
現代のお墓参りマナー|樹木葬や永代供養は?服装やお供え、タブー

・樹木葬や永代供養でのお墓参りの仕方は?
・現代、お墓参りの服装マナー、お供えは?
・樹木葬や永代供養でのお参りマナーはある?
自然環境のなかで埋葬された樹木葬や、複数の人々が墓標を共有する永代供養墓など、現代に増えたお墓におけるお墓参りマナーは、一般墓とは、服装やタイミングなど注意点が異なります。
本記事を読むことで、樹木葬にお墓参りに行く服装や適したお供え物、お参りのタイミングやマナー、注意点が分かります。

お墓参りの意味

お墓参りの意味は、故人の安らかな成仏を祈り、あの世での平穏を願う大切な時間です。手を合わせることで、故人と心を通わせ、彼らとの対話を楽しむことができます。
また、お墓参りは私たちの人生が先祖や故人のおかげで成り立っていることに感謝する意味もあります。お墓参りで家族と共に集まり、過去を偲びながら、故人に日々の出来事や家族の変化を報告し、見守ってくれていることへの感謝を伝えることも重要です。
このように、お墓参りは単なる儀式ではなく、家族の絆を深め、日常に感謝を捧げる貴重な意味があります。
[お墓参りでの、線香やお花の意味]
お墓参りにおける線香は、故人への敬意と感謝の気持ちを表し、その香りで場を清める役割があります。またお墓参りでは、煙が天へと立ち昇ることで、故人の魂への導きとなると信じられています。
一方でお墓参りにおけるお花は、故人を偲び、心を込めて供えるものです。お墓参りで供える色とりどりのお花は、故人の生前の思い出を彩り、死後の平安を祈る象徴とされています。これらのお墓参りの供え物は、お墓参りを通じて故人との繋がりを感じるための大切な手段です。
樹木葬や永代供養墓、現代のお墓参りとは

近年、伝統的なお墓参りの形が変わりつつあります。樹木葬や永代供養墓といった新しい形のお墓が注目されており、現代のお墓参りのスタイルも多様化しています。ここでは、これらの新しいお墓参りの方法について詳しく見ていきましょう。
[①樹木葬]
樹木葬とは、樹木や草花を墓標としたお墓です。お墓参りでは墓石に代わり、四季折々の自然の変化を感じながら、お墓参りをすることができるため、訪れる人々に癒しを与える空間となるでしょう。
庭園型(永代供養型・ガーデニング型)樹木葬など、美しい草花と共に眠ることを目的として、庭園のなかで小さな墓石の下に納骨され、一定年数が過ぎると永代供養墓(合祀墓)へ合祀されるタイプもあります。
この他にも樹木葬は、個別に樹木を植えるタイプや、公園のように広がる土地に合同で埋葬するタイプなど、さまざまな形式があります。
[②永代供養墓]
永代供養墓は合祀墓・合同墓とも呼ばれ、他の故人と一緒に祀られるお墓です。日々のお墓参りが手軽で、遠方に住む家族や忙しい人でも訪れやすい環境が整っています。
永代供養墓は、家族や子孫に負担をかけずに、お墓参りができずとも、寺院や霊園が永続的に供養を行ってくれるのが特徴です。少子化や核家族化で墓守が減少する中、個人や家族が安心して供養を任せられるため、多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。
[③納骨堂・室内墓所]
納骨堂や室内墓所は、建物内に設けられた、個別スペースに遺骨を安置する施設です。都心部に多いのが特徴で、仕事帰りなどくらしのなかで、手軽にお墓参りができます。天候に左右されずにお墓参りの訪問ができるでしょう。
ロッカー型や、個別の参拝ブースを伴う自動搬送型(ビル型)など、さまざまな種類があり、納骨堂の種類によって、お墓参りの方法も異なります。お墓参とともに法要室が利用できる施設もあり、便利です。
最近では家族単位で入る納骨堂「室内墓所」などの他、デジタル技術を活用し、お墓参りの際に故人を偲ぶ、故人の映像や写真を表示できる機能を備えた納骨堂も登場しています。
お墓参りの基本的な手順と作法

