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永代供養ナビTOP永代供養コラム「享年」「行年」「没年」「当年」の違いは?お墓へ追加彫刻の流れ・納骨堂の対応も解説

「享年」「行年」「没年」「当年」の違いは?お墓へ追加彫刻の流れ・納骨堂の対応も解説

「享年」「行年」「没年」「当年」の違いは?お墓へ追加彫刻の流れ・納骨堂の対応も解説

「お墓の側面に彫る享年とは?」
「享年と行年のどっちを彫刻すればいい?」
「お墓に追加彫刻をする流れ・費用目安は?」

 
先祖代々墓等に遺骨を納骨する際、遺族はお墓の側面に故人の戒名・享年・没年月日・俗名等の情報を追加彫刻します。

 
後々ミスが起きれば修正がかかるため、依頼する石材業者には正確に伝えなければなりませんが、享年・行年のどっちを彫刻するのか、没年・当年とは何が違うのか、等々の疑問も出てきます。

 
本記事では石材業者に正確な追加彫刻の依頼ができるよう、享年・寿算・行年・没年・当年それぞれの違いや使い方、お墓へ追加彫刻をする流れ、納骨堂・樹木葬・海洋散骨等の新しい葬送方法での対応が分かります。

 

「享年」は数え年

「享年」は数え年

「享年(きょうねん)」とは、人が亡くなった年齢です。
享年は仏教の考え方によるもので、この世に生を受けた胎児から数えます。そのため数え年による年齢が享年です。

 
現代において一般的に使用されている年齢は「満年齢」なので、誕生日を迎えていない方は「満年齢+1歳」、誕生日を迎えた後は「満年齢+2歳」で数えます。

 
本来、享年には仏教において天からいただいた寿命を全うした年月「何年生きたか」を指すため、年齢を表す「歳(才)」は付けません。けれども現代では「享年〇〇歳(才)」と、参拝者が分かりやすいように表記する家も多いです。

 
享年は一般的な表記ですが、主に浄土宗で用いられます。真言宗・日蓮宗・浄土真宗等、他宗派のお墓でも享年を使用するお墓は多いでしょう。

 

①「行年」は満年齢

「行年(ぎょうねん)」も人が亡くなった年齢ですが、満年齢で数えます
享年がこの世の生を全うした年数であるのに対し、行年はこの世で修業を積んだ年齢を表すためです。この世「娑婆(しゃば)」で生まれ出てからの年数「何歳まで生きたか」を数えます。

 
享年・行年のどちらを使っても問題はありませんが、お墓に追加彫刻をする際はご先祖様の表記に合わせて享年・行年を選ぶのが一般的です。

 
また主に日蓮宗において行年を使用することが多いでしょう。行年を扱う場合は、一般的に数字の後に「歳(才)」を付けます

 

②「寿算」は浄土真宗

「寿算(じゅさん)」とは、故人が亡くなった年齢です。浄土真宗において扱われる表記ですが、主に高齢で亡くなった故人へ使用します。

 
享年は数え年・行年は満年齢ですが、寿算は数え年・満年齢のどちらでも構いません。故人が亡くなった年齢を指すため、「寿算〇〇歳」等のように年齢に歳(才)は付けます。

 

③「没年」は亡くなった年

「没年」は故人が亡くなった年を表します。没年では年次・年齢ともに使用する言葉で「没年〇〇歳(才)」であれば年齢です。

 
没年月日は満年齢と数え年に2年の差がある故人など、参拝者の混乱を防ぐため補足として記載されることがあります。「享年88(没年86歳)」等の表記です。

 
年次としての没年は「没年月日」を扱う時が多いでしょう。没年月日は故人が亡くなった日付、つまり命日です。「忌日(きにち)」とも言いますね。没年は「没〇〇年〇月〇日」と記載します。

 

④「当年」は幼い魂

あまり見かけない「当年」は、水子・産まれて間もなく亡くなりお正月を迎えていない幼い魂に対して用います。そのため数え年1歳・満年齢0歳で亡くなった魂です。

 
稀に遺族の希望により「行年〇ヵ月」等の記載も見受けますが、一般的には月齢ではなく「当年」「当歳」「当才」等の記載を選びます。ただし「行年〇ヵ月」と月齢を記載することはありますが、「行年0歳」とは書きません

 

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享年を追加彫刻する費用相場と流れ

享年を追加彫刻する費用相場と流れ

故人が亡くなり新しくお墓を建てる場合、建墓費用に彫刻代も含まれることでしょう。
新しくお墓を建てる期間はお墓の大きさ・デザイン・立地環境にもよりますが、施工から約2ヵ月~3ヵ月が目安です。

