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骨上げの意味ややり方、マナーを解説。骨上げをしたくない時、1人で行う時はどうする?

骨上げの意味ややり方、マナーを解説。骨上げをしたくない時、1人で行う時はどうする?

「骨上げはどうして行うの?」
「骨上げのやり方やマナーは?」
「骨上げは辞退できる?」

 
火葬後に行う「骨上げ」とは、ご遺骨を拾い上げて骨壺に収骨する儀式です。参加者で骨上げの儀式を行いながら、故人があの世へたどり着くことを祈ります。
ただご遺骨を前に行う儀式なので悲しみが癒えぬなか、骨上げに抵抗がある・辞退したい人もいるでしょう。

 
本記事を読むことで、喪主やご遺族が理解しておきたい骨上げのやり方・マナーが分かります。後半では地域で違う、さまざまな骨上げの風習もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。

 

骨上げのやり方

骨上げのやり方

「骨上げ(こつあげ)」とは、火葬後にご遺骨を収骨する儀式です。「骨揚げ」「収骨(しゅうこつ)」「拾骨(しゅうこつ)」とも呼ばれます。

 
骨上げにかかる時間は約30分ほどです。火葬が終わったら骨上げを行うため、ご遺族はご遺骨収集室へ移動しましょう。

 
この骨上げは宗教的な儀式と言うよりも、日本独自で広まった風習でもあります。故人が三途の川を無事に渡り、あの世へたどり着くよう祈る行為です。そのため骨上げのやり方は地域・宗旨宗派によっても違うでしょう。

 
基本的には葬儀社や火葬場スタッフの指示に従い骨上げを進めれば安心です。ここでは全国的に行われている一般的な骨上げのやり方とマナーを解説します。

 

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①火葬場での過ごし方

火葬が終わるまで、ご遺族・親族は控室で待つでしょう。飲食が許可されている火葬場であれば、喪主は時間によって、おやつ・軽食を振る舞うこともあります。

 
また、火葬場と斎場が近い場合は会食「精進落とし」を行う流れでも問題はありません。精進落としはご遺族が参列者や僧侶へ振る舞うお食事です。
葬儀社・火葬場スタッフに相談して進めてください。

 

 

②ご遺骨の周囲に集まる

火葬が済んだら葬儀社・火葬場スタッフの指示に倣い、参列者はご遺骨の傍に集まりましょう。喪主は骨壺を持ち、ご遺骨の頭側に立ちます。

 
骨上げは故人と関係性の深い順番です。喪主→家族→親族→知人友人と進んだ後、最後に喪主が喉仏を拾い上げますので、故人との関係性で並びましょう。

 

③2人1組で骨上げを行う

広い地域で骨上げは2人1組で行います。ペアになった2人がひとつのご遺骨を一緒に拾い上げるやり方が一般的です。

 
2人1組で行う骨上げは、ご遺族が故人を失った悲しみを2人で分かち合う意味があります。また1人でご遺骨を拾い上げることで、故人が1人に憑くことを避けると考える地域もあるでしょう。

 
一般的に骨上げは2人1組で行いますが、1人で火葬場に行くケースもあるでしょう。地域によって1人で骨上げを行う風習もあり、必ずしも2人1組でなくても構いません。

 

④1人が拾いあげて1人に渡す

2人1組で行う骨上げではペアになった1人が最初にご遺骨を拾い上げて、隣りのもう1人に箸渡しをするやり方があります。箸(橋)から箸(橋)へ渡すため「橋渡し」を意味する儀式です。

 
正式には男女ペアになって骨上げを行うとされますが、現代では男女ペアであるとも限りません。葬儀社・火葬場スタッフに倣いペアになると良いでしょう。

 

⑤足元から順番にご遺骨を収める

骨上げでは足元から順番にご遺骨を拾い上げていきましょう。足元から骨上げを行うことで生前の姿で収まります

 
地域によっては、最初に故人の歯を拾い上げる風習もありますので、火葬場スタッフの指示に倣って進めてください。

 

・足元→腕→腰→背骨→助骨→歯→頭蓋骨→喉仏

 
多くの火葬場では、骨上げの最初にスタッフがご遺骨の説明をしてくれますので、指示に従い足元から順番に拾い上げて行きましょう。

 
樹木葬と納骨堂どっち?
 

