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お墓の継承は相続放棄をしたらどうなる?永代供養・相続税の負担についても詳しく解説!

お墓の継承は相続放棄をしたらどうなる?永代供養・相続税の負担についても詳しく解説!

「お墓の継承は相続放棄をしたら拒否できる?」
「お墓を管理する負担を無くす方法は?」
「お墓には相続税・固定資産税等はかかる?」

 
親が亡くなると両親が管理してきたお墓の相続(継承)に戸惑うケースは多いです。
特に遠方に住んでいる・子ども達が全他家へ嫁いでいる等、お墓の相続(継承)に悩むことも少なくありません。

 
本記事を読むことで、お墓の相続(継承)について相続放棄をしたらどうなるか?お墓を委ねる永代供養の進め方・相続税の負担等についても詳しく解説していきます。

 

お墓の継承は相続放棄をしたらどうなる?

お墓の継承は相続放棄をしたらどうなる?

両親が亡くなると、両親が管理していたお墓が残る方が多いですよね。一般的なお墓「一般墓」には墓地・墓石・遺骨が残っています。

 
お墓は家で代々管理する風習があるので、日本では長男が代々引き継いできました。

 
けれども近年ではお墓を負担に感じる人が増えています。お墓の継承は相続放棄をしても拒否できません。これはお墓が先祖代々を祀り供養するための「祭祀財産」だからです。

 

①祭祀財産とは

「祭祀財産(さいしざいさん)」とは、先祖や神様・仏様を祀るための財産です。具体的にはお墓・仏壇・位牌・仏具・家系図・墓碑・墓地等が祭祀財産にあたります。

 
祭祀財産は日本の習俗を守るために欠かせない財産として、相続財産には含まれない点が特徴です。祭祀財産を相続(継承)したからと言って、不動産や預貯金財産等の相続財産における遺産分割に影響しません。

 
また祭祀財産は分割しにくい財産なので、基本的に祭祀継承者は1人に限られます

 

②お墓に相続税・固定資産税はかかる?

祭祀財産であるお墓を相続(継承)しても相続税・固定資産税はかかりません。仏壇・位牌・仏具等の全ての祭祀財産にあてはまります。

 
ただし祭祀財産として使用実態のない純金の仏像、骨とう品として価値のある仏具等は、相続財産としてカウントされることもあるのでご確認ください。

 

③お墓の相続(継承)でかかる負担は?

祭祀継承者としてお墓を相続(継承)しても、相続税・固定資産税はかかりません。けれどもお墓の維持管理費用が発生します。

 
お墓の維持管理費用には墓地管理者に毎年支払う「年間管理料」があります。年間管理料は公共スペースの維持費にあたり、公営墓地で年間約数千円、民営墓地(民間霊園)や寺院墓地で約5千円~2万円が相場です。

 
また定期的にお墓の掃除、経年劣化等で傷んだお墓は修理修繕費用がかかります。遠方で定期的なお墓掃除ができない時には、お墓掃除代行業者へ依頼するケースもあるでしょう。

 

 

④お墓の負担を無くすには?

祭祀財産として相続財産に含まれないお墓は、相続放棄の対象外でもあります。お墓の継承は相続放棄では拒否できません。けれどもお墓を処分する権限はあるでしょう。

 
お墓の相続(継承)により生じる負担を無くす方法は、お墓を処分する「墓じまい」です。ただしお墓を相続(継承)しなければ、墓じまいの権限もありません。まずお墓の相続(継承)を行います。

 
墓じまいをせずに放置することは、様々なトラブルの原因です。無縁墓として処理されるばかりか、状況によっては放置されたまま・訴えられる可能性もあるので注意をしましょう。

 

 

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祭祀継承者は誰がなる?

祭祀継承者は誰がなる?

故人が生前に指定していた場合、指定された人が祭祀継承者になります。故人が祭祀継承者を指定していなかった場合、地域の監修・家庭裁判所で決める流れです。

 
祭祀継承者はお墓の相続(継承)も担います。お墓の他、仏壇や位牌等の仏具も祭祀継承者として引き継ぐ責任が生じるでしょう。

 

①祭祀継承者の指定は口頭でも良い?

祭祀継承やの指定は口頭でも構いません。けれども口頭による指定は証拠が残らないため、後々言った・言わないで揉めることが予想されます。

 
もしも終活でお墓の継承者を指定する場合、口頭ではトラブルの原因にもなり兼ねません。相続発生後にトラブルにならないためには、遺言書等の書面で明瞭に記載すると良いでしょう。

 

②長男以外が祭祀継承者になってもいい?

