
終活年賀状とは?メリットやデメリット・理由別の文例も合わせて紹介

「終活年賀状を出すことで得られる、メリットやデメリットが知りたい」
「自分を取り巻く環境の変化を理由にした文例や、ポイントについて教えてほしい」
「寒中見舞いとして送る場合は、どう書けばいい?」
近年、終活という言葉がブームになっています。それに関連して、終活年賀状に興味がある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、終活の一種として注目を浴びている終活年賀状について、詳しく紹介しています。
送るメリットとデメリット、書き方のポイントや文例などについても具体的に解説しているので、この記事を読むことで、相手に対して失礼になったり誤解などを与えたりする終活年賀状での失敗が避けられるでしょう。
終活年賀状で年賀状の辞退を考慮している人や、書くべき内容に困っている人は、ぜひ一読してみてください。
終活年賀状とは
終活年賀状とは、自分が年賀状を辞退することを伝える最後の年賀状のことです。年賀状じまいとも呼ばれ、今まで年賀状を送っていた相手に年賀状か寒中見舞いとして差し出します。
スマホの普及によって相手と連絡が取りやすくなった近年、年賀状の代わりにメールやSNSを通した簡単な挨拶で済ませる風潮が広がってきています。
しかし、どのような理由で年賀状を辞めたとしても、一方的に、突然年賀状を送らなくなるのは、相手に対する誠実さに欠けてしまいます。相手との関係性を保つためにも、終活年賀状できちんと宣言しましょう。
終活年賀状のメリット
終活年賀状がどういうものなのかを理解できても、そのメリットがわからないという方もいるでしょう。ここからは、終活年賀状を送るメリットを3つ紹介します。メリットを参考に、就活年賀状を作成しましょう。
年賀状にかかる費用と手間を省ける
終活年賀状を出すことのメリットの1つに、費用と時間の節約が挙げられます。
年賀状作成を楽しく感じている人もいるでしょうが、年末が近づいてくるたびに年賀はがきや印刷に必要なインク代などのコストを、高く感じている人もいるでしょう。年齢が進むほど送り先が増えていき、同時に負担も増えていきます。
しかし、そもそも年賀状を送らなくなれば、年賀状を準備するための費用や時間が他のことに回せるようになるため、費用と手間が省ける点は就活年賀状のメリットといえるでしょう。
人間関係の見直しができる
終活年賀状を送ることは、人間関係を見直すために有効です。普段はほとんど連絡を取らないけれど、義理で毎年年賀状だけは送り合っているという知人や親戚というのは、ある程度いるでしょう。
終活年賀状はそのような人脈の中から、自分がこれからも交流を続けたいと思える本当に大切な人と、やり取りの薄い関係の人を明確にする良い機会となります。
また、疎遠になってしまっている人に送ることで、交流を再開するきっかけ作りができるのもメリットです。
よりスムーズに交友できる
終活年賀状には、年賀状の代わりとなる連絡手段を添えることがマナーです。
メール、もしくはLINEやTwitterなどのSNSは、年賀状よりも手軽に連絡が取れるため、相手とのコミュニケーションがスムーズになります。そこから話題が広がって、疎遠になりがちだった人とも再び密接な関係に発展する可能性もあるでしょう。
終活年賀状のデメリット
終活年賀状には、送ることで思いがけないデメリットが生じることもあります。
ここからは、終活年賀状を送るデメリットについてご紹介していきます。終活年賀状を出すことを考えている方は、以下の内容も念のためにおさえておきましょう。
再び年賀状を送りづらくなる
終活年賀状を相手に送るデメリットの1つは、自分が再び年賀状を出したいと思っても出しにくくなってしまうことです。
相手に失礼とまでは言いませんが、少なくとも良い印象を与えることはないと考えるべきです。就活年賀状を送る際は、自分が再び年賀状でのやり取りを再開することがないのか、十分に検討を重ねた上で送りましょう。
絶縁だと勘違いされることがある
終活年賀状は、次回から年賀状でのやり取りを辞めることを宣言する文面であるため、相手に縁切りを告げられたと誤解される恐れがあります。
増加傾向にあるとはいえ、終活年賀状の存在はまだ一般的とは言い切れないのが現実です。終活年賀状を相手が知らない場合、正月らしくない内容に驚かれてしまうことも十分考えられます。
対策として、通常通り新年の挨拶をした上で「年賀状はこれで最後」であることと「今後も交流は継続したい」ことを一緒に伝えることが重要です。
終活年賀状のタイミングは?
