墓じまいで「不幸になる」は迷信?よくあるトラブル事例と後悔しないための全手順
「墓じまいをすると、バチが当たり家族に不幸が起きる」
という不安から、体調不良を感じるほど悩む方は多いです。
しかし、親族間のトラブルを恐れてお墓を放置する方が、将来的なリスクは高まります。
本来、墓じまいは遺骨を正しく移す前向きな改葬手続きです。
安易に進めると離檀料等のトラブルを招き、精神的な不幸に繋がりますが、適切な準備があれば墓じまいで不幸になることはありません。
本記事では、墓じまいに伴う「不幸」の正体を解き明かし、深刻なトラブルを回避する手順を解説します。
事前にトラブル事例を学び対策すれば、墓じまいは怖くありません。
不測のトラブルをなくし、不幸を未然に防ぐことこそ、真の供養です。
円満な墓じまいを通じて家族に不幸を招かないためのトラブル回避術を、ぜひ活用してください。
※この記事は2026年2月時点の制度・法律に基づいて執筆しています。
墓じまいをすると「不幸になる」「バチが当たる」と言われる理由
「墓じまいを検討している」と周囲に相談した際、「先祖をないがしろにすると不幸になる」「バチが当たる」といった否定的な言葉をかけられ、不安を感じてしまう方は少なくありません。
なぜ、墓じまいに対してこれほどまでにネガティブなイメージが根強いのでしょうか。その背景には、日本特有の死生観や心理的な要因が関係しています。
その現場で目にしてきたのは、単なる事務的な手続きではなく、ご家族ごとに異なる深い葛藤や想いです。日々お客様と向き合う中で確信しているのは、正しい知識と準備があれば、墓じまいは決して不幸を招くものではないということです。
事実、厚生労働省の『衛生行政報告例』によれば、全国の改葬(墓じまい)件数は2022年度に過去最多の15万件を超えました。これほど多くの方が、ご先祖様を想った上での「前向きな決断」を下しており、現代において墓じまいは決して特別なことではなく、一般的な選択肢となっています。
なぜ親族や周囲は「不幸」という言葉を使うのか?
◇親族や年配の方が「不幸」という言葉を持ち出す最大の理由は、長年受け継がれてきた先祖崇拝の文化にあります。
「お墓を守り続けることこそが供養である」という価値観が強いため、お墓を撤去することを「先祖を捨てる行為」と勘違いしてしまうのです。
また、人間には現状が変わることを極端に恐れる心理(現状維持バイアス)があります。
特に親族間においては、慣れ親しんだお墓がなくなることへの喪失感や、将来の供養に対する漠然とした不安が「不幸になる」という強い言葉に置き換わってしまうケースが多いのです。これらは根拠のある警告ではなく、変化に対する心理的な抵抗感であるといえます。
「災いが起こる?」スピリチュアルな不安「不幸」を解消!墓じまいの考え方
「お墓を動かすと災いが起こる」という言い伝えを耳にすると、どれだけ供養の意志があっても足が止まってしまうものです。しかし、「バチが当たる」といったスピリチュアルな不安を解消するために、まず知っておきたいのは、本当の意味での「供養」とは何かという点です。
管理する人がいなくなり、草木に覆われ荒れ果てたお墓を放置することこそ、ご先祖様に対して失礼にあたり、親族の心に影を落とす原因となります。
墓じまいは、決して供養を辞めることでも、先祖を捨てることでもありません。
現在の墓所を整理し、永代供養墓や樹木葬など、寺院や施設が永続的に管理してくれる環境へ遺骨を移す「改葬(かいそう)」という前向きな決断です。「お墓をたたむ」のではなく「供養の形をアップデートする」と捉え直すことで、災いが起こるといった根拠のない不安や、将来への心理的な負担は大きく軽減されます。
墓じまい後の「体調不良」や「不幸」をバチだと感じてしまう心理
墓じまいを検討し始めたタイミングや、作業を終えた直後に家族が体調不良に見舞われると、「やはり先祖のたたり(バチ)ではないか」と不安に駆られる方がいます。
「墓じまい=悪いこと」という罪悪感を抱えたまま進めるのではなく、ご先祖様へ感謝を伝え、改葬という前向きな整理を行うことで、精神的な負担を取り除くことが、結果として家族の体調や健康を守ることにも繋がります。
実際に起きた!墓じまいの深刻トラブル3つのポイント
