墓じまいで補助金はもらえる?自治体で違う補助金制度と費用を抑える方法|永代供養ナビ
墓じまいに補助金制度を設ける自治体が増えました。
公営墓地などのお墓が放置された無縁墓は、自治体により撤去作業を進めますが、無縁墓の急増で問題が深刻化している背景もあるでしょう。
「墓じまい」とは墓主がお墓を閉じて遺骨を取り出し、墓石を撤去した後に、霊園などの墓地管理者へ墓地を返還する一連の作業を言います。
数千円でできるものではないので、墓主にとっては経済的な負担も否めません。
墓じまい補助金や、親族など関係者の協力で、墓主ひとりが負担を背負うことがないよう、進めたいところですよね。
今回は墓じまいの補助金制度や、墓じまい費用が充分にない時の対処法、墓じまい費用の抑え方までお伝えします。
墓じまいとは
●「墓じまい」では、現存のお墓を撤去して墓地を管理者へ返還します
現在お墓が放置される「無縁墓」が国単位で深刻化している背景は、個々の家で起きているお墓の継承問題です。
墓主だった人が亡くなった時、次の継承者が決まらず責任者が不在になり、結果的に墓地管理者への維持管理費が滞納する、お墓のメンテナンスが滞り、いつしか放置される流れが多いでしょう。
①取り出した遺骨の新しい納骨先を確保(合祀墓など)
②行政手続き(現存の自治体へ改葬申請)
③閉眼供養(ご住職へ依頼)
④現存のお墓から遺骨を取り出す(石材業者に依頼)
⑤墓石の撤去(石材業者)
⑥墓地の返還(現存の墓地管理者)
⑦取り出した遺骨の納骨(合祀墓などの管理者)
大まかな墓じまいの流れは以上です。
ただ最近では無宗教の家も増え、閉眼供養などの仏教儀礼を行わない選択も見受けます。
いずれにしても先祖代々続くお墓を閉じる墓じまいは、親族の合意を得たり、費用を集めたりとパワーが必要になるため、「墓じまいで補助金が出るなら…」とのキッカケで、やっと検討する家も少なくありません。
・お墓を継承したけど維持費が払えない!放置したらどうなる?5つの対処法|永代供養ナビ
墓じまいの相場
●墓じまいの費用相場は、約50万円~150万円と言われています
墓じまいの費用幅が広い理由は、取り出した遺骨の柱数や納骨先によるものでしょう。
他の遺骨とともに合祀埋葬される合祀墓であれば、約10万円/1柱ほどからありますが、なかには継承者のいらない永代供養付きの個別墓を建てたり、個別スペースが確保される納骨堂などを選ぶ人もいます。
・合祀墓 約5万円~30万円/1柱
・納骨堂 約25万~100万円/1柱(年間管理料の可能性アリ)
・樹木葬 約25万円~70万円/1柱
・集合墓 約10万円~50万円/1柱(年間管理料の可能性アリ)
・永代供養付き個別墓 約50万円~170万円ほど
…など、墓じまいで取り出した遺骨の納骨先は予算に合わせてさまざまに選べますが、柱数が多い先祖代々墓などの墓じまいでは、それだけ費用も掛かります。
墓じまいで補助金が出るならば、助かる家も多いのではないでしょうか。
・【墓じまいの費用まとめ】墓石の撤去や閉眼供養、遺骨の供養まで5つの手順でかかる費用
墓じまいの補助金がもらえる自治体
●そこで墓じまいの補助金制度を設ける自治体も増えました
公営墓地に放置された無縁墓はもちろん、墓埋法が整う以前に建てられた私有地に建てられたお墓の無縁化が深刻化する自治体もあります。
無縁墓が深刻化する自治体では、墓じまいの補助金制度が期待できるでしょう。
●ただし墓じまいの補助金制度は、自治体で定めています。
お墓がある地域で墓じまいの補助金制度があるのか、まずは確認をしてください。
全国的に墓じまいの補助金制度が有名な自治体は、千葉県の市川市(市川霊園)や、群馬県太田市(八王子山公園墓地)などです。
どちらも墓じまいの補助金を出してくれますが、仕組みとして、お墓の種類や区画によって金額が異なります。
大阪で墓じまいの補助金制度がある自治体
●大阪で墓じまいの補助金制度がある自治体は、岸和田市・泉大津市が知られています(2022年現在)
ただし自治体が定める墓じまいの補助金制度は、年度によって変わるため、墓じまいを検討する際に、改めて補助金の有無を確認すると良いでしょう。
①岸和田市…墓じまいにおける外柵(囲障)の撤去費用が免除される制度です。
②泉大津市…公園墓地で建墓30年以内のお墓について、一定の還付金が交付されます。
泉大津市の場合、お墓の築年数により還付金も変化します。
公園墓地に建つお墓を墓じまいした後、墓石を撤去して返還しないと、墓じまいの補助金申請ができないので、予算立てでは注意をしてください。
・建墓15年未満のお墓…墓じまい費用の50%を還付
・建墓30年未満のお墓…墓じまい費用の30%を還付
(2022年現在)
もちろん、墓じまい後に補助金申請の手続きを行わないと、以上の還付金はもらえません。
申請方法は自治体により違いますので、各自治体のHPで予め確認をしたり、電話で問い合わせてから準備を進めると、二度手間になりません。
・岸和田市墓苑
・泉大津市
墓じまいの補助金制度がない場合でも、墓じまい費用が安く抑えられるよう、相談を受け付けてくれる自治体もあります。
補助金はいくらもらえるのか
