
一般的な葬儀の流れとは?逝去から四十九日までのスケジュールを解説

「家族が亡くなった後はどうすればよいの?」
「亡くなった後から葬儀までの流れってどうなってるの?」
「葬儀後にしなければいけないことって何?」
このように葬儀に関することがわからないという方は多いのではないでしょうか。
この記事では、家族が亡くなった後から葬儀を行うまで、通夜と葬儀について、葬儀が終わった後は何をするのかなどについて紹介していきます。
紹介しているのは一般的な葬儀についてのため、地域差はありますが、この記事を読み一連の流れを理解しておくことで、慌てずに故人を送り出すことができるでしょう。
葬儀については悲しみの中でたくさんのことを決めなければいけません。余裕を持って、選ぶことができるように、事前に把握しておきましょう。
葬儀を行う意味とは
故人や家族が信仰する宗教にもよりますが、葬儀は大切な人が亡くなった時に故人の魂が極楽浄土や天国に行けるようにするための宗教的な儀式です。
故人の死後を祈るだけでなく、残された人々が故人を思い、別れをするための場でもあります。
葬儀をすることは、大切な人の死後の生活が穏やかなものであることを願い、故人のことを思い、心の整理をするためにも必要な儀式です。
一般的な葬儀前の流れ
家族や身内などが亡くなったら、葬儀を執り行うまでにしなければいけないことがいくつかあります。
どこで亡くなったのか、どういった葬儀をしたいのかなど、いろいろなケースがあるでしょう。大切な人が亡くなったと同時に始まる葬儀の準備に、故人の死を悲しむ間もなく、いろいろなことを決めていかなくてはなりません。
慌てないように事前にどういった流れで進めていくのか、葬儀前の流れを把握しておくとよいでしょう。
亡くなったら親族や葬儀社に連絡をする
家族や身内が亡くなったら、まずは家族や親族、親しかった友人や知人などに連絡しましょう。それと同時に葬儀社に連絡し、葬儀の準備を始めます。
入院中の場合は危篤になった時点で、連絡しておくことも必要です。
故人がどこで亡くなったのかによって、流れが少し違ってきます。スムーズに葬儀の準備をするためにもケースごとの対応を把握しておくとよいでしょう。
病院で亡くなったケース
入院中に病院で亡くなった場合は、医師によって死亡診断書が作成されます。
死亡診断書をもらったら、7日以内に故人が亡くなった場所や本籍地、届け出る人の所在地にある役所や役場に死亡届を提出しなければいけません。死亡届を提出すると火葬許可証が発行されます。
死亡届の提出は遺族などだけでなく、代理人が届け出ることもできるため、葬儀社に代行してもらうのが一般的になっています。
出典:死亡届|法務省
事故死・突然死等のケース
事故死や突然死などで死因が特定できない場合は、警察へ連絡しなければいけません。
検視官や監察医が行政解剖によって、死因が特定され、死体検案書が警察から渡されます。この死体検案書を持って、死亡届を提出しなければいけません。
この場合も葬儀社で提出を代行してもらうことができます。
自宅で看取ったケース
自宅での介護で看取った場合は、かかりつけの医師に連絡をしましょう。
かかりつけの医師の診断から24時間以内であれば、臨終の際に立ち会っていなくても死亡診断書を作成してもらえます。24時間以上経っている場合でも持病により亡くなったことが確認されれば、死亡診断書を作成してもらえます。
かかりつけの病院がない場合は、医師により死亡が確認されるまで、遺体を動かさないようにしましょう。警察に連絡し、現場検証や事情聴取、検視官や監察医による検視を経て、事件性がなければすぐに死体検案書が発行されます。
遺体を安置場所に搬送する
病院などで亡くなった場合、すぐに霊安室などからの移動を求められることもあります。
その場合はどこか安置できる場所に搬送しなければいけません。そのため、すぐに安置できる場所を手配するようにしましょう。搬送するには寝台車が必要となるため、併せて手配します。
安置場所には自宅や葬儀をするための斎場、専用の保管施設などがあります。自宅で安置する場合は葬儀社にドライアイスを設置してもらい、室温に気を付けるようにしましょう。
葬儀の打ち合わせをする
葬儀をするにあたって、誰が喪主や施主をするのか、葬儀の形式や予算、参列者の人数などについて話し合いましょう。
利用する葬儀社とどの葬儀プランにするのか、日程や祭壇の種類などを決めます。その際、死亡届の提出や供物の手配は葬儀社に依頼することもできます。
