【葬儀マナー】初めて購入する数珠、5つの選び方☆略式と本式、男性と女性による違いとは
初めて葬儀に参列する時、数珠の選び方に戸惑う人は多いです。
日本では葬儀とひと口に行っても、仏教宗派による違いがあり、数珠の選び方も変わります。
ただし一般的に数珠の選び方は、仏教宗派に関係なく持ち歩くことができる「略式数珠」があるので、現代ではこちらを選ぶ人が多いでしょう。
ただこの他にも、仏様と持ち主をつなぐ仏具のひとつですので、数珠の選び方には大きさやNGがあります。
今回は、初めて数珠を購入する時の3つの選び方や、知っておくと良い豆知識、葬儀に参列する際の注意点をお伝えします。
【葬儀マナー】初めて購入する数珠、3つの選び方☆略式と本式、男性と女性による違いとは
数珠の選び方
現代はパワーストーンなど数珠に似た商品も日常使いのお守りとして販売されていますが、本来、数珠の選び方としては、その意味合いまで理解して選びます。
仏具としての数珠は持ち主の仏道への道を助けるもので、数珠に手を通すことで仏様と繋がり浄土の世界が広がる、故人と繋がり供養ができる、などと言われるものです。
そのため、一度数珠を選ぶと長いお付き合いになること、他の人との貸し借りをする類のものではないことを意識して、相性の良いものを選びます。
そのうえで、初めて購入する数珠の選び方には、下記5つのポイントがあるでしょう。
(1)男性女性で違う「玉」の大きさ
(2)本式数珠と略式数珠の違い
(3)パワーストーンと数珠は違う
(4)数珠の値段
(5)数珠の種類(木材/天然石など)
…ただし、近年では宗旨宗派を問わない民間霊園への改葬(お墓の引っ越し)などをきっかけにして、菩提寺から離檀して無宗教になる家も増えました。
このように無宗教であったり、特定の宗教を信仰していない場合なら、数珠は自由に選んでも良いでしょう。
とは言え、周囲への配慮としては略式数珠を選ぶと安心です。
自身で実物を手に取り、気に入ったものを選ぶようにしてください。
(1)男性女性で違う「玉」の大きさ
今では男性女性を気にせず選ぶことも大切ですが、昔から伝わる数珠の選び方としては、まず男性専用なのか女性専用なのか、で区別します。
男性と女性とでは、数珠の玉サイズと玉数が違うので、下記を参考に選んでください。
(1)男性
・1玉のサイズ…10〜18ミリ
・玉数…22・20・18の3種類が一般的
(2)女性
・1玉のサイズ…6・7・8ミリ
・玉数…22・20・18の3種類が一般的
また、数珠選びでの色は何にしようかとお悩みの方もいると思うので補足でご紹介しておきますが、基本的に数珠の色は自由です。
手にとって選ぶ
ただ昔ながらの風習として、女性の数珠は柔らかい色目の淡いカラフルなものが多く、男性の数珠は黒や深茶、深緑などの渋い色目が多くなります。
(1)女性の数珠…水晶や紫水晶、ローズクォーツやヒスイなど
(2)男性の数珠…黒オニキスや木製(黒檀/屋久杉/栴檀など)
とは言え、実際に手にとってみてしっくりするものを選ぶと良いでしょう。
数珠の選び方として「相性の良いものを選ぶ」と言う抽象的な表現もありますが、これは仏教で、数珠に手を通すと仏様の世界が広がる、近づくと言われるためです。
(2)本式数珠と略式数珠の違い
数珠の選び方として、本式数珠と略式数珠があることはお伝えしましたが、葬儀に参列する先の仏教宗派に合わせて、その都度数珠を準備することは現実的ではありません。
●本式数珠で葬儀に参列する場合は、一般的に自分の家の仏教宗派に倣った数珠を用意します。
ただ現代ではほとんどの人々が葬儀の参列時に略式数珠を持参するので、最初に購入する数珠の選び方としては、略式数珠が安心です。
二本目の数珠として、家の仏教宗派に倣った本式数珠を購入しておくと、本家での葬儀や法要に役立ちます。
本式数珠とは?
ではそれぞれの仏教宗派によって違う、本式数珠とはどのようなものなのでしょうか。
最初に購入する数珠の選び方としては、略式数珠が安心ではありますが、もちろん家の仏教宗派が分かっている場合、本式数珠でも問題はありません。
●本式数珠とは、数珠本来の目的である「念仏を唱えた回数を数える」と用途に作られた正式な仏具です。
・玉の数は人の煩悩の数といわれる108個
・輪を二重にして使う
尚、本式数珠はそれぞれの仏教宗派に倣って作ります。
玉の数により宗教違反になることも考えられるので、ご自分の宗教がわからない方は事前に調べておきましょう。
略式数珠とは?
