
民間霊園とは?メリット・デメリットや霊園選びの注意点、お墓の購入を安く抑えるには?

・民間霊園とは、どんな霊園?
・民間霊園のメリット・デメリットは?
・民間霊園で安くお墓を購入するコツは?
民間霊園とは、民間企業が運営を行う霊園・墓地で、都道府県知事の許可を得る必要があるので、経営は宗教団体や社団法人、財団などが担う霊園が多いでしょう。
本記事を読むことで、民間霊園にお墓を建てる時の適切な選び方や、メリット・デメリット、民間霊園で安くお墓を建てるポイントが分かります。

民間霊園とは

◇民間霊園とは、委託を受けて民間企業が管理運営を担う霊園です
厚生労働省の通達により、墓地の経営には都道府県知事の許可を得る必要があるため、経営母体は宗教法人や公益財団法人(財団)が担います。
民間企業は委託を受けて管理運営を行う流れがあるでしょう。
厚生労働省は、故人の供養の場である墓地を、営利目的を持たない場とするためです。
・公益性・公共性…道路や公園のように、公共の場であること
・非営利性…利益を目的とせず、価格が安定している
・永続性…利用者が永代に渡り利用できる、経営の安定性
その昔から先祖代々墓など、永代に渡り故人を供養する場が墓地・霊園です。
そのため価格高騰や競争のない、また利用者にとって永代に渡り安定した場が求められます。
・厚生労働省「墓地経営・管理の指針等について」
民間霊園の仕組みとは?
◇民間霊園には委託を受けた霊園と、公益法人があります
民間霊園は寺院などの宗教法人を経営主体として、民間企業が管理運営や営業販売などの委託を受けたものと、公益法人によるものがあります。
●一般社団法人・一般財団法人が、行政庁より公益性の認定を受けた団体です。
・行政庁による厳しい審査がある
・公益性が認められた公益法人は信頼が高い
公益性の審査は大変厳しく、認定を受けるには長年の信頼の積み重ねと日々の精進が必要になるため、公益財団法人による霊園は、ごく少ないと言えます。
石材業者として関わる民間企業の他、管理運営まで全てを委託する寺院もあるなど、民間企業と宗教法人が連携した民間霊園の仕組みはさまざまです。
・お墓を購入する流れとは?費用相場と選び方のポイント、お墓が建つまで6つの手順を解説
・国・都道府県公式公益法人行政総合情報サイト「公益法人になる」
民間霊園のメリットとは?

◇民間霊園は、利用者目線のさまざまな施設やサービスが期待できます
昭和30年代、公営墓地や寺院墓地だけではお墓の需要が追い付かないと危惧された時代に民間霊園は誕生しました。
そのため公営墓地や寺院墓地とはまた違う、自由度の高い霊園が多い傾向です。
自由度が高い
◇寺院墓地や公営墓地と比較して、門戸が広い傾向にあります
寺院墓地ではお墓を建てるにあたり、檀家になる必要があるため、その寺院と宗派に倣わなければなりません。
・宗旨宗派を問わない
・お墓の形が自由
・いつでも購入できる
・法要の自由
・国籍を問わない
公営墓地も自治体内での居住年数など、応募条件があり、購入にあたり期間内の応募や、抽選を経て墓地を購入します。
・霊園とはなに?墓地とは違う?民間霊園・寺院墓地・公営墓地のメリット・デメリットとは
民間霊園・墓地のメリット
◇民間団体が運営しているため、墓主の視点に立ったサービスや施設が多いです
民間団体なので、それぞれの霊園で創意工夫が見られます。
霊園・墓地内の法要スペースなどの他、霊園によっては専用区画にペットと一緒に入る「ペット霊園」を有する霊園もあるでしょう。
下記は民間霊園の平均的なメリットですが、民間団体なので霊園によって違いがあります。
<民間霊園・墓地のメリット> | |
●購入のタイミング | ・自分のタイミングで建てやすい ・終活でも購入が可能 |
●自由度 | ・基本的に宗旨宗派を問わない ・さまざまな種類のお墓がある ・お墓のデザインに自由度が高い ・一緒に入る人を問わない |
●環境 | ・サービスが行き届いている ・設備が整っている ・清潔、開放感がある |
宗教法人ではないので宗旨宗派を問わず、あらゆる面で自由です。
例えば、法要など供養の形式も自由ですし、一緒に入る人も問わない民間霊園が多いでしょう。
そのため血縁関係のない知人友人が共同でお墓を購入する「墓友(はかとも)」によるお墓が見つけられるのも、民間霊園の特徴です。
施設やサービスが充実している
◇利用者に役立つ施設やサービスが期待できます
民間霊園により施設やサービス内容はさまざまですが、民間企業が管理運慶を行うため、利用者目線に立った運営が特徴です。
郷里の墓地からお墓を引っ越す「改葬(かいそう)」では、郷里の墓地での墓じまいから一貫して請け負う「墓じまいパック」なども利用できるでしょう。
・最寄り駅からの送迎バス
・芝生公園広場
・法要スペースの提供
・お墓掃除道具の貸し出し
・墓じまいパック
・お墓掃除代行
ピクニックができる芝生エリアや桜並木のような遊歩道など、公園のような開放的な設計の墓地も多いことから、民間霊園を「霊園」と呼び分けすることも多いほどです。
・お墓を購入する注意点とは?見学・契約時に確認するチェックポイント|購入の手順も解説
予算や目的に合わせたお墓がある
◇利用者目線に立ち、予算や目的に合わせたさまざまなお墓が利用できます
公営墓地や寺院墓地と比べると割高とされる民間霊園ですが、現代は予算や目的に合わせて選べるほどの、さまざまな形態のお墓が提供されるようになりました。
特に家族に代わり、運営が遺骨の供養や管理を永代に渡り行う「永代供養」が付いたお墓が多く、継承の心配がありません。
<民間霊園のさまざまなお墓の一例> | ||
[一般墓] | ●約100万円~200万円以上 | ・個人墓…個人で入るお墓 ・夫婦墓…夫婦で入るお墓 ・墓友…友人知人で入るお墓 |
[永代供養] | ●約10万円~150万円以上 | ・合祀墓…費用が安い ・自然葬…自然に還る ・納骨堂…遺骨を納めるスペース ・ガーデニング型樹木葬…庭園内のお墓 |
[ペット霊園] | ●約25万円~150万円以上 | ・ペットの合祀墓 ・ペットの個別墓 ・ペットと入るお墓 |
などがありますが、例えば納骨堂でも仏壇型やロッカー型、自然葬ではシンボルツリー型や里山型など、それぞれの種類のなかでも分かれます。
全ての民間霊園で提供する遺骨の供養やお墓を並べると多種多様ですので、利用者の目的や予算に沿った、遺骨の供養ができるでしょう。
民間霊園のデメリットとは?