葬儀にはマナーなどがあるため、わからないことは葬儀社で聞いておくのもよいでしょう。また、大切な人が亡くなった直後のことで気が動転しながら進めていくため、落ち着いて打ち合わせをするようにしましょう。
お坊さんを手配する
檀家になっている菩提寺があれば、菩提寺に連絡して読経の依頼をし、日程の調整などをしますが、菩提寺がない場合は葬儀社に手配をお願いすることもできます。近年では、インターネットでお坊さんを手配してくれるサービスもあります。
特定の寺院にお願いしたいという場合は、断られたり檀家にならなければいけなかったりする場合もあるため、問い合わせをしてみましょう。
訃報の連絡や葬儀の案内を行う
葬儀の日程などが決まったら、家族や親族、故人と親交のあった人に訃報の連絡と通夜・葬儀の案内をします。仕事関係の人や住んでいる場所の自治会など、連絡が必要な範囲を確認し、連絡漏れがないようにしましょう。
訃報の連絡の際は故人の名前、通夜や葬儀の日程と場所、喪主、宗派などを伝えておきます。
一般的な葬儀の流れ
葬儀社との打ち合わせが済むと故人を棺に納め、通夜や告別式などを行います。それぞれにマナーや流れがあるため、当日に慌てないように事前にしっかりと確認しておきましょう。
湯灌や納棺の儀式を執り行う
葬儀を行うために故人を棺に納める儀式を執り行います。
まずはお湯で故人の体を清める湯灌をします。湯灌には体の汚れを落とすだけでなく、生前の悩みや煩悩を洗い流し、清らかな状態で成仏するという意味があるのです。湯灌が終わると髭や産毛を必要に応じて剃り、生前の面影に寄せるために化粧をします。
さらに、白装束とも呼ばれる仏衣を左前で着せ、白い足袋を左右逆にして履かせ、すねに脚絆、手に手甲を縦結びにしてつけ、三途の川を渡るための六文銭を入れた頭陀袋、数珠、天冠、編み笠、草履、杖を旅支度として身に着けて、納棺します。
通夜を行う
葬儀は一般的に2日間に渡って執り行われますが、その1日目に執り行われるのが通夜です。通夜は、故人と過ごす最後の夜を、家族や親族、故人と親交のあった人達が集まって過ごします。
一般的に夕方から始まり、仏式の通夜の場合は、僧侶の入場、読経、焼香があり、最後に喪主が挨拶をして閉式するのが流れです。
通夜を行う前に供物や供花、席次、焼香の順番、返礼品をどうするかなどを確認しておきましょう。
お坊さんを迎える準備も忘れずに行う
通夜で読経してもらうお坊さんを迎える準備をしておきましょう。
お坊さんが葬儀場についてから読経までの時間を過ごしてもらう控室を準備しておきます。お坊さんが到着したら控室に案内後、喪主は挨拶をしましょう。
その時にお茶菓子を出します。葬儀社の方で準備をしてもらえることもありますが、確認しておくとよいでしょう。
通夜振る舞いで参列者をもてなすこともある
通夜振る舞いとは通夜に参列してくれた弔問客や通夜を手伝ってくれた人たちに、通夜が終わってから食事やお酒などを振る舞うことです。故人と縁のある人が食事を共にすることで故人との最後の食事をする、という意味もあります。
通夜振る舞いで参列者をもてなすかどうかは、遺族の意向や地域差があります。参列者を通夜振る舞いに呼ぶかどうかわからない時は、葬儀社の担当者や親族に聞いてみましょう。
通夜の翌日に告別式を行う
告別式は通夜の翌日に行われ、開始時刻は火葬の時間によって決まるため、火葬の時間がいつになるかを確認しておきましょう。
告別式の開始1時間前から受付が始まり、開始時刻になり参列者が着席するとお坊さんが入場し、読経が始まります。
会葬者により弔辞・弔電を行い、読経が始まり、遺族や親族、参列者の順番で焼香が行われます。焼香は宗派により、回数や方法が違うため事前に確認しておきましょう。焼香が終わり、読経が終わるとお坊さんが退場し、閉会となります。
お別れの儀を行い出棺する
お別れの儀とは告別式が終わり、火葬場へ出棺する前に遺族や親族、親交のある人で棺に生花を入れ、故人との最後のお別れをする儀式です。
生花の他に故人の愛用の品などを入れられる場合もありますが、火葬で燃えないようなものは入れられなかったり、火葬場で禁止されていたりするものがあるため、生花以外を入れたい場合は事前に確認しておくようにしましょう。
一般的な葬儀後の流れ
告別式が終わり、火葬場へ出棺されてから四十九日を迎えるまでにも、法要などがあります。
火葬するための手続きや法要、納骨など、しなければいけないことはたくさんあります。葬儀が終わっても順序よく行えるように葬儀後の流れを把握しておきましょう。
火葬場にて納めの式と火葬を行う
