
ペットの法要とは?お布施は必要?費用相場や書き方・包み方、参列時の服装マナーを解説

ペットの法要とは、ペットが亡くなった後に飼い主の意向で、人と同じように弔い供養をすることです。
ペットが亡くなった時の火葬や葬儀もペット法要のひとつですが、その後に行うペット初七日や四十九日法要、一周忌以降の年忌法要も含まれます。
・ペットの法要とはなに?
・ペットの法要でのお供え物は?
・僧侶にペットの法要を依頼する方法は?
・ペット法要でお布施は必要?金額目安は?
・ペット法要に参列する時の服装は?
今回はニーズが増えたペットの法要について、ペット法要とはなにか?進め方や僧侶への依頼方法、お布施の包み方や金額目安、ペット法要参列時の服装マナーまで解説します。

ペットの法要とは?

◇ペットの法要とは、ペットが亡くなった後、人と同じように偲び供養することです
現代ではペットの法要を、亡くなった時のペット火葬や葬儀として捉える人も多いですが、ペット法要では納骨後、初七日や四十九日法要、一周忌以降の年忌法要も含めます。
・お供え物をする
・読経供養をする
・お焼香をする
「法要」ですので一般的には読経供養を行うことが多いでしょう。
人の法要とは違い親族などへの配慮も必要ないため、基本的には飼い主の自由に進めます。
家族のみでのペット法要が多いため、参列客への引き物や振る舞い(会食)は行わない施主がほとんどです。
ペットの法要でお供え物は?
◇ペットの法要では、お供え物にも決まり事はありません
基本的には飼い主が今は亡きペットを偲び、生前に愛用していたおもちゃや服、好きだったご飯などを備えます。
・ペットとの思い出の品
・ペットが好きだった食べ物
・水
・お花
・お線香
また読経供養を行うにあたり、祭壇にはペットの写真を飾る人が多いです。
ペットの法要でも、黒や白のハンカチは用意しておきましょう。
宗派によって違いますが、お線香は1本、もしくは3本(天台宗・真言宗)を供えます。
3本を供える時には手前に1本、逆三角形を描くように奥に2本を供えてください。
・お線香の正しい上げ方とは?お線香は何本あげてお倫は何回鳴らす?弔問のタイミングは?
ペットの初七日法要、四十九日法要は?
◇ペットの初七日法要、四十九日法要など、納骨後の法要も可能です
現代のペット供養では「家族のように供養したい」との声も多く、人と同じように納骨後も
ペットの初七日法要や四十九日法要を執り行う人も珍しくありません。
ただ人の法要でも「繰り上げ初七日」など、繰り上げてまとめる法要が増えています。
<ペットの法要とは:法要の目安> | ||
[法要] | [時期(ご臨終から)] | [2023年4月1日の事例] |
●ご臨終~忌中 | ||
・お通夜 | 当日 | 2023年4月1日 |
・葬儀 | 翌日~7日ほど | 2023年4月2日~7日 |
・初七日 | 7日目 | 2023年4月7日 |
●喪中 | ||
・四十九日 | 四十九日目 | 2023年5月19日 |
・納骨式 | 納骨時 | 2023年5月19日が目安 |
・百か日 | 百日目 | 2023年7月19日 |
・初盆 | 初めてのお盆 | 2023年8月13日(月遅れ盆) |
●年忌法要/追善供養 | ||
・一周忌 | 翌年 | 2024年4月1日 |
・三回忌 | 2年目 | 2025年4月1日 |
・七回忌 | 6年目 | 2029年4月1日 |
・十三回忌 | 12年目 | 2035年4月1日 |
・十七回忌 | 16年目 | 2039年4月1日 |
・二十三回忌 | 22年目 | 2045年4月1日 |
・二十七回忌 | 26年目 | 2049年4月1日 |
・三十三回忌 | 32年目 | 2055年4月1日 |
・五十回忌 | 49年目 | 2072年4月1日 |
※三回忌以降はご臨終の年も含める(数え)ので、三回忌がご臨終から2年目になります。以降の年忌法要も同じです。
基本的な人の法要はこのようになり、ペットの法要も飼い主が望むならば人と同じように供養ができます。
けれども一般的には、人もペットも現代の法要では、三回忌や七回忌、十三回忌ほどで弔い上げ(法要を終える)を行うケースが増えました。
ペットの法要を受けない僧侶もいる?