現代では、東京や大阪を中心にして、樹木葬・永代供養墓・納骨堂などの、新しい形のお墓が増えました。東京や大阪で広がる新しいお墓参りマナーは、よりカジュアルに気軽になっています。
けれども基本的なお墓参りに行くタイミングなどの作法は、新しい形式であっても、伝統的な一般墓であっても同じです。ここでは、新しいお墓参りマナーを踏まえながら、伝統的な作法を解説します。
①お彼岸とお盆のお墓参りはいつ?
お墓参りは故人を偲ぶ気持ちがあればいつでも良いとされていますが、一般的には、春と秋のお彼岸(3月と9月)、お盆(8月)が伝統的なお墓参りの時期です。ただ、納骨堂や永代供養墓など、屋内や共有の墓標を持つお墓では、混雑を避けるため、敢えてずらしたお墓参りがふえました。
お墓参りが多いお彼岸の時期は春分の日・秋分の日を中心とした前後3日間を含む、合計7日間となり、この時期にお墓参りをすることで、あの世(彼岸)とこの世(此岸)が最も近くなる時期とされます。
一方、お盆は家に故人をお迎えする仏前行事が一般的です。けれども、お盆に向けてお墓参りを行い、ご先祖様をお迎えする風習があります。お盆初日に提灯を提げて、お墓参りをする家族もいるでしょう。
②持ち物
現代のお墓の形式である樹木葬や永代供養墓、納骨堂などは、そもそもお墓参りの際に掃除をする必要がありません。そのため、基本的にはお墓掃除の用具は不要です。
また、樹木葬や永代供養墓のお墓参りは、参拝場所を共有する施設も少なくありません。このような場合は、線香や供え花、お供え物を供えないなど、お墓参りにおける独自の規定を持つ施設もあるでしょう。
カテゴリー | アイテム |
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お墓参り |
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お墓掃除 |
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霊園に常設の可能性 |
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上記は伝統的な、一般墓におけるお墓参りの持ち物です。これらの持ち物は、お墓参りでの故人に対する敬意と感謝を伝える手段であり、心を込めて準備します。バケツや柄杓は霊園で常設していることが多いです。
一方で、樹木葬や永代供養墓、納骨堂などの場合は、お墓参りでのお墓掃除は必要ありません。そのため、手ぶらでお墓参りができる霊園や墓地も多いでしょう。
③時間帯は午前と午後のいつがいい?
お墓参りに行く時間帯として、最も良いのは午前中です。けれども納骨堂などの場合、午後でも明るい施設が多いため、午後や夜間のお墓参りも可能です。開園時間内であれば、いつでもお墓参りができるスタイルが多いでしょう。
伝統的な一般墓では、まだ、朝日が昇り清々しい時間帯にお墓参りを済ませると良い、とされてきました。午後のお墓参りも悪くはありませんが、一般的な屋外の墓地や霊園では、午後16時以降になると夜も更けて暗くなり、お墓までの道程で足元が見えにくいため、ケガのリスクが伴います。
また、夜はあの世の時間とも言われ、昔の人々は夜のお墓参りを避けてきました。
④霊園は年始はいつでも訪問できる?
年始に初詣とともにお墓参りをする家族もいます。年末・年始も開いている霊園や施設が多いです。樹木葬や永代供養、納骨堂でも年始のお墓参りは可能ですが、開園時間を確認してから行きましょう。
一般的に年末・年始のお墓参りは、師走(12月)の中旬頃~年始(1月)の中旬頃とされます。また、年始は「松の内」ともされてきました。「松の内」は元旦~1月7日までの7日間です。
お墓参りの作法として、年始のお墓参りに行く際には、最初にお墓参りをしてご挨拶を済ませるとも言われてきました。
⑤命日のお墓参り
毎月の命日「月命日」にお墓参りをする人も多いですよね。納骨後も毎月のお墓参りをして、故人へ感謝の言葉を伝えたり、手紙をしたためることで、生きる者の癒しにも役立つでしょう。また、宗派によっては命日のお墓参りを推奨しています。
ただし、月命日のお墓参りは必ず行う義務ではありません。日々のくらしのなか、故人を供養したい人は、自宅で遺骨を供養する「手元供養」や「自宅墓」の選択肢もあります。
⑥「仏滅」のお墓参り
日本では昔から、日の吉凶を占う暦注「六曜」が、慶事だけではなく法事においても重んじられてきましたよね。この際、「仏滅」は「仏をも滅する」凶日として、避けられてきました。
けれども仏滅は、結婚式などの慶事においては凶日とされるものの、葬儀や法事と言った弔事を執り行っても良い日ともされます。お墓参りもまた、弔事なので仏滅に行く家族もいるでしょう。
お墓参りにおいて凶日とされるのは「赤口」「友引」とされますが、仏滅と同じく、地域や家によっても解釈が異なることがあります。
現代のお墓参り、基本ルール

