
喪中にお中元やお歳暮は送ってもいい?故人に毎年贈っていたお中元は?のしや表書きは?

・喪中にお中元やお歳暮を送ってもいい?
・喪中にお中元やお歳暮をいただいたらどうする?
・喪中にお中元やお歳暮を送るマナーは?
自分や相手が喪中の場合、例年送っているお中元やお歳暮の扱いに迷いますよね。
基本的に喪中であってもお中元やお歳暮を送って問題はありませんが、送る時には一定のマナーがあるので、注意が必要です。
本記事を読むことで、喪中に送るお中元やお歳暮のマナーやタブー、喪中のお中元やお歳暮におすすめの品々が分かります。
「喪中」とは?忌中との違いは?

◇一般的に故人が亡くなって1年間が「喪中」です
故人との関係性によって喪中期間は異なりますが、一般的に家族が亡くなってから、一周忌を迎える1年間を喪中と言います。
一方で忌中は四十九日法要までの四十九日間を指し、この期間、故人の魂は冥土の道を辿る道程にあり、成仏していないと信じられてきました。
ただし人が亡くなるとすぐ成仏する「往生即成仏」の考え方を持つ浄土真宗では、忌中の考え方はありません。
喪中期間は?
◇喪中期間は、故人との関係性で変わります
喪中期間は一般的に一周忌までの1年間が目安ですが、「喪中(もちゅう)」は「喪に服す期間」であるため、正確には故人との関係性で異なり、故人との関係性が近いほど長いです。
故人との関係性が両親や配偶者である場合、喪中期間は約12か月~13か月ですが、兄弟姉妹であれば約3か月~6か月で喪が明けます。
ただし故人の祖父母は約1か月~6か月、故人の子どもは約3か月~12か月と、地域によって喪中期間が大幅に違う関係性もあるでしょう。
忌中期間は?
◇忌中期間は四十九日です
「忌中(きちゅう)」は仏教の教えにおいて、故人が冥土の道を辿り成仏するまでの期間を指すため、どの地域でも四十九日までが忌中期間となります。
忌中も故人を偲び喪に服しますが、それ以上に「死は穢れ(けがれ)」として、死の穢れを他者に移さぬよう、ご遺族は静かに四十九日間を過ごすのがマナーです。
浄土真宗では忌中期間はありませんが、一般的に忌中のお祝い事は忌まれますので、家が浄土真宗であっても、一般的なマナーに倣いお祝い事は控える方が多いでしょう。
喪中にお中元やお歳暮を送っても良い?

◇喪中のお中元やお歳暮は、マナーを守って送ります
お正月や結婚式、新築祝いなど、喪中のお祝い事は出席せずに控えるのがマナーです。
けれどもお中元やお歳暮は、本来、季節の変わり目に贈る相手の健康を気遣い、ご無沙汰している相手へのご挨拶、お伺いを立てることを目的とし、お祝い事ではありません。
そのため喪中であってもお中元やお歳暮を送ることはできます。
ただし、喪中のお中元やお歳暮は通常とは違うため、喪中であることへの配慮が必要です。
自分が喪中の場合
◇自分が喪中であってもお中元やお歳暮を送って構いません
自分が喪中であってもお中元やお歳暮を送り、上半期・下半期のお付き合いへの感謝を伝えると良いでしょう。
故人を亡くしてからの心遣いや支えに感謝する一文を添え、元気に残された家族で一歩・一歩を歩んでいる現状を、それとなくお伝えします。
相手が喪中の場合
◇相手が喪中でも、お中元やお歳暮を送ります
相手が喪中である場合、お中元やお歳暮を送ることを躊躇う方々も少なくありません。
けれども喪中だからこそ、先方の健康や心を気遣い、マナーに配慮した品を送ると心が伝わりやすいでしょう。
喪中に贈るお中元やお歳暮の基本的なマナーの他、一筆箋で良いので手紙を添えて、ひと事、相手を労う言葉を添えると丁寧です。
喪中にお中元やお歳暮をもらったら?
◇喪中であっても、お返しをして問題はありません
反対に、喪中にお中元やお歳暮をいただいたら、有難く受け取りお礼を送りましょう。
しばしば喪中に故人宛てのお中元やお歳暮をいただくこともありますが、頑なにならずに有難く受け取り、お礼状とともにお返しの品を贈る方がスマートです。
先方が故人が亡くなったことを知らなかった場合には、連絡が行き届いていなかったことへのお詫びとともに、訃報を添えます。
「母〇〇〇〇は、○月○日の夕方4時に永眠いたしました。この度はご連絡が行き届かず、申し訳ありません。お中元の品とお心遣いを、家族一同、感謝しております。」
などの一文を添えて、いただいたお中元やお歳暮と同等の品を贈りましょう。
・納骨後の挨拶状マナーとは?押さえるべき5つの構成とタブー、状況別3つの例文を紹介!
喪中にお中元やお歳暮を控えるケースは?

