メモリアルローンとは?永代供養での利用は?カードローンとの違い、メリットデメリット
・メモリアルローンとは?
・メモリアルローンのメリット・デメリットは?
・カードローンとの違いとは?
「メモリアルローン」は、お墓や葬儀、仏壇仏具、永代供養などの祭祀事に対して適用するローンです。
メモリアルローンは目的が絞られる一方、審査も通りやすく金利も低いため、予算がなく目的が合致するならば、利用したい人も多いでしょう。
本記事を読むことでメモリアルローンとはなにか?利用できる目的やカードローン、フリーローンとの違いと、メリット・デメリットを詳しく解説します。
後半では永代供養に必要な費用もお伝えしますので、どうぞ最後までお読みください。
メモリアルローンとは?
◇「メモリアルローン」とは、供養や祭祀に扱われる事柄を目的としたローンです
具体的にはお墓や永代供養、葬儀や仏壇仏具などの「祭祀財産」を目的としていて、さらに目的を絞ったローン商品も見受けます。
各金融機関のメモリアルローンにより詳細は異なりますが、下記は一例です。
<メモリアルローンとは> | |
[目的] | ●お墓(建墓費用) ●墓じまい ●永代供養 ・納骨堂 ・樹木葬 ●仏壇仏具 ●葬儀 ※目的を限定する商品もあり |
[取り扱い] | ・金融機関 ・石材店 ・霊園、墓地 |
[仕組み] | ●一般ローンと同様 ・毎月分割で返済 |
[比較検討] | ・フリーローン ・目的ローン(建墓ローン) ・カードローン |
メモリアルローンは葬儀や供養を目的としているため、借入金額も相応額です。
一例として、千葉銀行での借入総額は10万円~500万円、500万円を超えた借り入れを希望するならば、他の借入方法を選ぶことになるでしょう。
ただ2023年現在の建墓費用の平均額は約175万円、墓じまいは約30万円~300万円と言われているため、借入総額としては充分です。
・【墓じまいの費用まとめ】平均や僧侶費用、離檀料は?遺骨供養まで手順5つでかかる費用
メモリアルローンの特徴
◇メモリアルローンは、霊園や墓地など業者と提携する商品が多いです
メモリアルローンを提供する銀行などの金融機関もありますが、ほとんどのメモリアルローンが、寺院や霊園、石材店などの業者と提携して商品を提供しています。
<メモリアルローンの種類(一例)> | |
[提供機関] | [特徴] |
●銀行 (建墓ローン) |
・審査が通りやすい ・金融機関が限られる ・用途が絞られている (建墓など) |
●信販会社 (最も利用者が多い) |
・業者と提携 ・契約時に手続き ・大手信販会社が主に扱う (オリコ、オリックス) ・業者により条件に幅がある |
●石材店 (墓石ローン) |
・扱い業者はごく限られる ・利用条件あり (石材店での墓石購入など) |
一般的なメモリアルローンは信販会社が霊園や墓地、石材店など業者と提携するメモリアルローンです。
銀行のメモリアルローンは「建墓ローン」などとも呼ばれます。
また、しばしば石材店が提供する「墓石ローン」などもありますが、これらのローンは墓石購入や建墓費用など、より目的が絞られているでしょう。
メモリアルローンのメリット
◇メモリアルローンは申し込みが簡単で、審査が通りやすいです
メモリアルローンは、他のローン商品よりも比較的審査が通りやすく、審査期間も短い傾向です。
提携業者と連携して提供するローンの種類となるため、金融機関や商品によって目的や条件も多様である一方、審査が通りやすく資金計画を立てやすいでしょう。
・金利が安い
・返済期間が長い
・審査が早い
・申し込みが簡単
・収入証明書がいらない
お墓を建てる「建墓ローン」墓石購入の「墓石ローン」、葬儀費用を借りる「葬儀ローン」など、それぞれに目的が絞られる商品も多いですが、目的が合致すれば、利用しやすいです。
金利が安い
◇メモリアルローンは商品により異なりますが、金利が安い傾向です
フリーローンは目的を自由に、お金を使うことができます。
一方メモリアルローンは、目的が絞られているため金利が安い傾向です。
<建墓ローン、3つの種類> | |
[ローンの種類] | [金利] |
●メモリアルローン | ・約2%~10% (平均5%~6%) |
●フリーローン | ・約4%~15% (平均14%台) |
●カードローン | ・約15%~18% |
金利は18%が上限と決められているので、18%以上にはなりませんが、メモリアルローンが通るならば、利用したいところです。
ただし金融機関によっては、金利の上がり下がりがあるので、気になる方は一度メモリアルローンの取り扱い店に相談する様にしましょう。
返済期間が長い
◇目的に合わせたムリのない返済計画ができます
メモリアルローンは借入総額に対して、返済期間を長めに設定できるため、ムリのない返済計画が可能です。
審査が早い
◇メモリアルローンは即日審査が一般的です
ローンを利用するには審査がありますよね。
一般的にメモリアルローンは、時間帯によって例外もありますが、手続き当日に審査結果が通知されるものが多いです。