◇民間霊園は公営墓地や寺院墓地と比べ、割高傾向とされます
寺院墓地は檀家に向けて、公営墓地は地域住民に向けて整えられた墓地です。
そのためお墓を建てやすいよう、墓地区画の料金が安く抑えられています。
[お墓を建てる]
・約100万円~200万円(平均約152.4万円ほど)
[年間使用料]
・約1万円~3万円(平均約1万5千円ほど)
公営墓地の年間使用料は約2千円~5千円ほどです。
寺院墓地は年間使用料ではなく「お布施」としてお金を包む墓地が多いでしょう。
そのため寺院墓地と民間霊園では、年間使用料はあまり変わらない傾向です。
・鎌倉新書「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)」
提携石材業者がある
◇民間霊園では、石材業者が指定される施設がほとんどです
公営墓地などでは自分で石材業者を手配し、お墓を建てますが、民間霊園では特定の石材業者と提携しています。
墓石業者の相見積もりや選択ができない民間霊園が多いため、決まった石材業者があるならば、最初に相談をすると良いでしょう。
霊園によりバラツキがある
民間霊園で安くお墓を建てるには?

◇霊園の立地や、区画によって公営墓地よりも安く収まることがあります
民間霊園とひと口に言っても、都心部でアクセスの良い立地に広がる民間霊園もあれば、郊外の霊園もあるため、価格幅は広いです。
また民間霊園ではさまざまなお墓の種類だけではなく、区画も用意しているため、予算にあったものを選ぶことができます。
<民間霊園で安くお墓を建てる> | |
[立地] | ・郊外の民間霊園は安い傾向 |
[墓地区画] | ・安い墓地区画もある ・墓地区画は多きさに比例する |
[墓石] | ・シンプルな墓石を選ぶ ・墓石のランクを調整する ・セットプランを利用する |
また前出した「ガーデニング型樹木葬」は、樹木葬と呼ぶものの永代供養が付いた小さなお墓です。
美しい樹々のふもとにあるワンプレート型のお墓に納骨されるスタイルが多く、このようなお墓であれば、約50万円~の提供も見受けます。
・【自然葬の種類】自然葬の種類と特徴。個別の墓標を残す自然葬もあるの?|永代供養ナビ
民間霊園とは民間企業が管理運営を担う霊園です

民間霊園は民間企業が管理運営を担います。
ただ厚生労働省の通達により、営利目的である民間企業は墓地経営ができないため、多くは宗教法人や財団から、民間企業が委託を受けています。
公益法人が運営する民間霊園は、行政庁の厳しい審査を経て認定された施設です。
行政庁の審査が非常に厳しいことで知られるため、信頼性は高いでしょう。
民間霊園でお墓を建てる時には、最初に予算を決めたうえで、複数の霊園から資料請求を行い、見学をしたうえで、総合的に比較検討をしてみることをおすすめします。
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