終活年賀状を出すタイミングに、年齢などの制限はありません。そもそも終活年賀状自体が新しい考え方であるため、慣習として定着するまでに至っていないのです。
定年退職など、自分の人生できりの良いタイミングでも良いですし、還暦や米寿といった祝年をきっかけとしても良いでしょう。若い世代の中でも、家庭の事情や環境の変化を理由に終活年賀状を出す人もいます。
どのようなタイミングで終活年賀状を送る場合でも、相手との関係性を考慮することが大切です。相手に納得してもらいやすい無難なタイミングにしたいのであれば、人生の節目などを選びましょう。
終活年賀状の書き方ポイント
終活年賀状の書き方は、基本的に年賀状と同じルールが適用されます。年賀ハガキを使うのも、句読点を使わず忌み語を避けるのも一緒です。
異なるのは文面の構成で、これから紹介するポイントを押さえながら、読む相手のことを考えた文章を作りましょう。
終活年賀状の理由を明確に伝える
終活年賀状では、年賀状を辞める理由についての明確な説明が大切です。
理由は、年齢やライフスタイルの変化などで良いでしょう。嘘や誤魔化しに頼らず、「あなたとの関係を断ち切りたいから、年賀状を辞めるわけではない」ことが伝わるように、正直に書きましょう。
お祝いの挨拶は丁寧に
いきなり「年賀状を今年で辞めます」と切り出すのは好ましくないため、まずは丁寧に挨拶を伝えましょう。これは、寒中見舞いなどの他の手段で伝える場合であっても同様です。
年賀状の辞退を伝える際には、マイナスなイメージの言葉を使わなければならない場合も考えられます。最初に新年をお祝いする丁寧な挨拶を持ってくることで、晴れやかな雰囲気を壊さないように配慮しましょう。
今後の交友は変わらないことを伝える
終活年賀状を送った後も相手との関係を継続させるためにも、この点はしっかりと伝えるべき項目になります。
絶縁宣言と思われて誤解を生むケースがあるため、終活年賀状の内容には注意が必要です。年賀状を辞めるだけで、今後も人間関係は継続したいという自分の気持ちをしっかりと伝えましょう。
「皆様」や「どなた様」など、全ての送り先に呼びかける言葉を用いることで、年賀状を送った全員に伝えていることを示すのも、誤解されるリスクを減らすのに有効です。
タイミングの明確化
喪中ハガキや定年退職の挨拶といった、年賀状以外の手段を利用して年賀状の辞退を伝える場合には、いつからなのかをはっきり記載しましょう。
年賀状の用意というのは、手間と時間がかかるものです。相手が年賀状を準備し始める前に伝えられれば、相手の負担を減らすことにもつながります。
メールやSNSなど代替手段を伝える
年賀状は辞めるけど今までと同様に関係を維持したいことをアピールするには、メールやSNSなどの代替手段を伝えるのが有効です。具体的な手段を書くことで、交友を続けたい気持ちがより相手に伝えられます。
可能であれば、相手が連絡しやすい手段を提示しましょう。相手好みの連絡手段がわからなかったり、どれにするか迷ってしまったりしたときは、2種類以上提示しておくのが無難です。
終活年賀状の文例
年賀状を辞退する理由に合わせて、終活年賀状の内容は変わってきます。ここからは理由ごとに文例を紹介するので、書き方のポイントを踏まえながら終活年賀状を作成する際の参考にしてください。
また、実際に終活年賀状を作成する際には、今後の連絡手段に必要となるメールアドレスやLINEのIDなどを忘れずに記載しましょう。
年齢を理由にした場合
年齢が理由となる場合は、相手に心配をかけないように配慮しつつ、その旨をシンプルに書きましょう。
明けましておめでとうございます
昨年はお世話になり ありがとうございました
さて私も70歳目前となり 寄る年波に勝てず年賀状を書くことが難しくなってまいりました
誠に勝手ではございますが 本年をもちまして皆様への年始のご挨拶を最後とさせていただきます
長きに渡り 皆様にはあたたかい賀状を賜り ありがとうございました
今後は電話やメールで連絡を取り合わせていただけましたら幸いです
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
定年退職が理由の場合
定年退職を理由にする場合は、仕事上だけの関係だと誤解を与えないように、退職の報告を伝えるだけでなく、温かみが感じられるような添え書きを心がけると良いでしょう。
新年おめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
本年もどうぞよろしくお願いいたします
私事ではございますが 本年で長年勤めていた会社から定年退職することとなりました
