
【納骨堂まとめ】納得できる納骨堂を選ぶ基礎知識。種類の違いや費用相場5つのポイント

近年では継承者の必要がない納骨堂に、家族の遺骨を納骨する人が増えました。
ひと昔前まで納骨堂のイメージは、お墓が建つまでの一時期的な遺骨の安置場所でしたが、今では納骨堂とひと口に言っても、お墓型納骨堂(堂内墓所)や仏壇型納骨堂、機械で遺骨が繰り出される可動型納骨堂まで現れ、葬送のひとつの形式になっています。
特に都心部に建つ納骨堂は、今の若い世代が忙しい暮らしのなかでも管理や供養ができるとして、注目されるようになりました。
ただ種類が増えた昨今の納骨堂は、後々納得できるよう、基本的な知識を持って選んだ方が良いでしょう。
【納骨堂まとめ】納得できる納骨堂を選ぶ基礎知識。種類の違いや費用相場5つのポイント

納骨堂とは

「納骨堂=永代供養」とイメージする人もいますが、納骨堂は永代供養のひとつの形です。
「永代供養」とは、墓地や納骨堂などの施設管理者が、家族に代わって永代に渡り、遺骨の管理や供養を行ってくれることを差し、納骨堂の他にもお墓などにも付加できます。
ちなみにお墓を建てる時に区画契約で出てくる「永代使用」は、永代供養とは違い、「永代に渡り使用する権利」なので注意をしてください。
●納骨堂とは、遺骨を収蔵する屋内施設です。現代ではほとんどの納骨堂で永代供養が付いています。
納骨堂の大きなメリットは、個別に遺骨を収蔵する点でしょう。
同じ永代供養の方法でも、合葬墓やシンボルツリー型樹木葬などになると、他の遺骨とともに埋葬される仕組みです。
そうなると後々個別に遺骨を取り出したくてもできません。
一方、納骨堂は個別スペースで遺骨が安置されているので、従来の目的通り、後々お墓を建てて埋葬することもできますし、個別に法要や供養ができます。
納骨堂のメリット・デメリット

個別スペースに埋葬(納骨)される永代供養は、納骨堂の他にもいくつかあります。
例えば、個別の区画に埋葬されるガーデニング型樹木葬や、屋外の集合墓などを提供する霊園もあるでしょう。
前述したように、個別のお墓に永代供養を付けることも可能です。
そのなかでより納得できる納骨堂を選ぶなら、メリットとデメリットは理解してから決めた方が安心でしょう。
納骨堂のメリット
納骨堂のメリットは、お墓と同じように骨壺のまま個別に安置できる点が大きいですが、それだけではなく、現代の若い世代のお墓を巡る事情にピッタリのメリットがあります。
・遺骨を個別に安置できる
・お墓掃除の手間暇が掛からない
・天候を気にせずお参りができる
・都心部に多く、アクセスがしやすい
・改葬(※)ができる
・改葬時にも遺骨の手入れが必要ない
・お墓と比べて割安で契約できる
…などなどです。
(※)改葬とは遺骨やお墓を引っ越すことを差しますが、お墓に埋葬されていた遺骨は地中の湿気などでカビが繁殖しやすく、改葬の際には遺骨の手入れを業者に依頼する人が多いです。
一方、納骨堂は空調の整った施設内で保管されているので、お墓に埋葬されていた遺骨のように、取り出した時に手入れの必要はほぼありません。
納骨堂のデメリット
一方で納骨堂にもデメリットはあります。
やはり、昔ながらのお墓での葬送に馴染みのある高齢世代では、仏教の教えに倣い「土に埋葬される」葬送が安心する世代も多いためです。
・お墓が建った実感がない
・本来の供養ができない(お墓掃除やお線香を焚くなど)
・明確な墓標がない
・仏教の教えでは、土に埋葬されて成仏する
・納骨堂は施設なので、築年数が経った時が不安
…などなどです。
また合葬墓など、他の遺骨とともに埋葬される永代供養では、埋葬時の費用を払うのみですが、納骨堂の場合、個別に収蔵されている期間は年間管理料を支払う施設がほとんどです。
ただし終活で納骨堂を契約した場合、生前に個別に収蔵される一定年数分の年間管理料を、まとめて一括で支払う契約も多く見受けます。
納骨堂の種類

