
分骨をする2つのタイミングとメリットデメリット|分骨手続きの流れや費用の目安を解説

遺族間で意見が分かれた時、遺骨を分ける「分骨」を選ぶことで解決するケースも多々あります。
例えば、下記のような場合には分骨を検討しても良いでしょう。
・遠方に住む兄弟も親の供養がしたい
・手元供養がしたい
…などなどですが、なかには「分骨は良くない」と言われ悩む人もいますよね。
今回は分骨にまつわる不安や疑問に応えながら、分骨にベストなタイミング、分骨の手続きまで解説します。

分骨は火葬場がベスト

分骨を行うなら早々に決めて、火葬場で火葬を終えた後に遺骨を骨壺に納める「骨上げ(ほねあげ)」のタイミングで、分骨まで済ませてしまう流れがベストです。
(1)火葬場で分骨
(2)埋葬後に分骨
地域によっては葬儀当日、終わってすぐに納骨式を執り行うこともありますが、埋葬後に分骨するタイミングは、さまざまな手間暇や費用も出てきます。
分骨を考えているならば、一度熟考する時間を設けるために、四十九日や百か日など、納骨式のタイミングを先に延ばすことも視野に入れると良いでしょう。
(1)火葬場で分骨

●行政手続き上、最も便利なタイミングは火葬場での分骨です。
火葬場で分骨を済ませた場合、その場(火葬場)で分骨証明書を貰うことができます。
分骨証明書は後々お墓に埋葬する時に必要になるので、保管してください。
①遠方に住む家族が供養したい
②お墓の埋葬とともに、他の葬送も行いたい
③遺族でそれぞれに供養したい
…などなどのケースで分骨を選ぶ場合が多いです。
①遠方に住む家族が供養したい
郷里に住むお墓を長男が引き継ぎ、親の遺骨を納骨して管理供養をしている家で、遠方に住む次男が分骨をして遺骨の一部を持ち帰り、住まい近郊で別々に供養を行うケースなどがあります。
・分骨して、自宅近郊の納骨堂に納める
…などなどの事例がありました。
②お墓の埋葬とともに、他の葬送も行いたい
一般的には遺骨はお墓に納骨しますが、近年ではお墓以外の新しい葬送が登場しました。
そこで、故人の遺言などから海洋散骨など、新しい葬送を執り行いたい場合に、分骨をして2通りの葬送を行うケースが増えています。
・海洋散骨+お墓に埋葬
・手元供養+お墓に埋葬
本山納骨は仏教宗派の総本山(寺院を総括する寺院)にある合祀墓で、特にその仏教宗派に対して信仰の深い人が希望するケースが多いでしょう。
手元供養では手元に遺骨が残りますが、本山納骨は一度埋葬されると取り出すことはできません。
また海洋散骨でも、一度海に遺骨を撒いてしまうと手元には残らないため、分骨をして一部の遺骨のみを葬送する選択も多くあります。
・【大阪の墓じまい】本山納骨とは。費用の目安と契約前のチェック事項
③遺族でそれぞれに供養したい
火葬場での分骨手続き

火葬場で分骨をする場合、事前に分ける分だけの骨壺を用意します。
また埋葬先の霊園へ提示する証明書として「分骨証明書」を火葬場で発行してもらいましょう。
①人数分の骨壺を準備
②分骨証明書を準備
③骨上げで遺骨を分ける
④火葬場で分骨証明書をもらう
葬儀社スタッフに問い合わせても良いでしょう。
骨壺はシンプルなものであれば、火葬場で購入できる施設もあるので問い合わせてください。
散骨(海洋散骨など)やペンダントトップに遺骨を入れる手元供養では、分骨後に粉骨が必要です。
この粉骨費用は遺骨の量によっても幅がありますが、1万円以下から受け付けてくれます。
①人数分の骨壺を準備
火葬場で分骨する場合には、それぞれが必要な大きさの骨壺を準備する場合が多いでしょう。
骨壺は陶器の商品が多く値段幅は広いです。
・白い一般的な骨壺…2,000円~3,000円ほど
・七宝焼きなどのミニ骨壺…7,000円~10,000円ほど
…などがありますが、手元供養や海洋散骨などの場合それほど多くは必要ないので、ちょっとした容器でも構いません。
②分骨証明書を準備
③骨上げで遺骨を分ける
火葬場で分骨する時は、焼骨した遺骨を骨壺に入れる「骨上げ」のタイミングです。
この時に準備をした骨壺に納めれば良いでしょう。
分骨証明書は後々、お墓や納骨堂などに遺骨を納める場合に必要ですが、紛失事例も多いので、亡くさないように注意をしてください。
遺骨のケースに納めておくと、紛失する確率が少なくなります。
・大阪で納骨式に必要な埋葬許可証を紛失したらどうする?再発行の手続きと流れを解説!
(2)埋葬後に分骨