 
お墓を建てる霊園・墓地を決めて墓地使用権を得たら、石材業者と打ち合わせをして墓石デザイン・彫刻文字等を決めます。「〇〇家」等、棹石に彫刻する言葉も決めるでしょう。

 
お墓の完成後に新しいお墓に遺骨を納骨する際は、お墓に魂を込める「開眼供養」を執り行ってから納骨します。

 

 

 

 

①お墓へ追加彫刻の費用相場

お墓へ享年の追加彫刻を依頼する費用相場は、1人あたり約2万円~5万円です。
現代では現場施工による追加彫刻が一般的ですが、お墓や墓地の立地環境により墓石の移動が求められた場合、人件費・運送費等が加算されるので注意をしてください。

 
また墓地管理者との契約約款で追加彫刻における取り決めを確認しましょう。
石材業者が決められていたり、彫刻による粉塵を避けるため敷地内での彫刻作業を禁じる霊園・墓地もあるためです。

 

②石材業者へ依頼

現場彫刻の可否、追加彫刻の見積もりを出してもらい契約へ進みます。複数の石材業者と相見積もりを取ることで相場観が分かり、より適切な業者を選ぶこともできるでしょう。

 
石材業者に伝える内容は故人の戒名(法名)・俗名・享年(行年)・没年月日等、位牌に記載する情報と同じです。

 

③追加彫刻の期間

先祖代々墓等、既にあるお墓へ新しく追加彫刻する施行期間は1日~数週間が目安ですので、四十九日法要の後の納骨も間に合います。

 
現地彫刻ができるお墓は1日で作業が終わることもありますが、お墓の立地環境により墓石を移動しなければならない場合、数週間かかることもあるでしょう。

 
四十九日法要を納骨の目安にする場合、葬儀後すぐに準備を進めると安心です。四十九日法要に準備が間に合わない場合、百箇日・一周忌等の法要に合わせて行うと良いでしょう。

 

④納骨式

一般的に仏教に倣い、納骨式では僧侶をお呼びして読経供養を行います。納骨式と納骨は同日に行う流れが一般的ですので、石材業者・僧侶の手配をしましょう。

 
遺骨は地中の「カロート」に納骨されているため、石材業者へ依頼して墓石を移動しなければなりません。石材業者により異なりますが費用目安は約2万円~3万円です。

 
追加彫刻・建墓後に納骨し費用が請求されない場合でも、石材業者のスタッフに寸志として約3千円~5千円を包むこともあります。

 
また僧侶にも読経供養のお礼としてお布施を包みましょう。包む金額は決められていませんが、一般的には1回の読経供養につき約3万円~5万円です。新しいお墓で開眼供養が伴う場合、2回分の読経供養となるため約5万円~10万円となります。

 
僧侶へお渡しするお布施は白い封筒、表書きは黒墨で「お布施」です。お布施の包み方・渡し方のマナーについて、詳しくは下記コラムをご参照ください。

 

 
樹木葬と納骨堂どっち?
 

納骨堂や自然葬で享年は彫る?

納骨堂や自然葬で享年は彫る?

お墓に遺骨を納骨する時には棹石の側面に享年・没年月日等を彫刻しますが、近年ではお墓をもたない遺骨の葬送方法が増えました。

 
なかでも遺骨を屋内で安置する施設「納骨堂」・イングリッシュガーデンのように整備された美しい草花に囲まれて眠る「庭園型樹木葬」が人気です。

 
この他、遺骨をパウダー状に粉骨して山林・海・空等へ撒いて自然へ還す「自然葬」は、自分亡き後に遺された遺族が最も負担にならない葬送として終活の現場で選ばれています。

 

 

①納骨堂

運営母体が主に寺院・民営・公営の3通りがあるため、業者(施設)によりシステム・考え方が異なります。確かに寺院では宗派の教えに倣い戒名・享年等を大切に扱いますが、目安として納骨堂では必ずしも享年を記載する訳ではありません。

 
納骨堂では位牌堂・仏壇式納骨堂等で、位牌を祀るにあたり戒名・享年等を記載することもあるでしょう。遺族が希望すれば、戒名・享年を記載したメモリアルプレート等を保管できる納骨堂もあります。

 
一方、民営・公営の納骨堂では無宗教の方も多いです。
そのためメモリアルプレートを遺骨と共に保管したとしても、戒名・享年等の情報は記載せずに、俗名のみで故人を供養する方も数多くいます。

 

 

②樹木葬

本来の樹木葬は大きなシンボルツリーのふもとに、骨壺や骨袋から取り出した遺骨を埋葬し、ゆっくりと時間を掛けて自然に還す自然葬のひとつです。

 
けれども近年では、霊園・墓地内の整備された特別区画に遺骨を埋葬するスタイルが注目されています。このような樹木葬を「庭園型樹木葬」「永代供養型樹木葬」等と言います。