申し込みが簡単
◇メモリアルローンはFAXや遠隔での申し込みも可能です
カードローンやフリーローンを申し込む場合、多くが証明書や申し込み書類の提出が必要になるため、窓口や郵送による手続きを踏まなければなりません。
一方、メモリアルローンは複雑な証明書類の提出が必要ないので、FAXなど遠隔手続きも可能です。
収入証明書がいらない
◇メモリアルローンの申し込み手続きは印鑑のみです
収入証明書を提出する必要がないので、メモリアルローンは手続きが簡素であり、審査も早く通ります。
メモリアルローン審査に必要な書類には、見積書や契約書がありますが、手続き時には寺院や霊園が発行してくれるでしょう。
石材店や霊園など、業者で代行してくれるため、印鑑を押して結果を待つのみとなります。
メモリアルローンのデメリット
◇メモリアルローンのデメリットは、目的が限られていることです
メモリアルローンのデメリットは、目的がごく限られ、多くは提携業者を通して手続きを行うことでしょう。
そのため目的さえ合致すれば、大きなデメリットにはなりません。
・目的が限られる
・提携業者を通した手続き
(金融機関の扱いは少ない)
ただ、メモリアルローンであっても「借金をする」ことに違いはありません。
借金をすることに抵抗がある場合には、家族や親族など関係者に協力を求めるなど、他の対策を検討しても良いでしょう。
メモリアルローンとカードローンの違い
◇フリーローンやカードローンは、目的がありません
メモリアルローンは目的別ローンの一種です。
霊園や石材店を通して手続きが多く高くて建墓費用が目的なので、借入限度額は約300万円~500万円までとなるでしょう。
メモリアルローンの限度額以上を借りたい、審査が通らない場合、カードローンを利用する人もいます。
<メモリアルローンとカードローンの違い> | |
[カードローン] | ・目的を問わない ・金額を問わない (利用可能枠内) ・金利が割高傾向 ・完済期間がない |
[メモリアルローン] | ・目的が絞られる ・審査スピードが早い ・手続きの方法が簡潔 ・金利が割安傾向 ・完済期間がある |
カードローンの利用で注意したいポイントは、完済期間がない点です。
メモリアルローンは返済計画の元に期間があるので、必ず完済します。
カードローンは目的も期間もありません。
そのため、借金総額が膨らんで苦労することもあるので注意が必要です。
メモリアルローンの対象は?
◇主なメモリアルローンの対象は、供養に必要な事柄です
メモリアルローンの対象は以下の4つが多いです。
供養に必要な費用は適用することがほとんどですので、一括払いが難しい場合には、契約時に相談をしてみると良いでしょう。
・永代供養
・墓じまい
・墓石代
・葬儀費
・仏壇仏具
まずメモリアルローンを検討して、対象外だったり、審査が通らなければ、フリーローンやカードローンも検討します。
お墓や永代供養にかかる費用の実態
◇永代供養にかかる費用は、約10万円~100万円です
昔の日本は建墓費用が約300万円~600万円以上とされました。
けれども現代は、全国で平均的に約125万円~175万円です。
<お墓や永代供養にかかる費用> | |
[供養の形] | [平均額] |
・一般墓 | …約169万円 |
・樹木葬 | …約72万円 |
・納骨堂 | …約91万円 |
※2021年1月:実施インターネット調査(490件回答) |
またメモリアルローンの利用目的として、お墓を閉じる「墓じまい」が増えています。
一般墓は約6柱~8柱まで埋葬できる構造が多いです。
墓じまいにより取り出した遺骨の柱数によっては、費用がかかります。
<墓じまいの費用目安> | |
[合祀墓で永代供養] | …約10万円~/1柱 |
[8柱だった場合] | …約80万円 |
…合祀墓の永代供養は、最も安い方法を選択した場合です。
墓じまいは永代供養費の他、墓石の撤去と処分費用、離檀料や閉眼供養など、なにかと費用がかかります。
全体的には総額約30万円~300万円とされるため、メモリアルローンを検討する人も少なくありません。
・いいお墓「第12回お墓の消費者全国実態調査(2021年)」より
目的が合致すればメモリアルローンはおすすめです
借り入れをする予定で目的が合致するならば、メモリアルローンはカードローンやフリーローンよりも金利も安め傾向で審査が通りやすく、助かるでしょう。
ただ万が一にでも滞納してしまうと、延滞金など最悪の場合は債務整理をすることになってしまいます。
メモリアルローンを組む世代は40代~50代が多く、住宅ローン・子どもの教育ローンなどと重なる時期です。
そこでメモリアルローン以前に借金の選択肢自体を検討するのも一案です。
約10万円の合葬墓や樹木葬、約25万円~の個別納骨堂も増えました。
まずは予算を優先順位の上位にして、メモリアルローンにはお手伝いをしてもらう程度でも、良いかもしれません。
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