◇仏教の教えに倣い「人と動物は道が違う」として、読経供養を行わない僧侶もいます
これは寺院や僧侶の解釈によって違うのですが、「人と動物は生きる道が違う」としてペットの読経供養を行わない僧侶もいるでしょう。
輪廻を説く仏教では、生まれかわりの「六道(六界)」があります。
生前の業に倣い死後に歩む六道では、下記六つの道が説かれてきました。
・天道…天国の世界
・人道…人間の世界
・修羅道…阿修羅/暴力などの世界
・畜生道…動物の世界
・餓鬼道…餓えの世界
・地獄道…地獄の世界
人間は「人道」動物は「畜生道」に分かれるとされるためです。
また浄土真宗では「南無阿弥陀仏と唱えても、動物の供養にはならない」と考える僧侶もいるでしょう。
ただし浄土真宗の僧侶であっても「回向(えこう)」として読経供養を行う僧侶もいらっしゃいます。
ペット法要とは:回向の教え
◇浄土真宗「回向(えこう)」の教えでは、偲ぶ者が経を唱えることで供養になるとされます
このように宗旨宗派に限らず、僧侶により解釈はさまざまだと考えてください。
ただ人道と天道のみが善(趣)、残る四道は悪(趣)とされるため、あまり良い気持ちはしない飼い主は多いです。
そうでなくても、愛するペットを「畜生」と言われるのは嫌ですよね。
●ですから予めペット供養に積極的な寺院や僧侶を選びましょう
同じくペットを愛する気持ちを理解している僧侶に、手厚く読経供養を行ってもらえます。
ペットの法要を依頼するには?

◇ペット法要を依頼するには、ペット供養業者に相談するとスムーズです
四十九日や一周忌など納骨後のペット法要を希望するなら、ペット火葬や納骨を済ませたペット供養業者に相談する方法が最も近道になります。
●ペット法要に理解のある僧侶に依頼する
・菩提寺があれば、ばず菩提寺に相談
・菩提寺が難しければ、ペット供養に理解のある僧侶に依頼
そのため、手元供養をしていて引っ越してきたなど、何らかの事情で相談先が見つからない場合には、ペット供養業者に相談してみると良いでしょう。
ペット供養に理解のある僧侶に依頼する場合、宗派の違いはあるかもしれません。
宗派にこだわりがある場合には、総本山へ相談するか、下記でお伝えするいくつかの相談先で探してみます。
・「檀家」とは?かかる費用や義務、檀家になる・やめるには?檀家にならず法要はできる?
①ペット霊園に相談する
ペット霊園では、納骨式や定期的な合同供養があるため、読経供養を提携する僧侶や寺院があるでしょう。
手元供養ならば、自分亡き後のペットの遺骨の扱いを決めておかなければなりません。
ペット霊園のなかには、飼い主と入れるお墓を提供する霊園もあるので、ペット法要の依頼のついでに、検討してみても良いでしょう。
②ペット仏具を扱う仏壇・仏具店へ相談する
ペット仏具を扱う仏壇・仏具店でも、ペット供養に理解のある寺院や僧侶を紹介してくれる可能性があります。
ペット仏壇の開眼供養や、ペットの位牌での戒名など、何かと僧侶へ依頼する事柄が多いためです。
こちらもペットの手元供養をしているならば、長年供養をするなかでお倫や仏具の買い替えもあるため、相談しやすいです。
③ペット供養専門の僧侶派遣を利用する
現代はペット供養専門の僧侶派遣業者も登場しました。
全国展開の僧侶派遣会社が多く、料金体系も明瞭です。
ただし僧侶派遣会社は初七日法要、四十九日法要と、その時限りのお付き合いになる可能性もあるでしょう。
読経供養の依頼をきっかけに、ペット法要や供養について相談したい場合には、他の方法を選ぶのも一案です。
④ペット葬儀社に相談する
ペット葬儀社では火葬時に読経供養を依頼することが多いため、僧侶や寺院と提携している業者が多いです。
またペット斎場を設けた施設もあるため、個別スペースを借りるペット法要も相談できるかもしれません。
一方で個別スペースを借りてペット法要を執り行い、一連のセレモニーを任せると、施主としては便利ですが費用が割高になる傾向です。予算を決めて相談すると良いでしょう。
⑤ペット供養を扱う寺院に相談する
前述したように仏教の教えでは「人の道と動物の道は違う」とされますが、現代はペット供養に理解のあるご住職も少なくありません。
なかには寺院内にペットの納骨堂や合同墓を設け、ペット供養を積極的に受け入れる寺院もあります。
ただし全てのペット法要を受け入れる寺院ばかりではありません。
遺骨が収蔵されているペットのみ、ペット法要を行う寺院や、檀家のペット法要のみ受け付ける寺院もあるでしょう。
ペットの法要、2つの種類

