
初盆(新盆)はいつ?意味や時期、法要マナー・準備の仕方をわかりやすく解説

身近な人を見送った後、初めて迎えるお盆——それが「初盆(新盆)」です。
けれども、「初盆っていつ?」「どんな準備が必要?」「お返しやマナーはいつ?」など、不安や疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、初盆(新盆)の意味や法要などはいつ行うか、地域による違い、準備しておきたい供養の品や飾り、お返しはいつ送るかなどのマナーまでを丁寧に解説します。
初めての方でも安心して法要に臨めるよう、宗派ごとの考え方や服装のポイントなども、わかりやすくご紹介しています。
大切な人を心を込めて供養するために、ぜひ最後までご覧ください。
初盆(新盆)とは?意味と大切さを知ろう

初盆(新盆)とは、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆(盆)のことを指します。
一般的には、四十九日を過ぎたあとに迎えるこの時期に、ご先祖の霊を家にお迎えして供養をする重要な行事です。
通常のお盆と比べて、初盆ではより丁寧な法事(法要)をするのが慣例であり、僧侶を招いて読経をお願いすることや、特別なお供え物や白提灯を飾るなど、準備も多岐にわたります。
そのため、「いつ行うのか」「どのように準備するのか」といった不安を抱える方も少なくありません。
ここでは、初盆(新盆)の意味をあらためて確認するとともに、浄土真宗や神道など宗派による違い、関西や九州など地域性の影響についてもご紹介します。
[2025年大阪のお盆はいつ?]
「初盆(新盆)」とはいつ・どんな行事?
初盆(新盆)は、故人が亡くなってから四十九日を過ぎて、最初に訪れるお盆の時期に営まれる特別な供養行事です。
地域によって「新盆(しんぼん/にいぼん)」と呼ぶこともあり、遺族が中心となって手厚い供養をするのが一般的です。
この期間には、白い提灯(白紋天)を掲げて故人の霊を導き、団子や果物などのお供えを準備することで、心を込めて故人をお迎えします。
また、お寺に依頼して読経をしていただくケースも多く、初盆は他のお盆とは異なる、より正式な法事として扱われることが多いのも特徴です。
初盆(新盆)は、ご先祖に対する感謝を伝えるとともに、家族や親族が故人を偲ぶ時間を共有する大切な節目でもあります。
四十九日とはいつまで?初盆との関係
仏教では、亡くなった日から数えて七日ごとに法要を営み、四十九日をもって忌明けとされます。
この「四十九日法要」が終わっていない場合は、初盆(新盆)はその年には行わず、翌年のお盆に繰り越して行うのが基本的な流れです。
たとえば、7月中旬に亡くなった場合、四十九日が8月中旬以降になることから、その年のお盆には初盆をすることができず、翌年が初盆となります。
「初盆はいつするのか迷ったときは、四十九日の時期を確認することが最初のステップです。
これを理解することで、慌てずに必要な準備を進めることができます。
関西・九州など地域で違う?風習の違いも紹介
初盆(新盆)の風習は全国共通ではなく、地域によって形式や準備内容に違いがあります。
関東ではお盆を7月にする地域もありますが、関西や九州では8月に行うのが一般的です。
九州では、初盆法要が非常に重視されており、親族一同が集まり、盛大な供養をする風習が今も残っています。
お供え物や飾りにも力が入れられ、団子や素麺、精霊馬などが豪華に並ぶこともあります。
一方で関西では、少人数で静かに営むケースも多く、浄土宗や浄土真宗、真言宗など宗派による読経の作法や提灯の扱いも異なります。
さらに、沖縄や奄美地域では旧暦に基づく「旧盆文化」が根付いており、仏教ではなく神道を信仰する家庭では、仏式ではなく神式の「祖霊祭」などをすることがあります。
このように、初盆(新盆)をどうするかは、宗教・宗派・地域によって考え方が異なるため、事前に菩提寺や地域の慣習を確認することが大切です。
[全国で違う3つのお盆日程]
2025年(令和7年)の初盆(新盆)はいつ?

