喪中のお中元やお歳暮に添える手紙・いただいたお中元やお歳暮へのお礼状の例文をご紹介
・喪中のお中元・お歳暮に添える手紙の例文は?
・喪中にいただいたお中元・お歳暮へのお礼状マナーは?
・喪中にいただいたお中元・お歳暮へのお礼状例文は?
ご挨拶や健康御伺いであるお中元やお歳暮はお祝い事ではないので、喪中であっても送り合って問題はありません。
けれども喪中のお中元やお歳暮には、添える手紙に配慮が必要です。また喪中にいただいたお中元やお歳暮に対するお礼状でも、先の葬儀での恩義に触れると丁寧ですよね。
本記事では喪中に送るお中元・お歳暮に添える手紙の例文や、喪中にいただいたお中元・お歳暮へのお礼状の例文を宛先別にご紹介します。
喪中にお中元・お歳暮を送る時の注意点
お中元・お歳暮はお祝い事ではないため、喪中であっても送ることはできますが、忌中であれば送り合うことは避けましょう。「忌中(きちゅう)」とは亡くなってから四十九日間を差し、故人の霊魂はまだ成仏していないためです。
また喪中のお中元・お歳暮には、お祝い事を表す紅白の水引や熨斗を付けません。白い掛け紙のみを掛けて「お中元」「残暑御見舞い」「お歳暮」などの表書きで良いでしょう。
最後にお中元・お歳暮を送る宛先が故人宛てになっていないかも確かめます。毎年送るため住所登録をしている方も多く、ミスしやすいため注意をしてください。
喪中にお中元・お歳暮を送る時期やマナーについて詳しくは、下記コラムをご参照ください。
・喪中にお中元やお歳暮は送ってもいい?故人に毎年贈っていたお中元は?のしや表書きは?
そもそも「喪中」とは
喪中とは、ご遺族が故人を偲び喪に服する期間です。故人との関係性によって異なりますが、配偶者やご両親など近い関係性であれば一周忌までの1年間を喪に服します。
喪中には結婚式・新築祝いなどのお祝い事を避けましょう。喪中の人がお祝いの席に参加することも避けると良いです。
喪中のお正月は門松などおめでたい飾り物を避け、家族で静かに迎えます。ただ忌中を過ぎているならば、神社・仏閣への参拝は可能です。
喪中や忌中について、故人との関係性で違う期間や避けるべき物事などは下記コラムに詳しいです。
喪中のお中元・お歳暮に添える手紙の例文
喪中であってもお中元・お歳暮に添える手紙の文章構成に変わりはありません。けれどもお祝い事をイメージする言葉を避けて書きましょう。
基本の構成は①頭語②時候の御挨拶③相手を気遣う言葉④日頃のご厚意への感謝⑤品を送ったこと⑥健康御伺いの言葉⑦結語です。
「頭語」は手紙の冒頭に付けます。拝啓(はいけい)・拝呈(はいてい)・啓上(けいじょう)など、差出人が女性であれば「一筆申し上げます」「謹んで申し上げます」なども頭語です。
「結語」は手紙の最後に付けます。敬具(けいぐ)・敬白(けいはく)・拝具(はいぐ)など、差出人が女性であれば「かしこ」なども結語です。
それでは、下記より喪中にお中元・お歳暮を送る際に添える手紙の例文をご紹介しますので、参考にしてください。
①喪中の相手に送る例文
喪中の相手は未だ大切な家族を亡くした悲しみのなかにいるかもしれません。励ましの言葉をひと事掛けたいところですが、相手の心境を推し量ることは難しいです。悲しみに触れぬよう、敢えて故人に関する言葉を避けて手紙を書く方が良いでしょう。
連日の熱帯夜が続いています いかがお過ごしでしょうか。
平素は公私にわたりお世話になり、心よりお礼申し上げます。
本日、心ばかりではありますが別便にてお中元の品をお送りいたしました。
〇日には届くかと存じますので、どうぞご笑納いただければ幸いです。
