
納骨後の挨拶状マナーとは?押さえるべき5つの構成とタブー、状況別3つの例文を紹介!

・納骨後に送る挨拶状マナーとは?
・納骨後の挨拶状の書き方は?
・納骨後の挨拶状に便利な例文は?
家族のみで済ませた納骨後に送る挨拶状は、案内状とは違い書き方に迷いますよね。
納骨後の挨拶状では、まず葬儀へ参列いただいたお礼を述べ、納骨式を終えた旨をご報告します。
本記事を読むことで、失礼のない納骨後の挨拶状マナーが分かります。
最後に状況別の例文もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。

家族のみで納骨後の挨拶

◇家族のみの納骨式では、納骨後の挨拶状が多いです
家族のみでの納骨後に挨拶状を送るケースでは、葬儀も家族や身内のみで行う家族葬を選ぶ人もいます。
家族のみで家族葬・四十九日法要まで済ませて、納骨後に挨拶状とともに訃報を知らせる判断もあるでしょう。
ただ訃報を知らなかった遠い親族・親戚から苦情をもらう可能性も出てきます。
そのため納骨後の挨拶状のマナー以前に、家族のみで執り行う家族葬や納骨式の場合、親族や親戚などに、事前に知らせる配慮が必要です。
①事前に報告する
②事後に挨拶状を送る
最近では長男でも移住した都心で、納骨堂や屋内墓所など、家族がアクセスしやすい場所を契約し納骨する家が増えました。
けれども高齢の親族のなかには「長男は先祖代々墓に入るもの」と考える人もいるでしょう。
できるだけトラブルを減らすよう、早い段階で「相談」する形で現状や希望を伝え、協力者になってもらえると、納骨後の法要などもスムーズです。
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菩提寺がある場合
◇菩提寺にはできるだけ早い段階で相談をします
「菩提寺」とは、先祖代々から檀家(だんか)として籍を入れている寺院で、檀家はお布施を通して寺院の維持管理をサポートしています。
代わりに菩提寺のご住職は、その家の法事法要の一切を担う関係性です。
そのため、例え移住先の身近なお墓に納骨する場合でも、突然納骨後の挨拶状で、菩提寺のご住職が檀家訃報を知る状況は避けます。
親族や菩提寺のご住職との深刻なトラブルが起きかねません。
・自分が長男
・菩提寺に先祖代々墓がある
・幼い頃から特定のご住職が法要を担っていた
などの事情がある家では、親族・親戚のなかでも高齢の人へ相談をしながら、菩提寺を教えていただいて、できるだけ早い段階で相談をすると良いでしょう。
菩提寺との関係性がすでに希薄な場合は、檀家を辞める「離檀」の選択ができますが、関係性が深く親族が反対することもあるでしょう。
どうしても身近に納骨したい時には、「外檀家」の相談も一案です。
<外檀家> | |
[外檀家とは] | ・菩提寺とは別の場所に遺骨を納骨する檀家 |
[特徴] | ・法要はご住職へ依頼 ・お布施(年間管理料)は払う |
[納骨場所] | ・民間霊園 ・公営墓地 |
菩提寺とは別の納骨先が宗旨宗派を問わない民間霊園や公営墓地であれば、菩提寺のご住職をお呼びして納骨式も可能です。
いずれにしても外檀家への考え方は、菩提寺によりさまざまですので、親族と検討しながら、菩提寺のご住職へ相談してみましょう。
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納骨後の挨拶状の5つの構成