初盆(新盆)をいつ行うべきかは、地域や宗派によって異なりますが、基本的には「お盆の時期」にあわせて実施するのが一般的です。
特に2025年(令和7年)のお盆は、祝日の配置により大型連休が取りやすく、いつ準備を始めるかを計画しやすい年でもあります。
この記事では、「迎え火・送り火はいつなのか?」という基本的な日程から、旧暦文化の影響を受ける地域、そして2025年の初盆は具体的にいつなのかまで、わかりやすく解説します。
[お盆でやること]
お盆の基本日程と迎え火・送り火はいつ?
お盆は、ご先祖さまの霊を自宅にお迎えし、供養をする日本の大切な年中行事です。
一般的にはいつ行うのかというと、以下の日程が全国的な目安になります。迎え火をいつやるかは全国的に夕方~日が暮れる頃、送り火をいつやるかは暗くなった頃が多いでしょう。
●迎え火(お盆の入り):8月13日(水)
●中日(なかび):8月14日(木)・15日(金)
●送り火(お盆の明け):8月16日(土)
8月13日の夕方には玄関先やお墓で「迎え火」を焚き、いつでも霊が迷わず家へ帰ってこられるようにします。
そして、最終日の8月16日に「送り火」を焚いてお見送りします。
初盆(新盆)はいつかと言えば、この時期に行う家庭が多く、僧侶による読経や、お供え・返礼品の準備をする必要があります。また、地域によっては8月全体を「初盆期間」と見なす風習もあり、いつどのように法要を行うかは早めの検討が大切です。
[お盆の迎え火・送り火]
旧暦と新暦の違い|沖縄や神道ではいつやる?
お盆の時期は全国的には8月中旬が主流ですが、「いつお盆をするか」は地域や宗派によって大きく異なります。
特に沖縄では旧暦のカレンダーが根強く使われており、2025年の旧盆は9月4日(木)〜6日(土)にあたります(旧暦7月13日〜15日)。
この期間が沖縄での初盆(初盆法要)をいつ行うかの目安になります。
奄美や鹿児島、一部の九州地域でも旧盆を中心に法要を行うケースが多く、いつ準備を始めるかは地元の慣習を参考にするのが無難です。
一方、神道の家庭では仏教式の「盆行事」は行いませんが、「祖霊祭(みたままつり)」や「帰幽祭」といった形で、いつもと違う夏の時期に祖先を敬う風習があります。
「神道だから初盆は関係ない」と考えずに、その家に合った形で供養をすることが求められます。
2025年(令和7年)の具体的にいつ?
それでは、2025年に初盆(新盆)をいつ行うのか、具体的な日程を確認しておきましょう。
大前提として、初盆(新盆)は四十九日が終わったあとの初めてのお盆に行うものです。
つまり、2024年の10月頃までに亡くなられた場合は、2025年のお盆(8月)が初盆に該当します。
以下が、2025年の全国的なお盆スケジュールです:
日付 | 曜日 | 内容 |
---|---|---|
8月13日 | 水 | 迎え火(お盆入り) |
8月14〜15日 | 木〜金 | 中日・法要など |
8月16日 | 土 | 送り火(お盆明け) |
※沖縄・奄美地域など旧暦圏では、旧盆:9月4日〜6日が初盆の対象日となります。
また、2025年は「山の日(8月11日)」が月曜日のため、有給などを組み合わせれば8月9日(土)〜17日(日)まで9連休を取得できる可能性も。
このタイミングで親族が集まる法要を計画する家庭も多く、「初盆をいつに設定するか」が重要なポイントとなります。
[2025年のお盆休みスケジュール]
初盆(新盆)にすること|準備と法要マナー

