ぼたもちとおはぎの違いとは?お彼岸に供える意味と食べる理由を解説
◇ぼたもちとおはぎの違いは、名前の由来・あんこの種類・形の3点です。
・春のお彼岸には牡丹(ぼたん)にちなんで「ぼたもち」
・秋のお彼岸には萩(はぎ)にちなんで「おはぎ」
…と呼び、これらの和菓子をお供えして、先祖を供養します。
ぼたもちもおはぎも、炊いたもち米をあんこで包んだ同じ和菓子ですが、季節によって名前・あんこ・形が違います。なぜ春と秋で呼び方に違いがあるのでしょうか。
本記事では、ぼたもちとおはぎの違いの由来や特徴、お彼岸に供える意味、供える日、簡単な作り方まで分かりやすく解説します。
※本記事は、供養を通じて多くのご家族に寄り添ってきた「霊園・墓石のヤシロ」が執筆しています。なお、記事内にはヤシロのサービスへのご案内を含む場合があります。(2026年7月20日更新)
ぼたもち(ぼた餅)とおはぎは同じ和菓子|季節の違いとは?
◇春のぼたもちは「牡丹(ぼたん)」、秋のおはぎは「萩(はぎ)」の花の名前が由来です。
・春に咲く大きく華やかな牡丹の花に見立てて「ぼたもち」
・秋の七草にも数えられる萩の花に見立てて「おはぎ」
…と呼ばれるようになりました。
どちらも同じ和菓子ですが、季節の花にちなんだ呼び方の違いがあるのは、日本ならではの季節感を大切にする文化といえるでしょう。
[小正月・二十日正月に食べる小豆粥も厄除け]
・【2026年版】小正月・二十日正月とは?正月飾りはいつまで?意味・風習・行事食まで解説|(2)小豆粥(作り方レシピも紹介!)
なぜお彼岸にぼたもち・おはぎ?その由来と供養の意味
◇お彼岸にぼたもち・おはぎを供えるのは、小豆の赤色で魔除けをし、ご先祖様へ感謝を伝えるためです。
…お供えした後は家族で食べる「お下がり」が、本来の供養とされています。
…かつて砂糖と小豆は貴重な食材で、それを使ったぼたもち・おはぎをご先祖様に供える・食べることで、感謝の気持ちを表してきました。
お供えした後は、家族で食べるのが習わしです。ご先祖様にお供えしたものを分けて食べることが、本当の供養になるとされています。
【お客様の体験談】
お墓にお供えした後、家に持ち帰っておはぎ・ぼたもちをいただくのが習わしですが、あるお客様の体験談があります。
「重箱に詰めて持っていくと、外でお線香の香りが付いたり、虫が寄ってきたりするのが気になっていました。
そこで、重箱にラップを被せてから蓋をして持参したところ便利!
香りや虫を気にせず持ち運べました。
また大人数でなければ、100円ショップなどで手に入る小さめの重箱も助かります。
霊園の芝生広場でピクニックのようにいただいて、身軽になった箱で持ち帰りました。供養と家族団らんができて、楽しいお墓参りになりました。」
[お彼岸とは?意味と過ごし方]
・秋のお彼岸とは?いつ何をする日?意味と供養の基本と過ごし方
あんこの違いと理由|冬と夏を超えた「こしあんと粒あん」
◇春のぼたもちはこしあん、秋のおはぎは粒あんで包むのが基本です。
…春は冬を越して保存した小豆を使うため皮が硬くなりがちで、よく漉した「こしあん(全殺し)」に。
…秋は夏が終わり、収穫したての新鮮な小豆をそのまま活かせるため「粒あん(半殺し)」で仕上げます。
このように冬を超えた小豆・夏を過ぎた小豆と、小豆の収穫時期と密接に関わっているのが、このあんこの違いです。春・夏・秋・冬…、自然のサイクルに寄り添った、先人の知恵といえるでしょう。
形の違いを解説|丸型とひし形
◇ぼたもちは丸くふっくらとした形、おはぎは小ぶりなひし形に整えます。
…それぞれ、由来となった牡丹の花と萩の花に見立てた形の和菓子です。
ぼたもちは牡丹の花のような豪華さを表現し、丸くふっくらと大きめに仕上げます。おはぎは萩の花に見立てて、楕円やひし形に整えることが多く、素朴で親しみやすい雰囲気が特徴です。地域や家庭によって形へのこだわりに違いがあるのも面白い点です。
