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雨の日のお墓参りがタブーと言われるのはなぜ?雨の日に行くマナーや持ち物、注意点は?

雨の日のお墓参りがタブーと言われるのはなぜ?雨の日に行くマナーや持ち物、注意点は?

・雨の日のお墓参りはタブーなの?
・雨の日にお墓参りに行くマナーは?
・雨の日のお墓参りでの持ち物・注意点は?

 
高齢の親族から「雨の日はお墓参りに行っちゃダメ!」と言われた経験のある人も多いですよね。けれども忙しい現代では、雨だからと言ってお墓参りの日程をずらすことが難しい方もいるでしょう。

 
本記事を読むことで、なぜ雨の日のお墓参りがタブーとされるのか?現代ではどうなのか?雨の日にお墓参りに行く時の注意点やマナー、快適に進めるためのポイント・持ち物が分かります。

 

雨の日のお墓参りはタブー?

雨の日のお墓参りはタブー?

かつて雨の日のお墓参りはタブーとされましたが、かつて日本の葬送文化が背景にあります。
昔の日本では土葬が行われてきたため、人々の住む場所とは離れた辺境地に墓地を設けた地域も数多くありました。

 
また墓地の規定がなかった時代には、家の裏山にお墓を建てることも多く、足元の悪い雨の日にひとりでお墓参りに行くのは危険が伴うケースも少なくありません。

 
けれども現代は環境が整備された霊園や墓地にお墓が建ちます。また納骨堂など、都心部に近い立地で天候を気にせずお墓参りができる施設も増えました。

 

①土葬の名残り

前述したようにかつての日本では土葬による葬送文化がありました。火葬をしないため雨風などの影響により地盤は緩み、地中から細菌などが染み出てくるリスクがあります。

 
かつては雨のなかお墓参りに行くことで伝染病にかかり、集落に蔓延する事態を懸念する声もあったでしょう。

 
人々が暮らす地域を「この世」とし墓地を「あの世」として、雨の日や夜間のお墓参りを禁忌とした地域もありました。周囲に毒のある彼岸花を植え、野生動物がご遺体を荒らさぬよう囲った墓地もあったのです。

 

②ケガのリスク

またかつてのお墓は墓地とは限らず、裏山などの山中に建てられたお墓も数多くありました。地盤が緩んだ整地されていない山を、雨風のなかお墓参りに行くことは危険です。

 
また雨の日は天候により夜のように暗くなることもありますよね。足元が見えずぬかるんだ地面を山登りすると考えると、雨の日はお墓参りに行かないとされたのも頷けます。

 

③陰陽思想の影響

昔の日本は古代中国の影響を多く受けてきました。古代中国には縁起の良い「陽」の要素と、縁起が悪く不吉な「陰」の要素に物事が分かれる「陰陽思想」があります。

 
太陽が昇り晴れた日は「陽」対して雨の日を「陰」とし、「雨の日のお墓参りは縁起が悪い」と考えたのでしょう。

 
陰陽思想はこの他にも奇数を「陽」・偶数を「陰」とする考え方があります。香典や祝儀において割り切れる偶数となる2万円などを避け、奇数の3万円を包む風習も陰陽思想からです。

 

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雨の日はお墓参りに絶好の日!

雨の日はお墓参りに絶好の日!

けれども現代の霊園は整備が行き届いています。足場も整い休憩所や受付が整えられた霊園が全国各地に広がっていますよね。そのため「雨の日こそお墓参りの好日だ!」と考える人々が増えました。

 
納骨堂や室内墓所にもなると駅近の施設も登場し、雨天でも駅から濡れずにアクセスできる、快適で安全なお墓参りが可能になっています。

 

①お墓掃除がしやすい

雨の日にお墓参りをするメリットはお墓掃除がしやすいことです。お墓は洗剤などを使用せず、水・もしくはぬるま湯をお墓に掛けて掃除します。

 
霊園に建つ屋外のお墓では、より水が少なくお墓掃除ができるでしょう。墓地区画の立地によっては水場まで遠く「水を汲むことが大変!」との声もありますが、雨の日はこの問題も解消します。

 

