
おひとりさま終活でお墓はどうする?独り身でも安心、お墓がいらない「永代供養」とは?

・おひとりさま終活でお墓をどうする?
・お墓がいらない「永代供養」とは?
・お墓をどうするか迷ったら?
おひとりさま終活では「お墓をどうするか?」、親戚に迷惑を掛けたくないし、生前に完結する遺骨の供養方法に迷う人が多いですよね。
本記事を読むことで、お墓をどうするか迷った時に役立つ「永代供養」とは?
それぞれの状況に合わせた選び方や、生前契約前の注意点が分かります。

お墓をどうする?永代供養とは

◇「永代供養」とは、管理者が身内に代わり永代に渡り遺骨を供養管理することです
「永代供養」とは、墓地や施設管理者が身内に代わって永代に渡り、遺骨の供養や管理を行ってくれる形のないサービスで、合祀墓や納骨堂にも付いています。
身寄りがいないおひとりさま終活の場合、建てても継承者がいないお墓をどうするかが、大きな課題です。
そのため「お墓をどうするか?」迷う人が多いのですが、永代供養を付けることで、身内に迷惑をかけることなく、納骨堂や集合墓の他、一般墓まで、あらゆる供養方法を選ぶことができます。
お墓をどうする?永代供養の生前契約

◇永代供養の生前契約により、遺骨を託すことができます
「永代供養の生前契約」とは、生前に本人が永代供養の形を決めて、霊園や施設管理者へ死後の永代供養を託す契約です。
永代供養の生前契約を行うことで、亡くなると契約した霊園(施設)へ埋葬(収蔵)され、永代に渡り管理・供養されるでしょう。
(1)永代供養の資料請求
(2)霊園(施設)見学
(3)永代供養の生前契約
ただし身寄りがいないおひとりさま終活で、お墓をどうするか決める時には、死亡届や相続など、死後事務を一任できる「死後事務委任契約」も併せて生前契約をしておくと、より安心です。
・【大阪おひとりさま終活】死後を託す人がいない場合の納骨方法
お墓をどうする?永代供養の注意点

◇永代供養を約束するのは「供養」です
永代供養は永代に渡って遺骨を管理・供養しますが、永遠に個別で管理・供養される訳ではありません。
永代供養は、あくまでも遺骨を管理・供養するサービスです。
そのため必ずしも「個別で」永遠に管理・供養される訳ではないので、この点は注意をしてください。
<永代供養の仕組み> ●納骨堂を契約した場合 |
|
①契約 | ・個別契約期間を確認 (5年、7年、25年など) |
②契約期間の終了 | |
[選択1]契約更新をする | ・契約更新 ・個別契約期間の延長 ・個別に遺骨が管理供養される |
[選択2]契約更新をしない | ・遺骨は合祀墓に合祀 ・合祀後、定期的な合同供養 (他の遺骨と一緒に供養) |
また納骨堂など、個別に遺骨が残る永代供養では、多くが個別契約期間は年間管理料を施設に支払います。
年間管理料の費用目安は一般的に約5千円~3万円ほど、平均的に約1万5千円ほどが目安で、公営墓地の納骨堂などでは約3千円ほどに収まります。
お墓をどうする?合祀

◇合祀の永代供養は、最初から他の遺骨とともに埋葬されます
公営墓地などにもあるタイプで、最初から他の人々の遺骨とともに合葬墓(合祀墓・供養塔など)に合祀埋葬されます。
そのため一度埋葬されると後々個別に取り出すことはできません。
・支払いが契約時のみ
・約10万円以上と割安傾向
・公営墓地でも合葬墓がある
・納骨後のお参りや掃除の必要がない
合祀の場合、他の遺骨とともに埋葬されるため個別の墓標がない点が特徴です。
そのため家族は掃除の必要がなく、費用も安い一方で、個別の墓標に向かってのお参りはできません。
お墓をどうする?個別に納骨
◇永代供養の契約期間は、遺骨を個別に管理・供養してくれます
おひとりさま終活でお墓をどうするか?検討しているものの、嫁いだ娘などお参りする家族がいる場合、契約した一定期間は個別に納骨される永代供養があります。
・契約期間はさまざま
・年間管理料が掛かる
・家族の契約更新により延長もある
・寺院墓地や民間霊園のみ
・納骨後も簡単な掃除は必要
・形式や契約年数により割高傾向
永代供養で個別に納骨される契約期間は、施設やサービスにより幅が広いでしょう。
3年・5年ほどの契約期間もあれば、永代供養墓(お墓)では25年など四半世紀に及ぶ契約期間もあります。
また年間管理料は掛かりますが、身寄りのないおひとりさま終活では、予め契約期間の年間管理料を一括払いする人も多いです。
お墓をどうする?永代供養の選び方