関西と関東|地域でも違う?あんこの種類の違い
◇おはぎ・ぼたもちの定番は「あんこ・きなこ・ごま」の3色ですが、関西では3色目が「青のり」になることも多いようです。
…関東は黒ごま、近畿を中心とした西日本(関西)は青のりが好まれる傾向にあります。
江戸時代の京都で、彩りや香りを出すために「あずき・白あん・きなこ・ごま・青のり」の5色おはぎが生まれ、全国に広がる中で地域の味の好みに合わせて定着していったとされています。
・濃い味を好む関東ではごま
・薄味を好む関西では上品な香りの青のり
…が支持されたようです。
[大阪でのお彼岸の過ごし方]
・大阪のお彼岸はどう違う?供養の特徴と寺院別の参拝ポイント
・秋のお彼岸はどう過ごす?大阪ならではの供養習慣と宗派別の違い
[参照]
・日本経済新聞|関西では常識、緑のおはぎの不思議
・ウェザーニュース|地域で異なる三色おはぎ 関西では青のりが常識だった
ぼたもち(ぼた餅)・おはぎはいつ食べる?仏壇に供える日(2026年の日程)
◇ぼたもち・おはぎは、お彼岸の7日間であればいつ供えても構いません。
一方で、中日にあたる春分の日・秋分の日が最も良いとされています。
…2026年の春分の日は3月20日(金)、秋分の日は9月23日(水)です。
…この期間中であれば、いつぼたもち・おはぎを供えても、家族でいただいても問題ありません。
ただ、なかでも先祖供養の意味合いが特に強い中日にお供えするのが、最も丁寧な過ごし方といえるでしょう。
お墓参りの際にぼたもち・おはぎを供えて拝んだ後、持ち帰って自宅の仏壇にも供え、家族で食べるのがおすすめです。
[2026年秋のお彼岸日程]
・秋のお彼岸2026年(令和8年)はいつ?彼岸入り~日程や過ごし方
[参照]
・国立天文台|令和 8年 (2026) 暦要項
・国立天文台|何年後かの春分の日・秋分の日はわかるの?
・内閣府|「国民の休日」について
ぼたもち・おはぎの簡単な作り方(材料)
◇ぼたもち・おはぎは、
・もち米:うるち米=1.5合:0.5合
・ゆであずき缶を使えば10~15個
…ほど手軽に作れます。
①もち米を炊く
②半殺し・全殺しにする
③おにぎりにする
④あんこで包む
…という流れです。
家族分だけ作るなら、ゆであずき缶を使うのが簡単です。もち米を長時間浸水させると水を吸いすぎてしまうので、一晩ではなく数時間ほどで十分です。
もち米を炊く
◇もち米とうるち米を5:1の割合で炊くと美味しく仕上がります。
…10〜15個ほど作るなら、もち米1.5合、うるち米0.5合、水2合、お塩ひとつまみが目安です。
炊き上がったら、おひつなどの器に移します。そのままおにぎりにしても良いですが、ご飯粒を潰す地域も多くあります。
【スタッフのマメ知識】
もち米100%で炊けば、すりこぎで潰す「半殺し」の手間なく、もちもち食感のぼたもち・おはぎが作れます。
炊飯器で実際に作ってみたところ、うるち米を混ぜずもち米だけで炊くと、もち米本来のつぶつぶ・もちもちとした食感がそのまま楽しめて、潰す作業を省いても十分美味しく仕上がりました。
もち米はうるち米より長めに浸水させ、水加減は少なめにするのがポイントです。米を研ぐ際は、最初のすすぎを手早く行うと吸水しすぎず、味に差が出ます。
ごはん粒を半殺し・全殺しにする
◇炊き上がったご飯粒は、すりこぎで好みの粒感まで潰します。
…粒が半分残る状態を「半殺し」、粒が残らないほど滑らかにした状態を「全殺し」と呼びます。
…春のぼたもちのこしあんは「全殺し」、秋のおはぎの粒あんは「半殺し」にあたります。
おにぎりにする
◇潰したご飯を、10〜15個ほどのおにぎりにします。
…春のぼたもちは丸く大きめに、秋のおはぎは小ぶりなひし形に整えると、それぞれの由来にふさわしい形になります。
もち米は熱がこもりやすいので、粗熱を取っても熱いことがあります。やけどに注意しながら握ってください。