まだまだ暑い日が続きます。
どうかお身体を崩されぬようご自愛くださいませ。
略儀ながら書中をもちまして、お中元の御挨拶を申し上げます。
敬具」
その上でお祝いの言葉などを控えながら、相手のご健康を気遣う言葉を添えると丁寧です。
②自分が喪中の時期に送る例文
自分が喪中の時期にお中元・お歳暮を送る時には、手紙に通夜や葬儀でのご厚意に対する感謝の言葉を添えると良いでしょう。
師走の候、〇〇様におかれましては、ご壮健のことと存じます。
今年一年、ひとかたならぬご指導ご鞭撻を賜り、心より感謝しております。
母〇〇の葬儀では大変温かいご厚意を賜り、厚く御礼申し上げます。
おかげさまをもちまして、無事に法要を終えることができました。
つきましては感謝の気持ちを込めまして、お歳暮の品を別便にてお送りしました。
心ばかりの品ですが、ご家族でご賞味いただけましたら嬉しく存じます。
寒い毎日ですが、体調管理にご留意いただき良き新年をお迎えください。
敬具」
通夜や葬儀への感謝をひと言添える以外は、基本的に通常の添え状と同じ文章構成です。
また自分が忌中でも「死は穢れ(けがれ)」として、ご遺族は最も身を慎む四十九日間です。忌中のお中元・お歳暮を避け、時期が過ぎるようならば忌明けに「残暑見舞い」「寒中御見舞い」などの表書きで送りましょう。
喪中にいただいたお中元・お歳暮のお礼状
喪中にいただいたお中元・お歳暮に対するお礼状は、基本的に通常と変わりはありません。
相手に通夜や葬儀に参列していただいた、ご香典や供花をいただいたならば、文中に感謝の言葉を添えます。
基本的な文章構成は①頭語②時候の御挨拶③お中元・お歳暮への感謝④通夜や葬儀で受けたご厚意への感謝⑤暑さ寒さの折り、相手への気遣い⑥略儀(手紙)によるお礼であること⑦結語です。
葬儀の御挨拶と同じく、お礼状にも忌み言葉は避けましょう。「忌み言葉」とは縁起の悪い言葉などです。特に「ますます」「度々」などの重ね言葉は間違えやすい忌み言葉ですのでご注意ください。
①喪中にいただいたお中元・お歳暮のお礼状
喪中にお中元・お歳暮をいただいた時には、品へのお礼とともに、通夜や葬儀でのご厚意に対して感謝の言葉も添えます。
ただし相手が故人との関わりがほとんどなく、喪中であること自体知らない場合には、喪中には触れず通常通りのお礼状を送りましょう。
盛夏の候 皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、このたびはお心のこもったお中元の品をいただき、ありがとうございました。
さっそく家族で賞味させていただきました。
先日の母〇〇の葬儀でも多大なご厚意をいただき、〇〇様の細やかなお心遣いに恐縮するばかりです。
時節柄、ご自愛のほど心よりお祈り申し上げます。
敬具」
相手が喪中であることを知らないので基本的に通常通りで良いのですが、後々のことを考えると「お喜び申し上げます」といったお祝いの言葉は避ける方が無難です。
②故人宛てに届いたお中元・お歳暮へのお礼状
しばしば訃報が行き届かず、故人宛てのお中元・お歳暮が届くこともあります。この場合にもありがたく受け取って、お礼状をお送りしましょう。
お礼状には訃報と、訃報が行き届かなかったことへのお詫びも添えます。
初冬の候、〇〇様におかれましては元気でお過ごしのことと存じます。
この度は嬉しいお中元の品をいただき、誠にありがとうございました。
いつも細やかなお心遣いをいただき、深く感謝しております。
去る〇月〇日に母〇〇が永眠し、家族のみで葬儀・告別式を執り行わせていただきました。
ご連絡が遅くなってしまったこと、深くお詫び申し上げます。