②ご先祖様が喜んでいる

お墓参りに来ていて雨が降ったら「ご先祖様が喜んでいる」との考え方もあります。

 
故人は言葉を話すことができないので、何らかのサインを送るしかありません。そこで故人がお墓参りに来た家族を歓迎している気持ちを雨で表す、との考え方です。特に温かく優しい小雨は、故人の気持ちを表すと言われます。

 

③浄化の雨

雨はお墓参りに来た人々の、悪運や不安を洗い流し払拭するとも言われます。少し強い雨の日は、故人やご先祖様が、お墓参りに来た家族や子孫の心の淀みを洗い流そうとしている、との考え方です。

 
お墓参りの途中で激しい通り雨・豪雨に見舞われた時には、ご先祖様や家を守護する神様仏様、龍神様などが歓迎していると考える人もいます。

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④雨の日に納骨式はできる?

納骨式はスケジュール調整を行い、喪主・施主は一か月前から準備を進めて参列者へご案内を掛ける流れが多いです。四十九日に納骨式を執り行うのであれば、さらに労力が掛かるでしょう。

 
そのため納骨式当日に雨が降った場合にも、よほどの豪雨でなければ決行するケースがほとんどです。雨の強さに不安があれば、依頼した僧侶や高齢の参列者へご相談しても良いです。

 
雨の日に墓前で納骨式を執り行う場合には、服装マナーよりも動きやすさを優先します。足元は動きやすい靴・平服をドレスコードとすると参列者にも丁寧です。
また高齢の参列者がいらっしゃる場合には寄り添う担当を決めるなど、充分に配慮しましょう。

 

 

雨の日に快適なお墓参りをしよう!

雨の日に快適なお墓参りをしよう!

このように雨の日は絶好のお墓参り日和とも言われますが、屋外ならば快適なお墓参りになるよう持ち物の工夫は不可欠です。

 
お供え物は食べ物が多いですが雨の日は濡れて崩れがちなので、ロウで作られたお供え物を供えても良いでしょう。現代ではおはぎや果物などのお供え物を模したロウソクなども、多く販売しています。

 
食べ物を供えるのであればパックや袋に入っているものを選ぶなどの配慮が必要です。
そして雨の日のお墓参りに限ったものではありませんが、お墓参りを済ませたら持ち帰ります。持ち帰ったお供え物は仏壇に供えたり、ご家族で有難くいただきましょう。

 

①レインコートでお墓参り

雨の日のお墓参りは、傘だけではなくレインコートを着ます。レインコートの上から傘を差しても良いですが、お墓掃除や足場の悪い場所では両手が使えるいで立ちが安心です。

 
レイン用パンツと長袖でカジュアルになっても問題はありません。気になるならばお墓参りの際に、故人やご先祖様に事情とお断りのひと言を伝えると良いでしょう。

 

②滑らない靴選び

現代の霊園や墓地は整備された環境が一般的ですが、お墓掃除にあたり滑りやすく転ぶかもしれません。霊園や墓地の立地によっては、トレッキングシューズなどの滑りにくい靴を着用しても問題はないでしょう。

 
納骨式などで参列者にご案内を掛けている場合、天気予報で雨天が予想されるのであれば、ご案内にてドレスコードに「運動靴着用」と添えると安心です。
カジュアルなお墓参りでの服装などについては、下記コラムでもご紹介しています。

 

 

③少人数で行く

少人数で行くことで雨の日のお墓参りでも、事故や怪我のリスクを把握しやすくなります。曇りなどで視界が悪くても、少なければ常時人数を把握しやすいでしょう。

 
また雨の日のお墓参りで傘は思いの他かさばりやすいです。霊園や墓地はそれほど広くない道が多く、傘がぶつかり合ってしまいます。そのため少人数で丁寧なお墓参りがベストです。

 

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④墓花を選ぶ

スイートピーなど水に弱い花もあるので、雨の日のお墓参りでは雨に強い墓花を選びます。梅雨の時期など、雨が多い季節に咲いている花々も風情があって良いでしょう。
例えば、アガパンサス・カーネーション・菖蒲・アジサイなどです。

 
また雨で朽ちないよう、アーティフィシャルフラワーなどの造花でも失礼にはあたりません。墓花用の造花のなかにはサビに強いものもあります。
特殊な水溶液とともに瓶に花を保存する「ハーバリウム」を持参して供える人も増えました。

