
喪中と忌中の違いとは?やってはいけないことは?初詣や七五三、お祭りに行ってもいい?

・喪中、忌中とは?違いは?
・喪中、忌中にやってはいけないことは?
・関係性で喪中と忌中の期間は違う?
家族を亡くして四十九日間を「忌中」、1年間が「喪中」です。
喪中、忌中ともに慎むべき事柄があり、それぞれ慎む意味や内容も変わります。
またあまり知られていませんが、故人との関係性によって喪中や忌中の期間は異なるでしょう。
本記事を読むことで喪中と忌中の期間や違い、喪中や忌中に慎むべき事柄が分かります。

喪中とは?忌中とは?

◇「喪中」とは家族を亡くして1年間、「忌中」とは四十九日間です
「喪中(もちゅう)」とは家族を亡くして1年間、一周忌法要までを差し、この期間はご遺族が喪失を乗り越えるための期間とされます。
一方「忌中(きちゅう)」は家族を亡くして四十九日間、四十九日法要までです。
忌中に故人の魂はまだ成仏しておらず、故人の成仏を祈る時間を過ごします。
<喪中とは?忌中とは?> | ||
[種類] | [忌み期間] | [目的] |
①喪中 (もちゅう) |
・一周忌まで | ・喪失を癒す ・喪に服す |
②忌中 (きちゅう) |
・四十九日まで | ・死の穢れを移さない ・故人の成仏を祈る |
喪中も忌中も「喪に服す」ことは同じです。
忌中は死の穢れ(けがれ)を他者に移さない目的がありますが、どちらも故人を偲ぶ期間でもあり、突然の不幸から少しずつ日常生活に戻るまでの期間とも言えるでしょう。
「喪中」とは?
◇「喪中」とは、故人を偲び身を慎む1年間です
「喪中(もちゅう)」の期間は翌年の祥月命日までの1年間、ご遺族が故人を偲びお祝い事を控えて、身を慎む1年間を差します。
基本的に喪中は家族が慎むべき期間ですが、両親や子どもの一親等、兄弟姉妹や祖父母などの二親等まで、喪中とする家や地域もあるでしょう。
<関係性で違う喪中期間とは> | ||
[故人との関係] | [親等] | [期間] |
①配偶者 | ・0親等 | ・約1年間 (一周忌まで) |
②両親 ・義理両親 ・子ども |
・一親等 | ・約1年間 (一周忌まで) |
③兄弟姉妹 ・祖父母 ・孫 |
・二親等 | ・約3ヶ月~半年 |
喪中は基本的にお祝い事や新しい事柄を進めることが忌まれます。
例えばご遺族は家の新築はタブーですし、結婚式への参列も避けるべきことです。
けれども現代は、家や地域によって柔軟な対応も見せています。
喪中で避けるべき事柄は後ほどお伝えしますので、どうぞ最後までお読みください。
・四十九日法要の準備とは?いつから始める?何を用意する?呼ぶ範囲や、お布施の金額は?
「忌中」とは?
◇「忌中」とは、死の穢れを他者へ移さない期間です
「忌中(きちゅう)」とは、家族が亡くなってから四十九日間、四十九日法要までの期間を差します。
四十九日法要までには七日ごとに行う「中陰法要」もありますが、一般参列者を迎え入れず、身近な家族のみで執り行います。
喪中と同じく喪に服し身を慎み、お祝い事を避けて静かに過ごす期間ではありますが、それ以上に「死の穢れを他者に移さない」意味が大きいです。
<関係性で違う忌中期間とは> | ||
[故人との関係] | [親等] | [期間] |
①配偶者 | ・0親等 | ・約49日 (四十九日法要まで) |
②両親 ・義理両親 ・子ども |
・一親等 | ・約20日~49日間 (四十九日法要まで) |
③兄弟姉妹 ・祖父母 ・孫 |
・二親等 | ・約20日~30日間 |
忌中の間、故人の魂は成仏して極楽浄土に至る冥土の道を辿ります。
地域によっては忌中は故人の魂が落ち着かず、あの世とこの世を行ったり来たりするとも言われる期間です。
●初七日法要までを「忌中」とする考え方も増えました。
忌中や喪中期間は明治7年に制定された「服忌令」がひとつの目安になっていますが、現代は一律で四十九日。忌明けに四十九日法要とする人が多いでしょう。
喪中や忌中にやってはいけないこととは?
忌中にやってはいけないこと
◇忌中は「死の穢れ」を神様に見せたり、他者へ移してはなりません
忌中に身を慎む主な目的は「死の穢れ」を他者に移さないためです。
けれども人の死を穢れとするのは神道の考え方ですので、神社参拝はタブーでも、寺院参拝は問題ありません。
<忌中にやってはいけないこと> | |
①神様の眼に触れる | ・神社参拝 ・神棚を開ける |
②慶事 | ・結婚式 ・新築祝い ・祭典 …ほか祝い事 |
③贈り物 | ・香典返し ・お歳暮 ・お中元 …など |
④交流の場への参加 | ・旅行 ・交流会 …など |
基本的に忌中の神社参拝は控えるべきですが、お祓いを目的とした祈祷に関しては、神社の境内に入ることが許される神社もあります。
ただし全てではないため、祈祷予約の際に確認をすると良いでしょう。
特に不幸が続くなどした時、忌中のお祓い事例があります。
喪中にやってはいけないこと
◇喪中はお祝い事に参加することが慎まれます
喪中の1年間は故人を偲び身を慎み喪に服す期間として、結婚式や新築祝いなどのお祝い事「慶事」はもちろん、お正月などお祝い行事もタブーです。
結婚式の参加を控える他、自身の結婚や入籍、新しく家を建てることも避けます。
ただお墓を建てる「建墓」は、建墓祝いはあるものの行っても良いでしょう。
<喪中にやってはいけないこと> | |
①慶事 | ・結婚式 ・新築祝い ・祭典 …など |
②年中行事 ●お祝い行事 |
[お正月] ・神社の初詣 ・門松やしめ縄 ・年賀状 ・新年の挨拶 (おめでとう) |
ただ節目である七五三などのお祝いは、忌中は避けるものの喪中は行っても良いとする家がほとんどです。
また同じ年中行事でも節分などのお祓い行事は喪中期間も行って問題はありません。
お正月には年賀状を控えますが、前年11月末頃から「喪中ハガキ」「年賀状欠礼ハガキ」にて、喪中により年賀状を控える旨を報告してください。
忌明け後に行うこととは?
◇忌明けでは四十九日法要を執り行い、神棚封じを解きます
忌明けの法要は四十九日法要です。
四十九日法要を終えたら、忌中により死の穢れを移さぬよう控えていた、通夜や葬儀でいただいた香典返しを贈ります。
香典返しの品を選ぶ金額目安は香典金額の約1/3~1/2、四十九日法要から7日後までを目安に贈ると良いでしょう。
<忌明け後に行う事柄> | |
[行うこと] | [内容] |
①四十九日法要 | ・僧侶を呼び供養 ・位牌の交換 |
②納骨式 (納骨先があれば) |
・遺骨を納骨する ・僧侶を呼び供養 |
③香典返し | ・香典の1/2を目安に品を贈る |
④挨拶状 | ・四十九日法要を終えた報告 ・納骨式を終えた報告 |
⑤神棚の神封じを解く | ・神封じの白紙をはがす (通夜まえに封じた白紙) |
一般的に忌明けに行う四十九日法要では、それまでの白位牌「仮位牌」から、漆塗りの「本位牌」へと、故人の魂を移す儀式があるでしょう。
そのためご遺族は、四十九日法要までにご位牌の準備が必要です。
また先祖代々墓など納骨先があれば、四十九日法要後に納骨式まで行います。
喪中や忌中にご招待を受けたら

