2026年の年金制度改正とは?在職老齢年金の基準引き上げ・給付額の変更点をわかりやすく解説
「2026年の年金制度改正、何が変わったの?」
「在職老齢年金の基準引き上げ、自分は影響ある?」
「パートの社会保険加入拡大、いつから?」
2025年6月に年金制度改正法が成立し、現役世代からシニア世代まで幅広い層に影響する改正が始まっています。
厚生労働省が進める今回の改正は、「長く働く人を支える仕組みづくり」が目的です。
本記事では下記についてわかりやすく解説します。
● 在職老齢年金の支給停止基準額引き上げ(2026年4月〜)
● 基礎・厚生年金の給付額の見直し
● パートタイム労働者の社会保険加入拡大スケジュール
2026年以降の年金制度改正を理解して、将来の生活設計に役立てましょう。
※本記事は、供養を通じて多くのご家族に寄り添ってきた「霊園・墓石のヤシロ」が執筆しています。なお、記事内にはヤシロの納骨堂サービスへのご案内を含む場合があります。(2026年8月28日更新)
2026年の年金制度改正とは?概要と目的をわかりやすく解説
◇2025年6月に年金制度改正法が成立し、2026年4月から順次施行されています。
少子高齢化の進行と就労環境の変化に対応するための大きな見直しで、厚生労働省は「長く働く意欲を支え、将来の年金財政を安定化させる」ことを目的としています。
● 在職老齢年金…支給停止基準額を月額65万円に引き上げ(2026年4月〜)
● 基礎・厚生年金…給付額の段階的な底上げ
● パート加入拡大…2027年〜2035年にかけて段階的に対象企業を拡大
● 遺族年金…男女差の解消(2028年4月〜)
以下では、改正の背景・目的・変更点の全体像をわかりやすく整理します。
年金制度改正の背景と成立までの流れ
◇「働くと年金が減る」という不公平感の解消が、今回の改正の出発点です。
少子高齢化や非正規雇用の増加により年金制度の持続が課題となる中、「働けるうちは働きたい」という高齢者が増えたことで現行制度の見直しが求められていました。
● 2023年…厚生労働省が年金制度全体の改革案を公表
● 2025年5月…年金制度改正法案を国会に提出
● 2025年6月…年金制度改正法が成立
● 2026年4月〜…在職老齢年金の基準引き上げなど順次施行開始
この改正により、働く世代・受給世代の双方にとって納得感のある仕組みへの転換が進んでいます。
厚生労働省が示す年金制度改正の目的と方向性
◇厚生労働省が掲げる年金制度改正の主な目的は3つです。
① 長く働く人の就労意欲を支える
→ 在職老齢年金の支給停止基準を月額65万円に引き上げ、働いても年金が減らない仕組みに。
② 将来の給付水準を安定させる
→ 物価・賃金に連動した「マクロ経済スライド」を見直し、給付額を調整。
③ 働き方の多様化に合わせた制度拡大
→ パートや短時間労働者にも厚生年金を適用し、保障の公平化を進める。
これらの改革は単なる「支給額の引き上げ・引き下げ」ではなく、全世代が支え合う年金制度への転換を目指すものです。
[改正の詳細・最新情報]
・厚生労働省「年金制度改正法について」
・日本年金機構「令和8年度の年金額改定について」
2026年改正で変わるポイント①|在職老齢年金の見直しと支給基準の引き上げ
◇2026年4月から、在職老齢年金の支給停止基準額が月額65万円に大幅引き上げされました。
これまで「働きながら年金を受け取ると減額される」という仕組みが課題とされてきましたが、今回の見直しにより働く高齢者が安心して収入を得られる制度へと変わりました。
在職老齢年金の仕組みと問題点
◇在職老齢年金とは、厚生年金に加入したまま年金を受け取る人を対象に、給与と年金の合計が一定基準を超えると支給額が減額される制度です。
● 改正前の基準…賃金+年金の合計が月額47万円を超えると減額
● 問題点…再雇用やパート勤務で収入が増えると年金が減り、就労意欲が削がれる
● 改正の目的…「働くほど損をする構造」を見直し、高齢者が安心して働ける環境へ
厚生労働省はこの課題を受け、2025年6月の法改正で支給停止基準の引き上げを決定。2026年4月から施行されています。
2026年年金制度改正での支給停止基準と月額上限の変更
◇2026年4月から、在職老齢年金の支給停止基準が月額65万円に大幅引き上げされました。
働きながら一定の収入を得ても、減額や支給停止の対象になりにくくなったのが大きなポイントです。
| 改正前(〜2025年度) | 改正後(2026年4月〜) | 改正の目的 |
|---|---|---|
| 支給停止基準:月51万円 | 支給停止基準:月65万円 | 働く高齢者の就労継続を支援 |
| 調整ルールが複雑 | 段階的な調整方式に変更 | 公平でわかりやすい制度へ |
| 一律減額 | 所得水準に応じた調整 | 負担感の軽減・就労意欲の維持 |
この改革は60歳以降も現役で働く人の増加を見据え、「長く働きたい人が報われる年金制度」への転換といえます。
[詳しい計算方法や支給停止額の早見表]
・在職老齢年金とは?年金が減額する「65万円の壁」の計算、年金停止額早見表もご紹介!