 
一般的な墓花の選び方やタブーについては、下記コラムに詳しいです。

 

 

⑤持ち物を工夫する

雨の日のお墓参りは濡れやすいので通常よりも多めのタオルを持参するなど持ち物に工夫をすると、より快適でスムーズなお墓参りができます。

 
お線香をあげるのに火を使いますが、濡れているのでマッチよりも電子ライターやチャッカマンなど、より確実に火が付きやすいものを準備すると良いでしょう。

 

・レインコート、長靴
・チャッカマンなど
・雨に強い墓花
・お供え物(雨対策)
・多めのタオル
・濡れたタオルを入れる袋
・お線香

 
さらにお墓掃除用のスポンジ・雑巾・草取りの道具・ゴミ袋なども持参します。小雨程度であれば通常のお墓参りと同じように、お墓掃除の仕上げはタオルで拭いてあげましょう。
お墓掃除のやり方・注意点・ポイントについては、下記コラムをご参照ください。

 

 

⑥お線香のあげ方

お線香をあげても雨で濡れてしまいますが、少しの間でもお線香を焚いてあげるとご先祖様は喜ぶとされます。またお墓には屋根付きの香炉(お線香立て)を備えたデザインも多いです。
どうしても気になる場合には、火を灯さずにお線香をあげても良いでしょう。

 
また「お線香の火が消えやすいから、束のままあげたいけど、ご先祖様に失礼では?」と心配する声もありますが、束のままお線香をあげても失礼にはあたりません
お墓参りを済ませて帰る時には、お線香の火を完全に消してから持ち帰りましょう。

 

 

雨の日のお墓参りタブーとは?

雨の日のお墓参りタブーとは?

雨の日にお墓参りに行くこと自体に問題はありませんが晴れた日よりも足場が悪いため、特に高齢の家族と一緒にお墓参りに行くならば、充分な配慮が必要です。

 
屋外の霊園や墓地はどこも広く、ケガをしても霊園・墓地スタッフがすぐに対応できないケースもあるでしょう。そのため一人でのお墓参りは危険が伴います

 
参拝者がいることを霊園・墓地スタッフに知らせるため、墓地に付いたら受付やご住職へご挨拶することも良い方法です。

 

①夕方以降を避ける

雨の日に限ったことではありませんが、夕方以降のお墓参りは避けましょう。できれば清浄な気が流れる午前中にお墓参りを済ませてしまうと安心です。
地域によっては暗くなってから墓地にいると、無縁仏などの霊が憑いてくると忌まれます。

 
特に雨の日は太陽が遮られて日中も暗くなりがちですよね。夕方16時以降になると一気に暗くなることも多いので、早めにお墓参りを済ませてしまいましょう。

 

②近隣のお墓に配慮する

雨の日は傘やレインコートなど、持ち物も多くかさばりがちです。ついつい近隣のお墓の塀などに傘を立てかけてしまうこともありますよね。

 
近隣でお墓参りをする家族がいなくても、お墓はあの世の棲み処です。近隣の墓地区画までお墓参りの道具を広げぬよう配慮してください。

 
また雨の日に限ったお墓参りマナーではありませんが、自分のお墓以外はジロジロ見ないよう、生きる者が住む家と同じように扱います。しばしば気にしすぎて手を合わせる人も見かけますが、通り過ぎて問題はありません。

  樹木葬と納骨堂どっち?  

まとめ:雨の日でもお墓参りはできます

まとめ:雨の日でもお墓参りはできます

かつて日本が土葬をしていた時代には、雨の日のお墓参りは忌まれてきました。けれども火葬が義務化され霊園・墓地にお墓を建てる現代では、雨の日にお墓参りをする人は多いです。

 
墓地管理者が日頃から公共スペースを整備している現代の霊園・墓地は、雨の日でも比較的安全と言えるでしょう。駅から送迎バスが出るなどアクセス環境の良い立地も多いです。

 
けれども山林奥深くの樹木葬など、墓地までのアクセスが大変なお墓参りは危険も伴います。ケガや事故の危険性だけは充分に配慮しながら、できるだけ明るいうちにお墓参りを済ませましょう。

 

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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