お墓参りは、先祖を偲び、故人を思う大切な時間です。しかし、現代のお墓参りでは、特に樹木葬を行う墓地においては火気の取り扱いに慎重さが求められます。
自然豊かな環境では、草花や樹々に火が燃え移る危険があるため、火気を伴うお供え物には注意が必要です。安全なお墓参りを心掛けるため、火の使用が禁止されている施設も増えてきています。
これからの時代に合った、お墓参りの新しい形を考えてみましょう。
①火の元に注意
◇基本的にロウソクやお線香の使用は控えましょう
一般墓の区画と同様に整備された樹木葬墓地では、お墓参りの際にロウソクやお線香を使用できる施設も多くあります。お墓参りをする際には、永代供養墓や納骨堂でも火の元には十分注意が必要です。これらの供養方法は、必ずしも仏教に基づいたものではありません。
そのため、お墓参りでは火事のリスクを考慮し、できる限りお線香やロウソクの使用を控えることが推奨されます。特に乾燥した季節や風の強い日には、火が思わぬ方向に飛ぶことがあるため、お墓参りの際は火の用心を優先することが重要です。
施設によっては、お墓参りで火を使わずにお参りできる電子線香やLEDキャンドルなどの代替品を提供しているところもあります。お墓参りの際は、これらの選択肢を有効に活用することで安全に供養を行うことができます。
②お供えは持ち帰る
◇現代はお墓参りが終わったら、お供え物は持ち帰ります
お供え物は故人が生前に好きだった食べ物や、花などを供えますよね。
食べ物や花は香りを放ち、動物や鳥がやってくるため、扱いには注意が必要です。
一方、霊園や寺院墓地の特別区画で提供される公園型やガーデニング型樹木葬では、お供え物マナーはほとんどが一般墓と同じ扱いとする霊園が多いでしょう。
ただしお供え物や供えた花は、樹木葬のお墓参りが終わったら自宅に持ち帰るのが基本的なマナーです。
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③花立てはないこともある
◇現代のお墓参りでは、花は置いて供えることがあります
一般墓には花立てが付いていますが、墓石を建てない樹木葬では花立てがありません。共有の献花台がある場合、供え花は献花台に横に置いて供えましょう。
一方で個別に埋葬された個別埋葬型の樹木葬では、土や石碑などの墓標の上に、花を置くだけで構いません。樹木葬区画の土が柔らかく、花を刺すことができるならば、花を刺しても良いです。
花も長く供えていると、いずれ枯れてしまうため、樹木葬のお墓参りを済ませたら自宅へ持ち帰ります。
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④現代のお墓参りでの服装
◇現在では落ち着いた色合いのカジュアルな服装も許容されています。
現代のお墓参りにおいては、服装が時代とともに柔軟になっています。以前は黒や灰色の喪服が主流でしたが、現代はよりカジュアルな服装が多いです。
基本的には黒、紺、グレーなどの地味な色が望ましく、派手な柄や露出の多い服装は避けます。靴も落ち着いた色合いのものを選びましょう。また、場所や時期に応じた服装選びも重要です。夏は通気性の良い素材、冬は防寒対策を考慮した装いが求められます。
樹木葬や永代供養墓など、現代の多様なお墓参りの形態に合わせた服装選びも必要です。宗教や地域の慣習も考慮し、事前に確認することをおすすめします。清潔感と礼儀を重視し、故人への敬意を表せる服装を心掛けましょう。
⑤利用規約を確認する
◇現代のお墓参りでは、従来の作法に加えて施設ごとの利用規約を確認することが重要です。
特に霊園や納骨堂、樹木葬などの新しい形態の墓地では、施設ごとに異なる規則が設けられていることが多く、事前に確認しておくことでトラブルを避けられます。
例えば、供花やお供え物の取り扱いが施設によって制限されている場合があります。ある施設では生花のみ許可されている一方、別の施設では人工の花が推奨されることもあります。また、線香を使用できる場所や時間帯が限られていることもあるため、訪問前に必ず確認しましょう。
さらに、特定の施設ではペットの同伴が禁止されていたり、写真撮影が制限されていたりするケースもあります。加えて、施設内での飲食が禁止されている場所も多いため、飲み物や軽食の持ち込みについても確認が必要です。
これらの規約を守ることで、他の参拝者との良好な関係を保ち、施設の運営に貢献することができます。現代のお墓参りは、個々の施設の規則に従うことで、スムーズかつ心のこもった参拝を実現できるのです。
樹木葬のお墓参りはタイプで違う