この節目に合わせ 皆様への年賀状は本年にて書き納めとさせていただきます
誠に恐縮ではございますが ご容赦いただければ幸いです
今後はFacebookやLINEにて ご挨拶や近況報告をさせていただきます
家庭の事情が理由の場合
家族の勧めや子どもの成人といった、家族の節目に合わせて年賀状を辞退したい場合には、失礼のないように理由を伝える文面をきっちりとさせましょう。
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします
さて 私は今年で古希を迎えることとなりました
2人の子どもが全て独立し 初孫も高校卒業を控えております
つきましてはこれを機に 本年で皆様との年賀状でのお付き合いは終了とさせていただきます
今後は年賀状に代わりまして メールやSNSでご挨拶や近況報告をさせていただければと思います
何卒今後とも変わらずにお付き合いくださいますようお願いいたします
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
祝年を理由にした場合
祝年を理由とする場合には、「今後は改めて親しいお付き合いをしたい」と前向きな内容にするのがおすすめです。
新春のお喜びを申し上げます
旧年中は大変お世話になり ありがとうございました
さて私も齢を重ね 喜寿を迎えることとなりました
人生の節目ということで 本年をもちまして年頭のご挨拶を失礼させていただきたく存じます
今後も普段のお付き合いは変わらず電話やメールなどで頂戴できましたら幸いです
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております
環境の変化が理由の場合
引っ越しや出産といった個人的なものや、環境問題、時代の変化を理由とする場合には、その経緯を簡潔に伝えるのが無難です。
新年おめでとうございます
皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか
私事ではありますが 今年は新居にて新しい年を迎えることとなりました
つきましてはこれを機に 年賀状でのご挨拶は本年を最後にどなた様にも控えさせていただくことといたしました
今後はSNSなどでお付き合いいただければ幸いです
誠に勝手ではございますが 変わらぬお付き合いのほど よろしくお願いいたします
寒中見舞いで出す場合
事情によって年賀状が出せない場合には、寒中見舞いを代わりに出すことも可能です。年賀状の辞退は必ずしも年賀状で伝える必要はなく、定年退職や引っ越しの挨拶状でも構いません。
ただし、投函日に注意が必要です。1月7日の松の内が明けてから2月4日の立春までの期間に、寒中見舞いが届くように投函しましょう。
今年から年賀状を辞める文例
年賀状のお礼に合わせて、今年から年賀状での挨拶を辞退することを伝える文章を紹介します。
寒中お見舞い申し上げます
早々にご丁寧な年賀状をいただき 誠にありがとうございました
誠に勝手ではございますが 毎年の年賀状を失礼させていただきたいと存じます
メールやLINEにて今後も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます
厳寒の折 くれぐれもお風邪など召されぬようご自愛ください
来年から年賀状を辞める文例
続いて、来年から年賀状での年始の挨拶を控えることを伝える文章を紹介します。
寒中お見舞い申し上げます
毎日寒い日が続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
さて誠に勝手ながら 本年をもちまして年賀状での年始のご挨拶を控えさせていただくことにいたしました
今後は電話やSNS等で より密にご連絡を取り合わせていただければ幸いです
皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りしております
失礼のないように終活年賀状を出そう
終活年賀状は絶対にしなければならないことではなく、自分が必要だと考えたときに出せば良いものです。
終活年賀状を作成することで、これまで築いてきた人間関係を整理することができます。また、やり取りが希薄になってしまった人との関係を、SNSなどのツールで密接にしていくきっかけにするために使うこともできます。
年賀状による付き合いを終わらせるものではありますが、ハガキによる最後の挨拶として、相手に失礼のない終活年賀状を送るよう心がけましょう。
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