◇忌中はお中元・お歳暮ともに贈りません
故人の魂が成仏せずに冥土の道を辿る四十九日間「忌中(きちゅう)」は、家族を亡くした遺族は「死の穢れ(けがれ)」をまとっているとされます。
人の死を穢れとするのは本来、神道の考え方で、神道では神社の敷地内にお墓やそれに倣うものを建てる風習はありません。
けれども日本では広く、忌中に遺族は死の穢れを他者へ移さぬよう外出を控え、贈り物を送ることを控えてきました。
そのため香典返しも、四十九日の忌中を過ぎてから送ります。
同じく喪中は良しとするお中元やお歳暮ですが、忌中に送ることは忌まれるでしょう。
・喪中と忌中の違いとは?やってはいけないことは?初詣や七五三、お祭りに行ってもいい?
お中元を贈る時期
◇東日本では7月1日~15日頃、西日本では8月1日~15日頃です
夏の暑い盛りに先方の健康を気遣い贈るお中元は、お盆を目安に送ると良いでしょう。
ただ全国的にお盆の日程が異なる地域もあり、東日本と東日本で送る時期が異なります。
目安としては東日本が7月1日~15日頃、西日本が8月1日~15日頃が適切です。
お盆はもともと旧暦7月13日~15日に行う行事でしたが、東日本では新暦に充てて7月13日~15日に行う「新暦盆」の地域もあるためです。
一方で西日本では、1か月遅れの8月13日~15日に行う「月遅れ盆」が多いでしょう。
・2024年のお盆はいつ?お盆休みは最大9連休!地域で違う3つのお盆、全国のお盆行事
お歳暮を贈る時期
◇全国的に12月13日~20日頃までが適切な時期です
お歳暮は忙しい年末に1年の感謝とご挨拶を伝える贈り物ですので、12月上旬頃から届き始めます。
ただ年末はお正月の準備で忙しくなる時期ですから、12月20日頃までには届けましょう。
また12月13日は日本の風習として、お正月の準備を始める「事始め」とされ、いよいよ年末が始まる日ですので、ご挨拶としては12月13日~20日頃が適切です。
相手が忌中だったら?
◇送る相手が忌中の場合も、時期をずらすと丁寧です
送る側が忌中であれば、時期をずらして挨拶状を添えて贈るなど、お中元やお歳暮は控えることがマナーですが、では、送る相手側が忌中の場合はどうすれば良いでしょうか?
忌中は故人が亡くなって四十九日が経たない時期、先方は大切な家族を亡くして、未だ心の整理が付いていない時期でもあります。
そのため、迷うようならばお中元やお歳暮は控えて、時期をずらして送ると、先方にお悔やみの気持ちも伝わり丁寧です。
お中元やお歳暮の時期を過ぎた時の対応
◇「暑中御見舞い」「寒中御見舞い」として送ります
もしも忌中がお中元やお歳暮の時期と重なるようであれば、時期をずらして遅れた頃に、夏であれば「暑中御見舞い」、お歳暮ならば「寒中御見舞い」として送ると良いです。
夏の贈り物は「暑中御見舞い」の表書きで良いですが、立秋が過ぎたら「残暑御見舞い」へと変わります。
<お中元やお歳暮の時期が過ぎたら> |
|
①暑中御見舞い | ・毎年7月16日~立秋まで ・2024年7月16日(火)~8月7日(水)まで |
②残暑御見舞い | ・毎年立秋~8月末頃まで ・2024年8月8日(木)~8月31日(土) |
③寒中御見舞い (寒中御伺い) |
・毎年1月7日~立春の前日まで ・2025年1月7日(火)~2月2日(日) |
残暑御見舞いは毎年8月31日までが送る目安ですが、遅くとも二十四節気の「処暑」の候が終わる頃までには送りましょう。
2024年の処暑の候の終わりは、9月6日(金)です。
寒中御見舞い(寒中御伺い)は、お正月としてお祝いをする7日間「幕の内」が明ける1月8日~立春の前日までに送ります。
喪中にお中元やお歳暮を贈るマナー

