
葬儀後の永代供養の主な流れとは?四十九日の納骨法要や通夜は必要?

「独身なのでお墓のことが不安」
「永代供養なら子どもがいなくても構わないと聞いたけれどどんなもの?」
「永代供養したいけれどどうすればよい?」
ある程度の年齢になると、自分の死後やお墓のことについて気になり、上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では「永代供養(えいたいくよう)」とはどんなものかポイントを押さえた解説や、永代供養の流れ、永代供養することのメリットやデメリット、よくあるトラブルなどについて紹介しています。
この記事を読むことで永代供養についての知識を深めることができ、メリットやデメリットを知って選べようになるでしょう。またあらかじめ永代供養で発生する問題点についても認識できるようになります。
葬儀の後で問題なく永代供養できるように、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
永代供養にも葬儀は必要?
永代供養での葬儀の有無について、気になる方もいるでしょう。永代供養する場合でも、葬儀は必要です。
永代供養は、納骨後のお骨の管理や供養を施設にお任せする埋葬方法です。葬儀は故人の冥福を祈り、最期のお別れをする儀式となっています。永代供養と葬儀はまったく別のもののため、永代供養するなら葬儀は不要、ということはありません。
一般的には、葬儀で故人との別れをすませた後で火葬をすませ、納骨の段階で永代供養することになります。
永代供養のポイント
33回忌まで供養する場合が多い
一般的には永代供養と言えども期間を区切っており、供養は33回忌までとなっている場合が多いです。
中には17回忌までと短いところや、逆に50回忌まで法要する長いところ、後から供養期間を延ばせる施設もあります。契約前に期間について確認しておきましょう。
供養の方法は寺社で異なる
手元供養と併用する場合がある
永代供養を利用したいけれどそれだけでは寂しい、永代供養先が遠いといったような事情から、永代供養と手元供養を併用する場合があります。
手元供養とは、亡くなった方のお骨を分骨あるいは粉骨して骨壺やアクセサリーに入れ、手元に置いて供養する方法のことです。
様々な理由で永代供養を選ぶことになったものの、元気なうちは自分で供養したい方、なかなか供養に行けない方には、手元供養との併用がおすすめでしょう。
通夜と葬儀は行う
永代供養を選択していたとしても、基本的にお通夜や葬儀は行うのが一般的です。永代供養は遺骨の管理や供養のことであって、納骨までのお通夜や葬儀はまた別のものなのです。
故人と最期の夜を過ごすお通夜、お通夜の後の故人との別れの儀式である葬儀を経て、永代供養にて納骨することになります。お通夜や葬儀は別に行う必要がある、または行っても構わないというポイントに注意しましょう。
四十九日に納骨する
納骨については、一般的に四十九日にすることが多くなっています。ただ注意していただきたいのは、納骨の日付にはとくに決まりはないということです。
仏教の影響から四十九日で納骨するケースが多いとは言え、他の日付で納骨する場合もあります。例えば、初盆(新盆)までを目安として納骨する場合や、一周忌を目安に納骨する場合、三回忌で納骨する場合などがあるでしょう。
また、宗旨・宗派別やお寺によって納骨時期が変わる場合もあります。
納骨法要は別途お布施が必要
葬儀後の永代供養の主な流れ
ここでは、永代供養を選択した後、実際に葬儀や納骨法要、お墓参りをするまでの流れについて紹介します。
まずは、永代供養してくれる施設を見つける必要があります。永代供養先となる寺社や霊園、霊廟などを探し、契約してお通夜や葬儀を終えた後で、納骨する流れになります。
永代供養先の寺社を探す
契約後に永代供養料を払う
永代供養先を探して契約を結んだら、寺社や霊園、霊廟などで永代供養料を支払います。直接支払いする方法の他、銀行振り込みやカードでの支払いに対応しているところもあるため、いずれかの方法で支払いましょう。