年金制度の対象となる年齢層と段階的な引き上げスケジュール
◇新制度の対象は60歳から70歳までの在職者です。
特に60〜64歳の層において支給停止の緩和が大きく、働きながら受け取れる年金額が増えました。
● 2025年度…支給基準を月51万円に引き上げ(実施済み)
● 2026年4月〜…支給基準を月65万円に大幅引き上げ(実施済み)
● 2027年度以降…経済情勢や物価水準を踏まえたさらなる調整を検討
● 2030年以降…65歳以降の働き方に応じた柔軟な支給制度へ移行予定
今後も個人の就労状況に合わせたより柔軟な仕組みへの改革が段階的に進む見通しです。
[支給停止の基準や在職老齢年金の詳細な仕組み]
・日本年金機構「在職老齢年金(支給停止の基準)」
2026年改正で変わるポイント②|基礎年金・厚生年金の給付額と保険料の見直し
◇2026年度から基礎年金・厚生年金の給付額が引き上げられました。
「基礎年金」と「厚生年金」のバランスを整えることを目的に、将来の年金額を安定化させる仕組みが導入されています。
現役世代の負担を抑えつつ、老後の生活水準を確保するための改革です。
基礎年金の支給額はどう変わる?
◇基礎年金(国民年金)は2026年度、前年度比1.9%増額となりました。
物価や賃金に連動して毎年度見直される「マクロ経済スライド方式」が採用されており、高齢者の生活水準を一定に保つための調整が行われています。
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 増額幅 |
|---|---|---|---|
| 老齢基礎年金(満額・月額) | 6万9,308円 | 7万608円 | +1,300円 |
| 改定率 | +1.9% | +1.9% | 物価上昇に応じた調整 |
※昭和31年4月1日以前生まれの方の満額は月額7万408円です。
基礎年金の底上げは低所得の年金受給者を支援する「年金生活者支援給付金」と連動しており、2026年度は月額5,620円(前年度比+170円)に増額されています。
厚生年金の保険料率と給付水準の調整方針
◇厚生年金の保険料率は18.3%を維持しつつ、給付水準の調整が行われています。
企業と従業員が折半で負担する保険料率の上限は固定化され、将来的な引き上げを抑制する方向で運営されています。
| 項目 | 改正前 | 改正後(2026年度) | 影響 |
|---|---|---|---|
| 保険料率 | 18.3% | 18.3%(維持) | 負担増を回避 |
| 給付水準 | 名目維持 | 実質微調整あり | 財政安定化 |
| 標準報酬月額上限 | 65万円 | 65万円(維持) | 今後引き上げ検討中 |
働く世代の負担を抑えつつ将来の給付を安定させる「調整型改正」となっています。
厚生労働省は「制度の持続可能性を高めることが最大の目的」と強調しています。
[参照]
・厚生労働省「年金制度改正法について」
年金制度が老後の受給額に与える影響と将来見通し
◇2026年度、基礎年金と厚生年金を合算した平均支給額の目安は以下の通りです。
| 世帯構成 | 2025年度 | 2026年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 単身世帯(国民年金) | 約6万9,308円 | 約7万608円 | +1,300円 |
| 夫婦世帯(厚生年金2人分) | 約23万2,784円 | 約23万7,279円 | +4,495円 |
