【家族が亡くなったら】病院でご臨終の後、家族が行うべき8つの事柄とは|永代供養ナビ
病院で家族が亡くなったら、従来は数時間後にはご遺体の搬送、翌日には通夜があり、翌々日には告別式・葬儀と続きます。
本人が緩和治療へと進んでいる場合など、家族もある程度は覚悟もできていますが、それでも大切な家族を亡くした後は、ショックで頭が真っ白になる人は多いです。
そんななか、頼りになるのは看護師さんや葬儀社スタッフの人々ですが、「まず何を行うのか」の知識も、俯瞰的に確認できる助けになるでしょう。
今回は家族が亡くなったら、まずご遺族が行うべき8つの事柄を時系列でお伝えします。
ご臨終の後に行う8つの事柄
病院で家族が亡くなったら、病室で末期の水(まつごのみず)を取り、清拭(せいしき)の儀式を行った後、ご遺体は病院の霊安室へ移動します。
(1)末期の水を取る
(2)清拭(せいしき)
(3)ご遺体の安置場所を決める
(4)ご遺体の搬送を依頼する
(5)菩提寺に連絡をする
(6)家族・親族に訃報を知らせる
(7)死亡診断書を受け取る
(8)病院の清算をする
末期の水や清拭の儀式は、主に看護師さんが主導してくれます。
ただ大切な家族が、死の痛み苦しみから解放される願い、生きる者の永別の心を表すものなので、ご遺族も丁寧に参加することで後悔も少なくなるでしょう。
(1)末期の水を取る
末期の水は「死に水」とも言われます。
本来は息を引き取る間際の、口の渇き・肉体的な苦しみが解消されるため、家族が唇に水を浸したものでした。
ただ今では家族が亡くなったら、すぐにその唇に水を浸してあげます。
(1)お箸の先に脱脂綿を巻く
(2)脱脂綿の上からガーゼを巻く
(3)ガーゼの端を白い糸で縛る
(4)お椀にお水を汲む
(5)お水に(3)のガーゼを浸ける
(6)(5)のガーゼを、故人の唇に付ける
・まず上の唇を左から右へ
・次に下の唇を左から右へ
…末期の水は、看取りに立ち会った人々が、故人と近しい関係の人から順番に行います。
末期の水はお箸に脱脂綿をくるむ他、綿棒や筆を利用する場合もあるでしょう。
末期の水を取ったら
全ての人が末期の水の儀礼を終えたら、故人と最も近しい人は、故人のお顔を、額→お鼻→顎と、拭きとってあげてください。
(2)清拭(せいしき)
以前の大阪では家族が亡くなったら、家族がぬるま湯で故人の遺体を洗い清めた「湯灌(ゆかん)」が行われましたが、今では病院の看護師が先導して進めてくれるでしょう。
(1)全身を拭く
(2)穴に脱脂綿を詰める
(3)着替えをする
(4)目を閉じる
(5)お口を閉じる
(6)手を胸の上で組む
以上、一連の流れは家族が亡くなったらすぐに行われます。
死後硬直が始まる3時間の間に、故人のご遺体を清潔に整え、お見送りです。
(1)全身を拭く
アルコールか、ぬるま湯を絞ったタオルで全身を拭いてください。
(2)穴に脱脂綿を詰める
鼻や耳、肛門などの穴に脱脂綿を詰めます。
(3)着替えをする
清拭を終えたら、すぐに清潔な洋服へ着替えさせてあげてください。
仏教の教えとしては、木綿や麻の白単衣である「経帷子(きょうかたびら)」を、左前(※)にして着せますが、今では故人が好きだった服など、さまざまです。
・浴衣
・寝巻き
・生前に故人が好きだった服
・経帷子
故人が好きだった服などを着せた後、経帷子を上から掛ける事例も増えました。
(※)左前にする作法は「逆さ事」と言われ、あの世とこの世を分ける意味合いです。
そのためお布団も上下逆で整えるなどします。
・【家族が亡くなったら】末期の水~枕飾り・枕経まで。遺体処置7つの事柄|永代供養ナビ