◇ペットの法要には、合同法要と個別法要の2つの種類があります
ペットの法要は人とは違い、「三十三回忌まで執り行わなければならない」などの決まり事はありません。基本的には飼い主の想い次第です。
そのため人と同じように命日に合わせて一周忌・三回忌とペット法要を執り行う飼い主もいれば、ペット霊園や納骨堂が行う定期的な合同供養に参列する飼い主もいます。
ペット法要の種類:個別法要
◇ペットの個別法要は、施主が僧侶を手配して命日に合わせて行います
ペットの個別法要は、人と同じように施主が僧侶を手配しスケジュール調整を行い、命日に合わせて執り行う法要です。
ただペット法要の場合、家族などごく近しい人々のみで執り行うため、御香典や法要後の会食(振る舞い)は省く人が多いでしょう。
①霊園(納骨堂)とスケジュール調整
②僧侶とスケジュール調整
③参列者にご案内する
・御香典辞退かどうか?
・法要後の振る舞いはどうするか?
自宅で祭壇を前に読経供養を行う施主が多いですが、ペット霊園や納骨堂で遺骨を前に執り行うケースもあります。
この場合にはペット霊園や納骨堂施設に相談をしてスケジュール調整をしてください。
読経供養を依頼する僧侶も、宗派にこだわりが無ければ、ペット霊園や納骨堂施設で紹介してもらうとスムーズです。
ペット法要の種類:合同法要
ペット法要でお布施は包む?

◇ペットの個別法要では、約3万円~5万円ほどのお布施を包みます
ペットの合同法要の主催者はペット霊園など施設管理者なので、ペット法要のお布施は自由ですが、ペットの個別法要ではお布施が必要です。
前述した僧侶派遣では22,000円/1回の読経供養、が平均的な費用相場でした。
<ペットの法要とは:お布施金額相場> | |||
[法要の種類] | [お布施金額相場] | [その他] | |
① | 合同法要 | 約3千円~1万円ほど | なし |
② | 個別法要 | 約3万円~5万円ほど | 御車代(約5千円ほど) |
御車代とは、僧侶に出張いただいた時の交通費です。
寺院から出張先(自宅など)までのタクシー代を目安とし、約5千円~1万円ほどを包みます。
人の法要ではこの他、僧侶がご辞退された場合の御膳代がありますが、ペット法要ではそもそもお食事の振る舞いがないものが多く、御膳代を用意する施主は多くありません。
ペットの法要:お布施の包み方