●自治体により異なりますが、全国的に見ると約24万円ほどが上限です
一般的な区画が4.0㎡として、約24万円ほどが墓じまい補助金の上限でした(2022年調べ)
ただ墓じまいの補助金制度は自治体で行うもので、全国的なサポート制度ではありません。
自治体によって異なるので、墓じまいを検討している地域の自治体へ確認してください。
墓じまいに補助金が出る理由
●特に放置された無縁墓の問題が深刻化している自治体で、墓じまい補助金制度が設置されやすいです
放置された無縁墓は、時間が経つとともに劣化やその周りに雑草や木々が生い茂ります。
公営墓地であれば墓地管理者は自治体ですので、自治体が放置されたお墓の撤去や、伐採を行わなければなりません。
・お墓の撤去費用の負担
・人件費の負担
などなどのコストが積み重なっている自治体もあります。
ただコスト面だけではなく、先祖代々の遺骨が眠るお墓ですので、墓地の使用者に自主的に墓じまいを推進するため、補助金制度を設けている自治体も見受けます。
●墓じまいの補助金制度の有無を、まずは自治体に確認をしてみましょう。
墓じまい補助金以外の対処法
墓じまいで補助金をもらえなくても、墓主が墓じまいを希望するならば、墓地管理者(霊園など)に相談したり、お墓の関係者である親族や親戚に相談することで、墓じまい費用を準備する方法はあります。
①分割払い(メモリアルローンなど)
②親族、親戚に相談してみる
確かにお墓の名義人である墓主は、お墓に対する一定の決定権や責任はありますが、お墓事に掛かる費用は小さな額ではありません。
墓主ひとりで背負い込むことのないよう、ご住職や自治体、霊園などの相談窓口はもちろん、家族親族など、お墓を利用する関係者の人々にも、まずは相談をしてください。
①分割払い(メモリアルローンなど)
●「メモリアルローン」ではお墓や葬儀など供養事に関する費用のローンです
霊園など墓地管理者や石材業者が提供する形式が多く、高齢者でもローンを組むことができる一方で、65歳以下はローンが組めない可能性もあります。
・墓地管理者が石材業者による分割払い
・メモリアルローン
・多目的ローンなど
ただ65歳以下の現役世代であれば、メモリアルローンを利用せずに多目的ローンで墓じまいの費用を賄うケースも少なくありません。
また霊園など墓地管理者によっては、自社で行う分割払い制度も見受けます。
・メモリアルローンで永代供養を行う方法。カードローンとの違いとメリットデメリットは?
②親族、親戚に相談してみる
●墓じまいは墓主ひとりではなく、遺族や親族など関係者全体の問題です
…墓じまい費用の分担を相談してみましょう。
墓主として気持ちよく関係者に墓じまい費用を負担してもらうためには、下記の点を明瞭に報告しなければなりません。
・墓じまいをする理由
・墓じまいに掛かる費用
・墓じまいに掛かる費用の内訳
・墓じまいスケジュール
確かに墓主には墓じまいの決定権がありますが、身内の遺骨が眠る先祖代々墓などの墓じまいは、墓主ひとりで勝手に進めて事後報告をしてしまうと、後々悔恨を残す親族間トラブルにもなり兼ねません。
そう言った意味でも、早い段階で親族や関係者に相談をして、みなで協力しながら進めると良いでしょう。
●数年先に墓じまいを設定して、関係者全員で墓じまい費用を貯蓄した体験談なども多く見受けます。
・墓じまいや仏壇じまいで親族間トラブル☆話し合いがまとまらない事態を解決した3つの対策
最後に
墓じまいでは自治体へ補助金制度をまず確認すると良いでしょう。
ただし多くの自治体で行う墓じまいの補助金制度は還付が多く、一度は墓主が支払わなければなりません。
墓じまいの補助金を期待して予算を高く見積もってしまうと、いざ還付されない場合に苦労しますので、墓じまい費用に不安がある場合は、はお墓の関係者と相談したり、メモリアルローンなどで分割払いも検討します。
安く抑えるには、取り出した遺骨を合祀墓など、安い納骨先にする方法があるでしょう。
・石材業者は複数社に相見積もりを取る
・「墓じまいパック」などのセット料金を利用する
・合祀墓など安い納骨先を選ぶ(手元供養もあり)
などなど、決して墓主ひとりで背負い込んで進めることなく、関係者である家族親族と話し合いながら、進めてみてはいかがでしょうか。
・大阪で利用する「墓じまいパック」5つの内容☆業者選びの3つのポイントや注意点を解説
まとめ
墓じまい補助金制度を利用する
●墓じまい補助金制度の特徴
・自治体ごとに制度がある
・年度によって制度は変わる
・まずは自治体窓口に問い合わせる
・墓じまい後の申請による還付が多い
・全国的な墓じまい補助金の上限は約24万円(2022年調べ)
(墓じまい自体の費用相場は約50万円~150万円)
●大阪の墓じまい制度(2022年調べ)
・岸和田市…外柵(囲障)撤去費用の補助
・泉泉大津市…築年数によって補助
●墓じまい費用がない時の対処法
・分割払い(メモリアルローンなど)
・親族など関係者へ相談
●墓じまい費用を抑えるポイント
・石材業者は複数社に相見積もり
・「墓じまいパック」など
・合祀墓など安い納骨先
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