| 単身(厚生年金・男性平均) | 約17万3,457円 | 約17万6,948円 | +3,491円 |
給付額は大幅な増額ではないものの、物価上昇に対して年金水準を維持する方向で見直しが行われています。
ただし物価上昇率(3.2%)には追いついていないため、NISAやiDeCoを活用した資産形成もあわせて考えておきましょう。
2026年改正で変わるポイント③|パート・短時間労働者の加入拡大と企業対応
◇パートや短時間労働者への厚生年金の適用拡大が、2027年から段階的に始まります。
これまで「一部の企業だけが対象」だった制度が、今後はより多くの労働者が年金に加入できる仕組みへと変わります。
働く時間や雇用形態による格差をなくすことが目的です。
どこまで加入対象が拡大されるのか
◇パートタイム労働者の厚生年金加入対象が、2027年から段階的に拡大されます。
現行制度では常時101人以上の企業に勤めるパート・アルバイトが対象でしたが、今後は中小企業へと段階的に拡大されます。
| 項目 | 現行(〜2027年9月) | 拡大後(2027年10月〜) |
|---|---|---|
| 対象企業規模 | 常時51人以上 | 常時36人以上(第1段階) |
| 勤務時間・収入要件 | 週20時間以上・月収8.8万円以上 | 同条件(維持) |
| 対象者数 | 約200万人 | さらに拡大見込み |
<段階的な拡大スケジュール>
● 2027年10月〜…従業員36〜50人の企業が対象に
● 2029年10月〜…従業員21〜35人の企業が対象に
● 2032年10月〜…従業員11〜20人の企業が対象に
● 2035年10月〜…従業員1〜10人の企業も対象に
最終的には企業規模に関わらず全てのパート・短時間労働者が厚生年金に加入できる仕組みへと移行します。
企業・従業員双方の負担と年金制度の対応ポイント
◇加入対象の拡大は、企業側にとってコスト増となる一方、従業員の福利厚生強化にもつながります。
社会保険料は企業と従業員が折半で負担するため、特に中小企業は早めの準備が重要です。
企業が取るべき主な対応は次の3つです。
① 就業規則・雇用契約の見直し
…パート・短時間労働者の雇用条件を明確化し、加入基準に沿った契約へ変更する
② 人件費・保険料負担の試算
… 加入者増によるコスト影響を早めに試算し、経営計画へ反映する
③ 従業員への説明・周知
… 加入によって将来の年金受給額が増えるメリットをわかりやすく伝える
●「急に言われても困る」という声が多いのが中小企業の本音です。
2027年の第1段階施行まで時間はありますが、早めに準備を始めることで慌てずに対応できます。
厚生労働省も中小事業者向けに「社会保険加入支援ガイドライン」を公開していますので、参考にしてみてください。
社会保険制度全体との関係性
◇この加入拡大は、社会保険制度全体の底上げを目指す改革です。
健康保険・雇用保険と年金制度を連携させることで、より一貫した社会保障の仕組みが整います。
長期的には非正規雇用者の老後格差の是正や、女性が働きやすい環境づくりにもつながります。
パートで働く方にとっては、将来受け取れる年金が増える大きなチャンスでもありますね。
2026年に年金額はどう変わる?給付水準の底上げと生活への影響
◇2026年度の年金制度改正では、在職老齢年金の見直しに加え、給付水準の底上げも行われました。
長期的な物価上昇や賃金変動に対応しつつ、年金生活者の暮らしを安定させるための調整です。
平均的な年金月額はいくらに?