なお、永代供養の申し込みでは「住民票」や「戸籍謄本」「印鑑証明書」などが必要になる場合があるため、何が必要なのかあらかじめ確認して、用意しておくとよいでしょう。
永代使用料との違い
お墓にかかる費用では他に永代使用料がありますが、これは永代供養料とは違います。永代供養料が決められた期間お骨を管理・供養してもらうためのお布施であるのに対して、永代使用料はお墓がある場所の権利料となっています。
お墓を建てた場合は墓地が必要になりますが、その墓地を借りるための資金が永代使用料です。あくまでも借りるための費用であるため、墓地を購入する訳ではないことにも注意が必要でしょう。
納骨法要を行う
寺社に永代供養をしてもらう
納骨をすませた後、は契約で指定した期間の間、寺社や霊園、霊廟にて永代供養が行われます。この後のお骨の管理や法要などは永代供養先が行ってくれるため、基本的にする必要はありません。
ちなみに、永代供養の期間が切れた後の対応は供養先によっても違いますが、一般的には合祀され、引き続き供養されるところが多いでしょう。契約期間後が気になる場合は、問い合わせてみることをおすすめします。
お墓参りをする
永代供養のメリット
永代供養を選ぶ人が増えていますが、そこにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、永代供養を選ぶことのメリットを4つ紹介します。
永代供養という形式が慣れないという方は、まず、永代供養には様々なメリットがあるということを知っておきましょう。
- 費用を抑えやすい
- 檀家になる必要がない
- 管理の手間が省ける
- 継承者の心配がなくなる
費用を抑えやすい
永代供養のメリットとして、お墓を作るよりも費用を抑えやすいことがあります。
お墓を作るとなると、墓地を借りるための永代使用料やお墓を建てるための費用として、総額で数百万円かかってしまうことが少なくありません。対して、永代供養であれば10万円から100万円程度とバラつきはあるものの、新たにお墓を作るよりも費用を抑えられるでしょう。
永代供養の費用は供養先によってや、供養の期間などによって変わってきます。
檀家になる必要がない
管理の手間が省ける
永代供養のメリットの1つに、お骨の管理を施設が行ってくれるため、定期的に管理したり供養したりする必要がないことがあります。
お墓がある場合、お墓参りの際にお墓周りの掃除から始め、手間がかかるでしょう。時には強風で墓石が倒れるようなこともあり、しっかり管理する必要があります。しかし、永代供養では管理をお任せできるため、手間を省くことが可能です。
継承者の心配がなくなる
永代供養が選ばれる理由のとして、継承者がいなくても心配がないというメリットも挙げられます。
現代では少子化が進み、結婚しても子どもがいない場合やそもそも結婚しない場合もあります。子どもがいない方は自分のお墓を継承してくれる人がいないことが心配の種になりやすいですが、永代供養ならば継承者がいないと心配する必要がありません。
永代供養では契約した期間の間は供養してもらえ、期間終了後も基本的には合祀されて供養は続けられます。
永代供養のデメリット
手間や費用があまりかからないといったメリットがある永代供養ですが、デメリットも存在するため、確認しておきましょう。
永代供養でメリットとされていた部分が、見方を変えるとデメリットになってしまうことがあります。また、永代供養については個人の考え方や感じ方によって受け取り方が違うことにも注意が必要でしょう。
永代供養するか迷っている方は、メリットと共にデメリットについても押さえておきましょう。
最終的に合祀される
永代供養されたお骨は、契約期間を経た後は最終的に合祀されることが一般的ですが、個人の考え方によっては合祀されることがデメリットになるでしょう。
合祀とは、同じように永代供養された他の方のお骨とまとめて、一緒に祀られることです。33回忌までといった契約ならば、33回忌を迎えた後は個別に供養されることはなく、お骨を取り出して他の人とまとめて供養されるようになります。