◇樹木葬のタイプによって、お墓参りマナーも違うでしょう
樹木葬のお墓参りとひと口に言っても、都市部に近い霊園や寺院墓地で提供されることの多い公園型樹木葬やガーデニング型樹木葬もあれば、郊外の自然深い山奥にある里山型樹木葬など、さまざまなタイプがあります。
①公園型樹木葬
②ガーデニング型樹木葬
③里山型樹木葬
樹木葬はお墓参りに行くにあたり、墓地の立地や環境が大きく影響するため、お墓参りに行く際には樹木葬タイプへの理解が必要です。
◇公園のような環境が整えられた一角に、樹木葬区画があります
公園型樹木葬では、広い芝生広場や周遊できるランニングコースなど、まるでキレイに整えられた公園のような環境のもと、一角に樹木葬区画が提供されたタイプです。
公園型樹木葬墓地によって規約は異なりますが、公園内の芝生広場でレジャーシートを広げ、ピクニックのようにお墓参り後の昼食を楽しむ様子も見受けます。
◇イングリッシュガーデンのような専用区画で埋葬する樹木葬です
ガーデニング型樹木葬は「庭園型樹木葬」とも言われ、専用区画はイングリッシュガーデンのような世界が広がります。
樹木葬プランにより異なりますが、例えばシンボルツリーのふもとに個々の石碑を置き、その下に遺骨を納骨して個別供養ができるプランなどがあるでしょう。四季折々の草花で彩られ、美しい草花や樹々に囲まれて眠りたい人におすすめです。
公園型樹木葬