◇永代供養の選び方は、残される家族の状況「3つの要素」で決めます
ひと口に「おひとりさま終活」と言っても、独身で一生を過ごし親兄弟がすでに亡くなっていたる人もいれば、子どもや孫はいるものの墓守で苦労を掛けたくない人もいるでしょう。
<お墓をどうする?永代供養の選び方> | |
[条件] | [おすすめ一例] |
①一緒に入る人がいる | ・永代供養墓・樹木葬 |
②お参りに来る人がいる | ・納骨堂・集合墓・樹木葬 |
③負担を掛けられない | ・合祀墓(合葬墓・供養塔) |
ただしおひとりさま終活では、子や孫はいても「一切の負担を掛けたくない」として、合祀墓を選ぶ人も増えました。
個別の墓標の有無や、どこまで家族に委ねるかを判断します。
お墓をどうする?永代供養墓

◇残された家族がお墓参りをしたいものの、現状では継承者がいない
お墓として形は残したいものの、今のところ継承者の目当てがない場合に選びます。
個別の永代供養墓にすることで、継承者がいないままお墓を建てても無縁仏になる心配がありません。
一方で、孫の代で継承者が現れた時にはお墓を継承することも可能です。
・入るお墓がない
・子どもや孫がいる
・子どもに負担は掛けられない
子ども達にお墓を建てる経済的負担を掛けさせないことを目的として、生前契約をして自分でお墓を建て、永代供養のサービスを付加する方法です。
相続面でもお墓は祭祀財産として相続に含まれないため、相続対策にもなります。
お墓をどうする?集合墓

◇ロッカー式の集合墓では、個別の納骨スペースがあります
納骨堂などは集合墓タイプの代表で個別スペースは小さく区切られ、ロッカーのようにひとつの場所に集合しています。
・経済的に負担を軽く契約したい
・個別の墓標にお参りしたい
・後々はお墓を建てたい
・引っ越しに合わせて移動したい
・将来は継承者がいるかもしれない
・合祀を希望したが、家族から反対があった
おひとりさま終活ではお墓をどうするか検討する際、「遺骨は海に撒きたい」など、遺骨を残さない葬送を希望する声も多くあります。
けれども残される家族から反対されたケースなど、親子で意見が分かれた時にも選ばれる傾向です。
「○○年以降には海に撒いて」など、お互いに譲歩した形ですが、家族が望めば契約更新も可能な霊園(施設)が多くあります。
お墓をどうする?合祀墓

◇供養塔など、ひとつの合祀墓(墓標)に複数の遺骨が合祀埋葬されます
合葬墓・合同墓・合祀墓・供養塔など、さまざまな呼び名がありますが、いずれも複数の遺骨が一緒に合祀埋葬、合同供養される仕組みです。
・身内がいない
・家族に一切の負担を掛けたくない
・遺骨を残したくない
・費用を安く抑えたい
・最も気楽な葬送をしたい
子どもも孫もいないため、後々のお参りを考慮しなくても良い場合、合祀墓が価格帯も安価でシステムもシンプルなため、「最も気楽」として人気があります。
お墓をどうする?家族にも相談を

おひとりさま終活では、契約者本人と家族との意見に相違があるケースも多いです
例えば、終活者本人は合祀墓で良いと考えていても、家族にとっては個別に納骨されない合祀墓を嫌がることがあります。
家族との相談をせずに永代供養の生前契約を進めた場合、下記のようなトラブルが起こり得ます。
<お墓をどうする?家族との相談> | |
①心理面 | ・喪失の哀しみが長引いてしまう ・家族が深い後悔に苛まれる |
②契約面 | ・家族が生前契約をキャンセルする ・家族が生前契約の存在を知らず、他の場所へ納骨する |
一度合祀埋葬してしまうと、いくら家族が望んでも物理的に個別に遺骨を取り出すことはできません。
家族がいるならば家族とともに霊園(施設)見学をして、契約を進めると良いでしょう。
お墓をどうする?永代供養の種類と費用目安
お墓をどうする?永代供養墓
◇永代供養が付いたお墓です
寺院墓地や民間霊園にあるお墓で、お寺や管理者が永代に渡り管理・供養をしてくれるお墓です。
<お墓をどうする?永代供養墓> | |
[費用] | 約80万円~200万円以上(高め) |
[方法] | お墓に埋葬 |
[その後] | 一定年数(25年など)埋葬後、自動的に墓じまいして合葬墓で供養 |
永代供養墓は永代供養サービスが付いたお墓なので、建墓費用が掛かり割高です。
一般墓でも永代供養を付けることができるため、血縁関係のない友人同士、同世代で永代供養墓を建てるケースもあります。
お墓をどうする?公園型樹木葬