最終的に他人と一緒にされるということに拒否感を抱く場合があり、いったん合祀されると個人のお骨を分けられないというデメリットもあります。
親族間で揉めやすい
永代供養は個人で入るもので、親族一同が入るお墓とは違うため、永代供養を選んだことで親族と揉めることがあるでしょう。
親族の方が自分でお墓を用意せず、血縁のお墓に一緒に入ろうと考えていたのに相手が永代供養を選んでしまった、というようなケースもあります。また、親族から永代供養に反対された場合にも揉める可能性があるでしょう。
永代供養は、時に親族間トラブルの元になるリスクがあることがデメリットです。
場所によってはお墓参りの時間に制限がある
永代供養は寺社や霊園、霊廟で行っていますが、場所によってはお墓参りの時間や持参するものなどに制限がかけられるというデメリットがあります。
通常のお墓参りであれば、故人の好きなものや好きな花を持っていつでもお墓参りできます。しかし、永代供養ではお墓参りのために施設を訪れる必要があり、その施設が開いていてお墓参り可能な時間でなければお参りできません。
納骨堂など、お墓参りに持参するお花やお供え物を個人に供えられない、お線香をあげられないといった施設もあるため注意が必要です。
永代供養でよくあるトラブル
永代供養は個人で生前に契約できるものの、お墓に対する考え方の違いや周囲への周知不足からトラブルが発生することがあります。
ここでは、永代供養でよく起こるトラブルについて、代表的なものを見ていきましょう。
契約後に親族間で認識のズレがあると判明した
永代供養契約後にその話を親族としたものの、永代供養を喜ばれず、お互いの認識にズレがあると後から分かってしまうことがあるでしょう。
相手が先祖代々のお墓が大事だと考える方、永代供養の方法があまり好きではないという方の場合は、永代供養を契約したこと自体に反対されたり、色々と言われたりする可能性があります。
あらかじめ親族間で話し合ってから、永代供養の契約をした方がトラブルになりにくいでしょう。
故人が領収書を無くしていた
永代供養は基本的に本人が生前に契約しますが、契約時にもらった領収書を故人が無くしてしまっていた場合、永代供養の契約先とトラブルになる可能性があります。
また、領収書を無くすと、親族が契約についてよく分からなくて困ったり、そもそも契約があることに気づかれず、別の方法で埋葬されたりするリスクがあります。
故人が永代供養契約後に契約書や領収書をきちんと保管し、親族にも永代供養契約したことを告げていれば、トラブルを防げるでしょう。
永代使用料と永代供養料を勘違いしていた
永代使用料と永代供養料はまったく別のものですが、似たような文字のため、勘違いしていたという場合、永代供養しようとする時にトラブルになるでしょう。
永代供養するつもりでいたのに永代供養料ではなく永代使用料を支払っていた、というケースが想定されます。永代使用料は墓地を借りる時の費用であるため、支払っても永代供養はできません。永代使用料と永代供養料をよく確認し、契約するようにしましょう。
合祀されると知らなかった
「永代」供養なので永代に渡って供養してもらえると勘違いし、最終的に合祀されると知らなかった場合も、トラブルに発展する可能性があります。
合祀されることに拒否感がある、という方は少なからずいらっしゃるでしょう。また、永代供養ならばずっと供養してもらえるというのもよく勘違いされるポイントで、実際には契約した期間しか個別には供養されません。
永代供養の内容について詳しく調べ、契約期間後の合祀についても納得してから契約するようにしましょう。
葬儀後スムーズに永代供養できるように準備しよう
永代供養は近年需要を増してきたとは言え、どういうものなのかあまりよく知らないという方も多いでしょう。今回の記事で紹介した永代供養の流れなどを、ぜひ参考にしてください。
また、永代供養を選ぶことでトラブルが発生する場合もあります。トラブルを起こさずスムーズに永代供養できるように、あらかじめ永代供養についてよく調べ、周囲にも話して準備しておきましょう。
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