 
庭園型樹木葬では納骨スペースの上に墓碑を設けるプランが多いです。一般的に墓碑には遺族が希望する言葉・イラスト等を彫刻します。

 
ただ「安らかに」「絆」などの抽象的な言葉、草花のイラスト等を彫刻する遺族が多いです。けれども遺族が望めば、故人の享年等も記載できるでしょう。

 

 

③海洋散骨

海洋散骨は自然葬のひとつです。
粉骨した遺骨を海に撒いて自然に還すため、基本的には享年を記載する必要はありません。

 
けれども海洋散骨セレモニーの後に、享年・没年月日等を記載したメモリアルプレートを提供する業者等もあるでしょう。依頼する海洋散骨業者により対応は異なります。

 
お墓がない海洋散骨では位牌を仕立てる方もいますので、位牌に戒名・享年・没年月日を記載することもできるでしょう。

 
この他、霊園内の墓碑に海洋散骨者の俗名を記載するメモリアルサービスも見受けますが、一般的に記載する内容は俗名のみが多いです。

 

 

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享年の追加彫刻に多い相談

享年の追加彫刻に多い相談

お墓に享年の追加彫刻を依頼する際、戒名・享年・俗名・没年月日等の情報は正確に伝えましょう。

 
お墓への彫刻後、石材業者のミスにより修正が発生した時は費用も業者負担になりますが、情報の伝え間違えによる修正は、遺族側に費用負担が生じます。

 
修正にあたり日数もかかるため、特に漢字・享年の数え間違え等のないよう確認し、口頭ではなく書面で分かるように伝えましょう。

 

①お墓にスペースがない

お墓に充分なスペースがなく追加彫刻できない時は、「墓誌(ぼし)」を建てます。墓誌は墓地区画内に建てられた石碑です。

 
一般的な墓誌は約20名ほどの人数が彫刻できます。墓碑は埋葬されている遺骨の記録ですので開眼供養・閉眼供養を執り行う必要はありません。

 
墓石のグレード・墓誌の大きさ等により異なりますが、墓誌を建てる費用目安は約10万円~20万円ほどからとなるでしょう。

 

②お墓から名前を消したい

先祖代々墓から独立する等、一度彫刻した故人の名前・享年等を消したい方もいますよね。一度彫刻した文字を消す方法は、大まかに3通りあります。

 

墓石交換…約50万円~100万円
削り直し…約10万円~50万円
パテ埋め…1文字約1万円~3万円ほど

 
彫刻した文字をパテで埋める「パテ埋め」が最も安い修正方法ですが、文字単位での請求が多く文字数により数十万円になるケースもあるので注意が必要です。

 
削り直しは墓石の彫刻部分を削る方法、墓石交換は棹石ごと交換する修正方法となり、墓石交換が最も費用が高くなります。

 

③新規のお墓でも追加彫刻代がかかる?

新しくお墓を建てる際、棹石の表に「〇〇家」等・裏面にお墓を建てた建墓者の氏名・建墓年月日を彫刻します。側面には納骨する故人の戒名・没年月日・俗名・享年です。

 
一般的には棹石の表面・裏面の彫刻の他、故人1名までの彫刻が建墓費用に含まれます。その後、2名からは追加料金がかかる石材業者が一般的です。

 
2名からの追加料金は約2万円~5万円が費用目安にはなりますが、1名追加につき10万円を請求するケースもあるので、追加料金の有無・見積もりを出してもらいましょう。

 
樹木葬と納骨堂どっち?
 

まとめ:お墓に彫る年齢は「享年」が一般的です

まとめ:お墓に彫る年齢は「享年」が一般的です

お墓に遺骨を納骨する際は、納骨式までにお墓の側面に故人の追加彫刻を行います。一般的に数え年で数える享年を記載しますが、行年でも問題はありません。

 
近年では生前にお墓を建てる「生前墓(寿陵墓)」も増えましたよね。生前墓に故人の遺骨を納骨する場合には「朱文字」の朱色を消さなくてはなりません。朱文字はお墓の主がまだ生きていることを指すためです。

 
朱文字は剥離剤等を使用すれば自分達で消すこともできますが、一般的には石材業者へ塗り直しを依頼します。石材業者へ塗り直しを依頼した時の費用目安は約1万円~3万円、白文字に塗りなおします。

 
朱文字の扱いや塗り直し等について、詳しくは下記コラムもご参照ください。

 

 

永代供養ナビ編集長
株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】 1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

永代供養ナビ編集長
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【経歴・プロフィール】 1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
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