◇お布施は白い封筒、もしくは黄色×白の水引きで包みます
大阪近郊では一部地域でお布施を黄色×白の水引きの祝儀袋で包みますが、一般的には白い厚手の封筒に納めると良いでしょう。
・厚手の白い封筒
・表書きは「お布施」
・裏面には住所と氏名
・封を開けたらお札の「顔」が見える
・お金は新札を用意
お布施は徳行であり慶事でも弔事でもないため、白い封筒が適切です。
ただし二重の封筒は避け、中身が表写りしない厚手の白い封筒を選びます。
ペットの法要:お布施の渡し方
◇袱紗(ふくさ)、もしくは切手盆に乗せ、両手を添えて差し出します
お布施をお渡しする時は、お布施を乗せる小さなお盆「切手盆(きってぼん)」に、上からお布施・御車代と重ねるのが本来のマナーです。
けれどもペットの法要では現地で読経供養を行い、そのまま帰る僧侶も多いため、袱紗(ふくさ)を切手盆代わりとします。
・袱紗(ふくさ)を切手盆代わりにする
・表書きを僧侶が読む方向
・両手を添える
●袱紗(ふくさ)
・紫色や深緑色の地味な色目
・無地
「袱紗(ふくさ)」とは、御香典や御布施などをしまうものです。
結婚式に持ち歩く慶事用には、ピンクなどの華やかな袱紗(ふくさ)、黒であっても光沢がある袱紗(ふくさ)も見受けるので、落ち着いたものを選んでください。
・大阪の法要でお布施を渡す時、施主が押さえるマナーとは。御香典とは違う渡し方を解説!
ペットの法要:服装マナー

◇ペットの法要では、喪服ほど畏まらないものの、地味に整えた「平服(へいふく)」です
ペットの法要は人の法要とは違い規模も小さく、なかには家族のみで執り行うものも多いため、平服(へいふく)で整える人が多いでしょう。
「平服(へいふく)」とは礼服や礼装よりも自由度が高いものの、式のTPOに順応したフォーマルな服装を差します。
・黒やグレー、深緑など地味な色合い
・袖丈はひじより長く
・スカート丈は膝より長く
・ネックレスはパールの一連のみ
・華美な装飾を避ける
・革製品を避ける
・ヒールは3cm以下
・光沢のある服や小物を避ける
ただし人が利用する斎場で行うペット法要では、他の利用者が喪服であることも多いです。
そのためあまり浮かないよう、喪服での参列が多くなります。
ペット法要のご案内をする時には「平服でお越しください」「喪服でお越しください」などと明記しておくと、参列者も安心です。
最後に
現代では人と同じようにペットも法要を行い、追善供養で天国へ橋渡しをしたい飼い主が増えていますよね。
コロナ禍を超えて現代では、リモートで行う合同法要も見受けるようになりました。
本文中では浄土真宗について触れましたが、浄土真宗では同時に「猫が死んでも三部経」の言葉もあります。
※「三部経」とは、浄土真宗で唱える無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経です。
ですから寺院や僧侶によってさまざまな見解があるものの、決して「動物だからお経は唱えない」訳ではありません。
大切なことは飼い主が納得できる追善供養です。
・ペット火葬とは?大阪で頼れる5つのペット火葬場。保冷環境で2日~10日後には火葬を
まとめ
ペットの法要とは?お布施や服装は?
●ペットの法要とは?
・人と同じように法要を行うこと
・初七日、四十九日、年忌法要も含まれる
●ペット法要の進め方
・僧侶へ依頼
・施設で行う場合、スケジュール調整
●ペット法要の流れ
・お供え物
・読経供養
・お線香をあげる
●ペット法要のお供え物
・ペットとの思い出の品
・ペットが好きだった食べ物
・水
・お花
・お線香
●読経供養を依頼する
◇ペット供養に理解ある僧侶に依頼する
・ペット霊園
・ペットの仏壇仏具店
・ペットの僧侶派遣
・ペット葬儀社
・ペット供養を扱う寺院
●ペットの法要の種類
・個別法要
・合同法要
●ペット法要のお布施
・個別法要…約3万円~5万円(御車代)
・合同法要…約3千円~1万円
●お布施マナー
・白い厚手の封筒に入れる(一重)
・開けた時にお札の顔が見える
・新札を入れる
・袱紗に入れて持ち歩く
・袱紗は弔事用
・袱紗を座布団のように敷いて渡す
・両手を添えて渡す
●ペット法要での服装
・平服
お電話でも受け付けております