◇納骨後の挨拶状では、葬儀のお礼をまずお伝えします
納骨後の挨拶状を四十九日頃に送る場合、葬儀のお礼をまずお伝えして、納骨を終えた報告へと進める構成がベストです。
また四十九日前後の納骨だった場合、葬儀に参列してくれた人であれば、そのご香典額に合わせたご香典返しも送りますよね。
けれども「重なる」ことを避ける法事では、ご香典返しと納骨の挨拶状を同封して送ることはマナー違反とされます。
ご香典返しを送り、それとは別に納骨後の挨拶状を送ってください。
①葬儀へのお礼
②納骨式が終えたご報告
③お墓の場所
④生前の感謝
⑤送り手(喪主)の情報
生前の故人と親しい間柄の人であれば、納骨後の挨拶状を確認した、お参りに行きたいと思う人もいるでしょう。
お墓の場所を明記して、ひと言を添えるのもマナーのひとつです。
①葬儀へのお礼
◇忙しい最中、葬儀に参列いただいた感謝を伝えます
ご香典返しは別途郵送していますが、ご香典をいただいた時にはご香典へのお礼、供物や供花、弔電をいただいたならば、そのお礼を添えてください。
②納骨式が終えたご報告
◇納骨式を身内のみで済ませたことを報告します
地域によっては「家族や親族が集まって納骨するべきだ」との価値観もあります。
そのため身内のみで納骨式を済ませた報告の前に、「故人の生前の遺志により」など、家族のみでの納骨式を選んだ理由を、挨拶状で記載しておくと理解してもらえるでしょう。
③お墓の場所
◇お墓の名前や場所、寺の場所などを明記します
「お時間が合えば、お墓参りに来ていただけると嬉しいです」とひと言添えることで、相手もお墓参りがしやすくなります。
④生前の感謝
◇生前の故人へのご厚意への感謝です
故人は四十九日の忌中まで、あの世とこの世を彷徨いますが(浄土真宗以外の仏教宗派)、四十九日を終えて納骨を済ませると、成仏するとされます。
遺族も四十九日法要と納骨式を終え、ひと段落を済ませたところで、改めて生前の故人を大切に思ってくれた人々へ、故人に代わり感謝を伝えると良いでしょう。
⑤送り手(喪主)の情報
◇最後に、年月日・喪主の住所・名前を書いて完成です
現代では無宗教の家も増え、カジュアルな納骨の挨拶状も見受けますが、老若男女問わずに失礼にならないよう、一般的には縦書きで書きます。
横書きで書いた納骨の挨拶状では、しばしば西暦の年月日も見受けますが、縦書きで元号(和暦/現在では「令和〇年」)を用いて書くようにしてください。
納骨の挨拶状での注意点

◇縁起の悪い事柄を避けます
納骨の挨拶状に限った事柄ではないのですが、通夜や葬儀、法要など法事で扱う文章については、基本的な下記3点に注意を払うことがマナーです。
①忌み言葉を使わない
②句読点を使わない
③宗教によって使う言葉が異なる
特に忌み言葉は法事において大変失礼にあたりますので、仕上がったら読み直し、チェックを行うと良いでしょう。
①忌み言葉を使わない
◇「忌み言葉」とは縁起が悪く忌まれる言葉です
「忌み言葉」には不幸が続く、不吉を連想させるイメージがあり、冠婚葬祭で避けられる言葉を差します。
また法事においては「死ぬ」「生きる」「悲しい」などの直接的な言葉も、不吉を連想させるとして忌み嫌われるので注意をしてください。
<納骨の挨拶状:忌み言葉> | |
[忌み言葉] | [理由] |
●重ね言葉 | ・ますます ・重ね重ね …など |
●数字の4と9 | (死や苦のイメージ) |
●直接的な表現 | ・死ぬ ・生きる (哀しみが蘇る) |
「重ねてお礼を申し上げます」も「重ねて」が忌み言葉になります。
文面を構成したら一度誰かにチェックしてもらいながら、忌み言葉のないよう配慮が必要です。
②句読点を使わない
◇句読点は区切り、終わりを連想させます
納骨後の挨拶状に限らず、年賀状や賞状などでも句読点は付けない風習があります。
現代は「ご縁を切らない」として句読点を付けないとされていますが、もともとは句読点は子どもにとって、文章を読みやすくするために句読点を付けたためです。
●明治時代の初期までは、もともと句読点は付けなかったのですが、子どもが読みやすくするため句読点が始まっています。
…そのため、その時代には句読点を付けると「子ども扱いをしている」として失礼にあたりました。
この風習が現代にまで名残りとして残っているとも言われます。
③宗教によって使う言葉が異なる
◇宗旨宗派に倣った言葉遣いに配慮します
納骨後の挨拶状や法事では、宗旨宗派に沿った言葉遣いにも注意が必要です。
通夜や葬儀、法要や納骨などの儀礼では、宗教上の言葉を良く使います。
日本では一般的に仏式の葬儀や法要を執り行うため、仏教用語を知らずに使っていることは多いです。
宗教がキリスト教や神道の場合、特に注意をしてください。
<納骨後の挨拶状:宗教用語の違い> | |
[仏教] | ・成仏 ・戒名 ・法要 |
[キリスト教] | ・ご冥福 ・お悔み ・往生 |
[神道] | ・安らかに ・御霊のご平安を ・御安霊(ごあんれい) |
なかなかすぐには使い分けにくいですが、仏教・キリスト教・神教で言葉の扱いが違うのは、それぞれに死生観が全く違うためです。
ですからそれぞれの宗旨宗派の死生観を知ることで、適切な言葉遣いができます。
<宗教で違う死生観> | |
[宗教] | [死生観] |
●仏教 | ・人が亡くなると供養され成仏する ・四十九日は冥土の旅に出る (浄土真宗はすぐに成仏する) |
●キリスト教 | ・「死」は安らぎ ・祝福されること ・神様の元で復活を待つ |
●神教 | ・「死」は穢れ ・人が亡くなると家の守護神となる |
以上の死生観を理解することで納骨後の挨拶状でも、キリスト教では「安らかにお眠りください」となりますし、仏教では「成仏されますように」となる訳です。
納骨式後、挨拶状の例文