◇2026年度の平均的な年金月額は以下の通りです。
| 世帯構成 | 2025年度 | 2026年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 単身世帯(国民年金) | 約6万9,308円 | 約7万608円 | +1,300円 |
| 夫婦世帯(厚生年金2人分) | 約23万2,784円 | 約23万7,279円 | +4,495円 |
| 単身(厚生年金・男性平均) | 約17万3,457円 | 約17万6,948円 | +3,491円 |
大幅な増額ではありませんが、物価上昇に合わせて年金も少しずつ上がっています。
ただし物価上昇率(3.2%)には追いついていないため、NISAやiDeCoなど年金以外の備えもあわせて考えておきたいですね。
[2026年4月からの年金額改定について]
・2026年4月の年金額と国保料が改正!老齢・障害・遺族年金など
物価・賃金との調整基準と今後の見通し
年金生活者支援給付金との関係
◇「年金生活者支援給付金」も2026年度、前年度比3.2%増額となりました。
低所得の年金受給者を支援する制度で、年金本体よりも増額率が大きいのが特徴です。
| 給付金の種類 | 2025年度 | 2026年度 | 増額幅 |
|---|---|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金 | 5,450円 | 5,620円 | +170円 |
| 障害年金生活者支援給付金(1級) | 6,813円 | 7,025円 | +212円 |
| 障害年金生活者支援給付金(2級) | 5,450円 | 5,620円 | +170円 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 5,450円 | 5,620円 | +170円 |
満額受給できる場合、年間約6万7,440円の上乗せになります。
なおこの給付金は申請が必要です。対象者には日本年金機構からハガキが届きますので、必ず返送手続きを行いましょう。
2026年年金制度改正で注目すべきその他のポイント
◇2026年の年金制度改正は、在職老齢年金や給付額の調整だけでなく、私的年金や企業年金など周辺制度にも影響が広がります。
見落としがちなポイントをまとめました。
私的年金(iDeCo・企業年金)との関係性
◇iDeCo(個人型確定拠出年金)は、加入年齢の上限が60歳から65歳に延長されています。
今回の年金制度改正と合わせて、長く働く人が老後資金を形成しやすい環境が整ってきました。
● 企業型確定拠出年金(企業DC)は、退職金制度の代替として導入する企業が増えています。
今後は「公的年金+私的年金」の二層構造がより重要になりますね。
NISAやiDeCoを活用した自分自身の老後資金づくりを早めに始めておきましょう。
2026年新制度に関する法改定スケジュールと今後の検討課題
◇厚生労働省による法改定スケジュールは以下の通りです。
| 年度 | 内容 | 対応状況 |
|---|---|---|
| 2025年6月 | 年金制度改正法が成立 | 実施済み |
| 2026年4月〜 | 在職老齢年金基準額引き上げ・年金支給額改定 | 実施済み |
| 2027年10月〜 | パートタイム労働者の社会保険加入拡大(第1段階) | 予定 |
| 2028年4月〜 | 遺族厚生年金の男女差解消 | 予定 |
| 2030年以降 | 次期年金改革(第3段階)へ移行 | 構想段階 |
● 働き方が多様化する中での「公平な負担と給付の調整」
● 非正規・自営業者を含めた加入率向上
● 少子高齢化に伴う年金財政の持続性確保
政府は2040年を見据えた次の年金制度改革に向けて準備を進めています。
2026年の年金制度改正を、今後の生活設計にどう活かすか
◇今回の年金制度改正をきっかけに、老後の生活設計を見直してみるのも一案です。
「自分の年金額はいくらになるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
● 公的年金で生活の基盤を守る
まずは「ねんきんネット」や年金定期便で自分の年金額を確認してみる。
● NISAやiDeCoで老後資金を上乗せする
公的年金だけでは足りない分を、私的年金や資産形成で補う。
● 健康を維持して長く働く
在職老齢年金の基準が65万円に上がった今、働きながら年金を受け取る選択肢も広がっています。
この「三本柱の老後対策」を意識して、2026年の年金改革を将来の暮らしに役立てていきましょう。
まとめ|2026年の年金制度改正で何がどう変わるのか
◇2026年の年金制度改正は、働く世代から年金受給者まで全世代に影響する大きな見直しです。
「長く働く人を支え、安心して老後を迎えられる社会の実現」を目指した改正です。
● 在職老齢年金の支給停止基準を月51万円→65万円に大幅引き上げ(2026年4月〜)
→ 働きながら年金を受け取っても減額されにくくなり、就労継続を後押し
● 国民年金1.9%増・厚生年金2.0%増(2026年4月〜)
→ 4年連続の増額改定。ただし物価上昇率(3.2%)には追いついていない
● パート・短時間労働者の厚生年金加入を段階的に拡大(2027年〜)
→ 2035年までに企業規模を問わず全労働者が対象に
● 遺族厚生年金の男女差を解消(2028年4月〜)
→ 子どものいない60歳未満の配偶者は原則5年間の有期給付へ
● NISAやiDeCoとの併用で老後の三本柱を整える
→ 公的年金だけに頼らない資産形成が大切
制度改正は続きます。厚生労働省や日本年金機構の公式サイトで最新情報をこまめに確認しながら、自分らしい老後の設計を進めていきましょう。
【執筆・監修:永代供養ナビ編集長】
株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長 藤橋 靖雄
1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍中。
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