◇公園型樹木葬では施設環境や規約を確認しましょう
公園型樹木葬のお墓参りでは、樹木葬区画もさることながら、公園のように家族で行楽を楽しむこともできる環境が少なくありません。
そのため樹木葬のお墓参りがてら、帰りに敷地内でピクニックやサイクリング、レジャーを楽しむ人もいます。
ただし公園型樹木葬のお墓参りの規約は墓地によりさまざまですので、契約時に施設使用の規約やルールを確認しましょう。
◇ピクニックで行くような軽装で良いでしょう
屋外施設ではありますがお墓参りでは、基本的には公園のように、道も整備されている墓地が多いため、どのような服装でも対応できます。
お墓参りの他に、墓前法要があれば黒や落ち着いた色合いで整えた平服を着用し、足元も黒いパンプスを履きますが、道が舗装されていないお墓参りでは、運動靴でも良いでしょう。
◇一般的にお線香の使用ができる墓地が多いです
墓地管理者によりキレイに整備された環境で埋葬される公園型樹木葬のお墓参りでは、一般墓と同じようにお線香を供えることができます。
お墓参りでお供え物や花も墓前、もしくは共通の献花台などにお供えが可能な樹木葬が多いです。ただしお供え物や花は、樹木葬へのお墓参りが済んだら引き上げ、持ち帰るようにしてください。
樹木葬墓地によってお墓参りルールが異なりますので、事前に規約を確認してから行いましょう。
[公園型樹木葬に行くタイミング]
◇開園時間であれば、いつでもお墓参りができます
公園型樹木葬のお墓参りは一般的に開園時間が設けられていますが、開園時間内であればいつでもお墓参りができます。
ただし公園型樹木葬のお墓参りは広い敷地内で足元が見えにくくなることもあるため、できるだけ午前中~午後の早い時間帯(15時頃まで)に済ませると安心です。
ガーデニング型樹木葬

◇ガーデニング型樹木葬のお墓参りは、一般墓と変わりありません
ガーデニング型樹木葬は、霊園内の特別区画で提供される樹木葬が多いです。またシンボルツリーのふもとに石碑を設け、個別の墓標を持つガーデニング型樹木葬プランも少なくありません。
そのため基本的には一般墓でのお墓参りと、マナーやルールに変わりはないでしょう。メンテナンス義務はありませんが、お墓参りの際、気になるようならば石碑を拭く柔らかな雑巾なども持参すると便利です。
◇落ち着いた色でまとめた平服が適切です
霊園内に専用区画を設けたガーデニング型樹木葬の場合、お墓参りに行くにあたり、道路の舗装に不安があったり、区画までの道程が複雑ではないため、基本的には平服が良いでしょう。
特に寺院墓地が提供するガーデニング型樹木葬の場合、お墓参りの前後で寺院やご住職にご挨拶をすることもあります。
おでは墓参り普段着でも良いのですが、ご住職へのご挨拶の可能性を考えると、少し畏まったお出かけ着で整えた方が安心です。
◇一般墓と同じようなお供えやお墓参りが可能です
ガーデニング型樹木葬は、美しい草花や樹々に囲まれて穏やかに眠ることを目的としています。
そのためお墓参りでは一般墓と同じような整えられた環境が多く、お線香やお供え物も個別の墓標に向かって自由に供えるお墓参りが一般的です。公園型樹木葬と同じく、お墓参りを終えたら供えたお線香や供え花は持ち帰ります。
お墓参りで故人が生前に好きだった食べ物をお供えしたりしますが、持ち帰った食べ物は家族でいただいても構いません。
[ガーデニング型樹木葬に行くタイミング]
◇開園時間であれば、いつでもお墓参りができます
公園型樹木葬は一般的に開園時間が設けられているので、開園時間内であればいつでもお墓参りができます。
ただし公園型樹木葬のお墓参りは広い敷地内で足元が見えにくくなることもあるため、できるだけ午前中~午後の早い時間帯(15時頃まで)に済ませると安心です。
里山型樹木葬