◇上記を踏まえて3つの例文をご紹介します
基本的な例文で良いのですが、より感謝を伝えたい相手、カジュアルに伝えた方が良い相手など、TPOに合わせて選んでください。
今回は家族のみでの納骨後に出す挨拶状の例文です。
①一般的な例文
②親族や遺族への例文
③訃報を納骨と共に知らせる
親族や遺族、親しい友人の場合、現代ではメールやLineなどで納骨のご報告を済ませてしまう人もいます。
普段からメールやLineなどのやり取りをしていて、気の置けない人でなければ、納骨後は挨拶状を送った方が良いでしょう。
①一般的な例文
謹啓
○○の候 御尊家御一同様には ますますご清祥のこととお喜び申し上げます
先般 故○○の葬儀に際しましては お忙しいなかご会葬ご参列賜り 誠にありがとうございました
さて ○月○日に故○○の生前からの遺志により ○○霊園○○墓所にて 納骨式を近親者のみで執り行わせて頂きました
本来なら皆様にも参列頂いて供養しなければいけない所 近親者だけで執り行うこと大変心苦しく思っております
お時間が合えば お墓参りに来ていただければ ○○も喜ぶかと思います
また生前に賜りましたご厚情に 深く感謝いたします
今後とも皆様がご健勝であることを ご祈年致しまして報告と致します
喪主 ○○○○
敬白
令和○年○月○日
〒○○○○
(住所)
②親族や遺族への例文
拝啓
ご清祥のことお喜び致します。
○○の葬儀につきましては 格別の御厚情を賜り 厚く御礼申し上げます
さてお蔭様で 故○○○○の生前の遺志により ○月○日に家族のみでささやかな納骨式を無事に済ませることができました
お忙しいなかではございますが 墓参り頂ける折には 下記にて永眠いたしておりますことを 謹んでご連絡させて頂きます
○○霊園:○○○○(住所)
開園時間:9:00~18:00
また最後になりますが、生前に賜りました御厚情に深く感謝いたします
皆様のご健勝をご祈年して 納骨の報告とさせていただきます
喪主 ○○○○
敬具
令和○年○月○日
〒○○○○
(住所)
③訃報を納骨と共に知らせる
◇事後報告へのお詫びを添えます
納骨後の挨拶状では、家族のみで通夜や葬儀を済ませる判断も増えました。
この場合、訃報を出していないことも多いため、納骨後の挨拶状で、一緒に訃報まで知らせることがあります。
訃報を納骨後の挨拶状で伝える時には、事後報告へのお詫びが大切です。
訃報を納骨後の挨拶状で知らせる例文
「母○○○○儀 かねてより病気療養中のところ 去る令和○○年○○月○○日 午後○○時○○分 ○○歳にて穏やかに永眠いたしました
故人の生前の遺志により 近親者のみで○○月○○日に葬儀を済ませました後 ○○月○○日に 納骨式を済ませましたので ご報告申し上げます
本来ならばすぐにでもご報告すべきではありましが ご報告が遅れましたことを 深くお詫び申し上げます
どうぞお時間が許せば 誠に勝手ながら 自宅への焼香 及びご香典や供花 供物等はお控えいただき 墓前でのお焼香をいただけますと 故人○○も喜ぶと思います
菩提寺:○○○○ (住所)
令和○○年○○月○○日
〒○○○○
(住所/電話番号)
喪主 ○○○○」
まとめ:納骨後の挨拶状では事後報告をお詫びします

家族のみで納骨式を行う予定であっても、親族トラブルが不安な相手には、事前に相談の形で知らせておくと良いでしょう。
そのうえで、納骨後の挨拶状を本文通りのマナーで送ります。
また家族のみで家族葬を済ませた納骨式の場合、必ず事後報告であったことをお詫びする一文を添えることが何よりのポイントです。
「故人の生前の遺志により」「故人の希望により」など、葬儀や納骨を家族のみで済ませた理由を、明確に添えると相手も理解してくれます。
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