初盆(新盆)は、故人を偲び、遺族や親族が集まって心を込めた供養をする大切な行事です。
お参りをする、飾りをする、僧侶を呼んで法要をする、返礼品を用意するなど、通常の盆行事よりも丁寧に対応する場面が多く見られます。
ここでは、「具体的に何をするのか」「どう準備を進めるべきか」「服装や訪問時のマナーはどうするのが正解か」など、初めての方が不安に思いやすいポイントをやさしく解説します。
お参り・供養・提灯など、何をどうする?
初盆(新盆)では、亡くなった方の魂を自宅へ迎え、感謝と祈りの気持ちを込めて供養をするのが一般的です。
多くの家庭では、以下のような流れで準備や対応をすることになります。
● 僧侶を招いて自宅やお寺で読経(初盆法要)をする
● 仏壇や祭壇を整え、お供えや線香を準備する
● 白提灯を掲げ、故人の霊を迎え入れるしつらえをする
● 親族や親しい友人が訪問し、焼香や挨拶をする
僧侶のスケジュールを確保するには、早めに菩提寺へ連絡することが欠かせません。
特にお盆の時期は予定が混みやすいため、数ヶ月前から予約をするのが安心です。
また、お供えとしては、故人の好物や季節の果物、団子、素麺などを用意するのが一般的です。こうした供物を通じて、想いを形にすることができます。
飾りや白提灯、団子の準備と意味
初盆(新盆)ならではの特徴のひとつが、「白提灯(しろちょうちん)」を飾る風習です。
これは、故人が初めて自宅へ戻ってくることを示す特別な印として掲げられます。通常の盆行事では見られない、初盆だけの大切なしきたりです。
● 白提灯は玄関先や仏壇のそばなどに吊るすようにする
● 家紋入りの正式なものを用意する家庭もありますが、無地のシンプルなタイプを選ぶことも増えています
● 法要終了後は、お焚き上げに出すか、お寺に納める形にするのが一般的
また、団子や精霊馬(しょうりょううま)といった飾り物を用意するのも地域によく見られる風習です。
団子は供養の象徴とされ、素朴な形で心を込めて供えることが大切です。
飾りは、派手にする必要はありませんが、迎える気持ちを表すために清潔に整えることを心がけましょう。
[精霊馬やほおずきの作り方・飾り方]
服装や参列者マナー|誰を呼ぶ?どうふるまう?
初盆(新盆)に誰を招くか、どのようにふるまうかも事前に整理する必要があります。
招く相手は、故人と親しかった親族や友人、生前にお世話になった方などが中心です。
地域の習慣や宗派の違いもあるため、どこまで声をかけるかは無理のない範囲で判断するとよいでしょう。
服装に関しては、法要をする場合は次のようなスタイルが一般的です。
【遺族・喪主側】 黒やグレーなどの略喪服(夏用のものも可)
【参列者側】 控えめな平服(ワンピースやシャツなど)
子どもや妊婦の服装は、暑さや体調への配慮を最優先にしつつ、場に合った装いを心がけるようにするのがマナーです。
また、訪問時の言葉遣いにも気を配り、「本日はご供養にうかがいました」「お暑い中ありがとうございます」など、丁寧な言葉をかけるようにすると印象が良くなります。
迷ったときは、あらかじめ喪主や主催者に相談することで、安心して参列できるでしょう。
初盆(新盆)法要で気をつけたい「香典」の受け取りマナーとは?

初盆(新盆)法要では、故人を偲ぶために多くの参列者が集まり、香典を持参して訪れるケースがほとんどです。
しかし、「香典はいつ受け取るのが良いのか?」「新盆ならではのマナーはあるのか?」と悩むこともあるでしょう。
このセクションでは、初盆(新盆)における香典の受け取りタイミングはいつか、法要の流れにおける扱い方、通常のお盆との違いについて分かりやすく解説します。
[初盆(新盆)法要に呼ばれた時の香典マナー]
香典はいつ受け取る?初盆(新盆)での扱い方
初盆(新盆)の法要では、参列者の多くが香典を持参します。いつ香典を受け取るか、タイミングとして一般的なのは、法要が始まる前の受付時です。
このとき、次のような対応をしておくとスムーズです。
● 受付を設置して香典を受け取る体制を整える
● 記帳台を用意し、名前や住所を記入してもらう
● お返しを当日お渡しする場合は、その場で手渡しできるように準備しておく
初盆(新盆)では、通常のお盆よりも参列者が多くなることがあるため、いつでも香典を受け取る場をしっかり整えておくことが重要です。
また、香典袋には「御仏前」または「御供物料」と書かれることが多く、宗派や地域によっても使い分けがあるため、確認しておくと安心です。
法要の流れの中で、香典をいつ・どう取り扱うべきか
初盆(新盆)法要の当日は、僧侶の読経や焼香、会食などが予定されており、タイミングによっては香典対応に追われることもあります。
そのため、香典は法要の始まる前に受け取り、保管・管理する体制を整えておくことが理想です。
香典を受け取ったあとは、以下の点に注意しましょう。
● 金額と名前を記録しておく(帳簿やノートなどに整理)
● お返し(初盆返し)は香典額に応じて準備しておく
● 会食がある場合は、席順や案内にも配慮する
香典の扱い方は、法要の進行に支障をきたさないようにするための配慮が必要です。
特に新盆では、香典の受け渡しと同時に「法要の進行に対する感謝」も言葉で伝えるようにしましょう。
初盆(新盆)と通常のお盆、香典マナーに違いはある?
初盆(新盆)と通常のお盆では、香典に関するマナーにも違いが見られます。
一般的なお盆参りでは、香典を渡さずに手土産や供物だけを持参するケースもありますが、初盆(新盆)では「香典を持参すること」が通例です。
初盆(新盆)では初めての法要となるため、下記のような違いが生まれます:
● 通常のお盆:親しい間柄では手ぶらもありうる
● 初盆(新盆):香典を包むのが基本。金額もやや高めになる傾向
● 新盆返し(初盆返し)をあらかじめ用意しておくのがマナー
また、香典袋の書き方や包む金額についても、初盆(新盆)ではより丁寧な対応を心がけることが大切です。
香典に不安がある場合は、地域の慣習や菩提寺に確認しておくと間違いがありません。
[初盆法要の進め方]
お返し・香典返しはいつ?