(4)目を閉じる
目を閉じる時は、優しく瞼の上から手を被せてさするようにおろして閉じます。
(5)お口を閉じる
亡くなった人のお口は、顎を下から手で覆うように押さえる方法と、高枕に頭を寝かせる方法、いずれかを行ってください。
(6)手を胸の上で組む
最後に、故人の手を胸の上で組んであげます。
右手が上、左手が上、と悩む人も多いですが、故人が生前に組みやすかったであろう組み方で構いません。
手を胸の上で組むのは死後硬直が始まる3時間以内に行います。
宗教上の意味合いもありますが、胸の上に手を組むことでご遺体を傷つけずに移動できるでしょう。
(3)ご遺体の安置場所を決める
家族が亡くなったら、病室での末期の水や清拭の儀式を終えた後、ご遺体は病院の霊安室へ移送されます。
ただ病院の霊安室は数時間~長くても24時間以内には出なければなりません。
(1)安置場所を決める
(2)遺体の搬送を依頼する
以前の大阪では自宅へ遺体を搬送する家がほとんどでしたが、今では斎場の安置室など、葬儀社が提供する安置スペースを利用する家が多い傾向です。
(1)安置場所を決める
安置場所を決めるに当たり、下記の3つの選択肢があります。
マンションなど集合住宅は、充分な安置スペースや、エレベーターなど自宅までの搬送経路の確認が必要です。
・自宅
・斎場の安置室(葬儀社が提供)
・民間業者の安置室
民間業者の安置室は、葬儀社が提供する斎場の安置室に、空きがなかった場合などで利用されます。
一時的な安置場所であり、面会のために利用されることもあるでしょう。
・【家族が亡くなったら】遺体安置の場所選び。搬送依頼前に選ぶ3つの種類|永代供養ナビ
(2)遺体の搬送を依頼する
病院の霊安室から遺体の搬送を依頼するため、葬儀社を探さなくてはなりません。
病院でも葬儀社を紹介してくれますが、提携関係にあるため、一般的に割高傾向です。
病院で紹介された葬儀社に搬送のみをお願いすることはできますが、そのまま葬儀まで依頼できた方が、喪主としても後々助かるでしょう。
また葬儀社が提供する安置室を利用するならば、特にこの時点で葬儀まで依頼できる葬儀社に、搬送をお願いしたいところです。
・【家族が亡くなったら】遺体搬送の費用はどれくらい?遠距離はどうなる?|永代供養ナビ
(5)菩提寺に連絡をする
家族が亡くなったら、ご遺体の安置後に枕勤め(枕経)をお願いすることから、ご臨終の後すぐに菩提寺のご住職へ連絡します。
「菩提寺」とは、先祖代々墓が建つ寺院墓地を管理する寺院で、家族の葬儀の際には供養から戒名までを担う存在です。
ただ最近は菩提寺のない家も増えました。
また寺院墓地の先祖代々墓に納骨せず、宗旨宗派不問の民間霊園に納骨をするなどの場合、葬儀社から紹介いただいた僧侶に読経供養を依頼するのも良いかもしれません。
・【家族が亡くなったら】親や家族の葬儀に備える。事前に確認する2つの事|永代供養ナビ
(6)家族・親族に訃報を知らせる
家族が亡くなった時に訃報を知らせる相手は、主に危篤を告げられてから3つの段階に分けて伝えます。
(1)危篤を告げられた時
(2)ご臨終の直後
(3)通夜や葬儀の日時と場所が決まった後
(1)危篤を告げられた時
危篤を告げられた時に連絡をする相手は、本人の息があるうちに会って欲しい、会わせてあげたい人々です。
そのため本人と濃い血縁関係の家族や両親・兄弟姉妹の他、生前に本人と関係性が深かった知人友人などになります。
(2)ご臨終の直後
ご臨終の直後に訃報を知らせる相手は、危篤を告げた人々の他、葬儀に携わる人々です。
そのため菩提寺があればご住職へも、この段階で連絡をします。