あんこ玉を作る(缶詰利用の作り方)
◇ゆであずき缶を使えば、あんこ玉も手早く作れます。
…水分が多い場合は鍋に移し、煮詰めて水分を飛ばしてから使いましょう。
大きめのあずき缶1缶を10〜15個分のあんこ玉に分け、①で作ったおにぎりを包めば完成です。
小豆からあんこを作る場合の作り方
◇小豆から作る場合は、2回に分けて柔らかくなるまで茹でるのがポイントです。
…水洗いした小豆を熱湯で10分ほど煮て、一度ざるに上げてから、再びゆっくり煮詰めます。
…芯まで柔らかくなったら湯を捨て、小豆:砂糖=10:9の割合で煮ます(小豆200gなら砂糖180g以上が目安)。仕上げに水あめや塩を少量加えるのもおすすめです。
【スタッフの体験談】
子どもの頃、お彼岸になると、祖母の家に親族の女性が5~6人集まって、みんなでおはぎ作りをしていました。
もち米を蒸すのは祖母、あんこは前日から仕込んでいたようです。当日は、大人がもち米を丸め、子どもたちはあんこを丸める係でした。
完成したおはぎは仏前にお供えし、仏間に大きな机を出して、家族みんなで食べていました。作る時間そのものが、ご先祖様への想いを深める機会になっていたのかもしれません。
[法要がある場合のお布施の準備]
・2026年の彼岸でお布施は必要? 金額相場・宗派ごとの違い・渡し方を解説
お彼岸の行事食は他にもある?地域の違いも(精進料理・そば・赤飯など)
◇お彼岸の行事食はぼたもち・おはぎだけでなく、精進料理・彼岸そば・お赤飯なども食べられてきました。
…殺生を連想する肉や魚を避けた精進料理や、五臓六腑を清めるとされる彼岸そば・うどん、邪気祓いのお赤飯など、地域や家庭によってさまざまです。
・旬の野菜やきのこを使った精進揚げ
・ちらし寿司やいなり寿司
…などのお祝い料理を食べる家庭もあります。
行事食の詳しい種類や地域ごとの違いは、以下の記事もあわせてご覧ください。
[お彼岸の行事食]
・【2026年春のお彼岸】行事食はぼたもちだけじゃない?地域ごとの供養食とその意味を解説
[精進料理とは]
・精進料理とは?特徴や使ってはいけない食材など、精進料理を3分で分かりやすく解説!
まとめ|春はぼたもち、秋はおはぎ。名前・あんこ・形・供養の意味で覚えよう
◇春はぼたもち、秋はおはぎ。名前・あんこ・形・供養の意味を知っておくと、お彼岸をより丁寧に過ごせます。
…ぼたもちとおはぎの違いは、名前の由来(牡丹・萩)、あんこの種類(こしあん・粒あん)、形(丸型・ひし形)に違いがあります。地域によっては、あんこ・きなこに加えて青のりを使う「三色おはぎ」の文化もあり、味わい方はさまざまです。
※これらの由来や風習には諸説あり、地域や家庭、宗派によっても伝わり方が異なります。本記事で紹介した内容も、代表的な考え方の一つとしてご参考いただければ幸いです。
お彼岸にぼたもち・おはぎを供えるのは、小豆の赤で魔除けをし、ご先祖様へ感謝を伝えるためです。お供えした後は家族で食べる「お下がり」まで含めて、本来の供養とされています。
2026年の春分の日は3月20日(金)、秋分の日は9月23日(水)。中日を中心に、家族でぼたもち・おはぎを作ったり供えたりしながら、ご先祖様に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
[2026年9月の年中行事カレンダー]
・2026年9月の年中行事カレンダー|シルバーウィーク・秋のお彼岸はいつ・どうなる?
【執筆・監修:永代供養ナビ編集長】
株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長 藤橋 靖雄
1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍中。
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