墓じまいをスムーズに進めるためのポイントは、過去に起きたトラブルの原因を知り、同じ轍を踏まないようにすることです。ここでは、よくある3つの失敗事例と回避策を解説します。
【親族間】「勝手に進めた」ことが招く不幸。親族修復不能な亀裂トラブル
◇最も多いのが、一部の親族だけで墓じまいを決めることで起きるトラブルです。
事前の相談なしに、主導権を持つ人が独断で墓石の撤去を行うと、「大切な先祖を勝手に処分した」という恨みを買うことになります。
さらに、費用の負担を後出しで請求することも、後悔を招く大きな要因です。親族全員の同意を得ることは大変ですが、ここを無視して進めると、法事のたびに関係がギクシャクし、精神的な不幸を背負い続けることになります。
[墓じまいで起きやすい親族トラブルとは]
【寺院間】高額な「離檀料」を請求されたトラブルの正しい対処法
◇長年お世話になったお寺(菩提寺)との間で、離檀料を巡る揉め事が起きる場合があります。
お寺側としては「大切な檀家を失う」という寂しさから、稀に相場を大きく外れた金額を提示されるケースもありますが、これはコミュニケーション不足が原因であることがほとんどです。
感情的になって話し合いを無視したりせず、まずはこれまでの感謝を伝え、経済的な事情などを誠実に話しましょう。適切な供養 で 相談する姿勢を見せることが、円満な解決に向けたポイントです。
[大阪で起きた離檀トラブル事例とは]
【業者間】石材店の「不当な追加料金」と不法投棄トラブルリスク
◇墓地から墓石を解体・撤去する際、業者選びを誤ると金銭的な被害に遭う恐れがあります。
特に、「安さ」だけで石材店を決めるのは危険です。後から高額な「追加料金」を請求されたり、最悪の場合、取り除いた墓石を山中に不法投棄されるといったリスクもあります。
必ず複数の業者に相見積もりを依頼し、作業内容が明確な見積書を得るようにしましょう。また、お寺によって「指定石材店」が決まっている場合もあるため、事前に確認しておくことでトラブルを回避できます。
[大阪での墓じまい費用相場と注意点を詳しく]
親族の「無視」や反対トラブルをどう乗り越えるか?
◇墓じまいの相談を親戚に持ちかけた際、返信がなかったり、話し合いを無視されたりするケースも少なくありません。
反対派の親族は「面倒なことに関わりたくない」という消極的な理由や、「伝統を壊したくない」という保守的な理由から、対話を避ける傾向にあります。ここで強引に手続きを進めてしまうと、後に深刻なトラブルに発展しがちです。
実務に携わる立場からお伝えしたいのは、反対の裏には「先祖を忘れたくない」という敬意が隠れていることが多いという点です。
ここで強引に進めるのではなく、時間をかけて対話することが、結果として最もスムーズな解決に繋がると私たちは考えています。
無視されたからといって独断で進めるのではなく、まずは「このままでは無縁仏になってしまう」という現状の維持管理リスクを丁寧に共有し、合意形成を図ることが、その後の円満な供養には不可欠です。
トラブルを未然に防ぎ、円満に墓じまいを進める5つの流れ
墓じまいにまつわる不安や不幸な揉め事を回避し、納得のいく供養を実現するためには、正しい手順(流れ)を把握しておくことが大切です。以下の5つのステップに沿って進め方を確認しましょう。
ステップ1:親族への丁寧な説明と合意形成(時期と費用)
◇まずは、お墓に縁のある親族に対し、なぜ墓じまいが必要なのか、その理由を丁寧に説明することから始めます。
「管理する人がいない」「将来的に無縁仏になるリスクがある」といった現状を共有し、反対や無視を避けるための対話を重ねましょう。
この際、墓じまいを行う時期や、解体・撤去にかかる費用の負担についても事前に決めることが、後々のトラブルを防ぐ最大のポイントです。
ステップ2:菩提寺(お寺)への早期相談と離檀の挨拶
◇親族の同意を得た後は、菩提寺の住職へ早めに相談に伺います。
単なる「解約」の報告ではなく、これまで先祖を供養していただいたことへの感謝を伝えるのが円満解決のコツです。
「遠方で管理が難しくなった」などの事情を誠実に話し、離檀の意思を伝えます。お寺によっては指定の石材店がある場合もあるため、この段階で確認しておきましょう。
ステップ3:次の供養先(永代供養・樹木葬・散骨)の決定
◇取り出した遺骨をどこへ移すか(改葬先)を決めます。
● 樹木葬:墓石の代わりに樹木をシンボルとする。