◇喪中のお中元やお歳暮はお祝い色を控えます
喪中にお中元やお歳暮自体を送ることは問題ないのですが、お中元やお歳暮はしばしば、「めでたい」意味がある熨斗を掛けるなど、お祝いとして包む品が多いです。
そのためお中元を贈る時には、あくまでも相手の健康を伺い、日ごろのお付き合いに感謝する目的であることを強調し、お祝い色を避けます。
①熨斗や水引は掛けない
◇喪中のお中元やお歳暮は「掛け紙」です
喪中に送るお中元やお歳暮に掛けるものは、熨斗(のし)や水引を付けない、シンプルな白い紙のみで掛けた「掛け紙」のみで包みます。
しばしば短冊を用いる方もいますが、目上の方には失礼にあたるため、掛け紙が良いでしょう。
白い掛け紙の中央に、黒い文字で「お中元」「お歳暮」などの表書きのみです。
掛け紙には内のし・外のしがありますが、郵送の際は内のしが多いものの、どちらでも問題はありません。
②故人宛てに贈らない
◇故人宛てのお中元やお歳暮には注意しましょう
普段からお中元やお歳暮を送る相手を登録していると、うっかり送ってしまうこともありますが、故人宛てのお中元やお歳暮を送ることは失礼にあたります。
一般的に故人へ毎年送っていた場合、亡くなったらお中元やお歳暮自体を辞めるでしょうが、ご家族とも親交がある場合、ご家族向けにお中元やお歳暮を送る流れが一般的です。
反対に故人へお中元やお歳暮をいただいた時には、有難く受け取って、訃報を添えたお礼状とともに、お礼の品を贈ると良いでしょう。
③お祝いの言葉を控える
◇お中元やお歳暮に添える手紙にお祝いの言葉を控えます
喪中の人がお中元やお歳暮を送る・喪中の相手に送る、いずれにしても手紙を添える時には、お祝いの言葉は控えるのがマナーです。
喪中であれば葬儀への参列への感謝を伝えるとともに、相手の健康を気遣う一文を添えましょう。
一方、喪中の相手へお中元やお歳暮を送る場合、敢えて喪中には触れずに、相手の健康を気遣う言葉を添える方が、相手への心遣いとなるでしょう。
喪中に送るお中元やお歳暮に添える手紙や、いただいたお中元やお歳暮に対する、お礼の手紙の例文は、下記コラムをご参照ください。
・喪中のお中元やお歳暮に添える手紙・いただいたお中元やお歳暮へのお礼状の例文をご紹介
④品選びに注意をする
◇お祝いをイメージする品は避けましょう
お中元やお歳暮は紅白まんじゅうや、色とりどりの素麺、鯛など、お祝いやおめでたさをイメージさせる品も少なくありません。
けれども喪中のお中元やお歳暮はお祝い色を控えるため、まんじゅうであれば白まんじゅう、白い素麺など、紅白などのお祝いをイメージさせるものを避けます。
⑤縁起の悪い品を避ける
◇刃物など、縁起の悪い品も避けましょう
喪中のお中元やお歳暮に限らず、刃物類は「縁を切る」または血をイメージする物として、贈り物には避けるべき品です。
また筆記用具や時計などの仕事や勉学に関する品物は、「もっと頑張りなさい」のメッセージと取られる可能性もあるので、あまりふさわしくありません。
長期間保存ができる個包装のゼリーや、果物など、季節を感じる食べ物がおすすめです。
喪中のお中元やお歳暮におすすめの品