⑥喪主が喉仏を収める

最後に収める喉仏は男性の喉にある軟骨ではなく、背骨の上から2番目にある「第二頸椎」です。(しばしば1番目の「第一頸椎」を喉仏とすることもあります。)

 
喉仏は骨密度が比較的高く火葬後に残りやすいこと、喉仏の姿が座禅をした仏様(お釈迦様)に見えることから、ご遺骨のなかでも大切に扱うものとして尊ばれてきました。

 

[喉仏はなぜ尊ばれる?]
・ご遺骨の喉仏が「仏様」として扱われる理由とは?火葬後の納骨方法・納骨しない時の手続き

 

⑦分骨する場合

骨上げにあたり分骨を希望する場合は、葬儀社・火葬場スタッフに相談して「分骨証明書」を受け取ります。分骨証明書は分骨したご遺骨の証明となり、将来的に埋葬する際に必要です。

 
葬儀社・火葬場スタッフに希望を伝えると、分けるための骨壺「分骨壺」を用意してくれます。分骨壺がない場合も陶器の骨壺が望ましいですが、自分で用意しても問題はありません。

 
お墓に納骨してしまうと手続きも難しくなります。分骨する際には火葬前に決めることをおすすめします。

 

 

⑧骨上げの後

骨上げを終えてご遺骨を骨壺に収骨したら、骨壺は白木の箱に入れられます。白木の箱には白布・金襴の被せもの等に丁重に包まれるでしょう。

 
整えられた骨壺は火葬スタッフから喪主に手渡されるので、白木位牌とともに持ち帰ります。

 
火葬場では死亡診断書を提出した時に発行された「火葬許可証」を提出しますが、火葬場では火葬後に発行される「埋葬許可証」の受け取りが必要です。

 
ご遺骨を納骨する際に埋葬許可証を提出するため、無くさずに保管してください。一般的には骨壺と一緒に白木の箱に保管します。

 

 

⑨ご遺骨を迎える還骨法要

火葬場で骨上げを済ませたら、一般的には葬儀場へ移動して「還骨法要(かんこつほうよう)」を行います。「還骨回向(かんこつえこう)」とも呼ばれますが、どちらも同じ法要です。

 
「還骨法要」は名前の通り、ご遺骨として戻ってきた故人の追悼儀式です。四十九日法要まで飾る「後飾り祭壇」を清め整えてご遺骨を迎え、位牌を安置しましょう。

 
ご遺骨を迎えた後、僧侶が読経供養を行うので指示に従い順番にお焼香を済ませる法要です。その後、ご遺骨は四十九日法要まで後飾り祭壇に設置します。

 
浄土真宗では「還骨勤行(かんこつごんぎょう)」・曹洞宗では「安位諷経(あんいふぎん)」と、仏教宗派でも呼び名はさまざまですが、いずれも葬儀の最後に行う儀式です。

 
還骨法要と一緒に法要を繰り上げて行う「繰り上げ初七日」「繰り上げ四十九日法要」等を執り行うご遺族もいます。

 

 

 

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骨上げのマナー

骨上げのマナー

火葬場に参列する人は限られてきます。基本として葬儀に参列した後、喪主・ご遺族・親族・故人と特に関係性が深かった知人・友人のみが火葬場へ移動するでしょう。

 
一般的に火葬場へ同席しない葬儀・告別式への参列者は、斎場の出口に集まり喪主挨拶を聴いた後、告別式を終えた後に出棺される棺を見送ります。

 

①火葬場に行ってはいけない人

骨上げにあたり火葬場に同席できるのは、本来であれば喪主・ご遺族・親族です。血縁関係にない知人友人は本来は同席しませんが、故人やご遺族の意向で参加することもあります。

 
この他に本来のしきたりとして、火葬場は「あの世から人が引かれる」等の言い伝えにより、参加できない人々もいますが、現代はあまり気にしないご遺族も多いようです。

 
例えば、妊娠している人・子どもを亡くして間もない両親・身体が弱い人・高齢者等がそれにあたります。

 

②火葬場に行きたくない

火葬場では故人が火葬されご遺骨の姿になりますから、行きたくない方もいるでしょう。親戚であっても遠い関係性であれば、御挨拶をして帰宅しても問題はありません。

 
ただご案内されている方であれば、火葬場に行かないことで還骨法要・精進落とし等への参加もなくなります。精進落としでは準備もあるため、早めに火葬場へ行かない旨を伝えておきましょう。

 

③骨上げは何歳から?

骨上げの儀式に参加するのに年齢制限はありません。けれどもご遺骨を拾い上げる行為は、大人であってもショックを受けることがしばしばあります。

 
大人でも悲しみから骨上げに参加しない方もいるため、子どもも無理に骨上げに参加する必要はないでしょう。あまりに幼い子どもの場合、火葬場へ連れて行かない選択も一案です。

 

④喪主から順番に行う

骨上げは故人と血縁関係の深い方から順番に行うのがマナーです。

 
葬儀の儀式における順番は社会的地位にではなく、故人との関係性によって決まります。お焼香の順番と同じく、喪主から初めてご遺族・親族・知人友人と進めてください。

 
足元から上半身の骨へと収骨を進めますが、最後の喉仏は「身体に宿る仏様(お釈迦様)」として尊ぶものなので、再び喪主が拾い上げて一番上に置きましょう

 
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⑤専用の骨上げ箸を使う

地域によっても違いますが、広い地域で骨上げは専用の「違い箸(ちがいばし)」を用います。火葬場で準備をしてくれるので準備の必要はありません。

 
「違い箸」とは2本それぞれが材質や長さの違う一対のお箸です。この違い箸は双方が接ぎ木ではないことを表したもので、故人とのお別れを意味する風習とも言われます。

 