この他、葬儀で受け付けや世話役を頼みたい人々へは、訃報を知らせながら相談をしてください。
(3)通夜や葬儀の日時と場所が決まった時
通夜や葬儀のスケジュールが決まった後は、広く関係者に知らせます。
ただご遺族は通夜や葬儀の準備でバタバタしているため、各方面で代表者を決めて、代表者から広く訃報が届くよう、お願いをする流れです。
・高齢の親族
・町内会の役員
・近所の親しい人々
・職場関係者
・学校関係者
また葬儀の規模や地域性によっては、新聞のお悔み欄などでも知らせます。
電話でお伝えもしますが、ご案内ハガキやメールなど、文字が残る形で正確に伝える場合が多いです。
・【家族が亡くなったら】訃報はいつ誰に・どのように伝える?知らせる3段階のタイミング
(7)死亡診断書を受け取る
家族が亡くなったら、家族は死亡診断書を受け取ります。
ご臨終を確認した医師が死亡診断書を書いて渡してくれるので、特別な準備は必要ありません。
自宅で家族が亡くなったら、かかりつけ医がいればすぐに連絡をすることで、数時間であればかかりつけ医が死亡診断書を出してくれるでしょう。
自宅で家族が亡くなったら
かかりつけ医がいない場合、危篤状態であれば救急車(119番)を呼ぶことで、搬送先の病院の医師が看取り、死亡診断書を書いてくれます。
ただすでに息がない場合、警察(110番)へ電話をするため、死亡診断書に代わる「死亡検案書」が渡されるでしょう。
死亡診断書を役所へ提出
家族が亡くなったら、渡された死亡診断書を、市区町村役所の戸籍係に提出します。
正確には「死亡届」の提出になりますが、死亡診断書と死亡届は一枚になっているため、ご遺族は死亡届に必要事項を記入して渡しましょう。
この手続きで火葬許可証が交付されるので、ご遺体の火葬が可能になります。
この手続きはご遺族でなくても構いません。
葬儀社スタッフなど、信頼できる人にお願いすると良いでしょう。
・【家族が亡くなったら】死亡診断書をいただいたら行う3つの手続きを解説|永代供養ナビ
(8)病院の清算をする
そして病院の清算です。
故人が生前に入院した病院の費用は、相続財産から捻出できますので、領収書は必ずもらうようにしてください。
ちなみに葬儀費用も相続財産から費用に充てることができますが、税務署への申告時、領収書の提出が求められます。
最後に
今回は、家族が亡くなったらまず行うべき8つの事柄についてお伝えしました。
今では七日後の火葬や告別式も増えましたが、従来通りであれば、亡くなった翌日には通夜、翌々日には告別式・葬儀と続きます。
そのため家族が亡くなったショックのなかでも、ご遺族は当日から葬儀社を決めて通夜や葬儀の打ち合わせ、僧侶との調整を行わなければなりません。
けれども葬儀社さえ決まれば、現代は葬儀社スタッフが先導してくれるため、サポートがあり、一安心できるでしょう。
あまり考えたくないことではありますが、危篤を告げられた時点から、家族は状況を受け止めて「今、やるべき事柄」を進めて行くことで、「後々まで後悔が残らなかった」との体験談が多いです。
・【家族が亡くなったら】家族が危篤になった時、慌てず行うべき5つのこと|永代供養ナビ
まとめ
家族が亡くなったら、まず行う8つの事柄
(1)末期の水を取る
(2)清拭(せいしき)
(3)ご遺体の安置場所を決める
(4)ご遺体の搬送を依頼する
(5)菩提寺に連絡をする
(6)家族・親族に訃報を知らせる
(7)死亡診断書を受け取る
(8)病院の清算をする
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