◇喪中に送る品は、お祝い色のない食べ物や消耗品が人気です
喪中に送るお中元やお歳暮は、果物や長期保存のできる食べ物など、香典返しでも選ぶことの多い、弔事にも通用する品々が選ばれる傾向です。
時計や置き物などの後々まで残る品は「悲しみが残る」としてあまり好まれません。
品物であれば日用品であるタオルなどの他、洗剤などの消耗品が良いでしょう。
①白まんじゅう
◇喪中のおまんじゅうは、白まんじゅうが好まれます
高齢の方々へ送るお中元やお歳暮には、まんじゅうや大福もちなども人気です。
けれども日頃のお中元やお歳暮では、元気な色をイメージしてカラフルであったり、紅白まんじゅうになっているものも少なくありません。
そのためまんじゅうを送るならば、美味しい白まんじゅうや茶色まんじゅうを選びます。
・塩瀬総本家「志ほせ饅頭・焼菓子詰合せ」
②カタログギフト
◇品選びに迷ったら、カタログギフトが安心です
喪中に送るお中元やお歳暮は品選びに迷いがちですので、まよったら、相手が品を自由に選べるカタログギフトが良いでしょう。
現金や商品券は金額が分かるためタブーとされますが、現代ではカタログギフトは贈り物の他、香典返しなどの法事でも多く扱われます。
・京線香詰合せ「彩雲の風+カタログギフト野宮&アイリス」
③コーヒーギフト
◇コーヒーやお茶なども選ばれるギフトです
香典返しなどの弔事に嗜好品はタブーとされますが、多くの家庭で日常的に愛されるお茶やコーヒーなどは、会葬御礼品としても多く選ばれてきました。
夏に送るお中元ならアイスコーヒー、お歳暮であればさまざまなフレーバーを詰め合わせたコーヒーセットもおすすめです。
・マキシム&ハマヤコーヒーバラエティギフト
④ゼリーやアイス
◇夏のお中元では、冷たいゼリーが人気です
夏に送る喪中のお中元であれば、体力が落ちた夏もするっといただけるゼリーやアイスを選ぶ方が多いでしょう。
喪中の相手へ送るならば特に、忙しかったりと体力も落ちてしまいがちですので、誰でも食べやすいゼリーやアイスはおすすめです。
・京都萬屋琳窕「京のひんやりギフト」
⑤力の付く食べ物
◇食が進む食べ物で、相手の健康を気遣います
暑い夏は食欲が落ちる方も多いですよね。
そのため食べやすい冷たいゼリーやアイスを送る方もいますが、精力を付けていただくよう、食が進む品を選ぶことで、相手の健康を気遣うこともできます。
喪中は品選びが難しいところですが、お茶漬けや海苔、食が進むご飯のおともなどを送るのも良いでしょう。
・永楽屋「あまから」お詰合せ
まとめ:喪中にお中元やお歳暮を送っても良いです

お中元は暑い真夏に相手の健康を気遣い、お伺いをすることを目的としています。
またお歳暮は年末に向けて、1年の感謝を伝えるための品です。
お中元やお歳暮自体にお祝いの意味は込められていないので、喪中であっても送ることはできます。
ただしお祝いをイメージする熨斗や水引を避け、選ぶ品もシンプルなお祝いをイメージする紅白などは避けましょう。
また喪中はお中元やお歳暮を送っても構いませんが、忌中は控えます。
忌中に掛かるようならば、少しずらして暑中御見舞い・寒中御見舞いとして送りましょう。
お電話でも受け付けております