◇里山型樹木葬は、山林奥深くに墓地があります
一般的に郊外の山林にある里山型樹木葬では、公園型やガーデニング型など霊園に設けられた樹木葬とは違い、深い自然のなかに埋葬されるため、お墓参りでは自然への配慮や安全面への注意が不可欠です。
お墓参りにおける安全性を期すため、お供え物や火気に関する禁止事項を設けた樹木葬墓地もあります。里山型樹木葬の場合、契約時にお墓参りについての規約をよく確認し、守りながら参拝しましょう。
◇ハイキングや登山の服装を想定し、歩きやすい服装で行きます
里山型樹木葬は山林の奥深くまで歩いていく樹木葬墓地も多いため、お墓参りでは安全面を最優先しましょう。
お墓参りの準備では、特に足元は登山用靴や歩きやすい運動靴を着用し、お墓参りの服装もカジュアルで良いので動きやすく、土埃などで汚れても良い服装が適切です。
お墓参りの他に墓前法要を行う場合には、案内状に「歩きやすい運動靴、汚れても良い服装」で良いことを明記すると、参列者も安全に樹木葬のお墓参りができます。
◇お墓参りでは、食べ物や花の持ち込みを禁止する樹木葬墓地もあります
里山型樹木葬のお墓参りは、山奥の自然に囲まれた環境で埋葬されることが多いため、食べ物や花を供えると野生動物に襲われるリスクに注意を払わなければなりません。
お墓参りでお供えをしたい場合には、食べ物の形をしたロウなどの置物も良いでしょう。ただし長い時間をかけて樹木葬墓地に向かうお墓参りの場合には、水分補給は不可欠です。水の持ち込みは可能ですので、お墓参りにあたり、水は必ず持参することをおすすめします。
[里山型樹木葬へお墓参りに行くタイミング]
◇里山型のお墓参りは天気が良い日の午前~15時頃が良いタイミングです
山林奥深くまでお墓参りをする里山型樹木葬では、雨で足元が滑りやすい天候の日や、暗く足元が見えない時間帯を避けてお墓参りに行くと良いでしょう。
里山型樹木葬のお墓参りでは、現地に管理人が常時いない墓地もあるため、樹木葬へのお墓参り前に事前予約をしたり、参拝時間を指定することもあります。
タイミングを怠るとお墓参りによる怪我のリスクも伴いますので、樹木葬墓地の規約を確認し、守るようにしてください。
樹木葬の埋葬方法の違い

◇樹木葬の埋葬方法によってお墓参りも違います
樹木葬には個別区画が設けられた個別埋葬型や、他の遺骨と一緒に埋葬される合祀埋葬型樹木葬など、複数の埋葬方法に分かれるので、契約前の確認が必要です。
樹木葬の埋葬方法によりお墓参りの仕方だけでなく、献花台など、お墓参りの設備も違うこともあるでしょう。お墓参りに限らず、埋葬方法を理解していなかったことを後悔する樹木葬の体験談もあります。
◇他の遺骨と一緒に、一ヶ所に合祀埋葬されます
「合祀埋葬型樹木葬」は、骨壺や骨袋などから遺骨を取り出し、他の遺骨と一緒に合祀埋葬される樹木葬です。樹木葬のなかでは最も安い埋葬方法になる一方、個別の墓標を持たないため、お墓参りでは、シンボルツリーに向かって手を合わせます。
多くの樹木葬墓地で、お墓参りのために共有の参拝スペースが設置され、設備や規約に合わせて献花やお線香を供える流れが一般的です。
◇骨袋や骨壺などで区別され、一ヶ所のカロートに埋葬されます
「集合埋葬型樹木葬」とは、遺骨は骨袋や骨壺などで区別されるものの、遺骨を埋葬するスペース「カロート」は同じ、一ヶ所に埋葬される方法です。
そのため合祀埋葬型樹木葬と同じく、お墓参りは1本のシンボルツリーに向かい手を合わせることになるでしょう。合祀墓(永代供養墓)と同じく、お墓参りでは、同じ墓標に向かって供養するため、お彼岸などのお墓参りシーズンは込み合う可能性もあります。
永代供養墓のお墓参り