棺が火葬場に到着すると炉の前に線香台と共に安置されます。遺族や親族、故人と親交のあった人が同行し、火葬してもらうために必要な火葬許可証を提出しましょう。
お坊さんがいる場合は読経が行われ、喪主から順に焼香をして、故人に最後のお別れをし、炉に運ばれて点火する「納めの式」を行って、火葬となります。
火葬を終えた後お骨上げする
火葬が終わると遺族や親族などの参列者でお骨上げをします。お骨上げには地域差がありますが、竹の箸などを使って、故人と関係の深かった人から2人で1つのお骨を一緒に挟んで骨壺に納めていくのが一般的です。
お骨は足から順に上に向かって拾っていき、最後に喉仏を納めて終了です。この時に埋葬許可証が発行されます。骨壺と一緒に入れてくれる場合が多いため、なくさないようにしましょう。
初七日法要・精進落しをする
火葬が終わると遺骨や位牌を自宅に安置します。
故人が亡くなった日から7日目に初七日法要を行いましょう。初七日法要は本来、亡くなった日から7日目に行いますが、最近では参列者の都合を考慮して火葬後すぐに行うこともあります。
精進落としは初七日法要の後にお坊さんや参列者に食事を振る舞うことです。精進落としでは基本的には魚や肉を使わない精進料理になりますが、近年では魚や肉を使った懐石料理が選ばれる場合もあります。
納骨や四十九日法要を行う
故人が亡くなってから四十九日経つと、故人の魂は仏様の元へ向かい、極楽浄土へ行けるかの裁きを受けます。四十九日法要までの法要は、故人が極楽浄土へ行けるようにと遺族が祈ることで善行を足す意味があります。
納骨は四十九日法要の後にするのが一般的です。すでに墓地がある場合はお墓に納骨しますが、お墓がない場合は準備ができてからでも構いません。
葬儀を執り行う前に考えておくこと
家族や身内が亡くなると、葬儀を執り行うまでに決めておかなければならないことがいくつかあります。
大切な人が亡くなったばかりで気持ちが落ち着かない中、多くのことを考えて決めていかなくてはならないため、事前に準備しておけることは考えておくとよいでしょう。
葬儀の日程は翌日には確定させておく
葬儀の日程は火葬がいつできるかによって変わってくるため、火葬場の空き状況を確認しなければいけません。また、友引の日に葬儀を行うのは縁起が悪いとされているため、友引の日は避けるようにします。
なお、菩提寺からお坊さんに来てもらう場合はお坊さんと調整し、日程を決めましょう。
火葬場の空き状況やお坊さんの予定などを考慮して、亡くなった翌日には葬儀の日程を確定させておきますが、何日までに葬儀を行わなければならないという決まりはないため、短い期間で葬儀を執り行える場合や時間がかかってしまう場合もあるでしょう。
宗派や地域によって異なる作法や流れを確認しておく
日本では多くの葬儀が仏式で執り行われますが、その中にも宗派や地域ごとの作法があります。菩提寺がある場合は菩提寺に、菩提寺がない場合は葬儀社に流れを確認しておくようにしましょう。
菩提寺があるかわからない場合は親族に聞くようにし、代々のお墓があれば、お墓や仏壇などから推定します。
葬儀の費用目安を調べておく
葬儀にかかる費用は、葬儀社に出してもらう見積もりの金額だけではありません。
葬儀社の見積もりでわかるのは葬儀自体にかかる金額のため、お坊さんに渡すお布施やお車代、お坊さんや参列者を接待するための費用は別になります。
それぞれの費用の目安を事前に調べておき、どの部分にどの程度、お金をかけられるのかを考えておきましょう。
葬儀後のことも考えておく
葬儀が終わったらお仏壇を準備し、返礼品を贈らなければいけないため、どういったものにするのかを考えておきましょう。
お仏壇を新たに準備する時期に特に決まりはありませんが、四十九日や一周忌に合わせて準備する場合や、お仏壇を置く部屋に合わせたタイプのものを準備する場合が多くあります。生前から準備しても構わないため、希望のデザインなどから選ぶのもよいでしょう。
また、通夜や葬儀でいただいた香典の返礼として香典返しをします。仏式では四十九日法要が終わってから1か月以内を目安に返礼品を送りますが、宗教により贈るタイミングが違うため、事前に調べておきましょう。
なお、通夜や葬儀の時に返礼品を渡す場合もあります。
葬儀の流れを事前に把握しておこう
大切な家族が亡くなるのはとてもつらい経験です。しかし、故人を送り出すためにも、しっかりと葬儀の流れを把握し、後悔のない葬儀を執り行いましょう。
わからないことは教えてもらい、周りの人にも手伝ってもらいながら故人の供養をしましょう。
お電話でも受け付けております