猛暑が続いておりますが、体調を崩されぬようご自愛ください。
略儀ながら書中にて、厚くお礼申し上げます。
敬具」
順番としてはお中元・お歳暮の品への感謝の後、訃報をお伝えする流れが適切です。
お中元・お歳暮へのお礼の品を送ると、訃報が行き届かなかったことへのお詫びの気持ちが、より丁寧に伝わります。
一筆箋で添える、喪中のお中元・お歳暮の手紙
喪中のお中元・お歳暮を送る時は、品とは別に手紙を送る方法が最も丁寧です。けれども相手が親しい仲ならば、一筆箋を添えても良いでしょう。
喪中にいただいたお中元・お歳暮のお礼状でも、一筆箋で送る方は増えました。あまり堅苦しくならずにカジュアルに送りたいならば、一筆箋が役立ちます。
若い世代では横書きを用いる方もいますが、基本的には一筆箋でも縦書きで整えます。喪中であればお祝いをイメージさせる絵柄を避けましょう。無地の一筆箋は安心です。
一筆箋での文章構成は①相手の名前②簡単なご挨拶②本題③相手へ気遣いや感謝の言葉④結びとなります。冒頭に相手の名前を入れ、頭語・結語・時候の言葉は必要ありません。
一筆箋は長文を避けるための手紙ですので、長くても2枚以内に留めましょう。2枚以上書くようなら、手紙を別に送ります。
①一筆箋で添えるお中元・お歳暮の手紙例文
一筆箋は内容を簡潔にまとめることがポイントです。目的や要件もひとつに留めましょう。あまり要件が重なると複雑になります。
いつもお心にかけていただきありがとうございます。
先日の母の通夜や葬儀でも、多大なお力添えをいただき、深く感謝しております。
さて、本日は日頃の感謝として心ばかりの品をお送りします。
今年は猛暑が続いておりますが、どうぞご自愛くださり元気にお過ごしください。
〇〇〇〇(氏名)」
また一筆箋は気の置けない親しい仲の相手へ送るものです。そのため短いなかに要件を詰めながらも最後の結びでは、相手の心身を気遣う温かな言葉を添えると印象の良い手紙になります。
②一筆箋で添えるお中元・お歳暮のお礼状例文
気の置けない親しい仲であれば、喪中にいただいたお中元・お歳暮のお礼状が一筆箋になっっても、現代ではマナー違反にあたりません。一筆箋一枚のみを封筒に入れることを悩む方もいますが、無地を2枚に重ねることは避けましょう。
この度は美味しい〇〇の品をいただき、誠にありがとうございました。早速家族でいただき、幸せな時間を過ごしました。いつも細やかなお心遣いをいただき恐縮する限りです。
寒い日が続きますが風邪などひかぬよう、どうぞご自愛ください。
〇〇〇〇(氏名)」
お中元・お歳暮をいただいたら約1週間ほどを目安に、早々にお礼状を送ると丁寧です。お礼の品を送る場合でも、長くとも約2週間ほどまでを目安にしましょう。
喪中にお中元・お歳暮をいただいた際、完璧なお礼状を送ろうと時間を掛けるよりも一筆箋で早々にお送りした方が良いとする考え方もあります。
まとめ:喪中のお中元・お歳暮にも手紙を添えましょう
喪中に限らずお中元・お歳暮を送る時には、別途手紙を送りご報告するのがマナーです。また受け取った時にはお礼状を送ります。
お祝い事ではなく御挨拶・健康御伺いとなるため、喪中でもお中元・お歳暮を送り合うことは失礼にはあたりません。けれども送って良いのか迷う方も多いので、喪中だからこそお中元・お歳暮に手紙を添えると良いでしょう。
ただし忌中は死の穢れを他所に移さぬよう、お中元・お歳暮に限らず香典返しの品であっても、手紙や全ての贈答品が忌まれるためご注意ください。
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