合祀墓とは?メリットとデメリットや永代供養との違い、決断前3つの確認|永代供養ナビ
墓じまいや終活の広がりで合祀墓を検討する人が増えました。
合祀墓を選ぶことで、お墓を持たない葬送ができるうえ、費用を安く抑えることができますが、遺骨がなくなるため、決断しきれない声も多いですよね。
・合祀墓が何か分かる
・永代供養との違いが分かる
・合祀墓の選択によるメリット
・合祀墓で後悔しやすいデメリット
・合祀墓を選ぶ前に確認したい3つの項目
今回は、合祀墓を選ぶなら後々後悔しないよう、事前に確認したい合祀墓の基礎知識と、確認したい3つの項目をお伝えします。
合祀墓とは何?
●合祀墓は、血縁関係の枠組みを超えた、他の遺骨と共同のお墓です
合祀墓の読み方は「ごうしばか」「ごうしぼ」などで、他にも合葬墓(がっそうぼ)などとも言われます。
家族や親族など、血縁関係の枠組みを超えた他人と共有するお墓としては、共同墓や供養塔、合同墓などもあるでしょう。
また、信仰を同じくする枠組みはありますが、血縁関係を超えて埋葬される点では、仏教寺院の総本山でみられる「本山納骨」も合祀墓のひとつとも言えます。
・【大阪の墓じまい】本山納骨とは?永代供養3つの選択肢と費用目安、チェック事項を解説
合祀墓の費用目安
●合祀墓の費用目安は、約3万円~30万円/1柱ほど~です
費用に幅がありますが、これは石碑に合祀された故人の名前が刻まれるなどの葬送サービスや、定期的な合同供養やその頻度、個別法要の可否などがあるでしょう。
・合祀後の合同供養と頻度
・個別法要の可否
また注意したいポイントは、お墓が一基ごとに費用が出るのに対して、合祀墓は1柱ごとである点です。
例えば一般墓は全国平均で約180万円ほどの建墓費用と言われますが、お墓には約6柱ほど入りますよね。この場合は、30万円/1柱(180万円÷6柱)の計算です。
一方、合祀墓の費用はあくまでも1柱ごとですので、30万円/1柱の合祀墓であれば、6柱で180万円(30万円×6柱)になります。
・お墓を建てる費用はどれくらい?平均的な費用と内訳、安く抑える方法まで|永代供養ナビ
合祀墓と永代供養は違うの?
●永代供養が付いた合祀墓はありますが、永代供養は形のないものです
よく「合祀墓と永代供養は違うの?」との質問を受けますが、そもそも永代供養はお墓など、形のあるものではありません。
そのため、例えば個別墓であっても永代供養を付けることはできます。
個別墓に永代供養を付けることで、墓地管理者が家族に代わってお墓の管理や供養をしてくれるため、お墓の形はあっても継承者の必要がありません。
前述した個別墓の場合、5年・10年・20年など、契約した年数だけ個別に埋葬されて個別に管理維持が行われていても、契約年数が過ぎて更新などがなければ、墓地管理者は個別墓を墓じまいして、合祀墓に合祀埋葬する仕組みが多いです。
・お墓購入の項目「永代使用料」ってなに?永代供養料や管理費とは違うの?|永代供養ナビ
合祀墓にメリットはある?
●合祀墓によって、継承者の必要がなく、費用も安く葬送ができます
お墓のない葬送には、納骨堂や集合墓、自然葬などがありますが、そのなかでも比較的費用を抑える選択です。
遠い親族で生前に全く関わりがなかった故人の場合などでは、火葬場からそのまま公営墓地の合祀墓に埋葬される、「0葬」なども見受けます。
・納骨後の管理維持が必要ない
・継承者が必要ない
継承者が必要ないメリットは永代供養全般に言えることですが、個別スペースに埋葬されず、多くの遺骨と一緒に埋葬され、合同供養される合祀墓では、その後の維持管理の必要がない点が最大のメリットです。
納骨堂など個別スペースが一定期間ある葬送には、納骨後も年間管理料の支払いが生じる施設が多いですが、合祀墓には納骨後の年間管理料も、まず必要ありません。
・納骨堂には種類があるの?予算・納骨後の供養方法・人数で選ぶ5つの種類|永代供養ナビ
合祀墓で後悔しない?