◇基本的にはお断りをしますが、現代は先方が良ければ参加する人も多いです
喪中や忌中に結婚式や新築祝いなど、慶事のご招待を受けたら、喪中や忌中であることをお伝えして、丁重にお断りをします。
けれども現代の結婚式はごく少数のものも多く、断りにくい現状もあるようです。
忌中での参加は控えますが、喪中での参加は先方が許せば、参加をする人も増えました。
「この度はご結婚おめでとうございます
せっかくご招待いただきましたが どうしても都合がつかず 残念ながら欠席させていただきます
おふたりの末永いお幸せをお祈りいたします」
結婚式のお断りでは、喪中や忌中であることをハッキリ言うことはマナー違反にあたりますので、理由は伏せてやんわりと伝えることがポイントです。
一方、交流会や飲み会などカジュアルな席を欠席する際は、「気を遣わせるのも忍びないので」「まだ心の整理が付いていないので」とすると良いでしょう。
まとめ:喪中や忌中はお祝い事を避けましょう

喪中や忌中に共通する事柄は、喪に服しお祝い事を慎むことです。
忌中は神道において「死の穢れ」を他者に移さぬよう、贈り物や交流を控えます。
けれども仏教において死を穢れとする考え方はないので、神社参拝はできずとも、寺院参拝はできるでしょう。
毎年送っているお中元やお歳暮を控える時には、通夜や葬儀、四十九日法要を無事に終えたことを報告する挨拶状や、喪中ハガキを以て報告することで、相手も理解してくれます。
近年では家族のみの通夜や葬儀が増え、忌明けに訃報ハガキを送ることも増えましたが、この頃にお誘いやご招待を受けた時にも、必ずしもハッキリと伝える必要はありません。
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