一方、無宗教も増えた現代において、最も一般的な数珠が略式数珠ですが、本式数珠とはどのような違いがあるのでしょうか。
●略式数珠とは、文字通り本式を略したことを意味し、片手数珠とも呼ばれています。
・葬儀以外にも実用化が重視される
・玉数に限りはない
玉数に限りはないものの、「片手数珠」とも言われるように、本式数珠が輪を二重にして使用するのに対して、略式数珠では輪を一重にして使うものが多いでしょう。
今では100円均一でも販売している様子を見掛けます。
あまり安いと見た目にも分かるため、年齢を重ねた大人の数珠として100円均一の数珠は推奨しませんが、それほど現代では、あらゆる葬儀に対応する数珠です。
パワーストーンと数珠は違う
ただし「パワーストーン」は数珠としての意味をなさないので、注意をしてください。
しばしばパワーストーンと略式数珠を同じものと考える人がいますが、見た目にも数珠とパワーストーンは大きな違いがあります。
<数珠とパワーストーンの違い>
(1)パワーストーン
・日常使いとして輪のみ
(2)略式数珠
・主珠、二天珠、親珠からなる
・ボサがある
・房がある
このようにもともとパワーストーンは日常使いの「お守り」として作られているため、数珠本来の意味合いとは違うものになっています。
そのため葬儀や法事でパワーストーンブレスレットは利用しない方が良いでしょう。
自分専用の数珠を購入することを強くオススメします。
(4)数珠の値段
現代、数珠は100円均一でも販売されています。
ただ数珠の選び方として、価格による違いは見た目にも分かるため、5,000円以上のものを選ぶと安心です。
●使用する天然石や木材の材質などにもよりますが、一般的には10,000円~30,000円ほどの数珠を買い求める人が多いでしょう。
良い数珠は桐箱などに丁重に納められていて長持ちもしておススメです。
数珠は変色や紐が切れたなどの際、その都度修理をして直しますので、今後も長いお付き合いになると考え、良いものを選ぶと長いお付き合いができます。
(5)数珠の種類(木材/天然石など)
数珠の選び方に使用する玉の素材を選ぶ人は多いですよね。
確かに女性であれば、水晶や象牙、男性であれば木材の黒檀(こくたん)など、素材による色やデザインを楽しむ人も多いです。
●木材
(1)木材…黒檀(こくたん)、紫檀(したん)、柘植(つげ)、屋久杉(やくすぎ)など
(2)香木…白檀(びゃくだん)、沈香(じんこう)、伽羅(きゃら)など
(3)木の実…菩提樹の実、蓮の実
●天然石
(1)天然石…水晶、真珠、ヒスイ、琥珀(こはく)など
(2)象牙
(3)珊瑚
今、数珠に利用する天然石はさまざまです。
女性であればこの他にも、ルビーやペリドット、ビルマヒスイ、赤メノウなどがありますし、男性であれば渋い色目のオニキスやラブラドライト、青虎目なども見受けます。
より仏教の教えに倣う場合、仏教宗派によっては水晶や蓮の実が好まれるでしょう。
最後に
以上が現代に多い数珠の選び方ですが、この他にも下記のような質問がありました。
・数珠に使用する珠は、全て同じ種類でなければなりませんか?
確かに店頭で販売されている数珠の多くが、同じ玉で揃えているものが多いです。
けれども必ず1種類の珠で整えなければならない決まり事はなく、ヒスイと水晶など、複数の組み合わせも問題はありません。
数珠の選び方としては、多少高価でも桐箱に納めてもらえる数珠を選ぶことで、長持ちしますしおすすめです。
御香典を入れる袱紗(ふくさ)とともに、大人の必須用具とも言われますので、この機会に数珠の選び方を確認し、自分にしっくりくるものを選んでみてはいかがでしょうか。
※この他、葬儀での数珠の持ち方などのマナーは、下記をご参照ください。
・【葬儀マナー】数珠の持ち方扱い方に作法はある?焼香でのマナー、持ち歩く時タブーまで
まとめ
数珠3つの選び方
(1)男性用と女性用がある
・男性…1玉10〜18ミリ
・女性…1玉6~8ミリ
(2)本式数珠と略式数珠の違い
・本式…玉数108個/輪が二重
・略式…玉数指定はない/輪が一重
(3)パワーストーンは避ける
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