●一度、合祀墓に埋葬されると、二度と遺骨を取り出すことはできません
例えば、同じお墓のない葬送だとしても納骨堂を選んだ場合は、一定期間は個別安置期間が設けられます。
そのため後々お墓を建てて遺骨を引っ越す「改葬(かいそう)」も可能です。
・他人と一緒に埋葬される
・お参りが合同になる
合祀墓に合祀埋葬される場合、遺骨は骨壺から取り出して合祀埋葬されます。
そのため一度合祀されると、二度と遺骨を取り出すことができません。
また合祀墓は大きな供養塔ですから、そこに埋葬された人々の家族がお参りにきます。
多くは共同の供花台や焼香台があり、そこへ供花・焼香をしてお参りをする仕組みが多いでしょう。
特にお彼岸やお盆などのお参り時期には、地域によって混み合うことも予想されます。
・秋のお彼岸、お墓参りの作法はある?納骨堂や樹木葬など形式によっても違う5つのマナー
合祀墓の決断前に行う3つの確認
●合祀墓に合祀してしまうと、後悔しても対応ができないため、契約前に今一度確認をしておくと安心です
合祀墓は継承者やお墓を必要としない、身軽な葬送のなかでも、より費用面で敷居が低い葬送ですが、そのために決断前の確認をしないまま、合祀を済ませてしまう事例は多くあります。
①合祀後の供養方法
②反対している親族はいないか
③継承者の可能性
不安があれば納骨堂や手元供養など、一時期的にでも遺骨が残る方法を選びましょう。
特に手元供養であれば、自宅に遺骨を祀る方法なので、予算の調整がしやすいです。
決断した後に合祀墓に合祀埋葬しても、問題はありません。
・【手元供養の体験談】娘の手元供養。娘の遺骨を納骨できないまま5年、分骨をして祭壇へ
①合祀後の供養方法
●合祀墓に合祀した後も、故人の丁寧な供養がしたい人は確認をしてください
例えば個別墓であれば、お墓を前に読経供養を行うこともありますが、共同で埋葬される合祀墓では、他の家族への配慮も気になるところです。
・個別法要の可否(個別の読経供養ができるか)
また日常的にお墓参りをしたい人であれば、お墓参りの規約も確認すると良いでしょう。
故人と生前の関係性が希薄で、納骨後の供養をする予定がない人は、問題ありません。
②反対している親族はいないか
●合祀墓に合祀した後で反対を受けた場合、後々まで残る怨恨にもなり兼ねません
前述したように一度合祀墓に合祀されると、二度と遺骨を取り出せないため、後で苦情を言われても対応できない点は大きなデメリットです。
・お墓のない別の葬送を検討する
合祀墓の反対を受けたなら、対応できる選択肢はさまざまにあります。
合祀墓を決める前に、家族や親族にはよくよく確認をしてください。
・【納骨しない葬送】お墓を持たずに供養できる方法は?目的で違う5つの葬送|永代供養ナビ
③継承者の可能性
最後に
今回は合祀墓について多い質問に答える形で、詳しく解説しましたが、「合祀墓をすることで故人に対して罪悪感を抱く」と言う相談も少なくありません。
このようなケースでは、合祀墓と同じ性質はあるものの、自然(土)に還る樹木葬もおすすめです。
樹木葬には、個別スペースに埋葬され気の苗を植える「植樹型」や、草花に囲まれた庭園で遺骨を収蔵する「ガーデニング型」もありますが、樹木葬のなかでも「シンボルツリー型樹木葬」が最も合祀墓に近いタイプです。
シンボルツリー型樹木葬は、大樹の麓に不特定多数の遺骨が埋葬される仕組みですので、供養塔がシンボルツリーになった形式と言えるでしょう。
けれども自然(土)に抱かれて眠るイメージがあるので、より選びやすいです。
・【樹木葬の選び方】自然(土)に還るシンボルツリー型樹木葬|仕組みで選ぶ6つのポイント
まとめ
合祀墓とは?
・不特定多数の人々と合祀埋葬される
・家族に代わり供養する「永代供養」が付く
●合祀墓のメリット
・費用を安く抑える
・納骨後の管理維持が必要ない
・継承者が必要ない
●合祀墓のデメリット
・遺骨は二度と取り出せない
・他人と一緒に埋葬される
・お参りが合同になる
●選ぶ前に確認する3つの項目
・合祀後の供養方法
・反対している親族はいないか
・継承者の可能性
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