● 散骨:海や山など自然に還す。
自身の価値観や費用、人々のアクセスのしやすさを考慮して、最適な先を依頼・契約しましょう。
ステップ4:自治体での「改葬許可申請」など行政手続きの進め方
◇墓じまいは勝手に遺骨を動かすことはできず、行政上の手続きが必要です。
現在の墓地がある市区町村役場で「改葬許可申請書」を入手し、必要事項を記入します。
その後、現在の管理者(お寺など)から「埋蔵証明書」を、新しい受入先から「受入証明書」を得ることで、自治体から「改葬許可証」が発行されます。この書類がないと、石材店も作業ができないため注意しましょう。
※墓じまいの手続きや費用は、お墓がある地域の条例や寺院・霊園の規約によって大きく異なります。
本記事では一般的な流れを解説しましたが、個別のケースでは当てはまらない例外も存在します。思わぬトラブルを避けるためにも、実際の判断にあたっては、必ず管轄の自治体窓口や、現在お墓を管理している寺院・霊園へ直接確認することをお勧めします。
[参照]
墓じまいや改葬の手続きは、厚生労働省の定める『墓地、埋葬等に関する法律』に基づいて行われます。
ステップ5:閉眼供養(魂抜き)と遺骨の取り出し・整地
◇最後に行うのが、お墓から魂を抜く「閉眼供養(へいがんくよう)」の法要です。
僧侶に読経をいただき、ご遺骨を丁寧に取り出した後、石材店に依頼して墓石を解体・撤去してもらいます。
こうした立ち会いを行うことで、心理的な区切りもしっかりと付けることができます。
最後は区画を更地の状態に戻して管理者に返還すれば、すべての工程が完了です。こうした一連の手続きは、厚生労働省が定める「墓地、埋葬等に関する法律」に基づいて行われます。
この流れを一つずつ丁寧に進めることで、災いへの不安も消え、晴れやかな気持ちで新しい供養をスタートできるはずです。大阪での具体的な手続きについては、大阪市:改葬許可申請についてもあわせてご確認ください。
[大阪での墓じまいの進め方と手順]
まとめ:不幸はない。後悔しない墓じまいは「準備」が9割
墓じまいを検討する際、「不幸になるのでは」という不安や「災いが起こる」といった迷信に心を痛める必要は本当にありません。墓じまいとは、ご先祖様を蔑ろにすることではなく、時代の変化に合わせて最適な形で供養し続けるための、責任ある前向きな選択だからです。
墓じまいで後悔しないための最大のポイントは、事前の準備を丁寧に行い、一つひとつの疑問を解消していくことに尽きます。
● 適切な費用を確認し、石材店への依頼を慎重に行う
● 寺院へ感謝を伝え、円満な改葬を目指す
こうした誠実な進め方を意識すれば、親族間の無視や金銭的なトラブルといった災いを回避し、家族の絆を再確認する貴重な機会にすることができます。
また、お墓の承継は相続の問題とも密接に関わります。「誰が管理していくのか」を今のうちに家族で決めることは、次世代に安心を届ける(付ける)ことにも繋がります。
この記事で紹介した流れを参考に、まずは身近な人への相談から始めてみてください。正しい手順で進める墓じまいの先に、決して不幸はありません。あなたの決断が、ご先祖様とご家族の新しい平穏を切り拓く一歩となるはずです。
[大阪で墓じまいをすべきか迷った時に]
※本記事の監修・運営について このコラムは、墓じまいや供養のプロである「株式会社霊園・墓石のヤシロ」が運営しています。公平な情報提供を心がけていますが、専門家としての知見を活かした自社サービスのご案内も含まれます。
【監修者メッセージ】
墓じまいは、決してご先祖様との縁を切る「不幸な決断」ではありません。大切なのは、次世代へ安心を繋ぐための「前向きな準備」です。お一人で悩まず、まずは私たちプロにご相談ください。
【執筆・監修:永代供養ナビ編集長】
株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長 藤橋 靖雄
1998年入社。 お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。 また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍中。
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