永代供養墓のお墓参りは、通常のお墓参りとは異なる面もありますが、その特長を知ることでより意味のあるお参りができることでしょう。以下では、永代供養墓におけるお墓参りのポイントや注意点について詳しく解説します。
①合同法要
永代供養墓に納骨した場合、共有する墓標に向かいお墓参りをします。そして、その永代供養墓で眠っている人々に向け、定期的な合同法要を行う霊園や墓地施設が多いです。
遺族は合同法要に参加できるケースが一般的ですが、義務ではありません。参加する場合にお布施を持参する遺族もいますが、こちらも、基本的には準備する必要がないケースが多いでしょう。
②献花台・線香台の共有
永代供養墓では、焼香台や献花台を他の遺族と共有することが一般的です。お墓参りの際は、他の遺族に配慮し、譲り合ってお墓参りを心掛けましょう。
③混雑を避ける
お墓参りは春と秋のお彼岸やお盆時期に混雑します。混雑を避けたいなら、お彼岸の7日間やお盆のピークを避け、日程を少しずらしてお墓参りを行うことをおすすめします。例えば、お盆なら8月1日にお墓参りを済ませるのも良い方法です。
・お墓参りはいつ行く?2025年のお盆やお彼岸に良い日や時間、マナーや服装は?
納骨堂のお墓参り

納骨堂のお墓参りは、現代のライフスタイルに合わせた新しい形のお墓参りの方法として注目されています。従来のお墓参りとは異なり、納骨堂は都市部に多く存在し、アクセスが便利な点が特徴です。これから、納骨堂でのお墓参りの方法やそのメリットについて詳しくご紹介します。
・納骨堂で永代供養を行う費用はどれくらい?納骨堂5つの種類で違う費用相場を詳しく解説!
①線香のルールを確認する
納骨堂のお墓参りでは、火の用心の観点から線香の使用を禁止する施設も少なくありません。この場合は、施設の規約に倣い、線香を供えることは避けましょう。
納骨堂では「電子線香」を用いる施設もあります。この場合は一般的に、納骨堂側で電子線香を用意しているので、自分で持参する必要はありません。
②施設で違う参拝場所
納骨堂にはさまざまな種類があります。代表的な納骨堂はロッカー型、仏壇型、自動搬送型(ビル型)などですが、ロッカー型や仏壇型など、個別スペースが設けられた納骨堂では、個別スペース前でのお墓参りが可能です。
一方で自動搬送型(ビル型)などへお墓参りに行くと、一般的には個別の参拝ブースへ案内されます。個別参拝ブースで待っていると、遺骨が搬送される仕組みです。
・納骨堂の永代供養とは?お墓との違いやメリットデメリット、大阪に多い納骨堂4つの種類
③お供え・お花のルールを確認する
納骨堂は屋内施設なので、臭いの強い食べ物やお花は控えることが作法です。納骨堂のなかには、そもそもお供えやお花を禁止する施設もあるので、事前に規約を確認しましょう。
納骨堂に適しているのはお供えに模したロウソクや、ブリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーなどの加工したお花です。
・2025年春のお彼岸に最適な供花とは?選び方と避けるべき花を徹底解説
現代のお墓参りマナーQ&A