初盆(新盆)では、法要をする当日に香典やお供えをいただくことが多くあります。
その感謝の気持ちを形にする方法として、「初盆返し」や「香典返し」と呼ばれる贈り物を用意するのが一般的です。
お返しのマナーは、宗派や地域によって多少異なりますが、最も大切なのは感謝の心を丁寧に伝えるようにすることです。
ここでは、「いつ返すのか」「何を贈るのか」「宗派によってどう違うのか」など、よくある疑問にお答えしながら、返礼のポイントを整理していきます。
相場・時期・品物の選び方
初盆(新盆)のお返しをする際、よく悩まれるのが「いくらぐらいの品を、いつまでに、何を選べばよいのか」という点です。
基本的な相場は、いただいた香典の3分の1〜半額程度を目安にするとよいでしょう。
【例】
● 5,000円の香典 → 1,500〜2,500円程度の返礼品を用意する
● 10,000円の香典 → 3,000〜5,000円程度の品を選ぶようにする
お返しの時期は、法要当日にお渡しするか、1〜2週間以内に郵送するのが一般的です。
当日に直接お渡しする場合は、受付近くに「のし紙付きの袋や箱」をあらかじめ準備するとスムーズです。
よく選ばれる返礼品の例:
● 洗剤・タオルセット・調味料など、実用性のある消耗品
● お茶・お菓子・海苔など、日持ちのする食品
● 地元の特産品や「消えもの」(使ってなくなるもの)を選ぶことが多い
のし紙には「志」「初盆志」などと書き、水引は黒白または双銀の結び切りを用いるようにするのが基本です。
※地域によっては「粗供養」と記すケースもあり、事前に確認するのがおすすめです。
[香典返しのマナー]
宗派別(真言宗・浄土宗など)の注意点
初盆(新盆)の返礼や法要の仕方は、宗派によっても細かな違いがあります。
ただし、贈る品物に関しては、宗派よりも地域の慣習が大きく影響することが多いのが現実です。
とはいえ、法要の内容や供養の進め方には宗派ごとの作法があります。以下を参考に、それぞれに合った形式を整えるようにすると安心です。
● 浄土宗・浄土真宗: 成仏と極楽往生を願う供養。読経を中心に法要をするため、返礼も丁寧に準備するのが通例。
● 真言宗: 密教系の作法が多く、供花や供物の配置・飾り方などに一定のルールがあるため、地元の風習に従うようにすると無難。
● 曹洞宗・臨済宗: 簡素な供養を好む傾向があり、返礼も控えめなものにすることが多い。
いずれの場合も、迷ったときは菩提寺や地域の年長者に相談することで、方向性が明確になりやすくなります。
また、「宗派だからこうしなければならない」と堅く考えるより、感謝の心をどう伝えるかに重きを置くようにするのが現代の主流です。
[永代供養は浄土真宗だとどうなる?]
まとめ|初盆は心を込めて供養する大切な時間

初盆(新盆)は、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆であり、家族にとっても大きな節目となる法要です。
読経や飾り、返礼品など、普段あまり経験しないことをするため、戸惑いや不安を感じる方も多いでしょう。
しかし、最も大切なのは「心を込めて迎え入れ、丁寧に送り出す」ことを忘れずにすることです。
地域の風習や宗派の違いがあっても、供養に込めた思いはきっと伝わります。
形式にとらわれすぎず、無理のない範囲で誠実に向き合うようにすることが、心のこもった供養につながります。
この記事が、初盆(新盆)に向けた準備を進めるうえで、少しでもお役に立てば幸いです。
[お盆に供える花]
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