納得できる納骨堂を選ぶためには、現代さまざまに増えた納骨堂の種類を理解することは必須です。
従来の目的通り、お墓を建てるまでの一時期的な使用であれば、簡易的なロッカー型納骨堂で良いですし、「都心部のお墓」として納骨堂を求めるのであれば、お墓型納骨堂(堂内墓所)なども良いでしょう。
<納骨堂の種類と大まかな費用目安> | |
ロッカー型納骨堂 | 約20万円/1柱ほど~ |
仏壇型納骨堂 | 約30万円~100万円/1柱ほど |
可動型納骨堂 | 約50万円~100万円/1柱ほど |
墓石型(堂内墓所)納骨堂 | 約100万円/1柱ほど~ |
位牌型納骨堂 | 約10万円/1柱ほど~ |
また運営の違い(寺院施設/民間霊園/公営施設)もあるでしょう。
金額の違いは後ほどお伝えしますが、遺骨が個別スペースで安置・個別供養される期間の長さ(3年・10年など)や、施設の充実度などで変わってきます。
ロッカー型納骨堂(約20万円/1柱ほど~)
昔のイメージに最も近いロッカー型の納骨堂ですが、民間霊園などが運営する納骨堂は、施設も充実していて、個別法要も可能な施設が多いです。
公営施設では簡素なロッカー型納骨堂も多いですが、なかには葬儀や個別法要のための会場を設けている納骨堂なども見受けます。
上下に遺骨が収蔵されているので、お彼岸時期など周囲の家族に配慮が必要ですが、5つの種類のなかでも最も費用を抑えた契約ができるでしょう。
※ロッカー型納骨堂
・ロッカー式納骨堂での永代供養の特徴と価格相場|メリット・デメリットと選び方
仏壇型納骨堂(約30万円~100万円/1柱ほど)
名前の通り遺骨が仏壇に収蔵されている納骨堂です。
1区画のスペースに仏壇が配置され、位牌を中心に置いた仏壇タイプの他、遺骨を中心に置いた仏壇タイプなどがあります。
<仏壇型納骨堂のメリット>
・家族代々で使用できる施設が多い
・お供え物ができる
・位牌を置ける
仏壇型ですので遺族も供養をしている感覚が強い点が好まれる一方、自宅と納骨堂の両方に仏壇があることに違和感を感じる人も見受けます。
可動型納骨堂(約50万円~100万円/1柱ほど)
自動搬送式納骨堂、ビル型納骨堂とも言われる可動型納骨堂は、限られたスペースに機械によって遺骨が管理、収蔵されています。
家族が参拝に訪れると個別の参拝スペースへ案内され、そこに自動で遺骨が搬送される仕組みです。
そのためロッカー型納骨堂などでは「上下に参拝する人がいて混雑し、思うように参拝できない」などの声もありますが、可動型納骨堂ならプライベートスペースでゆっくりと参拝できます。
スペースを有効活用した仕組みなので、比較的都心部に多い点も魅力のひとつです。
遠方の辺境にある家墓を墓じまいし、自宅近くの可動型納骨堂へ改葬(お墓の引っ越し)する事例も増えました。
※可動型納骨堂
・ビル型の自動搬送式納骨堂を利用するメリット|永代供養についても紹介
墓石型(堂内墓所)納骨堂(約100万円/1柱ほど)
近年増えた納骨堂の形式が墓石型納骨堂です。堂内墓所・室内墓所とも言われています。
墓石型納骨堂は屋内にとてもスリムなお墓が並ぶ室内墓所もあれば、前項でお伝えした可動型納骨堂の参拝スペースでの墓標が、お墓になっているものもあるでしょう。
お墓を建てるタイプの墓石型納骨堂は、墓石を扱うためそれだけ割高です。
家族の遺骨が収蔵できる施設もあり、家族墓として機能する墓石型納骨堂も見受けます。
※墓石型納骨堂
・大阪で室内墓所(お墓型納骨堂)が注目されている3つの理由
位牌型納骨堂(約10万円/1柱ほど)
位牌型納骨堂は名前の通り、位牌を中心として祀られた個別スペースが用意された納骨堂です。
お仏壇の中心に位牌を置くタイプもあるので、この場合は仏壇型納骨堂のひとつとも言えるでしょう。
・位牌とともに遺骨も個別スペースに収蔵される
・個別スペースには位牌のみ、遺骨は別の場所で収蔵されている
自宅の仏壇も閉じた場合、位牌型納骨堂はお仏壇の役割を果たしてくれます。
遺骨と位牌をともに個別スペースに祀る位牌型納骨堂であれば、お仏壇とお墓両方の役割を果たすでしょう。
個別スペースが小さい位牌型納骨堂も多く、他の納骨堂の種類と比べて比較的安価な点が特徴的です。
まとめ
納骨堂全てに言えるメリットは、一定期間は個別スペースで遺骨を安置しながら、永代供養ができる点ではないでしょうか。
墓じまいをした場合、遠いご先祖様は合祀墓に他の遺骨とともに合祀埋葬しても、両親や配偶者など、近しい家族の遺骨だけは納骨堂に収蔵する選択は多いです。
家族単位での契約もできるため、今ではお墓と同じように、代々の供養場所として納骨堂を選ぶ家族も見受けます。
納骨堂の費用と仕組みの比較ポイントは「個別スペースで安置する期間」です。
安い料金形態の納骨堂は、この期間が短い仕組みが多いでしょう。
契約更新をすることで、さらに個別スペースでの安置期間は延長されますが、最初に金額と併せて期間まで鑑みると、比較検討がしやすいです。
※納骨堂の費用と契約期間
・納骨堂で後悔しない5つのチェックポイント|個別法要はできる?確認したい「数字」とは
まとめ
納骨堂5つの基礎知識
(1)納骨堂は屋内の遺骨収蔵施設
(2)納骨堂の多くは永代供養が付いている
(3)納骨堂には5つの種類がある
・ロッカー型納骨堂
・仏壇型納骨堂
・可動型納骨堂
・墓石型(堂内墓所)納骨堂
・位牌型納骨堂
(4)種類によって約10万円~100万円と費用幅が広い
(5)個別安置期間で費用も変わる
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