旧民法では祭祀財産を含めた家財全てを長男が引き継ぐ「家督相続」制度がありました。けれども明治31年7月16日から施行された旧民法は、戦後の昭和22年5月3日に廃止されています。

 
今では「長男が祭祀継承者でなければならない」と言う慣習を持つ地域・家も少ないでしょう。いずれにしても現代において長男以外が祭祀承継者になることは問題ありません

 

③家庭裁判所ではどのように決める?

地域の慣習や家族・親族間で決まらなければ、家庭裁判所に申し立てを行う流れです。

 
家庭裁判所では一般的に、対象となる人物がどのような生活をしてきたか、居住地とお墓との距離、故人との関係性・身分等により祭祀継承者を判断します。

 
例えば長男(第1個)・長女(第2子)がいた場合、同じような条件では祭祀承継者に長男を指定する家庭裁判所が多いかもしれません。けれども長男が海外等、お墓から遠距離に居住していたならば、長女が祭祀継承者として指定される可能性があります。

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お墓の相続(継承)の仕方

お墓の相続(継承)の仕方

お墓を引き継ぐ・墓じまいをする、いずれにしても墓主である親が亡くなったら、まずお墓の名義変更をして相続(継承)の手続きを進めなければなりません。

 
墓じまいにあたり遺骨の取り出しや墓石撤去ができる権限は、お墓の名義人である祭祀継承者しかいないためです。

 

①祭祀継承者を決める

「祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)」とは祭祀財産を継承した人物です。祭祀承継者になるとお墓の維持管理、法要の施主としてお布施を準備する等の負担が生じます。

 
相続財産は相続人全員で分割して分けますが、祭祀財産は分割することが法律上できません。そのため祭祀承継者は1人です。ただし祭祀承継者は子どもに限らず、苗字の違う人物等の誰がなっても構いません

 
祭祀継承者は墓地管理者へ維持管理費「年間管理料」を支払います。墓地の立地や種類によっても異なりますが、年間管理料の費用相場は約5千円~2万円です。

 

②墓地管理者に連絡をする

祭祀承継者になったら墓地管理者へ連絡をします。連絡先を確認して相続発生のご報告をしたら、墓地管理者に倣い手続きを進めれば良いでしょう。

 
墓地には民営墓地(民間霊園)・公営墓地(自治体運営)・寺院墓地があります。寺院墓地にお墓がある場合、寺院は菩提寺であることが多いです。代々お世話になっている菩提寺では、丁寧な態度を心がけます

 

 

③お墓の名義変更

お墓の名義変更は、お墓がある地域の市区町村役場で行います。
お墓の名義変更にはいくつかの必要書類があるので、二度手間を防ぐため事前に役場へ連絡をして必要書類を確認するとスムーズです。

 

<お墓の名義変更に必要な書類>
・墓地利用権証明書
(墓地使用許可証)
・祭祀継承者の印鑑登録証明書
・戸籍謄本
(前の祭祀継承者が亡くなったことが分かる書類)

 
自治体により必要書類は異なりますが、一般的には上記のような書類を揃えます。書類を揃えたら名義変更の申請書とともに提出しましょう。

 

[参照]
・東大阪市「墓地使用権移転許可申請」2024年2月5日更新

 

④手数料の支払い

お墓の名義変更に伴い手数料の支払いが生じます。手数料は墓地により違うので、墓地管理者に確認をしてください。

 
運営母体によって違う大まかな手数料の相場は、公営墓地で約数百円~数千円・民営墓地(民間霊園)では約1万円ほどとなります。

 
檀家制度がある寺院墓地では檀家の引継ぎ手数料の代わりに「お布施」を包むこともあるので、ご住職や親族へ確認をしてください。
現代の傾向では寺院墓地でも、民営墓地(民間霊園)と同じく約1万円が手数料の相場です。

 
またお墓を建てる際、墓地の使用権を証明する書類「永代使用許可証」を受け取りますが、お墓の相続(継承)時に紛失しているケースもあります。

 
永代使用許可証の再発行にも手数料がかかることがあるでしょう。再発行手数料の相場は、一般的に約1万円が目安です。

 

⑤名義変更を行政書士に依頼できる?