◇霊園内に設けられた公園型樹木葬は、割安の永代供養墓です
「樹木葬」と言うと大樹の麓に遺骨を埋葬して土に還元する自然葬を連想しますが、公園型樹木葬(ガーデニング型樹木葬)は、庭園内に設けられたコンパクトなお墓に収蔵します。
<お墓をどうする?公園型樹木葬> | |
[費用] | 約25万円~100万円以上(中間) |
[方法] | コンパクトなお墓に納骨 |
[その後] | 一定年数収蔵後、自動的に墓じまいして合葬墓で供養 |
美しい草花や樹々がある環境を重視するため、お墓はワンプレート墓石が多いです。
お墓と比べると価格帯が割安で、納骨堂と同じ価格帯とも言えるでしょう。
また地下ではなく地上スペースに収蔵される仕組みのお墓が多くあります。
そのため納骨堂と同じく、キレイな状態で個別に遺骨を取り出すことも可能です。
お墓をどうする?納骨堂

◇屋内施設に遺骨が収蔵されます
納骨堂のメリットは地上の屋内施設に遺骨が収蔵されるため、将来的にお墓を建てる場合にも、最もキレイな状態で遺骨を個別に取り出すことができる点です。
<お墓をどうする?納骨堂> | |
[費用] | 約20万円~150万円以上(中間) |
[方法] | 屋内の個別スペースに収蔵 |
[その後] | 一定年数安置後、合祀供養 |
ロッカー式が有名ですが、お仏壇や自動搬送式など種類が豊富になっています。
施設内に合祀墓を設けた納骨堂も多く見受けるでしょう。
納骨堂に個別の法要スペースが設けられた施設、お墓の形をした参拝スペースが設けられた施設も増え、現代の「供養はしても継承はしない」、新しい供養のシンボルです。
お墓をどうする?自然葬

◇自然葬は遺骨を土や海など、自然に還します
自然葬もさまざまな種類が増えましたが、主には樹木葬と海洋散骨が一般的です。
樹木葬は土に還るタイプで、植樹型であれば個別スペースに埋葬できます。
樹木葬など土に埋葬する樹木葬では、草花や樹々が墓標として残ってくれるため、個別埋葬タイプを選べば、個別の墓標に手を合わせることも可能です。
一方、海洋散骨など海や山林に撒く自然葬は、遺骨が手元に残りません。
不安があるなら、分骨をして残すなどの対策も検討してみましょう。
<お墓をどうする?自然葬> ●樹木葬 |
|
①シンボルツリー型(合祀埋葬) | |
[費用] | 約20万円~150万円以上 |
[方法] | 屋内の個別スペースに収蔵 |
[その後] | 一定年数安置後、合祀供養 |
②植樹型(個別埋葬) | |
[費用] | 約25万円~80万円以上 |
[方法] | 個別のスペースに土に還る形で遺骨を埋葬 |
[その後] | 土に還る |
③散骨 | |
[費用] | 約10万円~150万円以上 |
[方法] | 遺骨を粉骨して海・山・空などに散骨 |
[その後] | 自然に撒かれ、遺骨は「ゼロ」になる |
散骨は山林や空、宇宙葬などさまざまな種類がありますが、一般的には海に遺骨を撒く海洋散骨が人気です。
散骨の場合セレモニーとしての要素があるため、遺骨を一任する散骨は安い一方、船をチャーターして家族で散骨するなど、コストが掛かる散骨もあります。
まとめ:お墓をどうするかは、身近な人にも相談します

人は亡くなると必ず火葬され遺骨になります。
身寄りがないひとり暮らしで、遺骨の引き取り手がいない場合でも、自治体が遺骨や遺品を管理することになるでしょう。
けれどもおひとりさま終活でも、子どもや孫、知人友人など、お参りをしてくれる人々がいるならば、墓標が残る樹木葬などを選ぶのも配慮です。
周囲の人々の顔を思い浮かべながら、遺骨を残す・残さない、何年残すかまで検討しましょう。
・【おひとりさま終活まとめ】誰が納骨してくれる?死後に安心できる10の手続き<その1>
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