お墓参りは、私たちの先祖や故人への感謝の気持ちを伝える大切な時間です。しかし、現代においてはライフスタイルの変化に伴い、お墓参りのマナーや作法について疑問を持つ方も増えています。
ここでは、現代のお墓参りにおける基本的なマナーやよくある質問について、Q&A形式で解説していきます。
①墓前での法事はできる?
事前に霊園と僧侶へ相談をすることで、墓前での法要は可能です。樹木葬や永代供養墓など、墓標を共有するお墓でも、事前に予約することで個別法要ができる霊園は数多くあります。
納骨堂でも基本的には同じです。納骨堂の形式や種類によって、個別スペースの前で法要を執り行うこともあれば、共有の墓標前で法要を執り行うこともあるでしょう。
現代の霊園や納骨堂などの施設では、法要室を設けた施設も多いです。納骨堂の法要室では、法要の間は遺骨が運ばれてくるシステムもあります。
・「法要」とは?法事との違いは?法要の種類には何がある?年忌法要の年数と弔い上げは?
②仏教に倣わなければダメ?
現代の新しいお墓の形式である、樹木葬や永代供養墓、納骨堂では、特定の宗旨宗派を問わない傾向です。寺院墓地に設けられた施設であっても、樹木葬・永代供養墓(合祀墓)・納骨堂の契約においては、宗旨宗派を問わないとする寺院が多いでしょう。
一方で伝統的な寺院墓地に建つ、先祖代々墓などの一般墓は、その寺院の宗旨宗派に倣い、供養を行うことが求められます。
③友人はお墓参りはできる?
友人がお墓参りをすることは一般的に可能ですが、事前に遺族の許可を得ることが望ましいです。
伝統的な一般墓のお墓参りでは、友人として訪れる際には訪問の許可を取ったり、訪問時にお墓にある「名刺入れ」に名刺やメッセージを入れることがあります。
一方、納骨堂・樹木葬・永代供養墓のお墓参りは、そもそも個別のお墓が存在しないことが多いです。そのため、遺族に許可を得たうえで、施設のルールや開館時間を確認し、管理者に訪問の意図を伝えると良いでしょう。
④夜のお墓参りはダメ?
夜のお墓参りは一般的には避けるべきとされています。暗闇での安全性の問題や、周囲の人々に不安を与える可能性があるためです。できるだけ日中の明るい時間帯に訪れるようにしましょう。
けれども納骨堂などの屋内施設は、気軽にお墓参りに行けることをコンセプトとしています。仕事帰りにお墓参りに立ち寄る人々も多く、開館時間内であれば夜のお墓参りも可能です。
⑤葬式後、どれくらいで納骨すべき?
葬式後、納骨のタイミングは一般的には四十九日法要に合わせることが多いです。これは、故人の霊が安らかに成仏するとされる、葬式後の節目の時期だからです。ただし、必ずしも四十九日法要に合わせなければならない訳ではありません。
なかには悲しみが癒えるまで、葬式後も自宅に遺骨を保管する遺族もいます。現代では自宅で遺骨を供養する手元供養や自宅墓も増えました。実は葬式後、いつまでに遺骨を納骨するかに決まり事はないのです。
・初めての納骨:流れや仕方、気をつけるべきポイント
⑥父にお酒を供えてもいい?
お墓参りの際に、お父様が生前にお酒を好んでいたのであれば、お酒を供えることは問題ありません。ただし、お父様へお酒を供えるにあたり、いくつかの点に注意する必要があります。
まず、墓地の管理規則を確認しましょう。場所によっては、液体の供え物を禁止しているところもあります。その場合は、お父様へは瓶や缶を開けずに供えたり、故人の好きだったお酒のミニチュアボトルを選ぶと良いでしょう。
また、お父様へ供えた後は必ず持ち帰ることが基本です。お父様へ供えたまま放置すると、環境や他の参拝者に迷惑をかけることがあります。
お父様がお酒が好きと言うことで問題はないかと思いますが、故人やご家族の宗教や考え方にも配慮します。お酒にはさまざまありますが、できるだけお父様が好きな種類をあげると良いでしょう。
まとめ:現代の心を込めたお墓参り

霊園や墓地、納骨堂では、新しい供養サービスが増えています。例えば、故人や愛するペットへの手紙を受け付けるポストを設置しているところがあります。
また、オンラインでお墓参りができるサービスも登場し、遠方に住む方でも気軽に供養が可能です。さらに、デジタル墓碑を利用して、故人の思い出やメッセージを映像や音声で記録することができるサービスもあります。
その他、四季折々の花を供えるサービスや、環境に配慮したエコなお墓も注目を集めています。これらのサービスは、従来の供養の形に新しい選択肢を提供し、より個人に寄り添った供養を可能にしています。
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