お墓の相続(継承)に伴い、名義変更を行政書士に依頼することもできます。行政書士事務所により料金は違いますが、一般的には約2万円~3万円ほどが相場です。

 
高齢者が生前に行うお墓の名義変更でも、行政書士に依頼するケースがあります。生前は墓地の譲渡になるので「墓地使用譲渡申請書」の提出手続きが必要です。

 

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お墓の相続(継承)後、墓じまいをする

お墓の相続(継承)後、墓じまいをする

代々守られてきたお墓を守ろうと相続(継承)した方もいるでしょう。けれども忙しい現代でお墓の維持管理が大きな負担になって行くことも少なくはありません。

 
毎年払う年間管理料を負担に感じるようになった、定期的なお墓参りに時間がかかる、お墓の手入れが大変で雑草を放置している、等の状態があれば墓じまいを検討することも一案です。

 

 

①「墓じまい」で遺骨はどうなる?

墓じまいでは取り出した遺骨の永代供養を行います。永代供養とは墓地管理者に遺骨の供養や管理を永代に渡って委ねることです。

 
「永代」の響きから永遠にお墓が残るイメージを持つ方もいますが、永代供養では契約した一定期間を個別に管理・供養してもらった後にお墓を撤去します。

 
現代ではお墓にもともと永代供養が付いている個人墓等がありますが、基本的には17回忌・33回忌等をきっかけにお墓は撤去され、取り出した遺骨は永代供養墓(合祀墓)に合祀されるでしょう。

 
合祀(ごうし)とは他の遺骨と同じスペースに埋葬されることを指すため、一度合祀されると再び個別に取り出すことはできません。ただし一般的には合祀後も永代供養墓(合祀墓)へ参拝できます。

 

 

②墓じまいにかかる費用は?

墓じまいにかかる費用相場は約30万円~330万円です。費用幅が広い理由は、取り出した遺骨の永代供養によるものです。

 
墓石の撤去・お墓の返還だけであれば費用相場は約20万円~40円ほどですが、お墓の撤去や遺骨の取り出しにあたり、お墓から魂を抜く儀式「閉眼供養」を行います。

 
閉眼供養は僧侶をお呼びし読経供養を行うため、僧侶へ約3万円~7万円ほどのお布施を包みましょう。お布施とともに交通費として御車代等もお渡しします。

 

 

③永代供養にかかる費用は?

「永代供養」とひと口に言っても種類はさまざまです。選ぶ永代供養の種類によって費用相場も大幅に違うため、予算から遺骨の納骨先を決めても良いでしょう。大まかに分けると下記3種類の永代供養があります。

 

<永代供養の種類>
●単独のお墓
(永代供養付き一般墓)
…約100万円~350万円
●集合墓
(納骨堂等)
…約20万円~150万円
●合祀墓
(永代供養墓)
…約3万円~30万円/1柱

 
遺骨の個別安置期間が長い、個別のスペースが大きいほど永代供養にかかる費用も高くなるでしょう。遺骨それぞれ納骨先が違う選択もあります。

 
最初から他の遺骨と一緒に合祀される合祀墓(永代供養墓)は最も安い費用相場です。ただし合祀墓(永代供養墓)は1柱ごとで計算するので、墓じまいで何柱の遺骨を供養するかまで考慮します。

 

 

④永代供養に年間管理料はかかる?

年間管理料は個別スペースの使用に付随する契約が一般的です。そのため永代供養付き一般墓・納骨堂等では、遺骨の個別安置期間に対して年間管理料がかかります。

 
けれども最初から他の遺骨と一緒に合祀される合祀墓(永代供養墓)へ永代供養した場合には、一般的に年間管理料はかかりません。

 
合祀されるまでの個別安置期間にかかる年間管理料を、最初の契約時に一括でまとめて支払うケースも多いです。例えば終活における生前契約等では、年間管理料の一括払いを利用する方が多いでしょう。

 
最初に一括で支払ってしまえば、年間管理料等の追加費用はかかりません。

 

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まとめ:お墓は相続放棄しても継承拒否ができません

まとめ:お墓は相続放棄しても継承拒否ができません

仏壇・位牌・お墓等は相続放棄と関係のない祭祀財産です。相続放棄をしてもお墓の相続(継承)はできますが、反対に言えば拒否権もありません。

 
お墓の相続(継承)ができない・負担が重いと感じた時には、まず家族・親族間で祭祀継承者を決める相談を行います。それでも祭祀継承者が決まらない時には家庭裁判所に委ねることになるでしょう。

 
そのうえで祭祀継承者になった場合は、お墓の名義変更後に墓じまいを済ませることで維持管理への負担はなくなります。墓じまいには費用がかかりますが、予算に合わせて遺骨の納骨先を決めると良いでしょう。

 
またお墓は自分だけの問題ではありません。家族・親族間で費用分担も含めて相談し、納得したうえで関係者で墓じまいを進めるとスムーズです。

 

 

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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