一度お墓に埋葬された遺骨を、取り出して分骨することは、大変パワーがいることです。
そのため遺族にとっては、それなりの理由があることが多いでしょう。
・墓じまいで遺骨を取り出した
…などですが、それでも埋葬した後に分骨を行う事例は増えています。
ただ一度埋葬してしまうと、遺骨を取り出す工程が必要なので、できれば火葬場での分骨がよりスムーズでしょう。
埋葬後の分骨手続き
埋葬後に分骨をする場合、お墓から遺骨を取り出す工程が入るため石材業者に依頼するなど、費用と手間暇は大阪の火葬場での分骨よりも複雑かもしれません。
墓じまいをきっかけに分骨を行う場合には、お墓の閉眼供養など、お墓を閉める費用も掛かります。
(1)人数分の骨壺を準備
(2)墓地管理者へ相談
公営墓地の場合、自分で石材業者へ依頼するケースが多いですが、民間霊園では多くが提携石材業者があるため、墓地管理者(霊園)へ一括でお願いするとスムーズです。
(1)人数分の骨壺を準備
この流れは火葬場と同じです。
ただ葬儀社スタッフに頼ることはできないので、ネットショップやお店で購入する方が多いでしょう。
手元供養で別容器に入れる(ペンダントトップなど)場合は、遺骨を分けることができれば骨壺でなくても構いません。
(2)墓地管理者へ相談
一度埋葬してから分骨をする場合、分骨証明書を発行してくれるのは、遺骨が埋葬された霊園(墓地管理者)です。
まずは霊園に相談をしてください。
・分骨証明書の発行
・スケジュール調整
・墓石を移動する石材業者の予約
また火葬場で分骨をする分には、特別な費用は掛かりませんが、納骨後に遺骨を取り出して分骨する場合、一時的な魂抜きなどの供養の他、石材の移動など、費用が掛かる点も注意が必要です。
埋葬後に分骨をする予算の目安
埋葬後に遺骨を取り出して分骨をする場合、遺骨の取り出しや骨壺の準備、それぞれの段階で支払いが必要になります。
①人数分の骨壺を準備
②遺骨の取り出し
また遺骨を取り出した後に「墓じまい」をするならば、魂抜き(閉眼供養)を行うため、僧侶へ読経供養を依頼するので、お布施に1~30,000円を包みます。
・大阪で選ぶ「墓じまいパック」。業者選びのポイントや注意点
①人数分の骨壺を準備
墓じまいになると、取り出した遺骨の埋葬先も検討しなければならないので、さらにお金が掛かってくるでしょう。
予算を抑えた合葬墓など選択肢はさまざまなので、家族で話し合い進めてください。
2,000円~予算幅はさまざまですが、分骨後に改めて手元供養などの準備があれば、手持ちの容器に分けても問題はありません。
②遺骨の取り出し
・お墓を開く…約2万円~3万円ほど(石材業者へ依頼)
一般的な三段墓などであれば、石材業者へ依頼して墓石を移動しますが、大きなお墓でなければ墓主が自分達でお墓を開けることもあります。この場合は費用は掛かりません。
分骨への不安の声

「分骨をするのは良くない」と反対する声もありますよね。
けれども法的にも宗教的にも分骨は問題ありません。
①法的には問題がないの?
②宗教的にも問題はないの?
お墓の名義人である墓主が分骨を検討しても、親族から反対を受けたり、心配されることもありますが、特にこのような質問が多いです。
①法的には問題がないの?
「火葬場で分骨できても、一度埋葬した後に取り出すのは違法では?」と心配する声もありますが、埋葬した遺骨を取り出して分骨するケースも多く、違法ではありません。
②宗教的にも問題はないの?
最後に
今回は分骨について、具体的な手続きや費用目安をお伝えしました。
近年では分骨後に住まい近郊の都市型納骨堂や屋内型集合墓地など、頻繁にお参りができるアクセスの良い場所へ、一部を改葬(お墓の引っ越し)する流れが顕著です。
・金銭面や体力面から、年に1度しか供養ができない
・月命日まで丁寧にお参りしたい
…などなど。
形式よりも心の供養、故人との心の繋がりが深くなった現代、分骨により遺族や友人・知人まで、思い思いに故人を偲ぶ時代になりました。
まとめ
分骨の手続きや流れと費用目安
●火葬場で分骨
(1)人数分の骨壺を準備
・骨壺は2,000円~
(2)分骨証明書を準備
・分骨証明書…約300円ほど
(3) 骨上げで遺骨を分ける
●埋葬後に分骨
(1)人数分の骨壺を準備
(2)霊園へ相談
・分骨証明書の発行…約300円ほど
・スケジュール調整
・石材業者の予約…2~30,000円
※閉眼供養があれば1~30,000円
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