える地域もあり、このような地域では、かまぼこをお供えする地域でも、弔事ではタブーとされる紅白で供えます。
岩手県など東北の一部地域では、昆布をお墓に乗せる風習もあるほどです。
お盆の飾り方:鬼灯(ほおずき)
◇ご先祖様が道に迷わず帰ってこれるよう、鬼灯を提灯に見立てます
また、一部地域では故人の霊はお盆の間、空洞に身を隠す・宿すとも言われ、鬼灯の空洞にご先祖様の霊が身を隠すともされてきました。
・蔦ごと掛けて飾る
・実のみを分けて供える
・生花と一緒に束ねて供える
広くは仏壇の梁(はり)部分や、盆棚(精霊棚)を囲うように真菰縄(まこもなわ)などを掛け、引っ掛けるように蔦ごと飾ります。
また、鬼灯(ほおずき)の実を分けて、お供え物のための仏具「高月(たかつき)」に乗せるなどして供える家もあるでしょう。
[精霊馬や鬼灯(ほおずき)の作り方]
お盆の飾り方:生花
◇生花は一般的に仏花を供えます
最近ではお墓参りのお花やお供え物を自宅に持ち帰りますので、8月13日の初日前にお墓参りへ行く家では、お墓参りに準備をしたお花を、そのまま盆棚(精霊棚)に供えるのも良いでしょう。
・毒のある花(彼岸花など)
・棘のある花(バラなど)
・臭いのきつい花
・傷みやすい花
・縁起の悪い花(牡丹など)
などなどがあります。お花屋さんで「お仏壇に供えます」と目的を伝えれば、丁度良いお花を準備してくれるでしょう。
[お盆に供える生花]
お盆の飾り方:精霊馬(しょうろううま)
◇精霊馬とは、お盆に飾られるご先祖様を「お迎え・お送り」する乗り物です
一般的には新鮮なキュウリやナスにお箸を差して足を作りますが、この他にも真菰(まこも)などで編んで作る精霊馬を飾る地域も多いでしょう。
・キュウリの精霊馬は「馬」
・ナスの精霊馬は「牛」
キュウリの「馬」は早馬を意味し、ご先祖様をいち早く無事に辿り着いてほしいと願いが込められました。
一方ナスは、この世の手土産をたくさん持って、ゆっくり帰っていただくために願いが込められています。
また、最近ではガラス細工やちりめん人形の精霊馬の販売も多く見受けることでしょう。
(クリスタル精霊馬など)
お盆の飾り方:水の子(みずのこ)
◇水の子は無縁仏(むえんほとけ)へのお供え物です
特に仏教において餓えた人々が住む道である「餓鬼道(がきどう)」に落ちた無縁仏へ供えるとされてきました。全ての霊に行き渡るようにと願いが込められています。
無縁仏はご先祖様に付いて来るとされ、「家のなかまで入らぬよう、玄関先に水の子を供える」とする地域もあるでしょう。
<お盆の飾り方:水の子>
●水の子の作り方
・キュウリやナスを賽の目に切る
・七回すすいだお米を混ぜる
・蓮の葉に盛り付ける
(水を張った器に蓮の葉を浮かべる地域もある)
●水の子の飾り方
・ミソハギの隣り
・お盆の間は絶やさない
・水に浮かべる場合は、毎日交換する
・地域によっては玄関先
供養してもらえない霊や、呼んでもらえない霊にまで供養して、水の子を食べてもらう意味もあります。
お供え物は一般的にお仏壇から下げた後、家族でいただきますが、水の子はなかなか食べられません。塩を振って捨てても良いでしょう。その昔には、川に流してもいたようです。
お盆の飾り方:みそはぎの花
◇みそはぎの花は、水の子に脇に添えて飾ります
餓鬼道に落ちた無縁仏の魂は、食べても食べても、飲んでも飲んでも、のどの渇きを満たすことができません。
「みそはぎ」を漢字で書くと「禊萩」で、この世の穢れ(けがれ)を落とす意味がある「禊(みそぎ)」の漢字が使われています。
●みそはぎの花はこの世の禊(みそぎ)を祓うとされます。
・餓鬼道に落ちてのどの渇きが癒せない無縁仏が、禊を祓い、のどの渇きを抑える効果があるとされてきました。
このような意味合いから、昔からみそはぎの花はお盆には欠かせません。そのため別名は「ボン花」や「精霊花」でもあります。
お盆の飾り方:夏の野菜や果物
◇ご先祖様をおもてなしする夏野菜や果物です
ただお盆は3日間~4日間と長く、その間冷蔵庫にも入れずに供えるため、トマトなどの足が速い野菜は避けます。
この他、お供え物にはタブーとされる臭いのキツイ野菜(にんにくなど)も供えません。
・かぼちゃ/キュウリ…生命力
・芋類(さつま芋など)…たくましさ
・豆類(いんげんなど)…人生(長いさや)
・スイカ(丸い果物)…ご縁
・リンゴ…母性
・バナナ…父性
昔はお盆時期に収穫された夏の野菜や果物を供えましたが、今ではスーパーなどで揃える家がほとんどでしょう。
お盆の飾り方:真菰(まこも)
◇真菰(まこも)は、盆棚(精霊棚)の上に掛けるゴザを編むための植物です
真菰(まこも)は多年草の稲科の植物で、古事記や日本書紀にも出てきます。
仏事や神事で古くからゴザとして使われており、お釈迦様は真菰のゴザに病人を寝かせたとされ、お盆でも真菰のゴザを使うようになりました。
・病を癒す
・邪気を払う
真菰(まこも)は広くゴザや敷物として利用されてきました。
お盆でも盆棚などの上にお供え物を置く時、その下に真菰で編んだゴザや敷物を敷いて使います。
※真菰のゴザもお盆用品として販売されています(真菰ゴザ)
お盆の飾り方:真菰縄(まこもなわ)
◇真菰縄(まこもなわ)は真菰で編んだ縄で、結界です
昆布や鬼灯などを引っ掛けて飾る時に使い勝手が良いですが、必ずしも真菰で編んだ縄である必要はありません。
※最近の真菰縄は、お盆用として鬼灯セットで販売されることが多いです。(真菰縄・鬼灯セット)
お盆の飾り方は、盆棚(精霊棚)が中心です
お仏前のお盆の飾り方であれば、経机などの小さな台に、小さいサイズの真菰を敷いて飾り付けをすれば良いので、思った以上に気楽にお盆の準備ができます。
最近では迎え火や送り火も、火の用心や住まい環境の観点から、火を焚かないロウソクや置物も増え、ネット上でも準備がしやすくなりました。
本記事のお盆の飾り方を参考にして、あまり畏まらずに楽しく家族でお盆の準備を進めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
盆棚(精霊棚)の飾り方
●盆棚の飾り方
・祭壇を準備する
・真菰(まこも=真菰で編んだゴザ)や一般的なゴザを敷く
・四隅に竹を立てる
・竹の上部にしめ縄を張る(真菰縄)
・位牌を仏壇から盆棚に移動す
・ご先祖様の好物やお供物を供える
●飾るもの
・素麺(そうめん)
・昆布
・鬼灯(ほおずき)
・生花
・精霊馬(しょうろううま)
・水の子(みずのこ)
・みそはぎの花
・夏の野菜や果物
・真菰(まこも)
・真菰縄(まこもなわ)
お電話でも受け付けております