⑥ご遺骨を少し持ち帰りたい

骨上げの際に故人を偲び「少しだけご遺骨を持ち帰りたい」と考えるご遺族もいますよね。

 
火葬場により対応は違いますが、一般的にはスタッフに相談すると許可されるケースが多いでしょう。ご遺骨はハンカチ等にそっと包み、持ち帰ります。
ただしご遺骨の持ち帰りを許可しない火葬場もあるので、この場合はスタッフに倣いましょう。

 

⑦骨上げを辞退したい

大切な家族が骨になった姿を目の当たりにする骨上げの儀式は、ご遺族にとっても精神的に負担の大きなシーンです。骨上げに参加したくない・子どもを参加させたくない等の想いがあっても失礼にはあたりません。

 
喪主の意向により骨上げの儀式を行わない場合は、火葬の前日までに葬儀社や火葬場スタッフに相談すると良いでしょう。ただ骨上げは一度きりの儀式なので、ご遺族・親族で話し合い決めることをおすすめします。

 

⑧火葬場での心づけ

葬儀では喪主がスタッフに感謝の気持ちとして「心づけ」をお渡しします。
火葬場スタッフだけではなく、霊柩車・搬送車・送迎バスの運転手等、葬儀の進行に尽力していただいた人々へお渡しするものです。

 
1人のスタッフに対して心づけのお金を包む目安は、約2千円~5千円ほどが一般的でしょう。不祝儀袋でも良いですが、厚手の白無地封筒に「心づけ」「志」等の表書きです。

 
お渡しするタイミングは骨上げの儀式前・儀式後、忙しい時間を避けてお渡しします。心づけを受け取る行為を禁じる火葬場・葬儀社もあるので、事前に確認をしてください。

 

⑨骨上げの風習に由来するマナー

2人1組でご遺骨を拾い上げる骨上げのやり方から、日ごろの食事では箸同士で食事を渡す行為は「合わせ箸」がタブーです。忌み嫌われる行為なので注意をしてください。

 
合わせ箸は「拾い箸(ひろいばし)」「忌み箸(いみばし)」「禁じ箸(きんじばし)」「嫌い箸(きらいばし)」等とも呼ばれます。
この他、使用する材質や長さの異なるお箸を使う「違い箸」も、骨上げ以外のシーンでは控えましょう

 

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骨上げの風習は地域で違う

骨上げの風習は地域で違う

ここまで一般的な骨上げのやり方についてご紹介してきましたが、地域・宗派によっても違いがあります。さまざまな骨上げのやり方があるので、基本的には地域の葬儀社や火葬場スタッフに聞くと安心です。

 

①全収骨と部分収骨

そもそも収骨には「全収骨」と「部分収骨」の風習があります。
「全収骨」とは遺骨の全てを骨壺に収める方法で、「部分収骨」は遺骨の主要部分のみを骨壺に収める方法です。

 
一般的に東日本ででは全収骨、西日本では部分収骨が多い傾向にあります。全収骨・部分収骨の違いにより、準備をする骨壺の大きさも違うでしょう。全収骨では7寸ほど、部分収骨では4寸ほどの骨壺が一般的です。

 

②喉仏の扱い方

身体に宿る仏様(お釈迦様)として尊ばれる喉仏の扱いも、地域・宗派によって違いがあります。他の遺骨と一緒に、骨壺の一番上に収める方法が一般的です。

 
地域によっては喉仏を「お舎利様」等と呼び、別の小さな骨壺に収める風習もあるでしょう。また喪主・ご遺族が故人を偲び、喉仏のみ持ち帰ることもあります。

 

③箸渡し(橋渡し)

ご遺族が2人1組でひとつのご遺骨を拾い上げる行為「箸渡し(橋渡し)」は、三途の川に橋をかけることで故人が楽に川を渡ることができるとされます。ただ、宗教的な儀式と言うよりは風習に近いため、地域によって方法も多様です。

 
一般的な2人1組で収骨する箸渡しの他、1人で遺骨を拾い上げる・参列者の皆で収骨する・お箸を使わず手で収骨する、等の風習を持つ地域もありますが、いずれも間違いではありません。火葬場スタッフの指示に倣いましょう。

 
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まとめ:骨上げは遺骨を収骨する儀式です

まとめ:骨上げは遺骨を収骨する儀式です

骨上げは火葬場でご遺骨を火葬した後、参加した喪主・ご遺族・親族が故人のご遺骨を骨壺に収骨する儀式を指します。

 
火葬場で火葬されて残った遺骨は「焼骨(しょうこつ)」とも呼ばれますが、喪主やご遺族にとってご遺体が火葬される「焼骨」の言葉は胸に刺さる言葉にもなり得るでしょう。

 
言葉としては正しい使い方ではありますが、火葬・葬儀の場では基本的に「焼骨」の言葉は使いません。故人が亡くなったことを目の当たりにする火葬場では、主に「ご遺骨」の言葉を使うとともに、少しでも精神的に負担の少ない方法を選びましょう。

 

 

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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